2022年4月30日土曜日

型を示す







 新学期が始まり1か月が過ぎました。今年度は4年生の担任ということでスタートしました。再任用2年目ですが、若者に負けないようにがんばります。

参観日の時に、「かさをつくろう」という小数のひき算の発展的な授業をしました。石田淳一教授の著書にあるものを自分なりにアレンジしてやってみました。

2つのコップを使ってかさをつくるという内容です。なみなみと入れた水を別のコップになみなみ入れると、元のコップに水が残る。つまり、ひき算した答えのかさだけ残るというものです。

これを論理的に表現させるというねらいです。説明の仕方はいろいろありますが、「まず」「次に」「だから」の型で表現させたいと考えました。でも、いきなりこの型で説明しなさいと言ってもなかなか難しいと思い、まず全体で学び合ってこの表現を完成させました。つまり、全体で解決したことを考える足場にするということです。

そしていよいよ主問題2をグループ学習させます。Tの文字にするので、「T字グループ」と呼んでいます。主問題1でやった表現を足場にしているので、どのグループも参考にしながら解いていました。

あるグループだけ、逆の発想をしていました。小さいコップから移す方法です。0.3Lなので、0.2Lと0.1Lでつくっていました。全体の話し合いで、0.1Lは半分まで水を入れるという説明でしたが、ちょうど半分というのは無理だということになりました。数学的には目盛りがないコップで半分という表現は、曖昧な言葉になります。

全体の話し合いのあとは、全員がこの表現で説明することができました。

今回の授業では、主問題1を全体で解決し、それを考える足場にして学び合うというものです。いろいろな表現をグループに出させて学び合うというやり方もありますが、論理的な説明をさせる場合は、型を示して教えなければなりません。時間ばかりかかり身につかない授業よりも、効率的で思考力、表現力が身につく授業だと思います。