2012年8月24日金曜日

数学的な思考力問う授業とは!?

 

~全国学力テスト山形県の傾向と対策~
全国学力テストの山形県の考察が新聞に記載されていました。(8月13日山形新聞)

国語はA,Bともに正答率は全国平均を大きく上回ったということでした。「授業の中で目的や意図に応じて簡潔に書くという国語の指導が効果的であることを説明しています。本校でも、長文などをまとまった字数で簡潔にまとめさせる指導など、どの学年も言語力育成の手立てをとっています。今の流れで日常化をさらに意識しながら取り組んでいくことが大切です。

問題は算数です。2年前からの山形県の課題と変わっていません。つまり、数学的な考え方(思考力)の育成が課題です。「数学的な思考力、判断力を問う授業に。」ということです。これは、2年前から数学的な考え方が課題と言われてきましたが、依然として課題であることが判明しました。
 では、数学的な思考力、判断力を身につけるために、どんな授業をしていけばよいのでしょうか。
<数学的な思考力育成のポイント>
1.既習との関連を十分に図る ⇒ 既習事項を利用して解く ⇒「与える足場」から「つくる足場」へ

「今までに習ったことで、使える考えはありますか。どんなことが使えそうですか。」などの発問により、既習事項へ目を向けるだけでなく、習ったことを使えば解決できるという算数のよさを感得させることにつながり、常に既習を想起する「見方・考え方」が身に付く

2.数学的な考え方の重要ポイント「数理的な処理のよさの感得」
「はやい」「かんたん」「いつでもできる」のはどの方法かという比較検討の視点を与えることにより、数理的な処理のよさを感得できるようになり、それを求めることができるような視点が身に付く。

3.統合的な考え方・帰納的な考え方・発展的な考え方
統合的な考え方;発問「同じところをさがしましょう」
帰納的な考え方;発問「いくつかの例からきまりを見つけよう」
発展的な考え方;発問「次はどんな問題を考えたいですか」

4 説明のさせ方
「まず」「次に」「だから」などの説明指導(全員が言えるようにする)
発問「どうしてそういうことが言えるの」…説明をうながす発問を!


(学力向上だよりNo10)
(「学び合いのある算数授業」(石田淳一著)より一部引用)

2012年8月13日月曜日

教員チャリダー東北一周自転車野宿の旅(後編)

<8月8日(水)>  晴れ
青森県碇ヶ関を早朝出発。近くのコンビニでおにぎりを買う。
「さて、今日はどこまで行けるか。」
と、地図をながめながらおにぎりを食べた。

今回の旅でぜひ行きたかった温泉がある。青森県黄金崎の不老ふ死温泉である。なぜ、「ふ」がひらがななのかわからないが、夕焼けを見ながらの露天風呂という風情のある温泉と聞いている。去年の今頃、山形県一周をしたときに知り合った全国一周していた大学生に、ぜひここの風呂に入ってみてと伝えたことを思い出した。(自分は行ってないが・・)だから、必ず行こうと決めていた。

そのためには、弘前から戻らずにまっすぐ鯵ヶ沢町を回る。でも、今日中に黄金崎まで行けるだろうか。自分の足と相談してみる。GOという答えが返ってくる。筋肉痛と疲労がピークなのに、なぜだろう。心はすでに黄金崎。
「もう、行くしかない。」

弘前到着。

有名な弘前城ぐらいは見ていこうということで、地元の方に写真を撮っていただく。快く引き受けてくださったこと、とてもうれしかった。とても広い弘前城を後にして、アップダウンの続く県道31号線をひらすら北上。間もなく海が見えるはずだというところで、一軒のラーメン屋。

店先には、1100CCのカッコいいバイク。お店には、「ライダー大歓迎!バイクのお客様、ライス・餃子サービス」の文字があった。引きつけられるように店内へ。店内には、過去ここにきたライダーの写真が所狭しと貼ってあった。バイク好きのマスターと会話がはずむ。マスターの青森弁がなぜか心地いい。
「自転車もライダーですか?」
と聞くと、
「もちろん!」
という返事。さっそく、ごはんと餃子をいただく。さらに惣菜も一品つけてもらう。マスターの心意気に感動。一緒に記念写真。普通のラーメン屋ならこんなこできないと思う。マスターも、自分の写真を撮りたいという。お店に貼りたいということだった。こんなオヤジが東北一周していることがとても珍しかったのだろう。午後に会った自転車ライダーにも紹介した。ありがとう!マスター!!



