2011年6月30日木曜日

スピリチュアルな最後の授業・・・

前の投稿からの続きです。



いよいよ今日は実習最後の本番の授業。昨日は、夜9時までかかり、指導案などを準備しました。3年「表と棒グラフ」の3教時目。形としては、「足場の授業」のスタイルにしました。前時までのグラフの読み取りを手掛かりにしながら、主問題1では、横向きでしかも1目盛りが1ではないグラフの読み取りです。発問も適切で切り返しもできていました。さらに、ひとつひとつ丁寧にわかりやすく教えていました。写真を見ればわかる通り、グラフなどがとても見やすく、子供たちもひきつけられました。

主問題2でも、足場をもとにしてほとんどの子供が自力解決できていたし、フリートーク的な教え合う姿も見られました。まとめも、板書を見ればすぐにわかるということで、全員きちんと書いていたし、練習問題もほとんどの子供が正答でした。

やはり、情熱って伝わるものなんですね。すばらしい授業になりました。授業後の実習生のN先生の姿は、晴れ晴れとしていました。事後研では、たくさんの先生からほめていただけるだろうなと思っていました。

ところが、授業後間もなくN先生の実家から、おばあさんの訃報が入りました。突然の訃報に驚き、すぐにおばあさんのところへ向かいました。

その時、私は思いました。「もう少し、亡くなるのが早かったら、本番の授業ができなかったかもしれない。おばあさんが、最後の授業が終わるのを待っていて下さったのではないか。」そんなことを考えずにはいられませんでした。おばあさんは、素晴らしい授業をする孫を案じていたのではないでしょうか。あまりの偶然さに、じーんと来るものがありました。

帰りの会で、子供たちに事実を伝えました。「N先生(実習生)が一生懸命、君たちに学習してほしいという思いで、今日の算数を迎えたんだよ。 そのあと、おばあちゃんが亡くなって・・。おばあちゃんが、最後の授業を待っていて下さったのかもね・・」

その時、何人かの子供が、「うんうん・・今日の授業、ほんとにわかりやすくて楽しかった・・・」と言った時、涙が出そうになりました。

明日、4時間目にN先生とのお別れ会を予定しています。子供たちは、数日前から手紙などを準備しています。この話のあとも、「先生、手紙にたくさん書いていい?」と聞く女の子。子供たちも、こういう状況を知り、何かを感じ取ったのでしょうね。実習生のN先生、本当にありがとうございました。

天国へ旅立たれたおばあちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。

2011年6月28日火曜日

教育実習生から学ぶ

今、うちのクラスに教育実習生が来ています。最後の週とあって、子供たちともよい関係になり、授業もいい感じに進んでいます。

音楽や道徳の授業を経て、昨日から算数の授業。授業研は、3年「表と棒グラフ」の第3教時目とあって、1教時から授業をしてもらいことになりました。

昨日の1教時目。ランダムに並んだ項目を集計することによって、表にまとめました。学習プリントや黒板で提示する表も準備しての授業。結論から言うと、子供たちの意見をうまく舵取りできずに、どんどん意見を言う子に振り回された感じがしました。(その日の私の指導は、けっこう辛口だったかも)

しかし、今日の2教時目。いよいよグラフの読み取りです。黒板に提示したグラフがとても見やすく、子供たちを引きつけました。しかも、読み取りのポイントを上手に教えることができ、グラフの見方を深めることができました。

1教時目の反省を、見事にクリアした授業!なかなかです。若い人は、ぐんと伸びるんだなあと感心しました。聴く耳を持ち改善しようという気持ちがあるからなのかもしれませんね。実習生にとっては、いろんなことが新しく学ぶことになります。学ぼうという情熱がなければ、何も学べません。その情熱が伝わってきました。(子供たちにも、伝わったのでしょう!)考える足場とか課題解決とかいう問題ではなく、すべての子供たちにわかるように教えたいという気持ちが、一番大事なんでしょうね。

