2011年11月5日土曜日

考える足場と対話により、自ら学ぶ子供たち

かけ算の筆算3教時目の授業。
前日の繰り上がらない場合の筆算を足場にして、十の位に繰り上がりがある場合の筆算に挑戦!ステップ(足場)でみんなでやり方を一緒に唱えた後、本時の主問題1では、予習してきたこともあり、「かんたんだ!」という反応。今日は、さらっとやり方を確認して、たくさん問題を解く授業になると予想しました。

ところが、一の位の3×6=18をある子に書かせたところ、たし算の筆算と同じように、かけられる数の十の位の上に小さく「1」と書きました。そのことから、次々に意見や質問が出されました。

「たし算と同じように上に書いたら、1も3倍してしまうんじゃないですか。」

「どうしてかけ算なのに、かけた答えをかけられる数にたすんですか。」

「そこに書くと、答えがちがってきます。」

上に書くという子供は、2名ほどいました。この質問をされて、どう返答してよいかわからない様子だったので、上に書いた子供に計算の続きをさせたところ、ただ上に書いただけで、20とたすことは考えていないようでした。つまり、答えを書くところの上に小さく「1」と書くやり方と同じだということがわかり、みんな納得しました。

この子供の書き方でも、間違えなければ問題はないと思いますが、数字が大きくなったり、小数など複雑になってきた時に間違うことが予想されます。それで、従来通りの書き方をすることになりました。

この子供の発想は、自分にも予想がつかず、戸惑いもありましたが、他の子供たちもいろいろと考えるきっかけになり、繰り上がる時の注意点として受け止めることができました。

このような場合、教師が「ここに書くんだよ」と言えば、数秒で済むことなのですが、子供たちのいろいろなこだわりを納得させるには、こうした対話による学び合いで自分の考えをしっかり伝えることなのだろうと思います。この子供だけでなく、一人一人が考える授業になりました。

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