2011年12月25日日曜日

「足場」のある算数授業の新展開 掲載中!

昨日から大雪です。いよいよスノボもできそうです。

 さて、ブログアップをさぼっていましたが、石田先生が「楽しい算数の授業」(明治図書)に4月から足場の新展開について連載中ですので、ぜひご覧ください。できれば、感想なども交えて紹介していきたいと思います。

2011年12月4日日曜日

多様な考えを生かす「考える足場」!

期末事務真っただ中です!仕事が一段落しましたので、先日のyunitobeさんの書き込みでのご質問の答えになるかどうかですが、アップさせてください。

これは、平成19年度に、石田先生の「考える足場」の講演を聴いて、自分もやってみたいということで実践した授業です。(初めての足場の授業でした)

この流れで行くと、従来の課題解決型の学習ですよね。でも、今までの導入と違い、前時で行なった「平行四辺形の求積」のいろいろなやり方を足場にした授業です。まだまだ研究不足で、足場の授業になっていないと自己反省しました。

足場(ステップ)は、主問題1で全体解決できるための足場

足場(ステップ)と主問題1は、主問題2で自力解決させるための足場

このことを学んだ授業でもあります。

しかし、多様な考えを生かす授業として、石田先生の著書にも、青森県長者小学校の実践として、似たような授業が載っていました。(「考える足場をつくる算数科授業の創造」明治図書P102~)

つまり、前時で行なった平行四辺形の多様な求積方法を足場とすることも、主問題を解くための足場となるということです。その結果、子供たちからも多様な三角形の求積方法が出されました。従来の指導と違い、足場があるおかげで、子供たちがどんな方法で解決するかの決定がしやすく、足場を見ながら、自分なりの考えを持つことができるということです。

足場の授業は、「教えて考えさせる授業」ということで、やり方を限定し、その方法だけで問題を解かせるというイメージがあると思います。しかし、そうではありません。多様な考えを求める授業もあり、多様性を足場とする場合もあるのです。そんなことを、4年前の実践から、改めて考えさせられました。



研究をしている学校では、来年度、足場の授業のパターンを変えたり、多様な考えを生かす授業を展開するなどの発展的な方向性も有効であると思います。

私も、この多様な考えを生かす授業を展開してみたいと思います。

2011年11月30日水曜日

「与える足場」から「つくる足場」へ

今日は、分数のひき算でした。昨年度の実践では、主問題1(全体解決)でたし算をやって、同じ考え方を使って、主問題2で引き算をやってみたところ、何の抵抗もなくねらいに到達できました。

しかし、今回は3年であることと、昨年度の4年のように分数の意味がしっかりと理解できていない実態などから、教科書通りに、たし算と引き算を分けてしどうすることにしました。

今回の取り組みは、「与える足場」から「つくる足場」への移行です。春から足場の形で慣れてきた子供たち。足し算で十分に「○の何個分」という見方考え方をさせてきたので、つくる足場でもやっていけるだろうと考えました。結果は、以下の通りでした。
板書をご覧ください。左にある考える足場(ステップ)には、本時に説明させたい内容の足場がありません。あるのは、たし算と同じところ、違うところという板書だけです。

1/5をもとにして考えること、たし算が引き算になることが、子供たち自ら気づきました。このことを足場にして、主問題1を説明させたところ、実にスムーズに説明することができました。全体解決をするまでもなく、自力解決でも抵抗なくできる様子でしたが、全員に確実に説明させたかったことから、みんなで話し合いをしました。

ここで、あることを取り上げてみました。それは、自主学習で、予習をしてきた女の子のノートに、(4ー2)個分でなく、(4+2)個分と書いていたので、この誤答を使おうと思ったのでした。

「予習では、昨日と同じように+だと思っていたんですが、引き算だから4ー2だとわかりました。」
と発言した時、周りの子供たちから自然と拍手が起こりました。

「間違いは宝だ!」と常日頃から言っていたからだと思います。

「今度から自分たちでステップを作ってみたい。」という子供たちの声。もちろん、全員ではないが、確実に既習の考えに目を向けて問題を解くという思考の流れが身についてきています。

<「つくる足場」の実践をしてみて感じたこと>

・自ら考えよう、説明しようという意欲が高まる。
・既習を元に考えようという数学的な見方考え方が身につく。
・整数をもとにして考えることの大切さを知る。
・説明の仕方が、さらに身につく。
・もっといろいろな計算をしてみたいという発展的に考えようとする。
・いろいろな違う数字でも説明してみたいという意欲が見られる。

「考える足場」の指導は、最終的には子供たち自ら問題の系統性に気づき、それらを利用して解決できるようになっていくのだと確信しました。

2011年11月29日火曜日

分数のたし算の足場、整数でも有効!

初雪から寒さも一段落という感じですね。
さて、今日は3年の分数のたし算でした。昨年度も、3・4年の担任団で授業を見せ合いしながら、研修を深めたところなので、ここは一つ、昨年度の通り(ことしの2月のブログ参照)の授業をしてみることにしました。

しかし、問題がひとつ。昨年度は、小数を既習として足場にしましたが、今年の教科書は、小数が分数のあとということで、小数は使えないことに気づきました。

授業の前に、大事にしたいと思ったことは、とにかく、単位分数のいくつ分かをすぐに言えるようにしておくこと。そのためには、前時までにその思考の流れを作っておくことにしました。

(前時の板書です)
単位分数がいくつ分になるかをしっかりと捉えさせておきます。3年生は、まだまだ分母や分子の意味を捉えられない子供もいましたが、徹底的にこのことをおさえました。

次に、どんな足場を与えるかということです。小数が使えないとなれば、整数しかないと考えました。

(本時の板書です)


100+200=300

低学年でもわかるこんな単純なたし算の意味づけを足場にしました。100をもとに考えさせて、説明させるのです。

100は100が1こ分、200は100が2こ分 だから100+200は100が(1+2)こぶんで300

100円玉が何個になるかと考えさせると、1+2の計算になるという単純な考えで説明させます。
これを足場にして、分数の問題を提示したところ、子供たちは、単位分数のいくつ分かというところを、1+2で考えればよいことにすぐに気がつき、足場の説明と同じであることがわかると、全体解決を待たずに、自力解決できそうな状況でしたが、あえて、液量図で確認させてから、説明させました。足場のおかげで、簡単に説明することができました。

次に、自力解決。これも、足場と主問題1の説明により、全員が説明を書くことができました。しかも練習問題とドリルの問題すべて全員が正答を得ました。

『分母を足さずに、分子だけの足し算をすればよい』

これだけのことを教えるのは、簡単です。どんな教え方をしても、きまりさえ理解させれば、計算問題は正答が出せます。

しかし、なぜ分母を足さないかという素朴な疑問を無視して進めることになります。この授業では、子供たち自らこの疑問を持ち、自らそれに説明することで答えていくという流れができました。それは、整数のたし算を足場にして説明させたことで、分数のたし算という未習の内容を簡単に説明できました。

「1/5が(1+2)こ分という説明がしっかりと理解できた子供たちからは、なぜ分母を足さないのかという理由をしっかりとつかんでいました。

計算の答えが正確に求められたということだけでなく、考え方がしっかりと定着できた足場の授業になりました。

明日のひき算の授業は、たし算を足場にして進めてもいいのですが、ここはあえて、子供たち自ら足場を作り出す授業に挑戦してみたいと思います。日々、このような実践を積んでいけば、一人一人に数学的な考え方が身についていくのでしょうね。

2011年11月21日月曜日

自分なりに足場!


小数のたし算の授業について「足場」の考え方?を使って挑戦してみました。

 「問題1」では,既習事項の小数のたし算でポイントを整理しながら解いてみました。
解いた問題は,隣の席の友達と「①解き方のポイント②解き方の流れ」について,確認の意味で説明をし合うようにさせました。

「問題2」では,小数の桁数が異なる問題でした。
この問題は「自分一人で解ける?迷ったときのヒントは黒板で確認しようね。」とだけ言い,自力で解かせました。一般的なミスとして,正答隣に板書した整数同士のたし算と同様の解き方となってしまう場合があるかと思います。しかし,問題が簡単なのか,既習事項や「問題1」のヒントを生かしたのか,全員が正解する事ができました。

この時,「1.4の隣の小数第2位には,ゼロが隠れている。そう考えると,間違いをしにくい」といった発言がありました。あまり,算数が得意ではない児童でしたが,一生懸命発言してくれました。すると,「なるほど!」という声が上がり,「ゼロをつけるというか,小数点がずれて筆算をたてたら,そもそも意味が通らない」などという声も上がり,意見交流を3分程行う事ができました。

その後,お互いの解き方のポイントと流れをもう一度ペアで確認させた後,適応題を10問程解いて,授業が終わりました。


(成果)
・やはり,習った事を「意図的に生かす(生かさせる) 」ことは,児童への安心感を高めてくれます。不安そうな児童にも,黒板のヒントやさっき,みんなで解いた流れを生かせないかな」と言うと,すっきりした顔で問題を解き始めてくれます。

・教師が系統性を意識せざるを得ない授業になります。普段,なかなかゆっくり授業の準備ができないこともあります。経験のない自分にとって,瞬時に系統性を意識したり,重要ポイントを精選して授業を構築するのは非常に難しいです。しかし,このような「足場」を意識した授業を実施すると「単なる前時の復習」ではなく,時には「算数という教科の単元の系統性 」時には「前時の授業をいかに生かすか」という所に主眼をおかざるをえなくなります。教師自身の思考がポジティブになります。

しかし,様々な解き方がでてくる問題には,どのような「流し方」があるのか。
例えば以前,面積の問題の解き方を足場でやっているのを見ましたが,記憶が薄れてきてしまいました(笑)

また,教えて頂いて,足場を生かした授業のバリエーションを増やしていきたいです。






2011年11月19日土曜日

考える足場の授業のタイプ!

先日、梨郷小学校で資料だけ渡して、説明をしなかったので、この場を借りて説明させていただきます。
自分が足場の実践をしていて思ったのは、下記の①のタイプだけが足場の授業だと思っていました。ある時、「今日の足場は、必要なのかな?」と思ったことが何度かありました。また、単元の終わりごろ、「一人一人みんな説明できるようになったので、あえて足場なしでやってみたい。」などと思うこともありました。

そんな時、石田先生の本を読んでいたら、足場のタイプにはいろいろあるという内容がありました。足場の授業で、子供たちが自ら既習事項と関連付けられるようになったら、主問題1を最初に与えてもよいということです。さらに、どんどん力がついてくると、いきなり問題を提示し、子供たちにいろいろと話し合いをさせながら、まとめていくというタイプもあるということです。(以下、資料と同じ文面です)

1 足場の授業(指導過程のタイプ)はいろいろある
(1)「考える足場」の指導法の3つのタイプを、内容に応じて組み合わせる。
①「教師が足場を与える」または「教師と子どもが一緒につくる」【足場の基本】
足場-主問題1(全体解決)-主問題2(自力解決)-学び合い-まとめ-適用・発展
②「子どもが友だちと相談して足場をつくる」(主問題から入り、友だちと相談して解法の見通しを話し合わせる)
発問例;「この問題を解決するのに、習ったことでどんなことが使えそうですか。」
主問題1(提示)-足場をつくる-主問題1(考える)-主問題2-まとめる
③「子どもがつくる足場」(主問題を1つにしてじっくり考えさせる「任せる」タイプ)
  主問題-まとめる-適用・発展



<単元指導計画> ・単元の導入・前半…① ・単元の展開…② ・単元の終末…③

 
 

(2)理解度の実態によって
  主問題1で定着していない児童が多い場合、主問題2でも全体解決をする。
 
  基本的な考え方は、足場を与えることにより全員が解けるようにしてから自力解決させることであるが、慣れてくると足場をつくれるようになるなど、既習との関連を意識することができる。

 (ここまで)
足場の研究をしていると、基本となる①だけが足場の授業であるかのように思っている場合が多いと思います。自分もそうでした。今回の授業研でも、基本形の授業を見せていただきましたが、②、③の授業に変容していくのが、本来のねらいであると思います。ですから、たとえば単元の最後の方などで、説明する力をどんどん発揮させ、伝え合う力(表現力)を身につけることができるはずです。2年目、3年目は、このような研究の方向性もあるかと思いました。

自分のクラスでも、「今日は、ステップ(足場)なしでいくぞ!」と言うと、既習の説明をしっかり活用できる力が身についてきました。ですから、②のレベルまで到達していると思います。さらに、③のような授業をめざしてがんばっています。これには、公開研で発表したように、「対話力」も必要です。対話もさらにレベルアップしていきたいです。

2011年11月16日水曜日

考える足場の授業研究に参加して

今日は、山形県では初雪が降りました。本格的な冬も目の前。風邪に気をつけて元気に過ごしましょう。

さて、本日は梨郷小学校の授業研究会に参加させていただきました。足場の授業を見られるとあって、参加希望して行きました。

<3年「分数」>
内容は、分数のたし算の授業でした。この授業は、昨年度私も行った授業でした。その時の足場は、小数でした。(今年の2月のブログ参照)

今回の足場は、数直線で単位分数のいくつ分かの表し方を確認するものでした。

そして、主問題1で、2/5+1/5を考えさせるという流れです。主問題でも、数直線で表すということで、単位分数のいくつ分をとらえさせていました。




 この授業のポイントは、もとになる大きさの何個分という見方を重視することだと思います。
20は10が2こ分
30は10が3こ分  20+30は10が(2+3)こ分だから50

0.2は0.1が2個分(以下省略)

2/5は1/5が2個分(以下省略)

つまり、整数の考え方がもとになっているので、小数でも分数でも考え方は同じという見方をさせることになります。この系統性を見出させることが、数学的な見方考え方を育てるのだと思いました。

<5年「割合」>
この授業の主問題は、「定員が150人の電車があります。乗車率は68%でした。乗っているのは何人でしょう。」です。


足場にしていたのは、「定員が150人の電車に、120人乗っています。乗車率は何%でしょう。」という前時の問題を足場にしていました。

もとになる量、くらべる量、割合の3つを区別しながら、ていねいに公式化した授業でした。ワークシートや板書は、スパイラルに足場を振り返ることができるように、とても見やすくなっていました。