海だ!峠で県境が見えたときと同じような感動。日本海は何ども見てきたけれど、こんな気持ちで見たことはない。海風を肌に感じながら、しばらく海を眺めていた。
「あとはこの海を見ながら帰るのか。」
後半戦への意欲が湧いてきた。(連日の疲れに、まぶたがはれぼったい・・)


途中、イカ焼きの香りに負けてしばし海を見ながら海の幸をいただく。お店のお母さんが椅子を持ってきてくれた。自転車の旅人への思いやりだろうか。店主に写真もお願いすると、またまた快く引き受けてくれた。青森の人は、とてもいい人というイメージが自分の頭の中にできあがる。

イカのパワーと潮風でパワー全開!アップダウンがあるものの、国道4号線とは比べものにならないぐらい走りやすい。


一息入れようと立ち寄った深浦の道の駅。3人の自転車ライダー。見るからに自分より年配とわかる方たち。3人合わせて200歳と言っていた。70前後ということだろうが、自転車の経験はなく、最近始めたということだった。年老いても、足腰だけはしっかりとしていたいということなのか。自分もこんないい歳のとり方をしたいものだ。笑顔が印象的な老人(失礼・・)から、たくさんの元気をもらった。


夕方になったがやっと着いた!『不老ふ死温泉』。国道からけっこう下ったところにあった。ところが、夕日を見ながらの露天風呂は、4時以降は宿泊客限定ということであった。時間を見たら、4時50分・・。残念だが、内風呂からも夕日が見える。

風呂に入ると、我町にある「かいらぎ荘」と同じ土色の湯であった。タオルが土色になる。


風呂上がり。夕日を見ながら、ここ数日間の旅を振り返る。一人旅ではあるが、出会った人たちや自分を今まで支えてくれた多くの人たちのことを思い出す。一人旅だからこそ、こういう思いになるのだろうか。

さっきまで、右ひざが悲鳴をあげていたが、この温泉に入ったら不思議と痛みが和らぐ。さすが、不老ふ死温泉というだけある。

夕日が沈みそうになったとき、
「今日の寝床をどこにするか」
という大きな課題を思い出した。深浦町のいたるところに、『キャンプ禁止』の立て札。過去にだらしない人たちがゴミだらけにしていったからなのだろうか。自分はたたみ一畳分の広さがあれば十分なのに、なかなか見つからない。仕方がないので、国道を南下することにした。

さらに、夜ごはんをどうするか。食堂やコンビニが全然見当たらない。民家すらまばらになってきた。
「とにかくペダルをこいでいれば、何かがあるに違いない。」
そんなことを考えながら、温泉で立ち直った足に力を込めた。

突然、町が見えてきた。しかも、「マックスバリュ」の看板。
「助かった!」
弁当と飲み物を買い、またまた寝場所を探しに出かけた。


とてもきれいな公園発見!芝生もあり、ここにテントを張ろうと思ったが、深浦町には「テント禁止」という看板があったことを思い出す。夕暮れの海を見ながら弁当を食べていると、地元のおじさんが犬の散歩にきていた。

テントを張っていいかどうかを尋ねると、
「いいんじゃないの。ここはトイレもあるし便利だよ。」
という返事に心が踊った。


なんという光景!眼下に見下ろす一面の海。こんな海を見えるところにテントが張れる。この旅で一番のぜいたくした気分。ウミネコと波の音がかすかに聞こえる。助かった!

本日の走行距離 113km

<8月9日(木)> 晴れ
昨日、マックスバリュで買ったパンと牛乳が朝食。またまた早朝出発。朝の潮風がとても気持ちいい。なぜか優雅な気分に浸る。


いよいよ秋田県に入る。県境に来るといつも感動が沸き上がる。記念写真を撮っていると、向こうで同じように写真を撮っている若者がいた。


日本一周の若者である。同じルイガノの自転車に乗っていたことや、前と後ろに荷物を積んでいることという共通点もあり、お互いにすぐに共感できた。道路っぱたで会話がはずむ。


数年間勤めていた会社を辞め、日本一周の旅に出ているという彼。自転車の後ろには、

『人・風景一期一会を楽しみながら日本一周中。登場人物募集中』

という言葉があった。一人旅の原点かと思った。去年も大学を留年して日本一周している若者と出会ったが、同じオーラを発していた。相当な根性がないとできないことである。自分は休みをとって、その中での旅であるが、彼らは全然スケールが違う。彼のような考えや体験を持つ人は魅力的である。充実した人生を送るのだろう。若いからできることでもあるが、年齢ではなく、人生観そのものである。

イケメンの彼の笑顔がとても印象的だ。いつまでも話をしたくなる人柄である。
彼に言われたこと。「こんな先生いたら楽しいだろうな」

もう一つ印象的な彼の言葉が頭から離れない。
「自転車ぐらいの速さがちょうどいい。」
その意味がこの旅の基本となっていることを改めて感じた。

さらに彼のブログで自分のことを発信していただいた。

  http://ameblo.jp/h3kaz/entry-11324398503.html

このブログで、「教員チャリダー」というネーミング。若い人はすぐにこういう言葉が頭に浮かぶ。 彼は今頃北海道かな。フェイスブックでも友達になった。こんなオヤジでも、立ち話をしていただいたことに感謝!


