2011年8月21日日曜日

『説明』と『板書』 これが足場の授業だ!(梨郷小学校)

残暑お見舞い申し上げます。
山形県ではもう2学期が始まりました。うちの学校は、すぐに運動会の練習やら準備やらで忙しくなります。


さて、夏休み中に、梨郷小学校からDVDが届きました。1年と4年の算数で、足場をもとにした授業です。授業の映像や画像でようすをご紹介したいのですが、自分の授業ではないので、板書計画をご覧になっていただきたいと思います。また、自分なりの感じたことも、コメントしてみたいと思います。
<1年「のこりはいくつ」>
・ブロック操作で既習を確認したことが考える足場となり、めあてをしっかり持つことができ、主問題1を容易に解くことにつながった思います。
・主問題1では、「はじめに」「へると」「のこりは」という説明のしかたをみんなで唱えることで、ひき算の意味をきちんとつかむことができました。このことが、式をつくることにもつながりました。
・主問題2の自力解決でも、ブロック操作を確認してあげるというていねいさが、自分でも解くことができるという自信になったと思います。ペア学習でも、一人一人しっかりと説明しているように見受けられました。
・練習問題でも、効率的に授業が進み、時間的な余裕が生まれたことにより、個別指導もでき、一人一人ができたことを確認することにつながりました。

 説明の型を与えるということは、筋道立ててわかりやすく説明することにつながります。これを1年生から実践していくと、わかりやすく説明しようという意識がどんどん高まっていくのだと考えます。また、本時のような授業を課題解決型で進めていくと、問題把握や自力解決に時間がかかり、数的操作から機械的に立式することの理解に終始してしまい、説明をきちんとさせるところまで到達できないことが多いと思います。そういう意味でも、考える足場を与えることが大切であることを実感いたしました。

<4年「わり算の筆算(2)>
・導入で、「まず」「次に」「だから」という言葉を用いて既習問題を説明させ、板書することで、主問題1でも同じように解き、説明することにつながっています。答えの左側に×(かける)を書くことで、わり算はかけ算を用いて解くということを意識させる工夫が見られました。
・めあての「説明しよう」という単元を通しての(または日常なのかもしれませんが)説明するというめあて意識を持たせることは、数学的な力や感覚を養うことにつながると思います。
・主問題1をみんなで解くことで、安心して解いている様子が見られました。
・解き終わった子どもが、「説明も書きますか」とつぶやいていました。常に説明しようという意識が高まっています。
・主問題2(自力解決)でも、子供たちから「簡単です」という反応がありました。導入と主問題1を足場にするという流れが、一人一人にしっかりと自力解決できるという自信につながっています。

足場から自力解決まで、一貫してきちんと説明できるような流れになっていたと思います。桁が多くなっても同じ考え方でできるということを理解させることができました。子どもたちからの、「かんたんだ」という声からも、足場が有効であることを感じました。

ただ、練習問題を解く時間がなくなってしまったということについては、私も説明重視により時間がなくなってしまったことがありました。課題解決型と比べ、足場を与えると効率的に授業が進み、説明する時間も確保できるというよさがありますが、足場、主問題1・2ですべて説明までしっかりさせると、やはり時間がなくなってしまうようです。計算問題は、速く正確に解くということも大事にしなければならないので、足場や主問題1の説明を1つだけにする、または、主問題2を1問だけにして説明の評価にすることで、練習問題でたくさん解かせるなど、さらに効率的に進める工夫が必要かと思いました。
この授業を見て、説明することの大切さを改めて感じることができました。


というわけで、とても勉強になりました。2つの授業の共通点は、説明のしかたをきちんと指導していることと、板書をスパイラルに活用できるような構成にしているということです。改めて考える足場のよさを実感することができました。

豊田小学校でも、成果が上がっていると思います。ぜひ、ご紹介お願いいたします。

2011年8月14日日曜日

自転車山形県一周の旅!

算数の話題でなくてごめんなさい。

この夏休みに、自転車で山形県一周の旅に出かけました。自宅の小国町から南陽市の職場に行き、赤湯を一望できるところまで行って休憩。
山形市を通り、立石寺(山寺)に行きました。ここで懐かしいビンコーラを飲んできました。
天童と新庄を通り、庄内に出ました。庄内では、浜からの向かい風で、全然前に進まず苦労しました。

途中、横浜から来た大学生と出会いました。なんと彼は日本一周している途中でした。お友達になりました。サイクル野郎って素晴らしいです。札幌からきたカップルにも出会いました。山形県一周ってまだまだ小さいなと感じました。
新潟県に入り、海沿いを走りました。炎天下、ペットボトル何本飲んだろう。
なんとか13日の墓参りまで間に合いました。

この旅を通して、いろんなことを学びました。足が棒になりながら、峠道を超えたときの満足感、やればできるという達成感、サイクル野郎たちとの出会い、トンネルを走って不安になったときに子供の名前を大声で叫んだこと、いろいろな経験をしました。

たいした冒険ではないかもしれないけど、自分にとっては結構な達成感でした。家族の理解、フェイスブックの友達の支援、職場の方からの電話での励まし、やればできるという実感など、達成した時の感動・・などなど本当にいい経験をしました。