ここで考えたいのは、本時の主問題は、既習のどういう内容とつながっているか(系統性)を考えてみると、前時の解き方も、もちろん足場になるわけですが、この問題は、低学年で学習した、「何の何倍はいくら」という考え方と同じです。2の3倍はいくらがという基本的な考え方と同じです。つまり、68%を0.68という既習の見方が基本になっているので、このことを足場とすることが、整数を既習とする考え方をであるということで、数学的な考え方を身につけることにつながってくると思われます。

3年、5年の授業の両方に言えることは、何を足場にするかを考える時、整数の考えと同じところは何かを考えることです。

3年では、10の2つ分は20という、もとになる量のいくつ分かという整数の考え方
5年では、2の(3つ分・3倍)は6という整数の考え方

いずれも、低学年で学んだ整数の考えが、分数や小数、割合などでも同じように使えることを教えることが大切であると思います。

今回の授業で、このようなことを再認識しました。3年生も5年生も、足場だろうが何だろうがとにかく 新しいものを学びたいという意欲あふれる子供たちでした。

梨郷小学校の先生方の事後研での話し合いも、参考になるご意見がたくさん出されていました。授業研究に参加させていただきまして、ありがとうございました。

2011年11月9日水曜日

多様な考えと「考える足場」

今日、南陽市の研修会がありました。個人研究の発表ということで、昨年度、考える足場についての実践発表をさせてもらった研修会でもあります。

参加した分科会の発表で、2年算数の実践がありました。算数的活動を取り入れることで、わかる算数にしようという内容でした。2年生の子供たちは、算数的な活動に慣れ、それを手掛かりに意欲的に解決する姿が想像できました。

その中に、「だいはかせ」(だったと思います)というネーミングで、数理的処理のよさを感得させているということでした。「だ」は誰でも、「い」はいつでも、「は」は速く、「か」は簡単に、「せ」は正確にということで、その頭文字をとったものをネーミングしていました。

数理的な処理のよさという言葉は、もう何年も前からあった言葉で、以前、自分も、黒板の上に「はやい、かんたん、いつでもできる」などという文言を掲示して、多様な考えを練り上げる時に、必ずこの言葉で発問していました。

多様な考えを比較検討するといっても、数理的処理のよさの観点でどれが速くて簡単かという比較検討の話し合いや、いろいろな考えの共通点を見出すことで一般化する話し合いかに分かれるかと思います。算数のよさという広い言葉で言われることもあり、算数指導では欠かせない要素であると思います。

しかし、考える足場の授業では、多様な考えの比較検討というのがとても効率的に行われます。というより、多様な考えが出されない場合が多いと言う方が適切でしょうか。

課題解決学習では、できるだけ多様な考え方を出させ、比較検討することにより、思考力を高め、数学的な考え方を養っていくということが基本です。考える足場の授業では、比較検討をしないのではなく、自力解決する前に比較検討を全体で行うという点で、手法が違います。考える足場を固めた後、主問題1では全体解決になりますが、足場を与えているといるので、この時点で多様な考えはあまり出ることはありません。

多様な考えの比較検討こそが、数理的な処理のよさを感得し、数学的な考え方を養うという考えもありますが、この時、苦手な子供はこの話し合いに参加できません。何を話し合っているのかわからないからです。

この点、考える足場の授業では、説明の仕方や考え方をみんなで共有していくというスタンスで指導しているので、苦手な子供も一人一人が理解できるのです。

では、数理的な処理のよさは味わえないのかという点です。教師から、あえて誤答やつたない考えを提示して比べてみるなどの工夫で、よさを感得することができます。それよりも、足場の授業をしていると、よりよい考えを既習とのつながりで考えるようになるので、自らよさに気づけるようになっていきます。多様な考えの比較検討を否定しているのではなく、より効率的に行うことができるということなのです。足場の授業を実践している先生方、自信を持って実践しましょう!

(つけたし)
今日の研修会でお会いした先生に、「ブログみて参考してます」と言われました。とてもうれしく思いました。読者に登録してくださいという話をしました。みなさんも、読者になって下さい。読者になると書き込みができます。でも、登録したからと言って特に何もかわりません。ニックネームでも結構です。また、実践や疑問なども書き込んでみてください。一般の方も、コメントいただけると励みになります。よろしくお願いします!

2011年11月5日土曜日

考える足場と対話により、自ら学ぶ子供たち

かけ算の筆算3教時目の授業。
前日の繰り上がらない場合の筆算を足場にして、十の位に繰り上がりがある場合の筆算に挑戦!ステップ(足場)でみんなでやり方を一緒に唱えた後、本時の主問題1では、予習してきたこともあり、「かんたんだ!」という反応。今日は、さらっとやり方を確認して、たくさん問題を解く授業になると予想しました。

ところが、一の位の3×6=18をある子に書かせたところ、たし算の筆算と同じように、かけられる数の十の位の上に小さく「1」と書きました。そのことから、次々に意見や質問が出されました。

「たし算と同じように上に書いたら、1も3倍してしまうんじゃないですか。」

「どうしてかけ算なのに、かけた答えをかけられる数にたすんですか。」

「そこに書くと、答えがちがってきます。」

上に書くという子供は、2名ほどいました。この質問をされて、どう返答してよいかわからない様子だったので、上に書いた子供に計算の続きをさせたところ、ただ上に書いただけで、20とたすことは考えていないようでした。つまり、答えを書くところの上に小さく「1」と書くやり方と同じだということがわかり、みんな納得しました。

この子供の書き方でも、間違えなければ問題はないと思いますが、数字が大きくなったり、小数など複雑になってきた時に間違うことが予想されます。それで、従来通りの書き方をすることになりました。

この子供の発想は、自分にも予想がつかず、戸惑いもありましたが、他の子供たちもいろいろと考えるきっかけになり、繰り上がる時の注意点として受け止めることができました。

このような場合、教師が「ここに書くんだよ」と言えば、数秒で済むことなのですが、子供たちのいろいろなこだわりを納得させるには、こうした対話による学び合いで自分の考えをしっかり伝えることなのだろうと思います。この子供だけでなく、一人一人が考える授業になりました。

2011年10月31日月曜日

かけ算の筆算の足場は?

今日から3年生のかけ算(筆算)に入りました。

23×3(主問題1)という式を立てて、計算の仕方を考え、筆算につないでいくというものです。

足場は、20×3=60 にしました。これがわかると、23を20と3に分けることができれば、容易に計算できるということになります。

23を20と3に分け、それぞれを3倍し、合わせればよいわけです。次のように説明させました。

まず、23を20と3に分けます。

次に、20×3=60

その次に、3×3=9

だから、60と9で69

20×3を足場にしていたので、この全体解決は容易にできたました。

そして主問題2で、47×8をさせたところ、40と7に分けたところまではよかったのですが、

40×8とすべきところを、40×7としていた子供が3人ほどいました。その理由は、主問題1で、20と3に分けたあと、20×3をやっていますが、分けた数同士でかけるのだと思い込んでいたのです。主問題1に、3が二つあったのが、間違いの原因だったことを知り、教科書通りの数字を使わない方がよかったという思いと、ここで間違いを発見できたからよかったという思いがかけめぐりました。

公開研究会終わりました!

ようやく公開研究会が終わりました。当日は、3年国語の「詩を楽しもう」(光村)の授業でした。金子みすゞの「わたしと小鳥とすずと」という詩で、「みんなちがってみんないい」という有名なフレーズは、この詩からのものです。


もう一つは、岸田衿子の「みいつけた」という詩です。どちらも、独特な物の見方があり、感性豊かな目を通して感じたことを表現している詩であると思います。


この2つを扱う授業ということで、「2つの詩をくらべて、にているところと違うところをみつけよう。」というめあてにしました。

みすゞの詩を詳しく読み取り、それを足場にすれば容易にくらべることができるだろうと考えました。結果、リズム、繰り返しの言葉、3つの連からできていることなど、どんどん意見が出されました。




今回の授業では、『対話』を研究の重点に取り上げていました。子供たちも、少しずつ対話ができるようになってきました。事後研究会でも、諸先生方からいろいろなご意見をいただきました。
・相手意識を持って話をしている。
・考えが変わったことを言うことができる。
・目で聴くなど、聴く姿勢ができている。
・言葉のキャッチボールがきちんとできている。
・声が大きい。
・言葉にこだわりをもって、きちんと反応している。

などなど、対話に関するご意見をたくさん頂戴しました。

最近は、普段の授業で、「気づいたことがあります」とか、「疑問に思ったことがあります」、「○○さんの意見に付け足します」などということが自然に出されるようになりました。発問する前に、すでに問題意識を持っているということもありました。今後の対話が楽しみです。

関係者の皆さん、ご指導ありがとうございました。

2011年10月20日木曜日

たった一人のあなたへ

いよいよ公開研究が来週に迫りました。ご参会のみなさん、26日はよろしくお願いします。

さて、先日、校長先生より交通安全研修会の資料をいただきました。平成8年に、交通事故でお子さんを亡くされた渡邊さんという方の手記です。
(ここから)

たった一人のあなたへ

あなたの誕生日はいつですか?
どんなごちそうとプレゼントで、祝ってもらうのでしょう?
家族みんなが、その日を待っているのでしょうね・・。

3月3日のひな祭りは、娘の誕生日。その日が私の一番辛い日です。
大切な記念日なのに、おかしいでしょう?

あの子の靴も、服も、机も、何もかもがあの日のまま残っているのに、
あの子の誕生日は必ずやってくるのに、あの子だけがいないのです。
いなくなった日からもう何年も過ぎたのに、「ただいま、お母さん!」と元気に
帰ってくるような気がしてならないのです。私は、心の中でじっと息をこらし、
あの子が帰ってくるのを待っているのです。

「大人になったらなんになるの?お花屋さん?誰か好きな人のところへ行っちゃうのかな?」
わくわくする気持ちで娘に尋ねた時のことです。
「そんな悲しいこと言わないで!私はずっとお母さんのそばにいる。」
そんなことを言ってくれる優しい子でした。

どうしてあの子が急にいなくなってしまったのでしょう。どうしてあの子だったのでしょう。
「守ってあげられなくてごめんね。」
もう二度と笑うことのない冷たい頬を、何度も何度も撫でました。
できることならもう一度抱きしめて大好きだと伝えたい、もう一度髪を結ってあげたいのです。
もう一度声を聞かせて下さい、神様。
今、私は、何をしたらあの子が喜んでくれるのかを考えています。
いつかあの子に会える日が来たとき、
「お母さん、頑張ったね。」と言ってほしいから・・。

毎日当たり前に会える家族を失ってわかる、当たり前の幸せ。
あなたがそばにいることでうれしい人がいて、あなたが生きていることで、勇気が出る人がそばにいます。
あなたは、何ものにもかえられない宝物。だって、この世でたった一人しかいない「あなた」なんですもの!

(手記ここまで)

(本人コメントここから)

娘、祥子は、いつも私の傍にいるのが当たり前すぎて、その存在がいかに大きくてかけがえのないものだったのか、幸せすぎていた私にはわからなかったのです。
日々の暮らしに追われながらも、家族が一人として欠けることなく過ごせるということが、いかに大切で尊いものであるのか・・・。
このことを少しでも多くの方に伝えることができたなら、私はいつの日かまた、祥子に逢えるような気がしているのです。

                                         山形市   渡邊 理香
(ここまで)

この研修会の記事は、地元新聞にも取り上げられていました。渡邊さんは、お子さんを亡くされてもけっして不幸ではないと思います。それは、「このことを少しでも多くの方に伝えることができたなら、私はいつの日かまた、祥子に逢えるような気がしているのです。」という生きる意味を見出しているからです。

子供がいて当たり前、毎日ご飯が食べられて当たり前、すべての当たり前の幸せに感謝したいと思いました。

2011年10月13日木曜日

太田先生の教えは、永遠に伝わっていく

3年生の算数で、今、重さを学習しています。単元の最後の方に、メートル法についての表があります。1メートルを基準にして、キロは1000倍で、センチは1/10などという長さの関係が、かさでも重さでも同じ言い方をするというものです。たとえば、1L=1000mLとか、1㎏=1000gなどの関係は、すべてメートル法で定められた接頭辞である「ミリ」「キロ」などの意味からくる関係です。

このメートル法を教えていた時、ふと自分が4年生の時のことを思い出しました。4年生の時の担任が、産休をとったために臨時の女の先生が担任となりました。太田よう先生です。退職なさった方で、私たち4年生から見ると、おばあちゃん先生でした。

この先生は、ご年配でしたが、子供の気持ちをつかむのがとても上手な先生でいらっしゃいました。算数の時間は、グランドに出て10メートル四方の正方形のラインを引き、その中で鬼ごっごをさせてくれました。先生はこの遊びを、「1アール遊び」と呼んでいました。当時、なんで算数の時間にグランドで鬼ごっこをするのかわかりませんでしたが、教室の学習より楽しいので、まあいいかと思って楽しんで遊びました。それ以降、アールやヘクタールとい単位が出てくると、必ず「1アール遊び」の時の広さが具体的にイメージできました。「太田先生があの遊びをさせたのは、量感をつかませたかったからだったのか。」と気づいたのは、教員になってからでした。

その太田先生が、メートル法の授業をしていた時、私たち4年生が難しそうにしているのを見て、「こう覚えると楽しいよ。」と言って、次のようなことを教えてくれました。

「キロキロ」と、「ヘクト」「デカ」けたメートルは、「デシ」に見られて「センチ」「ミリミリ」

教室中大笑いになりましたが、私たちはみんなで楽しく唱えたものでした。その後、メートル法が出てくるたびに、この呪文(笑)が頭に浮かびました。そして、今現在、自分が教師として同じことを子供たちにこの呪文を教えると、やはり教室中が大笑いになり、みんなで楽しく唱えることができました。

さらに、このことで興味を持った子供たちは、
「キロの上の単位は何ていうのかな?」「ミリより小さい単位はあるのかな?」
などという疑問を持ちました。私は、あわててネットで調べ、「ギガ」「テラ」「ペタ」「エクサ」「ゼタ」「ヨタ」などの1000倍ずつの接頭辞と、「マイクロ」「ナノ」「ピコ」「フェムト」「アト」「ゼプト」「ヨクト」など、1/1000倍ずつの接頭辞を 黒板に書きました。

その時、ふだん言わないとノートに書こうとしない子供までもが、目を輝かせてこの接頭辞を書きとっていました。
「覚えなくていいのに、なんでノートに書くのだろう?」
と、不思議に思いましたが、これが興味を持って学ぶということだとわかりました。子供たちの、この意欲は、太田先生による呪文や「1アール遊び」のような何気ないことから発しているんだと感じました。毎時間、こんなことをすることはできませんが、教師が子供たちの学ぶ意欲を喚起することが、いかに算数を好きにさせるかを、このメートル法の指導で再確認することができました。

今は天国にいらっしゃる太田先生は、いつも私の中で笑顔で応援して下さっています。ありがとうございます。この子供たちも、いつかどこかで太田先生の教えを伝えていくのでしょう。

2011年10月10日月曜日

心機一転!