秋田県八峰町の道の駅「はちもり」。小さい道の駅だ。ここで61歳の一人旅の人と出会う。電動アシスト自転車の荷台には、3つものバッテリー。これで青森まで行くのだという。おもしろい人もいる。この方にも、ライダー歓迎のラーメン屋を宣伝した。メルアド交換した。


能代付近でコインランドリー発見。選択の合間に、近くのラーメン屋へ。背脂のきいたしょっぱいラーメン。汗だくで塩分不足の身体にはちょうどよい。

洗濯も終わり、いよいよ楽しみにしていた大潟村。さっき出会った老人3人組の方々から、17kmもの直線道路はぜひ走った方がいいという話を聞いていたからだ。

話通りの直線道路。ずっと向こうが遠くて見えない。こいでもこいでも同じ風景。日本全国でここぐらい長い直線道路はないだろう。

でも、一体村人はどこに住んでいるんだろう。結局、大潟村の民家を見ることはなかった。

道の駅「おおがた」で休憩。美味しそうな地元産のトマト。眺めていると、生産者のおばちゃんが話しかけてきた。たくさん入っていてひと袋百円!話通り甘くて美味しかった。ペットボトルの味に飽きてきた身体の中に、染み込んでいくのがわかった。トマトってこんなに美味しかった?自転車の旅では、格別な味。一気に食べ終わった。


とあるドライブイン。巨大なまはげ出現。秋田っぽさがにじみ出ている。なまはげを後にして、潟上市の道の駅をめざす。去年出会った日本一週の大学生からの情報で、夕日がきれいに見える道の駅ということであった。


道の駅「天王」。別名「グリーンビレッジ」

その名の通り、とても広い敷地面積。サッカー場もある。道の駅の中には、すべてのものが揃っている。温泉あり、タワーあり、散歩コースあり、600台の駐車場あり・・今までで一番スケールの大きい道の駅。トイレの中は、観葉植物であふれ、自動で水が流れる最新式の様式トイレが10個以上。清潔感でいっぱい。旅も楽しくなる。

ギリギリ閉店時間に間に合ったレストラン。奮発して、まぐろづけ丼と塩辛を注文。胃袋に染み込む味。大好きな塩辛なんで、ぺろっと全部食べた。


タワーからの眺め。海も見渡すことができ、最高の夕焼けに疲れが癒される。

温泉にも入り、薄暗くなってからテントを張る。キャンピングカーでの宿泊客がたくさんいた。キャンピングカーの中で、家族の楽しそうなおしゃべりが耳に入るが、明日早起きできるようにすぐに就寝。

本日の走行距離  106km

<8月10日(金)>
連日の早起きにも慣れてきた。やっぱり朝は走りやすい。

秋田市に入った頃だろうか。道の駅「あきた港」。高いタワーが見えた。面白そうな道の駅だ。秋田の人はタワー好き?


うーん、高すぎて上まで写らない。ここの港で釣り人を見ながら朝食。終わるやいなやすぐに出発。

道の駅「岩城」。生牡蠣があったのでさっそくいただく。冷たくてとても美味しい。また、がんばれそう!

この旅では、東北をめぐったわりには、仙台の七夕や青森のねぶた、雄物川花火大会など、ほとんどかすってきた。秋田の象潟に野宿しようと予定していたが、鶴岡で赤川花火大会があると知り、どうしても見たくなった。そう心に決めてからは、ひたすら走った。


秋田県にかほ市から見た鳥海山。山頂付近は雲で見えない。あの山頂あたりは山形県。やっと山形県を感じた瞬間。



いよいよ山形県の表示!ペダルをこぎながら、目から涙が・・。自転車ならではの感動。やっと帰ってきたぞ!しかし、目的の鶴岡市までは、あと数十キロ・・・。暗くなるまでに行けるだろうか。