そう考えると、自分はどうなんだろうと自問自答しました。経験はある程度あるし、実習生に指導もできるという立場になって、素直に学び、授業を改善しようという強い気持ちがあるだろうかと。まだまだ、足りないような気がします。経験は大事です。しかし、いつまでも自分を伸ばそうというフレッシュな気持ちも大事ですね。そんなことを実習生から学ぶことができました。

つけたしですが、子供の顔と名前を一日で覚えたということでした。これには、完全に負けました。(ちなみに、3,4日かかりました・・・)

2011年6月26日日曜日

足場で学力向上!

どこの学校でも学力テストを行なっていると思います。うちの学校では、1月にCRT、年度初めにNRTを実施しています。

今年の学力テストを分析中ですが、数値だけを見ると算数が上がっています。CRTも昨年度に比べると、どの学年も上がっていました。

これが、「考える足場」の授業改善と関連しているかどうかの分析も必要です。考える足場の研究を実施している学校は、必ず学力テストの数値が上がると、石田先生はおっしゃっていました。3年間の数値を分析するとよいでしょうとアドバイスいただきましたが、1、2年で成果が見えてくることを実感しています。前勤務校でも、足場の研究をしていましたが、前年度より算数が上がりました。

数値だけでなく、子供たちも変わります。足場を有効に使おうという姿勢が見られるようになり、主問題1との関連を見出そうとします。そういう考え方が、既習を活用しようという見方が生まれます。
考え方を伝え合おうという表現力も身につきます。

習ったことを使う、活用する、さらには表現力など、今必要とされる学力や特に数学的な考え方が身についてきています。学力テストの数値だけでなく、子供たちの生の姿から学力が上がっていることを実感するこの頃です。

豊田小学校、梨郷小学校の学校研究での成果を期待しています。

2011年6月24日金曜日

スマートフォンで読み聞かせ

来週、総合単元的道徳に関連した国語ということで、国語の授業研をすることになっています。内容は、金子みすずの「打ち出の小づち」(3年国語)です。ところが、この単元は教科書にはなく、自作の単元ということになります。(初めての経験です・・)

ということで、この詩には、一寸法師の話がよくわからないと理解できない部分があり、さっそく絵本を読み聞かせしました。読み聞かせの時にいつも思うのは、紙芝居と違い、文字が絵と同じ側にあるので、読みづらいということです。絵本の画像をスキャナで撮って、パワーポイントでモニターに映すということも考えられますが、けっこう面倒な作業です。

そこで、スマートフォンで絵を提示できないかと考えました。まず、絵をスマホのカメラで撮影。それをモニターにHDMIで接続。そしたら、いとも簡単にモニターに絵が現れました。しかも、指で動かすと簡単に次の絵に移ります。

これで、打ち出の小づちのことは、子供たちには理解できたと思います。来週の授業が楽しみです。

2011年6月16日木曜日

総合単元的道徳「なかよしだから」

「総合単元的道徳」・・あまり聞きなれない用語かもしれませんが、私たちの学校研究で扱っているものです。秋には発表会があります。そのために、1学期中に全クラス授業研をするというので、毎週のように事前研やら、事後研やら入っています。自分も、今指導案を作成中ですが、ちょっと壁に当たってるので、ブログへと逃避です。


昨日、3年の道徳の授業研が行われました。担任のT先生は、総合単元的道徳では、もう何年も経験している先生です。「なかよしだから」というお話で、友達を理解して、よりよい友達関係を築こうという内容です。

今回の授業では、「役割演技」ということが、大きな柱でした。モデルを示した後、全員がペアになって互いに登場人物になって、対話するという設定です。実は、数日前、うちのクラスでT先生が授業者となって、プレ授業を行いました。その反省を生かしながらの授業です。