皆さん、3連休はいかがでしたか?
天気に恵まれ、行楽日和でしたね。スポーツや芋煮会など、たくさん楽しんだのではないでしょうか。

さて、今日は3連休最終日!先日、金スマで見た掃除のことを思い出し、自分の部屋の大掃除をしようと思いました。

金スマでは、まだ使えるかどうかではなく、自分にとってときめくものかどうかで決めなさいというご指摘がありました。

過去の研修会やら指導案やら、いろいろな資料をきちんととって置いたのですが、ここ数年開いてみたことのある資料は、ほとんどありませんでした。本も、過去に読んだものを並べていただけで、10年以上触れていないものばかり・・

今後の参考になるだろうととっておいた資料や本。でも、全然使わないし、やはりときめくものがほとんどないと思い、すべて捨てることにしました。本はBOOKOFFで売り、3000円にもなりました。

金スマで指南されていた先生によると、ときめかないものを全て捨て去ることにより、新しい風が吹いて人生が変わると言っていました。昔読んだ本との別れは、ちょっと辛いものもありましたが、過去の自分を捨て、新しい自分に心機一転できたようで、心が軽くなりました。

自分が読んだ本も、どこかの誰かに読まれ、感銘を与えるかと思えば、すっきりしてきました。いつまでも過去にしがみついていた自分とさよならできたような気分になりました。

日々、新しい自分を見つけていきたいと思いました。

2011年10月1日土曜日

自ら学ぶべきは教師

今日は息子のサッカー部新人戦!ぜひとも勝たせたかったが、やはり勝負の世界・・なかなかきびしいです。

さて、きのう市の教育長の講話を聴く機会がありました。学力向上についてのお話でしたが、共感する部分が多く、アップすることにしました。

一言で言えば、若手教員や他の教員に、今まで培ったいろいろな教育技術を伝え、学力を上げてほしいということです。当然ながら、学校研究やらでみなさんによりよい授業を提案しているわけですが、ここで教育長は研修という言葉に触れていました。研修というのは、教育法規に定められている通り、教師は常に研究と修養に努めなければならないという内容があります。教育長は、そういう定められた研修ではなく、いろいろな面から他の教師に自分の培ったことを広げたり、議論したりしながら互いに伸びていかなければならないということをおっしゃっていました。

決められた研修についてきちんとやる先生方は、とてもすばらしいのですが、今一つ足りないところがあるように思われてなりません。

それは、主体的な研修です。もちろん、明日の授業に向けての教材研究を日々行っているわけですが、新しい指導法についての実践研究や、主体的に授業を見せ合って深めるという雰囲気は欠けているような気がします。

学校研究や市町村単位などの教科研究会という組織を通しての研修の機会はあります。しかし、すべて義務的な研修です。ですから、「どんな研修をしたいか」ではなく、「何をすればいいの」という受け身的な意識で参加しているような気がします。

学校現場は忙しすぎるというのはわかります。しかし、よりよい授業をして学力を上げているというすばらしい実践をしている先生もたくさんいます。そういうことを主体的に学び合うことが大事だと思います。

米沢の先生がおっしゃっていました。
「研究会を何度か立ち上げようとしたけれど、主体的に学ぼうという先生はいませんでした。」
忙しい、魅力がない、目標とする先生がいない、必要がない、報告する実践がない・・・などいろいろな理由が考えられます。

まずは、自分の実践研究をしっかりと行い、賛同していただける先生を一人でも多くしていくことが大事かなと思いました。こういう気持ちが、自ら学ぶ子供を育てていくことにつながるのではないでしょうか。

先生方、決められた研修の場だけでなく、主体的に学びあいましょう!
自分の実践を紹介し、 議論しながら互いに伸びていきましょう!

2011年9月28日水曜日

「重さ」の足場を「長さ」で

今日は、参観日でした。

3年算数「重さ」をすることになりました。ちょうど第1教時ということで、天秤を使うことにしました。

ビニールテープとのりの重さを比べるという内容です。

1 直接比較(2つを天秤に乗せて、直接比べる)
2 間接比較(天秤の片方に一つを乗せて、もう片方に積み木を乗せ、積み木の数を数え る)
3 積み木でなく、普遍単位である1gを知り、単位を元に二つの重さを量る。

この流れで、重さについて普遍単位のgについての理解を深めるという内容です。本時の足場は何かと考えました。単元の導入だから、足場は必要ないのかなとも考えました。しかし、導入だろうと既習の知識や技能、アイディアは必ず存在するだろうと思いました。

そこで、同じ量と測定の領域で、長さが既習であることに気がつきました。2年生の算数で、二つの直線を、直接比較、間接比較、普遍単位という流れで学習しています。この考え方を足場にすれば、重さも同じであるという見方を養うことができます。

実際の授業では、長さくらべを足場にして重さとの共通点から同じように重さの普遍単位へと流すことができました。板書では、主問題だけですが、実際にはそれぞれのグループごと直接比較と間接比較により、2つの物の重さを比べることができました。

g(グラム)については、日常生活で知っていたり使っていたりするわけですが、まだまだ3年生は重さの概念がよく理解できていません。授業では、初めて重さを学習するわけですが、実は長さと同じ考えでとらえることができるということを理解できた授業だったと思います。

類推思考という数学的な考え方は、このようにして養われるのだろうと思いました。

この授業をご覧になられた保護者の方々からも、コメントいただけるとありがたいです。

2011年9月20日火曜日

講演「対話力を育てる」 目白大学 多田孝志先生

「C改革」・・これは山形県が数年前に掲げたものです。Cは、コミュニケーション。もちろん授業では、交流とか関わり合うという言葉で、学校研究でも取り上げている学校が多数あると思います。他者と関わる力は、これからの国際社会を生き抜くために重要な力であることは、誰しも認めるところです。しかし、関わらせる場を設ければそれでよいのか、どういうのが関わるというのか、どうすれば関わる力が身につくのか、などということをはっきりとらえないままに、授業や研究をしていることが多いのではないでしょうか。
 
最近「対話のある授業」という言葉をよく聞きます。対話を辞書で引いてみると、「直接に向かい合って互いに話をすること。また、その話。多くは二人の場合にいう。対談。」などという解釈がありました。今までは、そういうイメージでとらえていましたが、授業での対話というものは、もっと奥深いものがあります。自校の学校研究の中心にこの対話というものがあり、いろいろと学ぶうちに、対話のある授業の意義が、少しずつ理解できるようになってきました。(実践は、まだまだですが・・)

そんな時、本校に目白大学の多田先生をお迎えしての講演会を開催するという機会がありました。多田先生は、対話に関する第一人者として知られている先生です。多田先生の講演では、学ぶべき点が多々ありました。

(以下、講演の抜粋)
・最近の日本人に問われているもの。それは、対話力。しかし、公的な場面で自分の考えを言えない日本人。次々に意見を言う力、新しいものを考える力、深める力・・日本人はこういう力が弱いとされている。

・対話というものは、自分の考えが対話によって変わるおもしろさ、自分を出して表現することのよさが実感できる。批判には、愛がなければらなない。

・意見を言ったら終わりという意識があるが、やりとりが生まれるものでなくてはならない。つまり、形式的な対話は意味がない。

・子供自身が変わる喜びを味わわせる。(対話への意欲の喚起)響き合い、創り合い、伝えあい、通じ合うことが大切。

・対話の喜びの感得。知的爆発(知的化学変化)を促していくが、一部の子供だけでなく全員が話をすることに意義がある。意見を言えない子供を大切にしていく。(教師の見とりやコメント力がカギとなる)

・正確に聴く、励まし勇気づけながら聴く、批判しつつ聴く、引き出しながら聴く。

・スピーチ力を高める ⇒ 自分の考えを持つ、伝えたいことを魅力的に表現する、聴き手を引きつけるための意思や情熱が大切。

・対話力を高めるためのスキルを日常化する。(じゃんけんで質問をし合う、今日会ったことを話す、絵を見て気づいたことをたくさん書かせる、オープンエンドの問題場面でたくさんの答えを見つける・・など)
 (ここまで)

うちのクラスは、積極的に意見を言う子供がたくさんいますが、まだまだ発言できないでいる子供がほとんどです。日常的にスキルを高めなければ、対話は生まれないと思いました。やはり、実践ですね。

この講演会を通して、対話のある授業像が少しずつ見えてきました。

講演後、夕方多田先生との懇親会に参加しました。C改革にも深く関わっていらっしゃることもお聞きしました。またまた、いろんなお話をお聞きすることができ、うれしく思いました。
多田先生、ありがとうございました。

2011年9月12日月曜日

「教えずに考えさせる授業」とは

 運動会も終わり、学力充実の時期になってきましたね。

 というわけで、教科指導にじっくりと取り組んでいきたいと思います。

 さて、「教えずに考えさせる授業」(算数)とは、どんなものなのか。

 ・授業中に教科書を閉じておく。
 ・予習はさせないで、復習だけを行う。
 ・計算の仕方や公式を自力発見させる。
 ・具体的操作活動により、帰納的に導かせようとする。
 ・多様な考えを出させる。

 これは、今まで行なってきた「問題解決型の学習」です。

 つまり、問題を提示して、課題と見通しを持たせ、自力解決、全体解決(学び合い)、まとめ、練習という従来の流れです。うまくいったときは、とてもいい授業になります。

しかし、いろいろな問題もありました。

 ・既習と本時の問題が結びつかない子が多い。
 ・学び合いで言っている意味がわからず、ごく少数だけの話し合いになってしまう。
 ・たまに、塾ですでに学習している子供もいて、興味を失うこともある。
 ・多様な意見を出すことで、わからない子はますます混乱してしまい、多くの意見は切り捨てられる。
 ・自力解決や討論に多くの時間を費やし、まとめや練習の時間がとれないことが多い。
 ・教科書を使わないで自作プリントにて学習させるため、復習のときに振り返る手立てが乏しくなる。

新採からずっと問題解決型をやってきて、このような問題点を、どう改善していくかというのが、学校研究のテーマにもなっています。

たとえば、「練り上げ」などという業界用語もできるほど、教師の力量で多様な意見をまとめていくことが大切だということを教えてもらい、「多様な考えの活かし方」などという本を購入して勉強したこともあります。

わからない子供への個別指導を支援と呼び、教えるのではなくて支援するという考えを言っていた指導主事もいました。

問題解決型の授業パターンの中では、やはりわからない子供はわからないのだという結果がつきまとってきたように思います。

そういう意味で、「教えて考えさせる」という理論は、授業改善、いや授業改革だと思います。 

2011年9月1日木曜日

算数の予習はしてはいけないのか?

  まだまだ残暑がきびしい日もありますが、いかがお過ごしですか?このブログも、約1年になりますが、アクセス数が6000近くにもなっているのを見ると、読者の方がたくさんいらっしゃるのだなと驚いています。お読みいただいている方々、本当にありがとうございます。

さて、小学校の教師になってから今まで、算数の宿題は必ず復習中心でした。今日学習した内容が、しっかりと定着しているかどうかを確認するためです。それはそれで間違いではないのですが、最近、ふと思ったことが2つありました。

1つ目は、自分が算数・数学が好きになった原因です。もともと、小学校のころは、算数については中の中ぐらいで、算数は苦手じゃないけれど、得意でもないという感じでした。特におもしろみも感じていませんでした。

中学校に入り、ふと手に入れたカセットの教材。これは、テキストにカセットテープがついていて、カセットの指示通りに学習を進めることができるというもので、授業の前に予習もできるというものでした。授業の前にこのカセットで学習をしてみました。とてもていねいなテキストで、わからなかったり、間違った時はその場でカセットが自動で停止し、もう一度じっくり考えられるようなものでした。ですから、授業前に授業内容をほとんど理解していました。

そしたら、授業で先生が言うことすべて納得できたし、どんどん覚えることができました。さらに、成績も上がり、数学が大好きになっていました。予習のおかげでした。

2つ目は、 「考える足場」の授業スタイルにしてから、教えて学ばせるということの大切さを知りました。今までは、考える力をつけるために、教えないで学ばせていたということを実感しました。子供たちには、もっともっと教えていいのではないだろうかと思い始めました。

そんな時、東大の市川先生の著書「教えて考えさせる授業を創る」という本に出会いました。この先生は、以前このブログにも書きましたが、寒河江南小学校や足場の研究で有名になった青森県長者小学校などへ指導されている先生です。足場と同じ方向性ということで、本を購入しました。

その本の中に、予習の重要性について書いてありました。「算数で予習させてしまっては、やり方とか答えを見てくるので、考える力が身に付かないのではないか。」と疑問に思いました。しかし、自分の中学校時代の経験や、足場での実践のことを思い出し、子供たちに予習をさせてみることにしました。(もちろん、予習の仕方を子供たちに説明しました)

まだ、予習を奨励して1週間ぐらいしかたっていませんが、子供たちは少しずつ変わっています。まず、今まで消極的だった子供が、意欲的に挙手をするようになったことや、練習問題をすらすら解いて、他の子供に説明している子供が増えたことなどです。

確かに予習は事前に答えがわかってしまうから、考える力はつかないと思いがちですが、そうではないようです。授業では、今までよりわかるようになっているので、目を輝かせて授業を受けています。さらに、それを説明しようという気持ちが高まりました。ですから、理解力だけでなく表現力も身につくようです。しばらく予習をさせて、成果を上げたいと思います。変容がありましたら、また報告したいと思います。

『考える足場』と『予習』・・・・力がつきます!