山形県酒田市から見た鳥海山。山形県一高い山だけあって、雲がかかっている。機会があったら、鳥海山にも挑戦してみたい。


鶴岡が近づくが、夕暮れ迫る。暗くなると、自転車はかなり危険度が増す。しかし、もう100km以上走っている。今までにない足の疲労度。ペダルがかなり重く感じる。この辺の田んぼの中で野宿しようか・・・なんて弱気になった瞬間である。



辺りが暗くなった頃、鶴岡到着。遠くから花火の音が聞こえる。花火の上がる方へと自転車を進めた。人だかり。自転車の旅の最終の夜をひめくくるにふさわしい12000発の花火。大震災で被災した人たちもたくさん招待していると聞いた。

「がんばろう東北!」

改めて東北、いや日本全体が元気になるように心で祈った。


おっと、一番大切なことを忘れていた。今夜の野宿の場所である。スマホで調べると、鶴岡公園という広い公園があった。9時ごろテントを張った。暗い中でもテントが張れることがわかった。何日もテント張ってりゃ、できるようになる。

花火の興奮の中、テントでゆっくり休む。今日は、花火を見るために、かなり無理をしたが、がんばってよかった。思えば必ずできる。そう思いながら、眠りにつく。


本日の走行距離 154km(よく走ったー!)


<8月11日(土)> 



鶴岡公園早朝。テントをたたんでいると、地元の老人にあいさつされる。東北一周の旅であることを伝えると、がんばってねという言葉。何気ない一言で、元気になる。ありがとう!

野宿をして学んだこと。不審者であるという自覚を持つ。そのためには、暗くなってからテントを張り、朝早く出発する。使う前よりきれいにしていく。これが野宿の基本。

昨年の山形一周の時も鶴岡宿泊だったので、今日中には家に着けるだろうと考えた。しかし、去年は寝袋やテントなどの重い荷物はなく、身軽な感じだったことが大きな違い。

また、去年は7号線を南下したので、今年は海岸沿いを帰ることにした。最終日としたくて、自転車に乗るが、昨日花火を見るために150kmも走ったのがたたって、旅行中で最高に足が重くなる。
そんな時であった。


対向車に知り合いが乗っていた。いきなりクラクションがなったので振り返ると、同じ町に住む知り合いの高橋さんととくさん。秋田に行く途中とのこと。高速使わないで下道をきたら会ったという。フェイスブックでその都度アップしていたので、もしかしたら会えるかもしれないと思っていたと言ってた。二人の顔が、仏様の顔に見えた。まだまだ、鶴岡だけど家に帰れるような気持ちになってきた。ありがとう!高橋さん、とくさん。

この頃は、髭面が板についてきた。うっとうしいけど、ワイルド感がおもしろい。


最後の外食となるだろう。道の駅「あつみ」。レストランでちょうど粟島が見える席があいていた。最後のラストスパートができるように、はらこ丼(イクラ丼)を注文。味わって食べた。


新潟県に入る。見覚えのある風景。笹川の流れなど、懐かしい海水浴場が見える。家族など楽しそうに海水浴を楽しんでいる。のどかな風景。



海岸線ともお別れし、新潟県の村上市街地へ。この旅でお世話になったサンダル。部分的に日焼けした足。スパッツには汗として出た塩がふいている。この旅を振り返っていた。


この旅で、距離メーターがゾロ目になる瞬間が8回あった。今回が最後。999.99km!めったに見ることができない数字。家に帰れば1000キロを超える。


上り坂では、一番軽いギアでもこぐのが難しくなったころ、ようやく見えた山形県。今までの県境の表示で一番感動した。もう目の前だ。あと、上りは2回。トンネルひとつ。

住んでいる町に着いた。商店街を悠々と走る。充実感があふれている。ゆっくりゆっくりペダルをこぐ。

家に到着。息子が自分の顔を見てびっくり。日焼けして髭面。こんな父ちゃん見たことないから。父ちゃんやったぞ!息子は何かを感じてくれたと思う。


本日の走行距離 134km  (総走行距離 1020km)

<旅を終えて>

今回の旅で感じたこと、学んだことがたくさんありました。人と人とのふれあいや思いやりがたくさんありました。「がんばって」の声も何度かけられたことでしょう。見知らぬ土地とのふれあいから、人は互いに支え合わないと生きていけないことを感じました。一人旅とは言え、今回の旅ができたのも家族や職場の理解があってこそ。自分一人の力だけでは成功できないということを改めて感じることができました。

