2011年1月23日日曜日

ドラマ「スクール」

足場のことは、ちょっと置いといて・・・。

日曜夜のドラマ「スクール」をご覧になりましたか?なかなかおもしろい脚本なんで、息子と一緒に見ています。

http://www.fujitv.co.jp/school1/index.html

学校現場をかなりデフォルメしているような感じです。教師も、保護者も、子供たちも。ドラマなんで当たり前なんですけどね。

成瀬校長は、教職とは無関係の民間人校長から抜擢されたという設定。今の閉塞感のある教育界に、くさびを打つ小気味よさをねらったドラマだと思います。

うちの学校にも、民間から校長がきたらどうだろうかと思ってしまいます。「学校というものは」とか「教育とは」とか、「教職の経験上・・」などなど、ドラマのようにいろいろなことを民間人校長にものを言うかもしれませんね。教頭上がりの校長であれば、教職経験を積んだということもあり、学校を熟知しているから納得することも多いのでしょう。

でも、ドラマの成瀬校長を見ていると、教育では素人だからこそ何かやってくれるのではないかとわくわくしてしまいます。何かをやろうとする時は、障害が大きいですよね。でも、そのエネルギーは、自分の利益を度外視して、子供のためを思えばこそ湧いてくるものなのだろうと思います。自分(たち)のためだけを考える時代にあって、そういうことを投げかけているのではないでしょうか。

「本気で怒れ、泣け、笑え」

こういうドラマを見てつい魅かれてしまうのは、やはり体当たりの人間関係なんだろうなあって思います。

学校では、学力や生活力を身につけ人間として立派に生きていけるようにするために、さまざまな教育活動をしているわけですが、ドラマのように偏差値や点数を気にする考え方や生き方、マニュアル化した人間関係、閉塞感からは、将来、一人一人の子供たちが本当に幸せ感を持てるのだろうかと思ってしまいます。目に見えるものしか意味がないと思う価値観からは、単なる物質至上主義的な満足感を得るための人生になってしまうのかな・・なんて考えたりもします。

今後の成瀬校長の活躍が楽しみです!

2011年1月15日土曜日

足場と見通しの違い

 研修会で発表していて、質問されることで一番多いのが、「足場は見通しとはちがうのですか?」という疑問です。

 課題解決学習では、課題を解決するための見通しという段階があります。見通しは、方法や手段の見通しととらえることもあります。たとえば、「線分図を使えばいい」とか「かけ算でできそう」などというものです。または、数量の見積もりです。だいたいいくつぐらいになりそうかということを見通すこともあります。

 しかし、「考える足場」というのは、問題の解決を進めるために役立つ基礎・基本となる知識・技能や考え方(アイディア)のことです。たとえば、分数のたし算の学習で、小数のたし算の考え方を用いるということだと思います。

 どちらも、問題を解くために大切なことであり、解法に導くためのものであると思いますが、足場は考え方ややり方までふみこんで、過去に学習したことを想起させながら、目の前の問題を解くための重要なカギとなる内容です。 

だから、足場と見通しは違うと思っています。

2011年1月6日木曜日

与える足場からつくる足場へ

 足場の実践をしていると、子供たちから
「今日のステップ(足場)は何ですか?」
という言葉が出てきます。

 今日の問題を解くために必要なことって何かを、早く知りたいからだろうと思います。

 12月、4年算数「小数のかけ算」の第1教時目である。問題は、

 0.2×4=?

 今までの自分は、まず見通しを持たせました。図や文、式を使って解くなどという見通しです。または、数値的な見積もりをさせたりします。そこで自力解決させ、多様な考え方で説明させる・・・というやり方でした。

 ところが、「考える足場」のスタイルになってからは、何を足場にすべきかということを、常に考えています。今回の場合は、

 0.2は0.1が2こ   2×4=8

という、この既習を用いて整数の考え方に帰着させ、問題を考えさせたいと思いました。この時、ふと石田先生が2回目の講演でおっしゃっていた、「与える足場から、つくる足場へ」というお話を思い出しました。石田先生によると次の通りです。