2011年8月21日日曜日

『説明』と『板書』 これが足場の授業だ!(梨郷小学校)

残暑お見舞い申し上げます。
山形県ではもう2学期が始まりました。うちの学校は、すぐに運動会の練習やら準備やらで忙しくなります。


さて、夏休み中に、梨郷小学校からDVDが届きました。1年と4年の算数で、足場をもとにした授業です。授業の映像や画像でようすをご紹介したいのですが、自分の授業ではないので、板書計画をご覧になっていただきたいと思います。また、自分なりの感じたことも、コメントしてみたいと思います。
<1年「のこりはいくつ」>
・ブロック操作で既習を確認したことが考える足場となり、めあてをしっかり持つことができ、主問題1を容易に解くことにつながった思います。
・主問題1では、「はじめに」「へると」「のこりは」という説明のしかたをみんなで唱えることで、ひき算の意味をきちんとつかむことができました。このことが、式をつくることにもつながりました。
・主問題2の自力解決でも、ブロック操作を確認してあげるというていねいさが、自分でも解くことができるという自信になったと思います。ペア学習でも、一人一人しっかりと説明しているように見受けられました。
・練習問題でも、効率的に授業が進み、時間的な余裕が生まれたことにより、個別指導もでき、一人一人ができたことを確認することにつながりました。

 説明の型を与えるということは、筋道立ててわかりやすく説明することにつながります。これを1年生から実践していくと、わかりやすく説明しようという意識がどんどん高まっていくのだと考えます。また、本時のような授業を課題解決型で進めていくと、問題把握や自力解決に時間がかかり、数的操作から機械的に立式することの理解に終始してしまい、説明をきちんとさせるところまで到達できないことが多いと思います。そういう意味でも、考える足場を与えることが大切であることを実感いたしました。

<4年「わり算の筆算(2)>
・導入で、「まず」「次に」「だから」という言葉を用いて既習問題を説明させ、板書することで、主問題1でも同じように解き、説明することにつながっています。答えの左側に×(かける)を書くことで、わり算はかけ算を用いて解くということを意識させる工夫が見られました。
・めあての「説明しよう」という単元を通しての(または日常なのかもしれませんが)説明するというめあて意識を持たせることは、数学的な力や感覚を養うことにつながると思います。
・主問題1をみんなで解くことで、安心して解いている様子が見られました。
・解き終わった子どもが、「説明も書きますか」とつぶやいていました。常に説明しようという意識が高まっています。
・主問題2(自力解決)でも、子供たちから「簡単です」という反応がありました。導入と主問題1を足場にするという流れが、一人一人にしっかりと自力解決できるという自信につながっています。

足場から自力解決まで、一貫してきちんと説明できるような流れになっていたと思います。桁が多くなっても同じ考え方でできるということを理解させることができました。子どもたちからの、「かんたんだ」という声からも、足場が有効であることを感じました。

ただ、練習問題を解く時間がなくなってしまったということについては、私も説明重視により時間がなくなってしまったことがありました。課題解決型と比べ、足場を与えると効率的に授業が進み、説明する時間も確保できるというよさがありますが、足場、主問題1・2ですべて説明までしっかりさせると、やはり時間がなくなってしまうようです。計算問題は、速く正確に解くということも大事にしなければならないので、足場や主問題1の説明を1つだけにする、または、主問題2を1問だけにして説明の評価にすることで、練習問題でたくさん解かせるなど、さらに効率的に進める工夫が必要かと思いました。
この授業を見て、説明することの大切さを改めて感じることができました。


というわけで、とても勉強になりました。2つの授業の共通点は、説明のしかたをきちんと指導していることと、板書をスパイラルに活用できるような構成にしているということです。改めて考える足場のよさを実感することができました。

豊田小学校でも、成果が上がっていると思います。ぜひ、ご紹介お願いいたします。

2011年8月14日日曜日

自転車山形県一周の旅!

算数の話題でなくてごめんなさい。

この夏休みに、自転車で山形県一周の旅に出かけました。自宅の小国町から南陽市の職場に行き、赤湯を一望できるところまで行って休憩。
山形市を通り、立石寺(山寺)に行きました。ここで懐かしいビンコーラを飲んできました。
天童と新庄を通り、庄内に出ました。庄内では、浜からの向かい風で、全然前に進まず苦労しました。

途中、横浜から来た大学生と出会いました。なんと彼は日本一周している途中でした。お友達になりました。サイクル野郎って素晴らしいです。札幌からきたカップルにも出会いました。山形県一周ってまだまだ小さいなと感じました。
新潟県に入り、海沿いを走りました。炎天下、ペットボトル何本飲んだろう。
なんとか13日の墓参りまで間に合いました。

この旅を通して、いろんなことを学びました。足が棒になりながら、峠道を超えたときの満足感、やればできるという達成感、サイクル野郎たちとの出会い、トンネルを走って不安になったときに子供の名前を大声で叫んだこと、いろいろな経験をしました。

たいした冒険ではないかもしれないけど、自分にとっては結構な達成感でした。家族の理解、フェイスブックの友達の支援、職場の方からの電話での励まし、やればできるという実感など、達成した時の感動・・などなど本当にいい経験をしました。

この経験を、自分の子供やクラスの子供たち、知り合いに伝えていきたいと思っています。さっそく、次の冒険を企画しています。

追伸;自転車のメーターを見たら、自宅から自宅まで調整なしで、なんと333.33km!これもキセキです。

とても苦しい経験でしたが、その分感動も大きかったです。やれば何でもできる!成せば成る!人生は素晴らしい。

2011年8月10日水曜日

携帯・スマホからも閲覧できます

フェイスブック友達から、パソコンを使わないので携帯で見れないのかという質問をいただきましたが、携帯からも見れるように設定しました。また、以下のURLからは、携帯とスマホ専用の閲覧画面が見られますのでご覧ください。

http://moblogger.r-stone.net/blogs/8104404596330222120

小中連携!!小中交流の意義

8月9日、中学校区の小中交流会が行われました。うちの中学校区には、4つの小学校があります。今回の研修会では、表現力をテーマに、それぞれの実践を持ち寄り、少人数の分科会形式で一人一人の先生が発表しました。

私は、考える足場での説明のさせ方について発表させていただきました。(本ブログ5月11日参照)考える足場の授業では、しっかりと説明させることが可能になります。足場での説明、主問題でも説明、と繰り返し説明できるからです。今、大事にされている表現力を身につける上でも、有効だと思います。

ほかの先生方も、いろいろな教科で表現力を身に付けさせていることを学びました。小学校の実践や課題を中学校の先生に伝えることもできたし、中学校の実態やめざしていることも知ることができました。やはり9年間の義務教育を、どのように考えるのかを、小中で連携しなければならないなと強く感じました。さらに、他の小学校の考え方なども、共通理解していくことも必要だと思います。
発表するということで、自分の実践資料をつくりましたが、そういう資料作成を通して、自分の実践の成果や課題を整理することができます。教科や学年、そして小中の違いはありますが、こういう研修会で実践発表をするということの意義を感じました。

しかし、逆に言えば、このような機会がなければ、なかなか自分の実践の成果や課題を整理することが難しくなります。というわけで、このブログでの発信は、そういう機会を自らつくっているのかなと感じました。(コメントもいただければありがたいです)

その後、懇親会がありました。一緒に飲むことで、さらに人間関係が深まりました。中学校の先生方、ありがとうございました。やはり、飲みニケーションも大事ですね!

話題は変わりますが、昨日、他の小学校から足場の授業のDVDが届きました。これから視聴させていただき、感想などをアップする予定です。

2011年8月2日火曜日

教育課程研修会に参加して

本日は、夏休み恒例の「教育過程研修会」に参加してきました。
この研修会、十数年ぶりの参加になりました。

算数の司会者ということもあり、やや緊張しての参加になりました。新採の時に一緒だった先生や、うちの近所の先生など、顔見知りの先生がいらっしゃって、緊張もほぐれました。

最初、指導主事の先生から、算数に関する「指導と評価」「言語活動」を中心に説明がありました。

次に、各先生方から、日頃の算数指導での成果や課題などを、お話していただきました。どの学校も、学校研究などで算数を一生懸命実践されているんだなあと思いました。交流のようすをビデオに撮り、みんなに見せることで、交流の仕方を指導している学校やら、算数だけでなく、常に理由を説明させるという学校など、具体的に取り組んでいらっしゃる姿が見られました。

以前、小集団交流に関して、交流のための交流になっている授業があるのでは?と思ったことがありました。10年ほど前から、交流とかかかわりとかいう言葉が重要視され、どの学校でも小集団交流(ペア、グループ、自由)が研究の目玉になってきました。

交流には、いろいろな課題もあると思います。今日の参会者の中に、自力解決に時間がかかり、交流の時間がとれないことがあるという報告をされた先生がいました。もう何年も前から、交流の時間をとったために、最後の練習問題まで行けなかったとか、時間的余裕がなくなるという大きな課題があります。もちろん、自力解決でも、既習を想起できないでいる子供が多く、時間がかかります。

その原因の一つは、課題解決型学習の欠点にもあると思います。ちょっとした見通しだけで、自分なりの考え方で解くことができる子供は、クラスに何人いるでしょうか。できない子供には、ヒントカードやら支援をしながら考えさせるわけですが、効率が悪いと思います。TTにおいては、多少この点が解決できるものの、限界があるように思われます。だから、これから何年たっても、一人一人に考える時間を保証すると、あとあと時間が足りなくなるということを繰り返していくのではないでしょうか。

従来の「教えないで考えさせる指導法」から、「教えて考えさせる指導法」への転換期なのではないかと考えています。思考力は、自分で考えるからこそ身につくという今までの考え方から、考え方の道筋を示してあげることにより、問題を解く意欲が高まり、効率的に知識や技能が身につくという手法に移行しつつあると思います。

「教える」というと、「教え込み」と同じだというイメージを持たれる先生方もいます。しかし、「教えこみ」というのは、ただ単に公式を暗記させたり、一方的な講義で終わる授業であり、「教える」というのは、既習との関連づけをすることで容易に問題が解けるようになるということなのだと思います。時間的な効率性だけでなく、数学的な考え方も身につくということにもつながります。(過去のブログをご覧ください)

横国大の石田先生や、東大の市川先生などが提唱なさっている理論について、全国でいろいろな実践事例が出されています。(市川先生の著書「教えて考えさせる授業を創る」という本を購入し、ただいま研究中です。)

まだまだ課題解決型の授業が主流であり、自力解決で考えを持たせる工夫も、小集団交流もすばらしい実践になると思いますが、今後、授業改善、いや改革と言えるぐらいの転換期であると思っているのは私だけでしょうか。

2011年7月21日木曜日

スマートフォンで教育テレビ

今日、学力向上部で、スマートフォンの活用という話題になり、絵本の読み聞かせやユーチューブの映像を使ったことを話しました。

会議の終了後、インターネットにつながるということは、NHK教育のオンラインが見られるのではないかということになり、さっそくスマホでやってみました。PC版の画面を出してやってみたら、映像だけが再生できません。何かソフトが必要なのか、それともスマホでは無理なのか。ちょっと調べたら、スマートフォン用の画面があることを知り、そこから入ってみることにしました。

そしたら、なんと映像を簡単に見ることができました。NHKオンラインには、授業で使いたい歴史であるとか、理科などの番組がたくさんあり、ネット接続だとすぐに視聴できます。前の学校では、無線LANの環境があり、学校のノートPCを教室に持っていき、接続して視聴しました。しかし、学校用のPCを持ち込んだり、接続したり、さらにはPCを立ち上げるという作業を、5分休憩の時間をオーバーしてしまうという課題がありました。

しかし、スマホはHDMIでつなげばOK。すぐに理科や社会の教育番組が見られます。あくまでもスマホは個人用なので、みんなが使えるということではありませんが、これは使えそうです。

数年前、筑波大附属小のスクールプレゼンター(略してスクプレ)の研修に行きました。図形を切ったり移動したり、自分なりの教材として自由につくったりと、いろんな可能性を秘めたものがあるなあと感心しました。「もしかして、戦後ずっと使い続けた黒板がなくなる日も近いのかな。」などと思ったりしました。

しかし、スクプレは高価だし、よさがなかなか全国に浸透しません。(うちの地区でスクプレ使っている学校は、ないと思います)スクプレと、スマホの意味や活用は全然違うので、比較にはなりませんが、スマホを教育に活用するという考え方もありだと思いました。ビジネスとしても、おもしろいと感じました。教育だけでなく、プレゼンにも活用できそうです。Win7搭載のスマホも出るということなので、重いPCを持ち込んで、わずらわしい接続をしてのプレゼンも、スマホひとつあれば手軽にプレゼンができるのでしょうね。

夏休み中に、いろいろと研究してみたいと思います。

p.s. T先生、S先生、そちらの足場の実践をブログアップお願いします!
それから、facebookから来られた方々、コメントをお願いします!

2011年7月12日火曜日

スマートフォンでYouTube

期末事務も山場を超え、ちょっと余裕が出たので書き込みいたします。


10日に、こんなコメントをいただきました。


「情報機器を使った授業展開の試みにすごく共感しています!まだまだそういったものを使える様な技術はありませんが、ぜひスマートフォンやiPADといった情報機器の使用についてお考えを教えて下さい!」
 
前のブログ記事では、絵本の読み聞かせの事例を載せたところ、さっそくコメントいただきました。ありがとうございます。金子みすず「打ち出の小槌」という詩を扱う授業でしたので、一寸法師の絵本を事前に読み聞かせしようと思い、スマホで絵本を写し、読み聞かせしたところ、子供たちがとても興味を持って聞いてくれました。しかも、手軽にできて便利だなと思ったところです。
 
本番の授業では、事前研究会で、金子みすずは3年生ではわからないから、テレビCMの「こだまでしょうか」をテレビで見せたらどうかというご意見をいただきました。震災以来、かなり放送されましたよね。導入で使おうと思い、YouTubeで探したらありました。ところが、うちの学校では無線LANの設備はありますが、まだ使うことができません。
http://www.youtube.com/watch?v=SKpwV8M5R3E

ビデオに録画しようか?などと思っていたら、スマホを思い出しました。
「画像ができたのだから、映像も・・」
スマホで「こだまでしょうか」の映像を開きました。HDMIでつないで見ると、なんと鮮明な映像!しかも音声もばっちり!
 