感動もたくさんありました。近年、車やバイク、新幹線、飛行機などが発達したことにより、より遠くへ早く行くことができるようになりました。しかし、あえて自転車でゆっくりと自分の力で行くことにより、行った時の感動が全然違いました。その土地の人たち、その場所の匂い、道路わきのゴミ、すがすがしい空気、動植物・・スピードを出して進んでいると感じられないことがたくさんあります。

大勢集まる観光地にたくさんの人が我先にと急ぎます。でも、もっと身近に、または人が集まらない場所にも素晴らしさがたくさんあります。人はカッコいいものや速いもの、便利なものなどに価値を見出します。それは当然ですが、かっこ悪いものや遅いもの、不便なものにも価値があります。普通の人には見えないかもしれませんが、そういうものが見えるようになるのも意味があると思います。

我々人間は、便利さと引き換えに、何か大切なものを忘れ去ってしまったような気がします。道路脇に落ちているコンビニの弁当の袋や空き缶などの数々のゴミ・・・車で行くと全然気が付きません。自分の腹を満たすことができれば、ゴミになった空弁当は不要だしジャマだからポイするという人もたくさんいることがわかりました。

人よりも速く良い場所に行き、たくさんよいものを手に入れて、不要なものはポイ・・。大なり小なり自分たちはそういう生き方をしているのかもしれません。

ちっぽけなこと、嫌なこと、汚いもの、弱いもの、遅いもの、めんどうくさいこと、その他多くの人たちが目を向けないことに心を向けることこそが、これからの人間にとって大切なことなのではないかと思います。

そして、自転車に乗っていると当たり前のことですが、ペダルをこがないと前に進まないこと、進まないだけでなく倒れてしまうことです。夢に向かって進むとき、とにかく一歩一歩の積み重ねが大きなものを生み出すのです。

また、登り坂はとても辛いものです。しかし、登り坂があるということは爽快な下り坂が必ずあります。登り坂が辛ければ辛いほと、下り坂がすばらしいものになります。当たり前のことですが、日常生活でも同じことです。辛いことや悲しいことがたくさんありますが、それはこれからの幸せにとってとても意味のあることです。自転車の旅で、目の前に長くて急な登り坂が現れると、
「登り坂の向こうには、ペダルをこがなくてもひとりでに進む爽快な下り坂が待っている。」
というイメージを持って汗を流しました。人生の中で、苦しみや悲しみが目の前に現れたとき、向こう側には必ず幸せが待っていることを信じて進んでいくことです。

人より速く進むことも価値のあることですが、自分なりのペースで少しずつ積み上げればいいのです。みんなが振り向いてくれなくても、カッコ悪くても、ちっぽけでもいいのです。希望を持って、ペダルを一回一回確実にこいでいきましょう!自分にとって必ず大きな宝物を手に入れることができます。
この旅を終えて、ただおもしろおかしく一人旅を満喫したのではなく、いろいろな意味で修行することができたことに、大きな喜びを感じています。また、こういう経験を積み、何かをみなさんに伝えていけたらと思います。教員として、子供たちにも大切なことを伝えていきたいです。

旅の途中での励ましのコメントも、本当にありがたかったです。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

教員チャリダー東北一周自転車野宿の旅(前編)

しばらくブログをお休みしていました。算数ブログですが、自転車で東北一周してきたので、この旅をアップしたいと思います。


去年の春、漠然と自転車で旅に出たいと思い、ツーリング用の自転車を購入。初心者なので、先輩方からいろいろと自転車について教えてもらう。しかし、クラブの人たちがやっているのは、細くて軽くて速い、カッコイイ自転車。さっそく、重いキャリアを外して峠を越えて米沢へ。当然、みなさんについて行けず、何度も待ってもらいました。峠越えの速いこと速いこと。しかも、みんなお揃いのウエアでカッコいい。

しかし、旅に出るにはこういうのではダメ。もっとカッコ悪く、ワイルドにいかないと! さっそくキャリアを付け直し、山形県一周に挑む。天童と鶴岡にホテルをとり、荷物を最小限にし、いざ出発。二拍三日でなんとか13日の墓参りの時間まで戻ってきました。きつかったと思う反面、自分の限界はここまでなのか?しかも、自転車旅行というのは、足の疲労度や天候などでどれくらい進めるのか予定が立たない。だから、ホテルなど予約してはダメだ。

行けるところまで行って、そこで泊まる。 それには野宿しかない。

そこで、春のうちにテントと寝袋を購入。しかも、テント寝袋その他を積んで、町の峠道に挑戦。去年、簡単に登れた坂道なのに、途中で休まないとペダルがこげない。くやしかった。こんなもんで進めなくなるんだったら、山形県一周以上はできないだろう。でも、鍛えている時間の余裕がない。