この経験を、自分の子供やクラスの子供たち、知り合いに伝えていきたいと思っています。さっそく、次の冒険を企画しています。

追伸;自転車のメーターを見たら、自宅から自宅まで調整なしで、なんと333.33km!これもキセキです。

とても苦しい経験でしたが、その分感動も大きかったです。やれば何でもできる!成せば成る!人生は素晴らしい。

2011年8月10日水曜日

携帯・スマホからも閲覧できます

フェイスブック友達から、パソコンを使わないので携帯で見れないのかという質問をいただきましたが、携帯からも見れるように設定しました。また、以下のURLからは、携帯とスマホ専用の閲覧画面が見られますのでご覧ください。

http://moblogger.r-stone.net/blogs/8104404596330222120

小中連携!!小中交流の意義

8月9日、中学校区の小中交流会が行われました。うちの中学校区には、4つの小学校があります。今回の研修会では、表現力をテーマに、それぞれの実践を持ち寄り、少人数の分科会形式で一人一人の先生が発表しました。

私は、考える足場での説明のさせ方について発表させていただきました。(本ブログ5月11日参照)考える足場の授業では、しっかりと説明させることが可能になります。足場での説明、主問題でも説明、と繰り返し説明できるからです。今、大事にされている表現力を身につける上でも、有効だと思います。

ほかの先生方も、いろいろな教科で表現力を身に付けさせていることを学びました。小学校の実践や課題を中学校の先生に伝えることもできたし、中学校の実態やめざしていることも知ることができました。やはり9年間の義務教育を、どのように考えるのかを、小中で連携しなければならないなと強く感じました。さらに、他の小学校の考え方なども、共通理解していくことも必要だと思います。
発表するということで、自分の実践資料をつくりましたが、そういう資料作成を通して、自分の実践の成果や課題を整理することができます。教科や学年、そして小中の違いはありますが、こういう研修会で実践発表をするということの意義を感じました。

しかし、逆に言えば、このような機会がなければ、なかなか自分の実践の成果や課題を整理することが難しくなります。というわけで、このブログでの発信は、そういう機会を自らつくっているのかなと感じました。(コメントもいただければありがたいです)

その後、懇親会がありました。一緒に飲むことで、さらに人間関係が深まりました。中学校の先生方、ありがとうございました。やはり、飲みニケーションも大事ですね!

話題は変わりますが、昨日、他の小学校から足場の授業のDVDが届きました。これから視聴させていただき、感想などをアップする予定です。

2011年8月2日火曜日

教育課程研修会に参加して

本日は、夏休み恒例の「教育過程研修会」に参加してきました。
この研修会、十数年ぶりの参加になりました。

算数の司会者ということもあり、やや緊張しての参加になりました。新採の時に一緒だった先生や、うちの近所の先生など、顔見知りの先生がいらっしゃって、緊張もほぐれました。

最初、指導主事の先生から、算数に関する「指導と評価」「言語活動」を中心に説明がありました。

次に、各先生方から、日頃の算数指導での成果や課題などを、お話していただきました。どの学校も、学校研究などで算数を一生懸命実践されているんだなあと思いました。交流のようすをビデオに撮り、みんなに見せることで、交流の仕方を指導している学校やら、算数だけでなく、常に理由を説明させるという学校など、具体的に取り組んでいらっしゃる姿が見られました。

以前、小集団交流に関して、交流のための交流になっている授業があるのでは?と思ったことがありました。10年ほど前から、交流とかかかわりとかいう言葉が重要視され、どの学校でも小集団交流(ペア、グループ、自由)が研究の目玉になってきました。

交流には、いろいろな課題もあると思います。今日の参会者の中に、自力解決に時間がかかり、交流の時間がとれないことがあるという報告をされた先生がいました。もう何年も前から、交流の時間をとったために、最後の練習問題まで行けなかったとか、時間的余裕がなくなるという大きな課題があります。もちろん、自力解決でも、既習を想起できないでいる子供が多く、時間がかかります。

その原因の一つは、課題解決型学習の欠点にもあると思います。ちょっとした見通しだけで、自分なりの考え方で解くことができる子供は、クラスに何人いるでしょうか。できない子供には、ヒントカードやら支援をしながら考えさせるわけですが、効率が悪いと思います。TTにおいては、多少この点が解決できるものの、限界があるように思われます。だから、これから何年たっても、一人一人に考える時間を保証すると、あとあと時間が足りなくなるということを繰り返していくのではないでしょうか。

従来の「教えないで考えさせる指導法」から、「教えて考えさせる指導法」への転換期なのではないかと考えています。思考力は、自分で考えるからこそ身につくという今までの考え方から、考え方の道筋を示してあげることにより、問題を解く意欲が高まり、効率的に知識や技能が身につくという手法に移行しつつあると思います。

「教える」というと、「教え込み」と同じだというイメージを持たれる先生方もいます。しかし、「教えこみ」というのは、ただ単に公式を暗記させたり、一方的な講義で終わる授業であり、「教える」というのは、既習との関連づけをすることで容易に問題が解けるようになるということなのだと思います。時間的な効率性だけでなく、数学的な考え方も身につくということにもつながります。(過去のブログをご覧ください)

横国大の石田先生や、東大の市川先生などが提唱なさっている理論について、全国でいろいろな実践事例が出されています。(市川先生の著書「教えて考えさせる授業を創る」という本を購入し、ただいま研究中です。)

まだまだ課題解決型の授業が主流であり、自力解決で考えを持たせる工夫も、小集団交流もすばらしい実践になると思いますが、今後、授業改善、いや改革と言えるぐらいの転換期であると思っているのは私だけでしょうか。