さっそく授業で使ってみました。PCでもできますが、無線LANの環境が整っていないことや、スマホだととても手軽にできることなど、メリットは多いと思います。無数のアプリもあるので、授業で使えるものもありそうです。
 
以前、研究授業で平行四辺形の面積をやったとき、切って移動する様子をネット上で操作できるホームページを見つけ、授業で活用したところ、子供たちの理解の手助けになりました。スマホでできるか試してみたら、予想通りできました。
http://kids.gakken.co.jp/campus/academy/amagasaki/contents/p87.html
 
スマホでの実践をコメントください。足場の実践も、お待ちしております!

2011年6月30日木曜日

スピリチュアルな最後の授業・・・

前の投稿からの続きです。



いよいよ今日は実習最後の本番の授業。昨日は、夜9時までかかり、指導案などを準備しました。3年「表と棒グラフ」の3教時目。形としては、「足場の授業」のスタイルにしました。前時までのグラフの読み取りを手掛かりにしながら、主問題1では、横向きでしかも1目盛りが1ではないグラフの読み取りです。発問も適切で切り返しもできていました。さらに、ひとつひとつ丁寧にわかりやすく教えていました。写真を見ればわかる通り、グラフなどがとても見やすく、子供たちもひきつけられました。

主問題2でも、足場をもとにしてほとんどの子供が自力解決できていたし、フリートーク的な教え合う姿も見られました。まとめも、板書を見ればすぐにわかるということで、全員きちんと書いていたし、練習問題もほとんどの子供が正答でした。

やはり、情熱って伝わるものなんですね。すばらしい授業になりました。授業後の実習生のN先生の姿は、晴れ晴れとしていました。事後研では、たくさんの先生からほめていただけるだろうなと思っていました。

ところが、授業後間もなくN先生の実家から、おばあさんの訃報が入りました。突然の訃報に驚き、すぐにおばあさんのところへ向かいました。

その時、私は思いました。「もう少し、亡くなるのが早かったら、本番の授業ができなかったかもしれない。おばあさんが、最後の授業が終わるのを待っていて下さったのではないか。」そんなことを考えずにはいられませんでした。おばあさんは、素晴らしい授業をする孫を案じていたのではないでしょうか。あまりの偶然さに、じーんと来るものがありました。

帰りの会で、子供たちに事実を伝えました。「N先生(実習生)が一生懸命、君たちに学習してほしいという思いで、今日の算数を迎えたんだよ。 そのあと、おばあちゃんが亡くなって・・。おばあちゃんが、最後の授業を待っていて下さったのかもね・・」

その時、何人かの子供が、「うんうん・・今日の授業、ほんとにわかりやすくて楽しかった・・・」と言った時、涙が出そうになりました。

明日、4時間目にN先生とのお別れ会を予定しています。子供たちは、数日前から手紙などを準備しています。この話のあとも、「先生、手紙にたくさん書いていい?」と聞く女の子。子供たちも、こういう状況を知り、何かを感じ取ったのでしょうね。実習生のN先生、本当にありがとうございました。

天国へ旅立たれたおばあちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。

2011年6月28日火曜日

教育実習生から学ぶ

今、うちのクラスに教育実習生が来ています。最後の週とあって、子供たちともよい関係になり、授業もいい感じに進んでいます。

音楽や道徳の授業を経て、昨日から算数の授業。授業研は、3年「表と棒グラフ」の第3教時目とあって、1教時から授業をしてもらいことになりました。

昨日の1教時目。ランダムに並んだ項目を集計することによって、表にまとめました。学習プリントや黒板で提示する表も準備しての授業。結論から言うと、子供たちの意見をうまく舵取りできずに、どんどん意見を言う子に振り回された感じがしました。(その日の私の指導は、けっこう辛口だったかも)

しかし、今日の2教時目。いよいよグラフの読み取りです。黒板に提示したグラフがとても見やすく、子供たちを引きつけました。しかも、読み取りのポイントを上手に教えることができ、グラフの見方を深めることができました。

1教時目の反省を、見事にクリアした授業!なかなかです。若い人は、ぐんと伸びるんだなあと感心しました。聴く耳を持ち改善しようという気持ちがあるからなのかもしれませんね。実習生にとっては、いろんなことが新しく学ぶことになります。学ぼうという情熱がなければ、何も学べません。その情熱が伝わってきました。(子供たちにも、伝わったのでしょう!)考える足場とか課題解決とかいう問題ではなく、すべての子供たちにわかるように教えたいという気持ちが、一番大事なんでしょうね。

そう考えると、自分はどうなんだろうと自問自答しました。経験はある程度あるし、実習生に指導もできるという立場になって、素直に学び、授業を改善しようという強い気持ちがあるだろうかと。まだまだ、足りないような気がします。経験は大事です。しかし、いつまでも自分を伸ばそうというフレッシュな気持ちも大事ですね。そんなことを実習生から学ぶことができました。

つけたしですが、子供の顔と名前を一日で覚えたということでした。これには、完全に負けました。(ちなみに、3,4日かかりました・・・)

2011年6月26日日曜日

足場で学力向上!

どこの学校でも学力テストを行なっていると思います。うちの学校では、1月にCRT、年度初めにNRTを実施しています。

今年の学力テストを分析中ですが、数値だけを見ると算数が上がっています。CRTも昨年度に比べると、どの学年も上がっていました。

これが、「考える足場」の授業改善と関連しているかどうかの分析も必要です。考える足場の研究を実施している学校は、必ず学力テストの数値が上がると、石田先生はおっしゃっていました。3年間の数値を分析するとよいでしょうとアドバイスいただきましたが、1、2年で成果が見えてくることを実感しています。前勤務校でも、足場の研究をしていましたが、前年度より算数が上がりました。

数値だけでなく、子供たちも変わります。足場を有効に使おうという姿勢が見られるようになり、主問題1との関連を見出そうとします。そういう考え方が、既習を活用しようという見方が生まれます。
考え方を伝え合おうという表現力も身につきます。

習ったことを使う、活用する、さらには表現力など、今必要とされる学力や特に数学的な考え方が身についてきています。学力テストの数値だけでなく、子供たちの生の姿から学力が上がっていることを実感するこの頃です。

豊田小学校、梨郷小学校の学校研究での成果を期待しています。

2011年6月24日金曜日

スマートフォンで読み聞かせ

来週、総合単元的道徳に関連した国語ということで、国語の授業研をすることになっています。内容は、金子みすずの「打ち出の小づち」(3年国語)です。ところが、この単元は教科書にはなく、自作の単元ということになります。(初めての経験です・・)

ということで、この詩には、一寸法師の話がよくわからないと理解できない部分があり、さっそく絵本を読み聞かせしました。読み聞かせの時にいつも思うのは、紙芝居と違い、文字が絵と同じ側にあるので、読みづらいということです。絵本の画像をスキャナで撮って、パワーポイントでモニターに映すということも考えられますが、けっこう面倒な作業です。

そこで、スマートフォンで絵を提示できないかと考えました。まず、絵をスマホのカメラで撮影。それをモニターにHDMIで接続。そしたら、いとも簡単にモニターに絵が現れました。しかも、指で動かすと簡単に次の絵に移ります。

これで、打ち出の小づちのことは、子供たちには理解できたと思います。来週の授業が楽しみです。

2011年6月16日木曜日

総合単元的道徳「なかよしだから」

「総合単元的道徳」・・あまり聞きなれない用語かもしれませんが、私たちの学校研究で扱っているものです。秋には発表会があります。そのために、1学期中に全クラス授業研をするというので、毎週のように事前研やら、事後研やら入っています。自分も、今指導案を作成中ですが、ちょっと壁に当たってるので、ブログへと逃避です。


昨日、3年の道徳の授業研が行われました。担任のT先生は、総合単元的道徳では、もう何年も経験している先生です。「なかよしだから」というお話で、友達を理解して、よりよい友達関係を築こうという内容です。

今回の授業では、「役割演技」ということが、大きな柱でした。モデルを示した後、全員がペアになって互いに登場人物になって、対話するという設定です。実は、数日前、うちのクラスでT先生が授業者となって、プレ授業を行いました。その反省を生かしながらの授業です。

事後研では、いろいろな意見が出されました。

・モデルを示した役割演技では、本音が出せないのでは?
・モデルや板書をヒントにして、苦手な子供もロールプレイできたのでは。
・登場人物に託して、自分を語らせる有効な手立てになった。
・役割演技では、なかなか全員を見とることができないので、うまく活用できないのではないか。
・一人一人に対話をさせる手立てとして有効。

などなど、役割演技だけでもさまざまです。役割演技は、やはり意味のある有効なものにしなければならない。そのためには、何を言わせるのか、どう活用するのか、どのように深まったことを見とるのかなど、難しさがたくさんあります。

しかし、登場人物になりきって自分を語ることが道徳では重要ですから、役割演技がしっかりできて有効に活用できれば最高ですね。今回の授業でも、一人一人が生き生きと活動していました。こういうときの子供って、目が輝いていますね。

2011年6月15日水曜日

国語科での足場

算数だけでなく、いろいろな教科で足場が有効だったりすることがあります。

小学校3年国語の光村の教科書では、『読んで感想をもとう』という説明文を扱う単元に、足場ととらえられる内容がありました。最初に、『イルカのねむり方』という説明文があります。見開き2ページで終わる短い文章です。3年生でも、内容を理解するのに容易な長さです。ページ上段に、はじめ、中、おわりという大きく3つに分かれていることを示す帯がありました。

次に、『ありの行列』という説明文があります。ちょっと長いのですが、これが『イルカのねむり方』と同じ構成になっているということがわかります。これがわかれば、文章を理解しやすいということですね。構成がつかめれば、全体的に書いてあることがわかります。つまり、イルカを足場にするという流れだと思います。

前勤務校で、算数と国語を研究していました。算数は、「足場」の研究を中心にしていましたが、国語科でも、国語の足場とは??という切り口で、前学年の説明文を足場にして、読み取りをしたりする授業もありました。なるほどと思いましたが、前学年からというのが日常の授業では、ちょっと大変なのかなと感じていました。

しかし、この単元構成だと、国語でも足場で考えさせることもできるんだなあと思いました。石田先生に言わせれば、ちょっと意味が違うと言われるかもしれませんが、算数の足場を他教科へ拡張すると、こうなるのかなと思ってしまいました。

やはり、足場は大事です。

2011年6月11日土曜日

算数指導研究会 「考える足場」: スマートフォンの活用

算数指導研究会 「考える足場」: スマートフォンの活用: "スマートフォンには、HDMI端子がついています。このHDMIでつなげば、教室の大画面TVに映像や画像、地図などを映せるのではと思い、つないでみました。そしたら、映像、音声など、クリアに映すことができました。 とりあえず何ができるか考えました。ちょうど、3年社会で、市内の学習を..."

スマートフォンの活用

スマートフォンには、HDMI端子がついています。このHDMIでつなげば、教室の大画面TVに映像や画像、地図などを映せるのではと思い、つないでみました。そしたら、映像、音声など、クリアに映すことができました。

とりあえず何ができるか考えました。ちょうど、3年社会で、市内の学習をしていましたので、グーグルアースを表示して、市の土地利用のようすを見せました。子供たちは、地球から市内へと接近していく様子を見て、びっくりしていました。山などの森林、市街地、田んぼや畑など、衛生写真でもかなり鮮明にわかります。ただ、写真がちょいと古く、高規格道路が、まだ工事中の写真でした。ということは、3、4年前の写真でしょうね。

このように、社会で活用してみました。ということは、いろいろな教科で活用できそうです。算数では、図形などで使えば、効果的ではないでしょうか。パソコンもいいのですが、立ち上げたりつないだりと手間がかかりますが、スマートフォンは手軽に使えます。ネット画面もすぐに見せられるので、とても便利です。いろいろなアイディアで、挑戦してみたいと思いました。考える足場の算数で使えたら、報告いたします。いろいろなアイディアなど、コメントいただければありがたいです。

2011年5月28日土曜日

足場実践の研修会(その2)

5月25日(水)、豊田小学校にて「足場実践についての研修会」があり、実践を報告させていただきました。豊田小学校では、足場の研究をするということで、とてもうらやましく思いながら参加させていただきました。

すでに石田先生の著書を購入したり、このブログをご覧いただいたりして、足場の算数を実践なされていたようです。自分の実感として、やはり実践をしてみていろいろと疑問や成果を感じるものだと思います。まずは実践してという豊田小の先生方の前向きな考えはすばらしいですね。


梨郷小さんと豊田小さんで同じような実践報告をさせていただきました。それぞれの学校で成果が上がることがとても楽しみです。そして、このブログを実践の交流の場にしていただきたいということもお願いしてきました。

私が足場を実践し始めたころに感じたことは、講演を聴いて師範授業を拝見して、本を購入しても、授業をしてみると、「これが本当の足場の授業なんだろうか。」と疑問に思いました。石田先生にも、直接メールしたり、指導案を送ったりしてみたこともありました。(かなり、参考になりました)

しかし、実際に授業を見てもらうことが一番だなと思い、いろいろな場を借りて授業をみていただきました。先生方からのさまざまなご指摘やら感想などをいただいたことが、とても勉強になりました。そういう意味で、足場の授業を学校研究で取り上げるということは、とても有意義だと思います。学校研究で成果が上げられるように、私もできる限りのご協力をしていきたいと思います。そのために、このブログにいろいろな実践や疑問や失敗談などをアップしていただきたいと思います。この2つの学校だけでなく、このブログをお読みになられていらっしゃる方々からも、ご意見、ご質問をいただければありがたいです。 (研究会に参加したい方は、メールください)


豊田小の先生方、お招きいただきましてありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

2011年5月23日月曜日

足場実践の研修会(その1)

今日は、同じ市内の梨郷小学校さんにお招きいただき、「考える足場」の実践を発表してきました。

実践発表は去年から何回かやらせていただきましたが、何度やってもうまく伝わっているのかなあと思ったりします。本来ならば、提唱者である石田先生にお出でいただくのが一番だと思いますが、実践者の一人として自分なりの成果や感じていることを発表してきたつもりです。

先生方から事前にいただいたご質問は以下の通りです。
1.見通しと足場のちがいは?
2.足場づくりと、今までの既習事項の確認とのちがい。
3.足場を組み立てるとき、教科書からスタートする場合どんな方法があるのか、具体的にお聞きしたい。
4.1時間の流れ、単元の指導計画をつくるにあたって、今までとどう違うのか。また、特徴は何か?
5.新しい内容の提示の仕方(まとめ方、つなぎ、発問など)や進め方が不安。
6.さまざまなパターンがるということだが、段階的なことがあればそのやり方を教えていただきたい。
7.児童への足場のとらえさせ方や、足場の意味づけをどのようにしどうしたらよいか。

などなど、どれも足場の授業をするにあたって、以前自分自身もいだいた疑問とほとんど同じ質問でした。発表後には、子供たちへの学び方指導をどうするか、学習プリントは毎時間使うのか、板書計画をどう扱うか・・などの質問もいただきました。

今回の発表で、こららのご質問にうまく答えられたかあやしい部分もありますが、まずは自分なりに授業をやってみることが大事かなと思います。授業をする中で見えてくるものがあると思います。

このような研修会において、発表の資料をつくったりしていると、新たに自分の課題が見えてきたり、質問に答える中で自分の考えも整理されたりと、私にとっても自分のためになる機会になります。今の自分の目指す授業像もはっきりと見えてきます。

今、私が目指す授業は、子供たち同士で足場をつくる授業、対話のある授業です。発表させていただいて、そういうことを改めて感じることができました。

感想や疑問などありましたら、コメントしてください。みなさんの共通理解のもと、成果が上がることを期待しております。今日は本当にありがとうございました。

2011年5月17日火曜日

深イイお子さんがいました!