予定していた8月3日まで、あと一週間。こうなったら、初日から体を鍛えるつもりで進むしかないと思った。 8月1日・2日  米沢の病院で人間ドック。自転車を乗ることができない。身体はゆっくり休めるが、アップしておかないと筋肉痛で走れなくなるのでは・・。いろいろなことを考えながら、地図を見てコースを考えていた。


<8月3日(金)>天気;晴れ 早朝。家族が寝ているうちに山形県小国町の家を出発。いきなりのトンネルと峠越えに、練習不足でスピードが出ない。


やっとのことでついた飯豊町の道の駅めざみ。朝食を食べていなかったので肉そばを食べていると、バイクでツーリング中の人と出会い、会話がはずむ。古い単気筒のバイクにおもいっきり荷物を積んでいた。お互いに無事を祈って、さあこれからが本番。


米沢に到着した。すでにペットボトル3本ぐらい終了。これから栗子峠に向かう。自転車の走る道というのは、歩道だったり車道の白線の内側だったり、ころころ変化する。しかも、へたすれば転んでしまいそうな溝やへこみがある。そんなことに注意しながら、どんどん勾配がきつくなる。しかも炎天下。飲み物をがぶがぶ飲んだ。

ふと下を見ると、ゴミの山。街中よりもこういう山の中のゴミが目に付く。どうしてコンビニまで持って行かないのか。ここは、車で何度も通ったことがあるが、自転車で行って初めてわかった。人間は、誰にもわからない、またはみんなやっていると思うと何でもやってしまう弱い生き物なんだ・・・。ゴミを捨てることは、人格を捨てること。捨てた人には、いつかどこかで自分に返ってくるのだろう。ゴミを捨てたからこうなったのかとは気づかないだろうが。



米沢スキー場到着。足がパンパン。日かげで横になっていた。もってきたおにぎりを一つ口に入れたが、体力使いすぎで気持ち悪くなった。

すぐに進むと、いよいよ難関の栗子トンネル。数kmもあるという有名なトンネル。自転車にとってトンネルというのは、事故につながりかねない。大型トラックの音と風圧にびびりながら、一生懸命にペダルとこいだ。何度も暴走族が来たのかと思うぐらいの爆音。これって?やっと音の正体がわかった。中央ラインにあるはみ出し注意の凸凹を車のタイヤが踏んだ時の音だった。自分が運転している時は、そんなに感じなかったが、自転車でトンネルを走っていると、ものずごい爆音。音と風だけでなく、すれすれに通り過ぎるトラックもいて、かなりの恐怖を覚える。

やっとのことでトンネルを抜けると、栗子スキー場のところは急な下り坂。制限速度を楽に越してしまうぐらいのスピードに、爽快感を越えて恐怖感が襲う。転んだらお大怪我間違いなし。


ふと左側を見ると、空中にそびえる工事中の高規格道路。福島米沢間を短縮する道路が、こんなに出来ているんだと汗を拭きながら見入ってしまう。

いくつかのトンネルとスピードにビビりながらも、やっと民家が見えるところに出た。福島の街並みが遠くに見えてきた。目指すは飯坂温泉。ここが今日一日目の野宿予定の場所。しかし、まだ日が高い。時間的な余裕があったので、以前日帰り温泉に入ったことのある「旅館新飯坂」でひと風呂浴びていこうと向かう。スマホのナビを駆使して着いた時、目を疑った。つぶれていた。窓ガラスは割れて、廃墟となっていた。とても残念な気持ちになったが、夕方まで時間があったので、さらに進んだ。

国道4号線に入り、足の調子もよかったのでどんどん北上した。福島県国見町というところの「すき家」に入って冷やし中華を食べた。客がじろじろ見ている。変な自転車で汗だくでいたからだろう。

気にもせず、いよいよ野宿する場所さがし。役場かスポーツ施設らしいところへ行って、事情を話し敷地内に野宿できないかとお願いしたら、
「10時で職員帰るから、だめですね。」
と、軽く断られた。

どんどん暗くなっていく。野宿なんて、どこでもできるだろうと思っていたら、意外とそういう場所がない。駐在所に行ってみたら、駐在さんの奥さんが出てきて、元役場が更地になっているから行ってみてと言われたら、テントを張るのに適したところがあった。すぐにテントを張った。テント張りは、2回ほど練習してきたので、多少暗くなってもOK。

