2015年3月21日土曜日

成果を上げた『言語活動・学び合い』の日常化!

だいぶ春めいて参りましたね。

さて、 年度当初、学習指導部より「学校研究の日常化」をめざして、各教科における言語活動や学び合いについて実践をお願いしました。実践していただいた先生方の実践をまとめてみました。



取り組んだ内容

○成果や手立て

理科

課題把握場面や考察場面では、自分の考えを明確にし、交流したり学び合ったりする言語活動を位置付ける。実験・観察結果や既習事項から推論し、学習をまとめることができるようにする。

○課題把握場面や考察場面において、できるだけ言語活動を設定したことで、互いに交流したり、学び合ったりして、理解を深めることができた。

結果や既習事項から推論し、まとめるという学習の流れを定着することができた。

理科 
 驚きの声があがるような教材との出会いを工夫し、気付きや発見を自分の言葉で表現する場面をつくる。

体育

 運動のコツを言語化させ、伝え合わせる。記録を取り、数字を意識させ、記録を比較して分かった事や考えたことを言語化させ、伝え合わせる。

○モンシロチョウの卵から幼虫が出てくる様子や、太陽の光を使って実際に加熱されていく様子を観察させることができた。最初は驚きの声があがったが、その後は黙ってひたすら観察していたノートにびっしり観察した様子を記録させることができた。

コツを自分の言葉で表現させ、伝え合わせることで、できることを増やし、自信をつけさせることができた。

図画工作科

 学習カード(構想スケッチとアイディアメモ)をかくことと毎時の友達同士の作品紹介(途中経過も含む)を通して、自分の思いをどのように作品に表したのかを言葉で表現して学び合う活動を行う。

毎単元、学習カードを使用することで、自分の思いを絵や言葉で確認することができた。このカードを用いて、作品完成予定を友達に伝えたり、作品にあらわしたりする様子がたくさん見られた。

友達の作品を見る機会を多くとったので、作品の説明を伝え合う場が確保できた。

・算数:気付きをもとに学習のめあてを立て、話し合いや操作活動を通して課題についての理解を深めることで、一人ひとりが学びを実感できるようにする。

・書写:手本をもとに、字の書き順(画のつながり)や大きさ、形などを話し合うことで、字形を整えて書くことへの関心を高める。

 

子供とめあてを立てることで、その時間に何を考えるべきなのかを意識しながら学習することができた。

操作をさせたり、解き方の見通しについて話をさせたりすることで、低位の子供も主体的に課題に取り組むことができた。

○解き方を説明する時に、理由も言おうとするようになった。

字形から気付いたことをどんどん出させたことで、はねやとめ、はらいなどを意識して書けるようになった。たくさんの子が発言できるようになった。

国語

 聞く話す、音読、書く機会を多く設定する。

図工

 自分の作品への思いや工夫したことを話したり,友達の作品を見て、形や色,表し方で気付いたことを伝えたりする。

○よみとりの学習では、全体や一人読みなど、音読の機会を多くとることで、大事な言葉や文を探すことに役立てることができた。学習の感想やまとめを書かせることで、自分の考えを書くことに慣れてきた

○作品カードに自分ががんばったことを書いたり、友達の作品を見合ったり、感想を言う場を設けた。自分と同じ工夫や違う工夫を見つけることができた。

・算数科;文章問題においては、教えていること(分かっていること)と聞かれていること(求めること)をしっかりとらえさせるとともに、問題場面について気づいたことを話し合う中で、全員に解決の見通しを持たせる。