 5月14日、市の陸上大会が開催されました。役員ということで、朝から赤湯小学校に行きました。幅跳びの担当で、大風の中、砂場をならす仕事をやっていました。次々に選手が招集されるので、なかなか休憩もできずにいましたが、ちょこっとトイレに行った時のことでした。

 体育館のトイレに行くと、多くのスリッパが散乱していました。
「大勢の人が集まると、こうなるんだよな・・。」
と、モラルの低さにがっかりしていると、その時、トイレを済ませた3人の小学生(地元の赤湯小学校)のうちの一人が、なんと散乱していたスリッパの中から一足分のスリッパをそろえて、
「どうぞ」
と、私の足元にそろえたではありませんか!一瞬のことで、名前を確認することもなくあわてて、
「ありがとう」
というのが精いっぱいでした。

 役員としての作業をして疲れていた私の心が、ほっかほっかになりました。子供はもちろん、大人でもなかなか人のことを考える余裕がある人が少なくなっています。もちろん、自分もそのうちの一人ですが・・。この子供の行為は、とても小さいことですが、一生忘れることができないと思います。こういうちょっとしたことが、幸せの輪を広げていくのだろうと思いました。一人の小学生から、大げさですが、人間の生き方を学びました。

ありがとうございました!

2011年5月11日水曜日

足場で「まず」「次に」「だから」を使って説明

大型連休も終わり、いよいよ落ち着いて学習に取り組める雰囲気になっていました。さて、3年生の担任になって1か月ですが、学習訓練とかの指導する間もなかったような、あっという間の1か月でした。

今日の算数は、3年の「たし算」の筆算、2教時目です。繰り上がりが2回ある筆算です。足場(ステップ)は、2ケタの1回だけ繰り上がる筆算をやりました。ただ、計算をするのではなく、筆算のしかたを説明しようというめあてにした時間だったので、やり方を説明させました。既習なので、すんなり計算できたものの、やはり説明となると難しい子供もいました。しかし、全体での解決なので、容易に言えるようになりました。

その時に示したのが、「まず」「次に」「だから」というつなぎ言葉です。算数の考え方を説明するときは、この言葉を使うとわかりやすくなります。しかし、この言葉にしばられ、かえって説明できなくなるということも経験しました。だから、まずは繰り返し板書を見ながら言わせたり、ノートに書かせたりしました。

次に、主問題1です。3ケタの筆算ですが、計算することには、全員抵抗なくできましたが、やはり説明することが難しいようでした。ここでも全体解決なので、いっしょに説明させました。

さて、いよいよ主問題2で自力解決です。予想通り、計算はきちんと正確にできました。そしたら、ほとんどの子供が説明を難なく書くことができました。できた代表の子供に、黒板に書かせました。(写真参照)

ここでも足場のよさを感じることができました。足場(ステップ)と主問題でしっかりと説明のしかたを教えたことが、自力で説明ができるようになったのだと思います。教えずに書かせようとしたら、いくら時間がかかるかわかりません。しかも、練習問題も、全員が18問を時間内に終わらせることができました。説明もして、練習を十分に行えることを実感しました。

考える足場を与えることを、日常化していくと子供たちにとって、大きな力になっていくことを確信しました。みなさんも、ぜひ実践してみてください。目に見えて、子供たちが変わりますよ。

2011年5月4日水曜日

算数指導研究会 「考える足場」: 研修会、よろしくお願いします

算数指導研究会 「考える足場」: 研修会、よろしくお願いします: "今月、2つの小学校(T小学校とR小学校)からオファーがありまして、考える足場についての実践を報告してこようと思っております。お呼びいただけることは、とてもありがたいことです。お呼びいただいた理由のひとつに、このブログもあるのかなと思っている次第です。 T小学校からは、事前に以..."

2011年5月3日火曜日

研修会、よろしくお願いします

今月、2つの小学校(T小学校とR小学校)からオファーがありまして、考える足場についての実践を報告してこようと思っております。お呼びいただけることは、とてもありがたいことです。お呼びいただいた理由のひとつに、このブログもあるのかなと思っている次第です。

T小学校からは、事前に以下のご質問をいただきました。
①「足場のある授業」とは(基本的な考え方)

②実践(授業)例をいくつかご紹介いただきたい

③「足場のある授業」は全単元で有効か?
(特に取り組みやすい単元はあるのか)

①については、昨年度の実践報告をした時の資料にも載せてあるので、それをもとに説明したいと思っています。

②については、DVDや指導案、成果と課題を具体的に報告します。(特に、京都の先生と青森の先生の授業のよさを感じとっていただけたら幸いです)

③については、特に有効な単元はあると思いますが、系統性の強い算数では、ほとんどの時間で足場が可能であると思います。単なる前時の復習的なものでいいと思います。と言うと、今までの既習の振り返りと何が違うのかという質問される方もいると思いますが、本時の問題を解くにあたっての考え方をそろえるという考えで足場を与えるので、スパイラルに関連させながら、問題を解くことができるものと考えてくだされば結構です。(もし、石田先生がこのブログをお読みでしたら、アドバイスください)足場を何にするかということを考えていると、その問題の数学的な価値に気づいたりするから面白いですよ。

この2つの学校へ訪問し、報告するとともに、足場の授業実践の成果を、自校だけでなく地区の小学校へ広めていただくことをお願いしたいと思っています。他校と情報交換しながら研究できるということは、すばらしいことです。よろしくお願いいたします。

2011年4月19日火曜日

インフルエンザで学級閉鎖

 新しいクラス担任として、意気揚々と授業が始まっている時期だと思いますが、なんとうちのクラスと隣のクラスで、インフルエンザが蔓延!!今日から3日間、学級閉鎖になってしまいました。休み明けの翌日は、なんと参観日。ま、保護者の方々もそのへんを理解してくださるでしょう。考える足場の授業ができれば、やりたいと思っています。

2011年4月14日木曜日

仲間が増えました!

 このたび、さかい先生が仲間に加わりました。さかい先生の学校は、足場の研究をするということを聞いております。(うらやましい・・)ぜひ、実践の報告などをブログアップしてほしいと思います。

 また、zrx1100先生は、このたび異動なされましたが、さかい先生と同じく赴任校で足場の研究をするということですね。(こっちもうらやましい・・)ぜひ、情報をお聞かせください。

 もっと仲間を増やして、いろんな実践を報告し合いたいなと考えています。仲間になってください。コメントでも大歓迎です。よろしくです!

わかる算数のために「考える足場」をつくる(2) 授業の展開について

 年度初めの事務に忙殺されて、ブログアップ遅くなっております。できるだけ、まめにアップしたいと思っています。今年度は、3年生の担任になり、3年生での実践はもちろん、ほかの学年や他校の実践なども、アップしていきたいと思います。

さて、前回に引き続き、研修会で発表してきた内容の続きですが、今回は足場の授業の展開について、簡単に説明しておきたいと思います。

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「考える足場」をつくる算数授業の展開について(課題解決学習との違い)



(1)足場をつくる・・既習事項の共有化。単なる既習事項の確認だけでなく、本時の問題のアイディアや考え方、技能を支えるものとして設定する。

※従来の課題解決型では、既習の振り返りなどが、これにあたると思いますが、前時までの学習の確認ではなく、あくまでも本時の問題を解くためのステップとなる考え方です。

(2)主問題1の全体解決・・新しい解法を学ぶ。苦手意識を持つ児童も、友達や教師の説明    

を聞きながら学習できる。主問題2(自力解決)の足場にもなる。

※ここが一番の違いでしょうか。従来は、問題提示から見通しを持たせ、自力解決をさせてきた。見通しを持てない、自力解決できない子供のために、ヒントカードなどを準備したりして個別に支援してきた。最初の足場のアイディアをもとに、全体解決をさせる。考える足場であることや、全体解決であることで、比較的容易に解決できます。
 ここで全体解決することについて、いろいろな考えがあると思います。自分も、最初ここでの全体解決には、疑問を持ちました。「考える力がつくのだろうか?」と。しかし、教え込みではなくて、考える道筋を示すということだとわかりました。
(3)主問題2の自力解決と話し合い・・新しい解法を使う。主問題1の学習内容を定着させるために、新しい解法で自力解決させる。

※ここでの自力解決は、最初の足場と主問題1の両方を考える足場にするということです。主問題1が主問題2の足場になっているということを忘れてはいけません。当然ながら、従来の指導での自力解決で行っていた個別支援が、効率的に行われ、自力解決できる子供がぐんと増えたという実感があります。子供たちが自分で解決できたという喜ぶ姿が見られます。そして、算数への自信につながってきます。同時に、考える力も身についてきます。
 自力解決後に、ペア学習やグループ学習などの小集団交流で、やり方を互いに説明し合います。説明することにより、筋道立てた考え方のよさを感じさせることができ、少しずつ数学的な考え方が身についてきます。

(4)まとめ・・主問題1と2の解法の共通点を考える。

※今までは、1つの問題から一般化し、公式化するということで、多少無理があったが、2つの共通点を見出すことにより、一般化できるというメリットがあります。だから、まとめも子供たちから自然と出てくることが多いようです。

(5)適用・発展問題・・定着と応用

※自力解決での時間短縮などの効率化により、発展的な問題を解く時間が生まれます。しかし、実際は足場や全体解決に時間がかかりすぎ、従来の課題解決学習と同様に最後の練習問題にいかなかったこともたまにありました。足場での指導をさらに効率的に行うということが大切だと思います。
 しかし、足場のやり方に慣れてくると、子供たちが自ら足場を見出したりする力がついてくると、前半の思考がスムーズに進み、練習問題も充実してきます。


と、このように課題解決型との違いがあります。さらには、主問題を提示しただけで、子供たちが足場を意識して学習を主体的に進めることや、対話力を身につけ、筋道立てて説明できるようにすることなど、授業がどんどん発展し子供たちに考える力が身に着けさせることができるでしょう。

 

2011年4月3日日曜日

わかる算数のために「考える足場」をつくる(1)

  いよいよ新学期が始まりました。今年度も引き続き、学力向上としての「考える足場」を提案、実践報告していこうと思います。
 今回は手始めに、昨年度、いろいろな研修会やらで実践発表したことを載せてみたいと思います。まずは、冒頭の部分

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1.はじめに


 教師になってから見てきた算数の授業は、とにかく子どもたちに考えさせること、時間をかけて練り上げる学び合い活動や意見交換、交流などを主体としたものが多かった。実際に自分が追究し実践してきたものも、そういう授業であった。
算数の授業では、問題を提示し一人一人に考えを持たせるために、個別指導を伴う机間指導をしながら、問題を解決させ、その後発表をして比較検討するという一般的な算数指導のパターンがある。いわゆる、課題解決型の授業が一般的である。

しかし、既習事項を想起できないままに自力解決している児童がいることや、指導目標に即した思考をしないままに全体の学び合いまでそのやり方で考えている児童がいること、また少ない問題数で本時の学習内容をまとめていることなどの問題がある。

そんな時に、横浜国立大学の石田淳一先生の提唱する「考える足場」という指導法に出会い、授業に取り入れ実践してきた。石田先生の講演を聴き、考える足場というものを知ったことが、自分の算数の授業観をくつがえすものとなった。子どもたちに必要な知識や技能を教えることなく、ただ「考えなさい」「やってみなさい」では、なかなか深い学びにはつながらない。考える足場の、「教えて学ばせる」というスタイルがとても斬新なものに見えてきた。

必要な知識や技能をしっかりと子どもたちに与え、それをもとに次の段階を考えていったり、作り上げていったりすることは、子どもたちの学びをより深く、高い次元へそして新たな世界へ導いていくものだと感じた。考える足場づくりの授業をしてから、子どもたちの目や表情が生き生きしてくるのが実感としてわかるようになった。課題解決型算数指導の問題点を解決すべく、考える足場の授業を提案してみたいと思う。

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と、こんな感じで実践報告は始まったのでした。(つづく)

2011年3月30日水曜日

感謝して生きる

この度の災害と年度末事務により、ずっと書き込みできませんでした。(と、言い訳します)「考える足場」についても、今いろいろと自分なりに復習して来年度への準備をしているところです。少しずつ、この場を借りてみなさんに理論や実践をお伝えできればと思っています。