第1段階 教師から与える足場
第2段階 児童が仲間とつくる足場
第3段階 児童が自分でつくる足場

今までの授業では、常に何を足場にしようかと考えていて、つまり第1段階として足場を与えていたので、そろそろ第2段階に移行しようと思いました。でも、どういう授業なのか見たことがないので、
「ま、やるだけやってみっか。」
ということで、イメージがないままに授業となりました。

問題提示のあと、
「この計算の答えを求めるのに、使える考え方や似た問題はありませんか?」
という発問をしてみました。

算数が苦手な子供は、予想通り意味がわからない様子でしたが、数名の児童が挙手をして、
「0.2は0.1が2個分あります。」
「2×4を使えばできそうです。」
という反応・・・。それにつられて、クラス全体が
「なるほど!」
という雰囲気になり、そこからは全体ですらすらと解決できました。

0.2は0.1が2こ分
0.2×4は、0.1が(2×4)こ分
だから、0.8
(※もちろん、教師は線分図を補助的に提示して理解を深めた)

その後、数値をかえた問題でも、上のような説明を書かきながら、すらすらと全員が自力解決完了!

 過去の自分のやり方だと、図で考えた子供に説明をさせたり、式や言葉で解いた子供の考えを発表させたりと、多様なやり方を説明させていて、時間がかかり満足に練習問題を解かせることができなかったことを記憶しています。そのことからしても、効率的に、しかも小数の計算も、整数と同じ考え方で解くことができるという類推思考(数学的な考え方)を子供たち自ら気づき、意欲的に解く姿を見て、

「つくる足場とはこのような授業なのか!」

と実感しました。

 足場に慣れてくると、やはりどんなアイディアで解けばよいのかということが、次第に身についてきて、自分たちでもつくれるようになってくるものだなあと感じました。しばらくは、第2段階をちょくちょくやってみようかと思っています。

 3学期は、同分母分数のたし算があります。その学習で、
「整数に帰着させる足場を、子供たちでつくれたらすごいな。」
と、今からわくわくしています。

 明日から3学期が始まります。子供たちと一緒に、すごい授業をしてみたいです!



 

2011年1月1日土曜日

「教えて考えさせる授業」のスタイル


 みなさん、あけましておめでとうございます。期末事務に入ってから、書き込みをさぼってしまいました。

 さて、12月6日の話になるのですが、山形新聞の担任力向上フォーラムという記事の中に、寒河江南部小学校の実践が載っていました。(読んだ方もいらっしゃると思いますが)

~内容抜粋~(新聞記事をクリックすると拡大します!)

「教えて考えさせる授業」をテーマに掲げている。新しい内容に入るときは、まず授業の最初に教師が児童のやり取りをを通して丁寧に教え、次に、理解度の度合いを確かめるためにペアを組んで児童同士で教え合う。
(中略)
研究主任の話「・・・・授業の最初に教わったことを使えばできるため、これまでは授業中に一言も発しなかった子どもが、意欲的に授業に取り組むようになった。・・・・・・・・」


 詳しくは、この日の記事をご覧ください。 
 寒河江南部小さんの研究の方向性は、足場の考え方と共通していると思ったので、載せてみました。「教えて考えさせる」とは、東大の市川伸一先生が提唱している理論だそうです。(実は、この学校に知り合いのT先生がいて、教えてもらいました)

 この考え方は、足場を提唱なさっている横国大の石田先生がいつもおっしゃってる言葉でもあります。数年前、考える足場の理論で、算数数学東北大会で発表した、青森県八戸市立長者小学校でも、市川先生にご指導をいただいてこの理論のもと研究発表しているようです。
 
 大学の先生のご指導のもと研究できるというのは、実にうらやましい限りです。

 この研究でも、一人一人の子供が意欲的に学習するようになったという報告がありました。私の足場の実践でも、同じようなことが言えます。南部小さんは、その後により質の高い学び合いというスタイルをとっていることがすごいと思いました。

「考える力をつける」というのが、我々の使命であることは言うまでもありませんが、考える力というのは問題を与えただけでは、ほとんどの子供が身に付かないと思う。やはり、考える筋道をしっかりと教えるべきであり、そうすると考える力がつくだけでなく、効率的に指導できるよさもあります。

 この記事を見て、これからは教えて考えさせる、つまり「考える足場」の指導法が重要になってくると思いました。