2011年9月20日火曜日

講演「対話力を育てる」 目白大学 多田孝志先生

「C改革」・・これは山形県が数年前に掲げたものです。Cは、コミュニケーション。もちろん授業では、交流とか関わり合うという言葉で、学校研究でも取り上げている学校が多数あると思います。他者と関わる力は、これからの国際社会を生き抜くために重要な力であることは、誰しも認めるところです。しかし、関わらせる場を設ければそれでよいのか、どういうのが関わるというのか、どうすれば関わる力が身につくのか、などということをはっきりとらえないままに、授業や研究をしていることが多いのではないでしょうか。
 
最近「対話のある授業」という言葉をよく聞きます。対話を辞書で引いてみると、「直接に向かい合って互いに話をすること。また、その話。多くは二人の場合にいう。対談。」などという解釈がありました。今までは、そういうイメージでとらえていましたが、授業での対話というものは、もっと奥深いものがあります。自校の学校研究の中心にこの対話というものがあり、いろいろと学ぶうちに、対話のある授業の意義が、少しずつ理解できるようになってきました。(実践は、まだまだですが・・)

そんな時、本校に目白大学の多田先生をお迎えしての講演会を開催するという機会がありました。多田先生は、対話に関する第一人者として知られている先生です。多田先生の講演では、学ぶべき点が多々ありました。

(以下、講演の抜粋)
・最近の日本人に問われているもの。それは、対話力。しかし、公的な場面で自分の考えを言えない日本人。次々に意見を言う力、新しいものを考える力、深める力・・日本人はこういう力が弱いとされている。

・対話というものは、自分の考えが対話によって変わるおもしろさ、自分を出して表現することのよさが実感できる。批判には、愛がなければらなない。

・意見を言ったら終わりという意識があるが、やりとりが生まれるものでなくてはならない。つまり、形式的な対話は意味がない。

・子供自身が変わる喜びを味わわせる。(対話への意欲の喚起)響き合い、創り合い、伝えあい、通じ合うことが大切。

・対話の喜びの感得。知的爆発(知的化学変化)を促していくが、一部の子供だけでなく全員が話をすることに意義がある。意見を言えない子供を大切にしていく。(教師の見とりやコメント力がカギとなる)

・正確に聴く、励まし勇気づけながら聴く、批判しつつ聴く、引き出しながら聴く。

・スピーチ力を高める ⇒ 自分の考えを持つ、伝えたいことを魅力的に表現する、聴き手を引きつけるための意思や情熱が大切。

・対話力を高めるためのスキルを日常化する。(じゃんけんで質問をし合う、今日会ったことを話す、絵を見て気づいたことをたくさん書かせる、オープンエンドの問題場面でたくさんの答えを見つける・・など)
 (ここまで)

うちのクラスは、積極的に意見を言う子供がたくさんいますが、まだまだ発言できないでいる子供がほとんどです。日常的にスキルを高めなければ、対話は生まれないと思いました。やはり、実践ですね。

この講演会を通して、対話のある授業像が少しずつ見えてきました。

講演後、夕方多田先生との懇親会に参加しました。C改革にも深く関わっていらっしゃることもお聞きしました。またまた、いろんなお話をお聞きすることができ、うれしく思いました。
多田先生、ありがとうございました。

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