 今回の東日本の災害で、被災された大勢の方々には、心からお見舞い申し上げます。わが町にも、福島県からの被災された方々が大勢いらっしゃいます。自分なりに、できる限りのことをしたいと思っているところです。

 このような状況の中で、今回の災害についていろいろなことを考えさせられました。

 戦後の焼け野原の日本を、一人一人みんなで力を合わせ、欧米諸国に追いつけ追い越せでここまできました。物がなかった日本は、物質的に世界でも指折りの先進国に這い上がったわけです。物があれば、みんな幸せであるということを追い求めてここまでたどり着きました。いわば、物質至上主義的価値観のもと、努力してきたように思います。

 しかし、今回の災害でガソリンや物資が不足したり、停電になったりして、経済も滞りました。現代社会では、電気や車なしでは仕事もできないし、世の中が回らなくなりました。食料も放射能の影響で、徐々に制限されてくるかもしれません。

 車でどこでも行けるのは当たり前、おいしい食事ができるのも当たり前、夜中にコンビニにいくと開いてるのが当たり前、深夜までネオンがきれいな東京は当たり前・・・など当たり前のことがたくさんあります。しかし、当たり前のものがなくなってみると、不便というレベルでなく、生きていくのも大変になってくることがわかりました。

 豊かなになるための物質主義を否定するのではありません。目の前のパソコンだって、車だって、新幹線だって、私たちを夢の世界に連れてきてくれました。しかし、「当たり前」のことも、多くの人の苦労や手間があったこと、だからそれを受け取った私たちの生活も豊かになったこと、そういうことを考えなくてはならないのではないでしょうか。だからこそ、当たり前のことに感謝すべき時だと思います。

 さらに、日本中の人々、いや世界中の国々からも多額の寄付や多くの物資が集まっています。ボランティアの方々も、そして原発の最前線で命をかけて戦っている人たちには、もちろん感謝でいっぱいです。と同時に、自分を支えてくれている人や物にも感謝しています。家族、同僚、子供たち、近所のおじさん、通りすがりの人、コンビニの店員、毎日乗っている車、目の前のパソコン、酸素を供給してくれる植物・・・・・などなど、いろんな人や物に感謝して生きていくことが大事だと思いました。

 めんどうなこと、嫌いなこと、会いたくない人、失恋、痛み、病気、苦しみ、貧困、飢え、事故、災害・・・など、私たちはできれば避けたいと願っています。しかし、過去を振り返ると、それを乗り越えた時に自分を何らかの形で高めてくれたのではないでしょうか。病気で苦しめば人の優しさに触れ、失恋を経験して真実の愛に気づき、貧困から心の豊かさを知る。これらの避けたいことというのは、実は本当の幸せを感じるために必要なことがふりかかっているような気がします。いやなことがあった時に、このようにポジティブに考えること、つまりいやなことにも感謝できるようになることこそ、本当の幸せへの道なのではないでしょうか。

 ある有名人の友達は不治の病にかかっていたそうです。しかし、彼は常に感謝して明るく生きることをモットーとしていました。ある日、その病でその人は亡くなってしまったそうです。身寄りのない人だったので、友達みんなで彼のアパートに荷物を片づけに行ったら、壁やいろいろなものに、『感謝』という言葉を掲げていました。そして、ベッドの下から紙切れが出てきました。そこに書いていた言葉は、「病気に感謝」だったそうです。

 被災されている方々は、とてもつらい日々を送っていると思います。先日の報道番組で、被災者の方が、「命があっただけでも感謝です。」とか、「もっと悲惨な目にあっているたくさんの人たちを思えば、ぜいたくは言ってられません。一切れのパンでも感謝しておいしくいただきます。」など、あれだけの災害の中で、感謝という言葉を発する方々がいらっしゃっいました。どんなことがあっても感謝できる心の持ち方こそが、幸せに生きるということだし、人に勇気と幸せを与えるものだと思いました。

 どんな状況だろうと、感謝して生きている人は、真に幸せです。物がありふれてぜいたくな暮らしをして、すぐに次の欲求へと駆り立てられ、今の状況に不満を感じて生きている人より、ずっと幸せだと思います。

今、こうやって生きている私たちを支えているものすべてに感謝したいです。

 

2011年3月5日土曜日

『aicezuki』

『aicezuki』という文字は、ここ数日でかなり有名になったと思います。この事件については、新聞やテレビなどでトップニュースにもなりました。山形出身で仙台の予備校に通っていたということを知って、またまた驚かされました。(自分も山形出身で仙台の予備校に通った経験がありますので・・)

ヤフー知恵袋を閲覧しても、この話題で盛り上がっています。

・まじめに努力している人がいるのに、とんでもないことだ。
・偽計業務妨害罪ってどういう罪なのか。
・大学側も、見落としたことについて責任がある。
・あれだけのメールを短時間で打てるなんて、すごいテクニックを持っている。
・あんな難しい問題を、数分で解答を出せる人もすごい。
・「aicezuki」を逆から読むと、「行くぜCIA」


などなど、さまざまな意見が飛び交っています。

私もヤフー知恵袋を何度か利用したことがあります。ipodの曲をitunesに入れる方法がわからずに、質問しようとしたところ、誰かが同じ質問をしてベストアンサーを得ていましたので、活用させていただきました。すぐに答えが寄せられるので、便利なもんだなあと思っていました。それが、こんなに早く解答を出せるなんて改めてネットのすごさを知りました。

今や携帯と言っても、パソコンと同等になってきました。わからないことがあると、ネットの百科事典(ウィキペディアなど)で何でも調べられるし、画像の文章をスキャナと同じように文字変換もできます。携帯のメモ帳に、いろいろなデータを入力しておくこともできます。メールはもちろんですが、チャットもできるし、情報交換などは簡単にできるわけです。これがテストの時に使えればいいのになあなんてことは、受験生なら誰しも思ったことだと思います。今回は、ヤフー知恵袋という公共の場を使って、カンニングの証拠を残したてしまったわけですが、バレない使い方でカンニングをやっていた人はたくさんいるのかもしれません。もちろん、受験だけでなく、ふだんの中間期末試験などでも使っている人がいたのではないかという疑いも持ってしまいます。


中国や韓国では、カンニング用のグッズがネットで盛んに売られているそうです。今やカンニングもハイテクになってきて、いたちごっこをくりかえしていくのかも知れません。

今回の事件では、いろんな人たちのいろんな思いがうかがわれます。aicezuki君は、カンニングがばれたら、どうなるかぐらいはわかっていたと思いますが、こんな事件に発展するとは思っていなかったでのはないでしょうか。ニュース報道があった時の彼は、逃亡中の極悪犯のような気持ちになっていたと思います。彼の母親を始め、周りの人たちもかなりの衝撃だったでしょう。

大学側の人たちも、複雑な思いでしょうね。公共のネットでカンニングが発覚してしまった以上、被害届を出さなくてはならなくなったのではないでしょうか。その場でカンニングを発見できたら、ここまで大きくはならなかったかもしれません。試験監督をしていた人たちも、見落としていたことでかなりの責任を感じていると思います。

自分もこの事件を知り、教育者としていろんなこと考えました。
小さいことですが、学校で子供たちが廊下を走っていたら注意します。その時の子供たちの口から出ることで気になることは、「自分だけじゃなく他の人もやっているから」とか、「誰も見ていなかったから」とか「走らなくてはならないわけがあったから」と言う理由が多いことです。
人間には、弱い部分があり、やってはいけないことと思っていても、誰にもバレない、またはみんなやっている、どうしてもやらなくてはいけない事情があったなどとと思えば簡単にやってしまう。
道徳教育でも、このような人間の弱さというものを前提にしながら、人間としてどうあるべきなのか、なぜいけないのかを真剣に話し合うことが必要だと感じました。


今回の事件は、もちろん許される行為ではありませんし、社会的にも大きな波紋を投げかけたのは言うまでもありません。隣の人の解答をカンニングしたというのとは、わけがちがうと思います。そういう意味でも、今後二度とこのような事件が起きないようにするために、いろいろな立場の人たちが対策を練るのはもちろんですが、子供たちや若者一人一人がこの事件のことを深刻に受け止めるべきですね。

期末事務のまっただ中ですが、ブログアップしてしまいました。今回の土日が勝負!がんばるぞ!と

2011年2月25日金曜日

分数の足場を小数で(3年編)

 いつの間にか閲覧件数が1000を超えていました。お出でいただいた方々に感謝申し上げます。そして、少しずつ足場のよさが伝わってきたのではないかと思っています。
 

 さて、前回、「分数の足場を小数で」という記事を載せましたが、このたび、3年の先生もぜひやってみたいということで、3年生でも同じ授業を試みてもらいました。

 来年度からの移行措置で、3,4年でも同じように同分母分数の加減の計算を行います。ですから、まったく同じ指導で進められるわけです。

 3年生でも、小数の計算を整数の考えで計算することを足場にして、授業が進みました。3年でも、小数も分数も整数の考え方で計算と説明ができるということで、一人一人がきちんと説明まで書くことができました。3年ということで、担任のN先生はていねいに指導していたので、練習問題は少なかったのですが、次時で1ー2/3などの1から真分数をひくということを扱う時に練習すればよいので、考え方中心の授業ということでよいのでしょうね。

 3年生でも、小数を足場にすることで、分数の加減まで類推させることができた事例でした。足場の有効性を実証できました。


 別の3年のクラスでは、足し算と引き算を別の時間にする実践をしていただきました。前時に、小数を足場にした分数の足し算だけをやり、本時で分数の足し算を足場にした分数の引き算をするというものです。3年生ということで、わけてていねいに扱いたいという担任の考えでした。こちらの方も、足場を用いることにより説明もほぼ全員自力で表現することができました。 

注;写真は上と下が反対でした・・

 3年生の先生方、足場の実践にTRYしていただきましてありがとうございます。

2011年2月18日金曜日

分数の足場を小数で


 今日は、4年の同分母分数のたし算の授業でした。

 1年前、京都からわざわざ山形まで来て、師範授業をしていただいた先生がいました。その先生も、足場の実践をなさっている方で、我々とはちがってかなり深い考えで実践しているということが、授業を拝見させていただいてわかりました。ちょうどその先生がやったところと同じ授業だったので、足場を使ってやってみることになりました。そして、職場の先生方にも見ていただきました。(コメントください!)

 同分母分数のたし算では、今までの経験上、必ず分母も足してしまうという誤答をいかに崩すかという流れだったような気がします。

 しかし、足場を使った授業では、分母を足すという考えは出てきません。今回の授業では、既習である「小数」の足し算を足場にしました。0.2+0.3=0.5という小数の足し算を説明させます。

 0.2は0.1が2こ分、0.3は0.1が3こ分
 0.2+0.3は0.1が(2+3)こ分なので、0.5

という流れでした。当然、簡単に出ました。

 そして、1/5+2/5という問題。これをみんなで考えました。小数の考えを足場にして、スムーズに答えが出て、説明も簡単にできました。もちろん、分母を足す考えの子供は、一人もいません。

 次に、同分母分数のひき算を自力解決させました。教科書では、次時での扱いです。どうして、本時で扱ったか。それは、小数でも分数でも整数の考え方を用いれば、かんたんに計算できるということが理解できれは、あとは引き算も同じという考えからです。

 案の定、引き算を自力でやったのですが、ほとんど全員が説明つきで簡単に計算できました。(足場の力だな・・)

 子供たちのつぶやきから、いろいろなことが出されました。
「分子だけたして、分母は足さないんだよ。」
 子供たちの声から、こういうことが自然に出るというのは、やはり効率的に考えられたからではないでしょうか。

 分母を足した誤答を崩すために、図などを用いて説明していく授業と、小数を足場にして分数も同じようにできるという授業は、いったいどんな違いがあるのでしょうか。

 今回の授業では、数の共通性に目を向けた類推的・帰納的思考をさせるのに有効であるということです。類推的・帰納的思考は、数学的な考え方を育てるのに重要な要素になります。

 分母を足す誤答を出させることで、思考を促すという考えもあると思いますが、数の共通性を見出し、足し算でも引き算でも同じという数の広がりを学ばせる絶好のチャンスだったわけです。さらには、かけ算や割り算をやってみたいという子供たちからの声!発展的な学習にもつながるということなのですね。

 授業をご覧いただいた先生は、3年の担任の先生です。後日、同じところをやるということで、3年生での成果を楽しみにしています。


 

2011年2月13日日曜日

答えは対話の中に、教えずに教える

先日の職員会議でのこと。

校長先生からのご指導で、1月1日づけの朝日新聞からの記事を紹介していただきました。
「答えは対話の中に、教えずに教える」というタイトルでした。


(一部抜粋)北九州市立貴船小学校。担任の菊池省三先生(51)は、子ども同士の意見のキャッチボールで、どの子にも自信をつけさせる「カリスマ教師」だ。毎週のように参観者が訪れ、講演依頼も絶えない。

 十数年前、崩壊した学級を受け持った。「こう言ったらどう思われるか」。子どもたちは周りの反応を怖がり、思いを口にできない。

 まずスピーチを採り入れ、考えを持つ大切さと、伝える手法を教えた。次は、ディベート。賛否の立場を決め、意見をぶつけあう訓練だ。

 だが、「社会で生き抜くためには何か足りない」と思い始めた。言いっぱなしのスピーチでも、言い合いのディベートでもない。相手の意見に耳を傾け、自分のなかで消化し、新たな意見を投げかける。その繰り返しが、みんなを高め、よい人間関係につながることを伝えたい――。
(中略)一人ひとりの声が重なり、ふくらみ、響き合い、みんなの学びとなって対話が自転していく。先生は腕組みをし、うなずいているだけだ。

 教師の「教え込み」から、子ども同士の「対話」へ。その先に広がるのは、新しい価値をともに創りあげる社会という未来図だ。




詳しくは、記事を参照してください
http://www.asahi.com/special/plus/TKY201012310282.html


 うちの学校でも、道徳を中心に各教科で対話のある授業を目指しています。この1年間、「言葉のキャッチボール」という発言の表を掲示しながら、対話のある授業をめざしてきました。

