2011年11月29日火曜日

分数のたし算の足場、整数でも有効!

初雪から寒さも一段落という感じですね。
さて、今日は3年の分数のたし算でした。昨年度も、3・4年の担任団で授業を見せ合いしながら、研修を深めたところなので、ここは一つ、昨年度の通り(ことしの2月のブログ参照)の授業をしてみることにしました。

しかし、問題がひとつ。昨年度は、小数を既習として足場にしましたが、今年の教科書は、小数が分数のあとということで、小数は使えないことに気づきました。

授業の前に、大事にしたいと思ったことは、とにかく、単位分数のいくつ分かをすぐに言えるようにしておくこと。そのためには、前時までにその思考の流れを作っておくことにしました。

(前時の板書です)
単位分数がいくつ分になるかをしっかりと捉えさせておきます。3年生は、まだまだ分母や分子の意味を捉えられない子供もいましたが、徹底的にこのことをおさえました。

次に、どんな足場を与えるかということです。小数が使えないとなれば、整数しかないと考えました。

(本時の板書です)


100+200=300

低学年でもわかるこんな単純なたし算の意味づけを足場にしました。100をもとに考えさせて、説明させるのです。

100は100が1こ分、200は100が2こ分 だから100+200は100が(1+2)こぶんで300

100円玉が何個になるかと考えさせると、1+2の計算になるという単純な考えで説明させます。
これを足場にして、分数の問題を提示したところ、子供たちは、単位分数のいくつ分かというところを、1+2で考えればよいことにすぐに気がつき、足場の説明と同じであることがわかると、全体解決を待たずに、自力解決できそうな状況でしたが、あえて、液量図で確認させてから、説明させました。足場のおかげで、簡単に説明することができました。

次に、自力解決。これも、足場と主問題1の説明により、全員が説明を書くことができました。しかも練習問題とドリルの問題すべて全員が正答を得ました。

『分母を足さずに、分子だけの足し算をすればよい』

これだけのことを教えるのは、簡単です。どんな教え方をしても、きまりさえ理解させれば、計算問題は正答が出せます。

しかし、なぜ分母を足さないかという素朴な疑問を無視して進めることになります。この授業では、子供たち自らこの疑問を持ち、自らそれに説明することで答えていくという流れができました。それは、整数のたし算を足場にして説明させたことで、分数のたし算という未習の内容を簡単に説明できました。

「1/5が(1+2)こ分という説明がしっかりと理解できた子供たちからは、なぜ分母を足さないのかという理由をしっかりとつかんでいました。

計算の答えが正確に求められたということだけでなく、考え方がしっかりと定着できた足場の授業になりました。

明日のひき算の授業は、たし算を足場にして進めてもいいのですが、ここはあえて、子供たち自ら足場を作り出す授業に挑戦してみたいと思います。日々、このような実践を積んでいけば、一人一人に数学的な考え方が身についていくのでしょうね。

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