・全教科;聞き方名人、話し方名人に基づいた、聞き方や話し方の指導を徹底する。

教えていることと、聞かれていることを必ず確かめ、立式の際に何算になるかその理由を考えて言えるようになってきた。

自分の考えを話したいという意欲のある子は多いが、友達の考えを聞き合うことはまだまだである。

図工

 自分の作品に対する思いや工夫を伝え合う。友達の作品を見て、その良さを感じ取り、題名をつけたり、何に見えるかを伝えたりする。

自分の作品の工夫を言語化することで、より具体的に表現できた。

○友達の作品を見ると、一人一人見方が違い、さらに新しい発見に気付くことができた。みんなで作品のよさを感じることができた。

算数・社会

 問題や写真を見て気付きを発表させ、友達の考えに自分の考えをつなげて発表させることで、児童一人一人の考えが深まっていく場面をつくる。

気付いたことを進んで発表する児童が増えた。

自分たちで足りないものを見つけて課題解決に向かっていくようになった。

○友達と協力して課題を解決しようという意欲が高くなった。

国語 

 それぞれに書いた意見文などの文章を読み合い、良い表現や工夫された表現を探して交流することで、互いに認め合い、高め合う場面を取り入れる。

よさを見つけるためには、よく読み込むことが必要であるので、読む力がついてきた。

よい表現と他の子に認めらたことが自信となり、書くことへの意欲が高まった

・算:自分なりの解決法の図や式について、理由をつけて発表する。

・実験について、事前の予想や日常の見られる現象を関連付けて発表する。

○一人の解き方が共有できたり、わからない児童への繰り返しの説明となったりと、理解を深めた

○気付けずにいる児童への支援になった

予想についての理由が、友達の思考を深めるために役立った。

体育

高い技能を持つ児童のどこがよいのか伝え合う場面や友達にアドバイスを言い合う場面を取り入れることで、一人一人の技能を高める。

器械運動やボールゲームで積極的に取り入れた。器械運動では、手の付き方や回転速度について、ボールゲームでは、ひざやひじの使い方についてアドバイスしていた運動の専門的な用語(例:ドリブル)を教えると、児童はアドバイスしやすくなる

・音楽:一人一人が感じ取った音楽の特徴について言葉で表し、友達と話したり考えを重ねたりしながら楽曲の特徴を共有させる。

○(鑑賞で)曲想やフレーズの違いを図や言葉で表現させ、一人一人の感じ方の違いに気付き、自分の聴き方に取り入れることで、イメージが広がり、楽曲の特徴そのものを共有することができた。

・算数科:①教具や数直線を使って課題を解決する算数的活動を行う。解決のプロセスを言語化し、表現させる。②課題解決の家庭で思考したことを様々な表現様態(数、式、図、表、グラフ、言語等)で表現させ、それらを、言語を介して相互に関連付ける活動を行う。

①数直線シート、②1㎠が見えてくる立体模型、③分数シート、④面積シート等の教具を作り、課題解決に取り組ませた。数の関係や求め方を、操作を通して考え、それを示しながら言語化し、話し合いをすることができた。

・国語科;学級や学年、学校全体で取り組む行事などについて、目標やふり返り、感想を200字で書かせ、互いに読んで共感できる言葉や良い表現、心を動かされた言葉を見つけ出す。その言葉を使って、200字を書いた友達に感想を書く。その感想を読んで嬉しかったことを発表させ、全体へ広げる。

具体的な表現、良いな、使ってみたいなという言葉に線を引かせ、💮を書くことで、より人に伝わる表現を考えて書くようになった。

💮をもらうために、人とは違う視点で感想を書いている児童もいた。

 

 

社会科;個人調べ・グループ調べの場を設定し気づきや学んだことなどを発表する機会を多くして、表現力をつけていく。

各教科;友達の作品のよいところを見つけ、言葉や文章(コメント)などで伝えさせていく。

社会では、毎時間最初に資料集一人調べの時間を設定し、その都度何を調べたかを発表させ、一言感想を言わせた。画一的になってしまった部分もある。

○図工では、学年で鑑賞タイムをとり、意見の交換をすることができた。

・算数科;気付きや見通しで全員に考えを持たせ、ホワイトボードを用いたグループ学習をもとに、考えをつなぎながら算数的価値に迫る学び合いを実践する。

・図工;伝えたい思いを言語化し、学び合う活動を取り入れながら作品製作や鑑賞活動を行う。

○視点を与えながら、算数的な価値に迫ることができた。自分の考えをもたせてからのグループ学習により、活発な話し合いになった。

他教科への広がり(学級会の話し合いにも取り入れた)