 積極的に発言や反応ができる子供が数名。たまに、挙手する子供が半分。あとの子供たちは、いわゆる「お客様」状態。指名しても、表現できずに互いにストレスがたまってしまう・・・という状態が続いた。

 数日前の分数の授業でのこと。黒板の数直線上のある数値を指し、「分数で表わすと、どんな分数になるだろう。」と発問しました。(↓は2分の3を指している)

 ここでの足場は、前時に学習したいくつに分けたうちのいくつ分という表し方(言い方)にしました。本時は、1より大きい分数の表し方を学習するのですが、簡単にできておわりだろうなと思い、足場もそこそこに主問題に入りました。

 ところが、クラスのほぼ全員が4分の3という答え。理由を聴くと、
「2mを4つにわけた3つ分だからです。」
ということでした。

 なるほど。子供たちの感覚っていうのは、そういうものなんだ。と、わくわくしてきました。なぜ、わくわくしてきたかというと、対話のチャンスだからです。予想通り、足場に戻って考えさせると、ある子供が、
「2分の3じゃないかな・・。」
とつぶやき始めました。

そのつぶやきに誘われるように、他の子供がどんどん意見を言い始め、自分で説明しようと、活発な挙手。
「おお、これが対話なのかな」
と、こちらもやや興奮気味になってきました。

 結果は、分数の既習事項からすると2分の3だという考えにまとまりました。この時は、教師はほとんど教えていません。自分も対話の感触が得られたかなと喜んでいましたが、やはり気になったのは、ほとんど反応できずにいる子供が数名いる・・ということです。この子供たちは、今何を解決しようとしているのかすらつかめていないことが多い。わからないことが、わからないとでも言うべきでしょうか。

 どのクラスでも、交流や対話に参加できずにいる子供がいると思います。小集団にすることや、途中で教師が話し合いの内容を説明してあげるとかなどの手立てが必要なんだろうと思います。

 この子供たちも一言でいいから参加して、自分が意見を言ったことが話し合いで役にたったという自信を持ってもらいたいと思っています。

 隣のクラスの担任の先生が、学年の前で、
「全員参加の授業をしてみませんか。」と言っていました。全員参加型の対話の授業です。自分も、そんな授業ができたらと思っています。


そういう意味で、朝日新聞の記事を思いだし、改めて読んでみたところでした。

2011年2月8日火曜日

「重さ」の授業で足場に挑戦

二戸部(@宮内小)です。
今回、重さ(3年)の授業で足場の授業を実践してみました。

本時の授業は、重さの足し算でした。具体的には、
1kg400g+300gなどの計算です。

そこで今回は「考える足場」として「道のり」の計算を手がかりにしてみました。
道のりの授業は、2学期始めに実施しており、子ども達は結構得意な分野です。
1km=1000mであることや、その計算方法について簡単に振り返ってみました。

その後に、問題を提示。一部の児童は、予習教材などで重さの計算方法を知っていたようですが、半数近くの児童は「?」といった様子でした。
ここで、1kg=1000gであることを想起。

すると、児童から「あっ、大ヒントだね先生!わかっちゃった。」
といった声が上がりました。
「解けちゃうの? 解き方教えてないけど、いけそう?」
と煽ると、なにやら自信満々の雰囲気。
さっそく解かせてみました。するとほとんどの児童がすらすら。
苦手な児童もときおり黒板をちらちらみながら、自力で解決しようと頑張っているようでした。

その後、「スペシャル問題」と題した適応題に2問ほどチャレンジ。引き算や「繰り上がり(1kg500g+700g)」のある問題にチャレンジしました。
全員すらすら解くことができ、授業が終わった後、算数が苦手な児童が
「先生、今日、全問正解だったよ。」
と報告に来てくれました。

繰り上がりの解き方についても足場を設ければ良かったのかどうか。解き方の説明をする時間を設けるべきだったのかどうか。など、反省はありますが、自分なりに手応えを感じることのできた時間でした。

自分のクラスでは、どの教科においても一貫してグループ学習を取り入れています。しかし、グループ学習が不向きな授業も当然あります。自分の教職における研究の柱に「足場の授業」をしっかりと立てて、これからも実践をしたいと感じました。

以上、「足場」と呼べるかどうかもあやしい授業ですが、取り急ぎ報告まで。

2011年2月2日水曜日

これぞ足場の授業!


 2月2日、校内で授業研がありました。授業研とはいえ、ワンペーパー授業という企画で、A4程度の指導略案で、自由に授業を見せ合うというものです。

 2年2組の算数ということで、2月2日2年2組とゾロ目の授業になりました。(そんなことはどうでもいいですね・・・)

 このクラスの担任のT先生は、算数部長ということもあり、以前から「足場」の授業に興味を持ち、少しずつ実践を重ねていらっしゃった先生でもあり、とても楽しみにして参観させていただきました。

 2年算数「九九のきまり」という単元です。本時の目標は、「乗法九九のきまりを活用しながら、被乗数が10以上の乗法計算の仕方を考えることができる。」です。

 最初に、九九の表を提示し、前時までの学習で見つけた性質やきまりを確認しました。

1、とび法  2、段合わせ法  3、反対法 という3つの既習のきまりを提示しました。(それぞれの内容については、写真の板書を参照)


 これらの既習を足場として、10×4の答えの求め方を考えさせ、どのような性質やきまりを使えばよいかを説明させるというものです。そして、全体解決で10の段をつくり説明させました。子供たちは、3つの方法できちんと説明できるように教えました。

 次に自力解決。11の段をつくらせるというもの。子供たちは、考えのもと(足場)と全体解決を足場にして、全員容易に説明を書いていました。

「やはり、足場ってすごいな。」と実感しました。T先生の前時までの指導のすばらしさもうかがえました。これなら、12の段でも13の段でも簡単に説明できそうです。

 教えて学ばせるということを基本にすえて、子供の思考力、表現力を育成できるということを、改めて実感したこところです。

 再来週の水曜日あたりに、新採の先生に、4年「同分母分数のたしざん・ひきざん」の授業を参観していただく予定です。(参考になるかどうかはわかりませんが・・・)

 参観したい方は、どうぞごらんください!



 

2011年1月23日日曜日

ドラマ「スクール」

足場のことは、ちょっと置いといて・・・。

日曜夜のドラマ「スクール」をご覧になりましたか?なかなかおもしろい脚本なんで、息子と一緒に見ています。

http://www.fujitv.co.jp/school1/index.html

学校現場をかなりデフォルメしているような感じです。教師も、保護者も、子供たちも。ドラマなんで当たり前なんですけどね。

成瀬校長は、教職とは無関係の民間人校長から抜擢されたという設定。今の閉塞感のある教育界に、くさびを打つ小気味よさをねらったドラマだと思います。

うちの学校にも、民間から校長がきたらどうだろうかと思ってしまいます。「学校というものは」とか「教育とは」とか、「教職の経験上・・」などなど、ドラマのようにいろいろなことを民間人校長にものを言うかもしれませんね。教頭上がりの校長であれば、教職経験を積んだということもあり、学校を熟知しているから納得することも多いのでしょう。

でも、ドラマの成瀬校長を見ていると、教育では素人だからこそ何かやってくれるのではないかとわくわくしてしまいます。何かをやろうとする時は、障害が大きいですよね。でも、そのエネルギーは、自分の利益を度外視して、子供のためを思えばこそ湧いてくるものなのだろうと思います。自分(たち)のためだけを考える時代にあって、そういうことを投げかけているのではないでしょうか。

「本気で怒れ、泣け、笑え」

こういうドラマを見てつい魅かれてしまうのは、やはり体当たりの人間関係なんだろうなあって思います。

学校では、学力や生活力を身につけ人間として立派に生きていけるようにするために、さまざまな教育活動をしているわけですが、ドラマのように偏差値や点数を気にする考え方や生き方、マニュアル化した人間関係、閉塞感からは、将来、一人一人の子供たちが本当に幸せ感を持てるのだろうかと思ってしまいます。目に見えるものしか意味がないと思う価値観からは、単なる物質至上主義的な満足感を得るための人生になってしまうのかな・・なんて考えたりもします。

今後の成瀬校長の活躍が楽しみです!

2011年1月15日土曜日

足場と見通しの違い

 研修会で発表していて、質問されることで一番多いのが、「足場は見通しとはちがうのですか?」という疑問です。

 課題解決学習では、課題を解決するための見通しという段階があります。見通しは、方法や手段の見通しととらえることもあります。たとえば、「線分図を使えばいい」とか「かけ算でできそう」などというものです。または、数量の見積もりです。だいたいいくつぐらいになりそうかということを見通すこともあります。

 しかし、「考える足場」というのは、問題の解決を進めるために役立つ基礎・基本となる知識・技能や考え方(アイディア)のことです。たとえば、分数のたし算の学習で、小数のたし算の考え方を用いるということだと思います。

 どちらも、問題を解くために大切なことであり、解法に導くためのものであると思いますが、足場は考え方ややり方までふみこんで、過去に学習したことを想起させながら、目の前の問題を解くための重要なカギとなる内容です。 

だから、足場と見通しは違うと思っています。

2011年1月6日木曜日

与える足場からつくる足場へ

 足場の実践をしていると、子供たちから
「今日のステップ(足場)は何ですか?」
という言葉が出てきます。

 今日の問題を解くために必要なことって何かを、早く知りたいからだろうと思います。

 12月、4年算数「小数のかけ算」の第1教時目である。問題は、

 0.2×4=?

 今までの自分は、まず見通しを持たせました。図や文、式を使って解くなどという見通しです。または、数値的な見積もりをさせたりします。そこで自力解決させ、多様な考え方で説明させる・・・というやり方でした。

 ところが、「考える足場」のスタイルになってからは、何を足場にすべきかということを、常に考えています。今回の場合は、

 0.2は0.1が2こ   2×4=8

という、この既習を用いて整数の考え方に帰着させ、問題を考えさせたいと思いました。この時、ふと石田先生が2回目の講演でおっしゃっていた、「与える足場から、つくる足場へ」というお話を思い出しました。石田先生によると次の通りです。

第1段階 教師から与える足場
第2段階 児童が仲間とつくる足場
第3段階 児童が自分でつくる足場

今までの授業では、常に何を足場にしようかと考えていて、つまり第1段階として足場を与えていたので、そろそろ第2段階に移行しようと思いました。でも、どういう授業なのか見たことがないので、
「ま、やるだけやってみっか。」
ということで、イメージがないままに授業となりました。

問題提示のあと、
「この計算の答えを求めるのに、使える考え方や似た問題はありませんか?」
という発問をしてみました。

算数が苦手な子供は、予想通り意味がわからない様子でしたが、数名の児童が挙手をして、
「0.2は0.1が2個分あります。」
「2×4を使えばできそうです。」
という反応・・・。それにつられて、クラス全体が
「なるほど!」
という雰囲気になり、そこからは全体ですらすらと解決できました。

0.2は0.1が2こ分
0.2×4は、0.1が(2×4)こ分
だから、0.8
(※もちろん、教師は線分図を補助的に提示して理解を深めた)

その後、数値をかえた問題でも、上のような説明を書かきながら、すらすらと全員が自力解決完了!

 過去の自分のやり方だと、図で考えた子供に説明をさせたり、式や言葉で解いた子供の考えを発表させたりと、多様なやり方を説明させていて、時間がかかり満足に練習問題を解かせることができなかったことを記憶しています。そのことからしても、効率的に、しかも小数の計算も、整数と同じ考え方で解くことができるという類推思考(数学的な考え方)を子供たち自ら気づき、意欲的に解く姿を見て、

「つくる足場とはこのような授業なのか!」

と実感しました。

 足場に慣れてくると、やはりどんなアイディアで解けばよいのかということが、次第に身についてきて、自分たちでもつくれるようになってくるものだなあと感じました。しばらくは、第2段階をちょくちょくやってみようかと思っています。

 3学期は、同分母分数のたし算があります。その学習で、
「整数に帰着させる足場を、子供たちでつくれたらすごいな。」
と、今からわくわくしています。

 明日から3学期が始まります。子供たちと一緒に、すごい授業をしてみたいです!



 

2011年1月1日土曜日

「教えて考えさせる授業」のスタイル


 みなさん、あけましておめでとうございます。期末事務に入ってから、書き込みをさぼってしまいました。

 さて、12月6日の話になるのですが、山形新聞の担任力向上フォーラムという記事の中に、寒河江南部小学校の実践が載っていました。(読んだ方もいらっしゃると思いますが)

~内容抜粋~(新聞記事をクリックすると拡大します!)

「教えて考えさせる授業」をテーマに掲げている。新しい内容に入るときは、まず授業の最初に教師が児童のやり取りをを通して丁寧に教え、次に、理解度の度合いを確かめるためにペアを組んで児童同士で教え合う。
(中略)
研究主任の話「・・・・授業の最初に教わったことを使えばできるため、これまでは授業中に一言も発しなかった子どもが、意欲的に授業に取り組むようになった。・・・・・・・・」


 詳しくは、この日の記事をご覧ください。 
 寒河江南部小さんの研究の方向性は、足場の考え方と共通していると思ったので、載せてみました。「教えて考えさせる」とは、東大の市川伸一先生が提唱している理論だそうです。(実は、この学校に知り合いのT先生がいて、教えてもらいました)

 この考え方は、足場を提唱なさっている横国大の石田先生がいつもおっしゃってる言葉でもあります。数年前、考える足場の理論で、算数数学東北大会で発表した、青森県八戸市立長者小学校でも、市川先生にご指導をいただいてこの理論のもと研究発表しているようです。
 
 大学の先生のご指導のもと研究できるというのは、実にうらやましい限りです。

 この研究でも、一人一人の子供が意欲的に学習するようになったという報告がありました。私の足場の実践でも、同じようなことが言えます。南部小さんは、その後により質の高い学び合いというスタイルをとっていることがすごいと思いました。

「考える力をつける」というのが、我々の使命であることは言うまでもありませんが、考える力というのは問題を与えただけでは、ほとんどの子供が身に付かないと思う。やはり、考える筋道をしっかりと教えるべきであり、そうすると考える力がつくだけでなく、効率的に指導できるよさもあります。

 この記事を見て、これからは教えて考えさせる、つまり「考える足場」の指導法が重要になってくると思いました。