さあ、初めての野宿。ふだん当たり前にやっているテレビを見たりということができない。ワンセグで見たりしたが、電池の消耗が心配ですぐに消した。テレビも何もなくてもワクワクしてきた。不安は全然ない。不思議とせまいテント泊を楽しんだ。フェイスブックの知り合いからも、いろいろなコメントをいただく。一人じゃないんだと思い、いつの間にか寝てしまう。

本日の走行距離 105km

<8月4日(土)>
かなり早起き。5時にはテントをたたみ、道路向かいのセブンへ。おじさんから声をかけられ、元気をいただく。早朝は涼しいし、車も比較的少ないから走りやすい。でもやっぱり真夏。ちょっと走ると喉が乾く。


人っ気のないショッピングセンターの駐車場。昨日の峠越えの筋肉痛で動けなくなる。しかも、お尻がとても痛い。ここでしばし休憩。でも、休憩していると自転車は進まない。痛みをがまんして、まずペダルをこぐ。

やっと見つけた!仙台の文字。何キロあるかはわからないけど、仙台はつかんだぞと思った。疲れと痛みが少し和らぐ。

歩道を通り過ぎた小学生が、
「こんにちは」
と挨拶してきた。うちの学校の子供たちは、こんな変な不審者にあいさつできるのだろうか。


仙台市内に入った。市内は、いつの間にか歩道と自転車道が分離していた。さすが大都会だな。(この写真は、分離していない歩道)

やっと来ました「旨味太助」!ここは、以前、娘を連れて来たお店。その前は、修学旅行の自由行動の時に来た思い出の店だった。仙台に来たらここの牛タンが食べたくなる。太助に自転車で来るなんて夢にも思わなかった。


うーん、やっぱり来てよかった。旨味だけあってうまい!牛タンはもちろん、テールスープと麦飯。しっかり合ってる。腹いっぱいになり、今までの苦労が消えてしまった。

市内のコンビニで休んでいた時のこと。フェイスブック仲間から、兄が仙台だから会って行けば?との書き込み。その兄というのは、高校時代の同級生。ケータイ番号を聞いて連絡してみると、仙台泉アウトレット近くに住んでいるから来いとのこと。


上り坂の連続でやっとアウトレット到着。友人と喫茶店で面会。
「今日、泊まっていくか?」
と言われ、野宿の旅のつもりが、偶然にも泊まらせていただくことに。
「ああ、シャワーできる!」

夜は友人のご家族みんなでBBQ。楽しかった。ご家族のみなさんありがとうございます!

本日の走行距離79km

<8月5日(日)>

朝早くに、友人に自転車で4号線まで案内してもらい、さっそく北上開始。昨日、100kmいかなかったので、挽回しないと!

途中、道路わきで、友人の奥さんが握ってくれたおにぎりをいただく。コンビニとは違った味がして美味しかった。


「やっと岩手県が現れた!」そんな気持ちだった。もちろん自転車で来たのは初めてだし、土地勘がない。でも、4号線を北上すればいつかは盛岡に着く。そんな思いで進んだ。

一関を通り過ぎ、中尊寺で有名な平泉へ。


近くの温泉に入り、平泉で宿泊しようと考えていた。その前に中尊寺へ。写真を撮ってくださいというカップルがいたので、ついでに自分も撮ってもらった。

中尊寺より大事なこと、それは野宿する場所さがし。でも、まだ明るいのでさらに進むことにした。一人旅のよさ、それは自分が思いついた通りに実行できること。仲間がいると楽しいけれど、ほかの人から話しかけられることはあまりない。一人だと、よく声をかけられる。それがまた楽しい。


結局、水沢という所まで来て探したら、野宿するのにふさわしい水沢公園を発見。グランドで何人もランニングしていたので、ちょこっと遠慮して植え込みに隠れるようにテントを張る。

今日もかなり走った。足が棒になるとはこのこと。筋肉痛なのか披露なのかよくわからない。とにかく、疲れてすぐに寝てしまった。

本日の走行距離 114km

<8月6日(月)>
朝はカラスの大声で目が覚めた。カラスたち、ありがとう!さっそく早起きして出発!北上、花巻を過ぎる当たりで、雨が降ってきた。盛岡までもうすぐ。駅ビルに向かった。

やった!盛岡駅。タバコを吸っていた無愛想なおじさんに撮ってもらう。


駅ビルで食べた海鮮冷麺。魚貝の味がきいたスープに大満足。隣に外国人の男性が来て、店員のおばちゃんがなかなか言葉が通じない。ここで通訳なんかできたら、カッコいいのにと思いながらお店を出た。