○図工;作品への思いを文章化し、伝え合うことで、より自分の思いを具体的に表現できるようになった。

・国語;話し手の意図を捉えながら聞き、自分の意見と比べる等して考えがまとめられるように、「共感」「質問」「助言」の3つのステップを踏まえて指導する。

・体育;互いのよい演技を認め合う,互いに教え合うなどのコミュニケーションを図る学習活動を充実させる。

質問をすること話し合いが活性化した。助言するのはなかなか難しかった。

「ゲーム中に声をかけ合うこと」というめあてを提示し、自己評価させることを繰り返すことで、少しずつコミュニケーションが増えていった。

 

 
















































































































まとめると、

 ○関心、意欲面から

進んで発表する児童が増えた。友達と協力して課題を解決しようという意欲が高くなった。書くことへの意欲が高まった。自分たちで課題解決に向かっていくようになった。できることを増やし、自信をつけさせることができた。たくさんの子が発言できるようになった。理由も言おうとするようになった。低位の子供も主体的に課題に取り組むことができた。自分の考えをもたせてからのグループ学習により、より活発な話し合いになり意欲的に学習した。質問をすることで話し合いが活性化した。

 

○読む・書く・聞く・話す力、話し合う力(コミュニケーション力)、理解力、表現力、活用力から

読む力がついてきた。少しずつコミュニケーション力が身に付いてきた。より人に伝わる表現を考えて書けるようになった。操作を通して考え、言語化し、話し合いをすることができた。より自分の思いを具体的に表現できるようになった。理解を深めることができた。自分の思いを絵や言葉で表現できた。大事な言葉や文を探すことに役立てることができた。学習の感想やまとめを書かせることで、自分の考えを書く力が身に付いてきた。より具体的に表現できた。自分と同じ工夫や違う工夫を見つけることができた。新しい発見に気付くことができた。みんなで作品のよさを感じることができた。イメージが広がり、楽曲の特徴そのものを共有することができた。

 
 
 関心・意欲面とともに、理解力・表現力が向上してきたことがわかります。言語活動は、国語科だけで行うものではなく、実技教科でも学力向上のためには、とても重要なことですね。

さらに、学び合いやかかわり合いは、何年も前から大事にしようと言われてきたことですが、単にペアやグループをしているから協同学習をしているということではなく、意欲や理解力・表現力などの学力が高まる学習でなければ意味がないと言えるでしょう。真の協同的な学びの姿を追究していくことが求められます。そういった意味では、先生方の実践には、とても意味のある実践であったと思います。いろいろな言語活動を学ばせていただきました。

 研究授業だけでなく、今回のように日常的に実践しながら改善していくことが大切であることを実感しました。

2015年3月5日木曜日

石田塾の勉強会!

本日、米沢市立西部小学校を会場に、石田塾が開催されました。今回は、期末事務とあって、西部小学校の職員だけかと思いましたが、山形市から参加してくださった先生もいらっしゃいました。

講話をお聞きするたびに、新しい情報があり、今のままではダメだと思わされます。

今日一番勉強になったのは、グループでの自力解決です。自力解決でもわからないときは質問していいし、友達と答えが同じになっていることを確かめさせるということです。

算数が苦手な子供は、安心感が生まれます。

算数が苦手な子供は、算数が嫌いと言います。しかし、協同学習を進めていくと、算数がわかるようになったし好きになったと子供が変わってきます。私自身、自力解決でも同じように進めてよいのだという安心感が生まれました。



講話で使った新刊です。グループ学習にしぼった内容です。参考にしてください。