事後研では、いろいろな意見が出されました。

・モデルを示した役割演技では、本音が出せないのでは?
・モデルや板書をヒントにして、苦手な子供もロールプレイできたのでは。
・登場人物に託して、自分を語らせる有効な手立てになった。
・役割演技では、なかなか全員を見とることができないので、うまく活用できないのではないか。
・一人一人に対話をさせる手立てとして有効。

などなど、役割演技だけでもさまざまです。役割演技は、やはり意味のある有効なものにしなければならない。そのためには、何を言わせるのか、どう活用するのか、どのように深まったことを見とるのかなど、難しさがたくさんあります。

しかし、登場人物になりきって自分を語ることが道徳では重要ですから、役割演技がしっかりできて有効に活用できれば最高ですね。今回の授業でも、一人一人が生き生きと活動していました。こういうときの子供って、目が輝いていますね。

2011年6月15日水曜日

国語科での足場

算数だけでなく、いろいろな教科で足場が有効だったりすることがあります。

小学校3年国語の光村の教科書では、『読んで感想をもとう』という説明文を扱う単元に、足場ととらえられる内容がありました。最初に、『イルカのねむり方』という説明文があります。見開き2ページで終わる短い文章です。3年生でも、内容を理解するのに容易な長さです。ページ上段に、はじめ、中、おわりという大きく3つに分かれていることを示す帯がありました。

次に、『ありの行列』という説明文があります。ちょっと長いのですが、これが『イルカのねむり方』と同じ構成になっているということがわかります。これがわかれば、文章を理解しやすいということですね。構成がつかめれば、全体的に書いてあることがわかります。つまり、イルカを足場にするという流れだと思います。

前勤務校で、算数と国語を研究していました。算数は、「足場」の研究を中心にしていましたが、国語科でも、国語の足場とは??という切り口で、前学年の説明文を足場にして、読み取りをしたりする授業もありました。なるほどと思いましたが、前学年からというのが日常の授業では、ちょっと大変なのかなと感じていました。

しかし、この単元構成だと、国語でも足場で考えさせることもできるんだなあと思いました。石田先生に言わせれば、ちょっと意味が違うと言われるかもしれませんが、算数の足場を他教科へ拡張すると、こうなるのかなと思ってしまいました。

やはり、足場は大事です。

2011年6月11日土曜日

算数指導研究会 「考える足場」: スマートフォンの活用

算数指導研究会 「考える足場」: スマートフォンの活用: "スマートフォンには、HDMI端子がついています。このHDMIでつなげば、教室の大画面TVに映像や画像、地図などを映せるのではと思い、つないでみました。そしたら、映像、音声など、クリアに映すことができました。 とりあえず何ができるか考えました。ちょうど、3年社会で、市内の学習を..."

スマートフォンの活用

スマートフォンには、HDMI端子がついています。このHDMIでつなげば、教室の大画面TVに映像や画像、地図などを映せるのではと思い、つないでみました。そしたら、映像、音声など、クリアに映すことができました。

とりあえず何ができるか考えました。ちょうど、3年社会で、市内の学習をしていましたので、グーグルアースを表示して、市の土地利用のようすを見せました。子供たちは、地球から市内へと接近していく様子を見て、びっくりしていました。山などの森林、市街地、田んぼや畑など、衛生写真でもかなり鮮明にわかります。ただ、写真がちょいと古く、高規格道路が、まだ工事中の写真でした。ということは、3、4年前の写真でしょうね。

このように、社会で活用してみました。ということは、いろいろな教科で活用できそうです。算数では、図形などで使えば、効果的ではないでしょうか。パソコンもいいのですが、立ち上げたりつないだりと手間がかかりますが、スマートフォンは手軽に使えます。ネット画面もすぐに見せられるので、とても便利です。いろいろなアイディアで、挑戦してみたいと思いました。考える足場の算数で使えたら、報告いたします。いろいろなアイディアなど、コメントいただければありがたいです。