再び北上するが、ここから国道4号線とお別れ。とても広い八幡平市を通過。しかし、広すぎて途中で薄暗くなる。公園のような野宿にふさわしいところがない。JR平館という無人駅があったので、近くの食堂のおばちゃんと話をして、野宿する場所を聞いた。駅のトイレのわきでいいかなと尋ねたら、JRだからいいよって言ってくれた。



コーヒーをごちそうになり、テントを立てて休んでいると、
「もう寝たかい?」
とのおばちゃんの声。おにぎりの差し入れを持ってきてくれた。一人旅をしていると、こういうことに感動する。涙が出そうになった。一生忘れないだろう。涙しながら、がんがん食べた。腹も、胸もいっぱいになった。ありがとう、おばちゃん!

本日の走行距離 109km

<8月7日(火)>
おばちゃんの食堂が朝早すぎてしまっていたので、ドアに「おいしいおにぎりありがとうございました。」のメモを挟んで出発。

今日は、秋田県までの峠越え。今の足で越えられるんだろうか。不安がよぎるが、とにかく進んで行こうと思った。
かなり上り坂が続く。汗が半端でない。首に巻いた濡れタオル、乾くのと大量の汗とで水分が変わらない。

やっとのことで安比高原到着。ここがスキーで有名な安比かと思いながら、コンビニで「凍結したスポーツドリンク」を買う。今回の旅でかなり助かったのは、この凍結ペットボトル。普段あまり買ったことはなかったが、こういう旅には欠かせない。普通のペットボトルでは、すぐにぬるくなってしまうからだ。ここで、帽子の前と後ろに、「東北一周」とでかでかとマジックで書いた。自分に言い聞かせるためだ。

延々と続く坂道と炎天下。
「なんでこんなに辛いことやっているんだろう・・」
と思いながらも、とにかく足を動かす。24段変速のギアを一番軽くしてもペダルが回らない。歩くより遅くなる。でも、自転車をひいて歩くことはプライドが許さない。あくまでもペダルとふみこんだ。あまりにも急な坂で、ジグザグに進むことも・・

この「秋田県」という文字を見たときの感動は忘れられない。汗だか涙だかわからない。こんな経験初めて。当たり前。車で来たら、こんな感動ないだろう。一人だったけれど、大声でやったーって叫んでた。

秋田県鹿角市の道の駅。がんばった自分へのご褒美に、とんかつ定食。とにかく美味かった。普通のとんかつだけど、こんなに美味しく感じたのは初めてかもしれない。定食を運んできてくれたおねえさんが天使に見えた。


腹も満たされたので、さっそく出発。しかし、途中で大雨。カッパを着て雨宿りをしたところが、あるお寺だった。六地蔵があったので、かさこ地蔵の昔話を思い出し、お一人お一人に賽銭をあげて合掌した。
「地蔵様の力を貸してください。」そんなお願いが効いたのか、雨が上がり何だか足が軽くなったように思えた。

100kmに達していないので、もしかしたら青森県まで行けるのではないだろうかという思いが頭をよぎる。十和田近くの交番で聞いたら、登りはきついけれどそう遠くはないし、向こう側は下りだから行けるかもしれないと言うことだった。その時、行くことを決めた。

途中、工事のおじさんに県境はどのくらいかを尋ねたら、かなり遠いからよくわからないという返事。聞く人によって違いがある。車の数もまばら。当たり前だ。車はみんな高速を使うから。

秋田までの峠越えと青森までの峠越えを一日でやることがどういうことなのか地図ではわからなかった。行ってみたら、やはり峠だっていうことを思い知らされた。

しかし、青森県側に出れば道の駅がある。そこまでは、お店どころが民家も何もない。もし、去年、蔵王の御釜まで行った時のように膝の激痛で足が動かなくなったらどうなるのか。そうなったらもどるしかない。でも、もう行くしかないと思い、岩手からの峠越えよりはるかに急な坂道を進んだ。


やっと青森県。さっき、秋田県が見えた感動よりもっともっと感動した。あとはほとんど下り坂。今までの苦痛が嘘のように爽やかな気分。風が心地よかった。


青森県道の駅、碇ヶ関。さっそく温泉に入った。身体全体の疲れがとれるような気持ちがした。


ここで食べた奥州ラーメン。麺は、ご当地の自然薯入
りで、具は山菜とか地元産の食材がたっぷり。なかなか美味しかった(^_^)一日中走ってりゃ何でも美味しい!

今日はここで野宿。すぐに寝た。

本日の走行距離 106km

前編終わり