2010年11月28日日曜日

学習指導研修会&少人数指導研修会


 
 11月26日、小国町立北部小学校の学習指導研修会に参加させていただきました。今年度の学習指導研修会の会場は5校ほどありましたが、算数をやっている学校だったので、北部小学校を選びました。

 授業者はよく知っているK先生!彼のキャラクターは、子供をひきつけるので、どんな授業なのか楽しみにしていきました。

 内容は、6年生の分数のわり算でした。

<問題>
3/5㎡のかべを1/3dlでぬれるペンキがあります。1dlでは何㎡ぬれますか。
(ちなみに、来年度からは、リットルはL表示になります。参考まで)

分数÷単位分数の考え方を説明させるもので、面積図や式により解決させ、かかわり合いながらまとめていくという考えでした。さっそく、問題提示から式をつくり、図を使って解きたいという見通しを持たせました。それぞれがホワイトボードに一斉に面積図を書き始めました。

「さすがに、前時まで面積図をきちんと指導してきたんだな。」
ということがわかりました。(写真参照)

1/3で割るという感覚は、日常ではなかなかそういう場面がなく、最初は困っていた子供が多かったのですが、K先生の一人一人への支援により、1は1/3の3倍だなと気づき、×3をすることと同じだということがわかりました。

しかし、残念なことに、8人学級だったのですが支援に時間がかかり、先生が全体交流をして時間がきてしまい、練習問題までいけませんでした。
「少人数の子供が、どこまで交流できるか見たかったなあ。」
と思いつつ、授業が終わりました。

 今回の授業を自分なり振り返ると、
成果として

1.既習の面積図を積極的に活用しようという意欲があった。
2.図だけでなく、「はじめに」「つぎに」「だから」などのつなぎ言葉を積極的に使い、相手意識をもって説明していた。(このホワイトボードを見ただけで、どういう交流なのか想像できた。) ⇒ 『表現力』

などがあげられる。8名という少人数のメリットを生かして、一人一人にきめ細かな支援をしているK先生の姿が印象的でした。

課題としては、
1.÷1/3を÷3と同じことだという間違った考えをもって、それを説明しようと四苦八苦している男の子がいた。最後に、K先生の支援で気づき5分ぐらいで直した。ホワイトボードなので、全部消してすぐに正しい説明を書いていたが、間違った考えを消してしまったのは、とてももったいない。この間違いを使って、説明させたかった。ホワイトボードのよさと欠点がわかった。

⇒ 『まちがいは残しておく』 ※ちなみに、自分の授業では、ノートの間違いを残しておくようにしている。

2.割り算のきまりを使った方法、つまり割られる数と割る数両方に3をかけて、÷1にする方法が出されなかったが、次時で2/3でわるわり算が問題となるので、この方法が足場となって次時のわり算が簡単に理解できるようになる。
 この方法を出させるには、式をつくる前に言葉の式をつくる時、3/5÷2をさせたら、全員が簡単に解けた。(既習)
本時の「÷1/3」と何がちがうかというと、割る数が分数だからできない。では、整数にすれば割れるのでは?という見通しを持たせる。そうすれば、割り算のきまりから、「同じ数をかけて整数にできないか」という考えから、何をかければよいのかを考えさせれば、同じ数をかかる方法が出されたと思う。そこから、割る数が分数の時は、逆数をかけるという次時のまとめがすっきり落ちるのではないだろうか。

⇒ 学び合いで出させたい考えは、既習をもとにして考えられるようにする


 というわけで、この授業を「足場」のある授業にしたら、どうなるだろうかと考えてみました。

学習活動1(足場をつくる)
主問題1を提示する。(今回の問題1)式をつくるには、どういう問題を足場にするかを考えさせ、整数÷整数にすれば、割る数と割られる数がわかることをおさえる。(言葉の式も提示する)この時、面積図(1/3dlでぬった面積)を提示する。

※整数÷整数、分数÷整数の考えから、言葉の式を導くということを足場にする展開の方が、足場の授業としては、一般的かもしれませんが、上記のやり方は、足場に慣れてきた学級で行われる「与える足場」から「つくる足場」への発展型です。

学習活動2(全体解決)
どうすれば解けるかを全体解決する。その場合、今まで用いた面積図できちんと考えさせる。そして、3倍であることを全体につかませる。また、前述した方法で、割り算のきまりを使った考え方で、÷1にすれば解けることを理解させる

※あくまでも、ここでは教え込みではなく、一人一人の考えを引き出すような工夫が必要。(場合によっては、ワークシートに書かせるなど)

学習活動3(自力解決)
類似問題で、自分のやりたい方法で、説明させる。(まず、次に、だから・・などを用いる)
※ホワイトボードでも、用紙でも何でもよいが、主問題1をしっかりと足場にできるように、板書をスパイラルに活用させる。

学習活動4(交流とまとめ)
小集団でも、ペアでもよいので、交流させて考えを説明させる。そのあと、教師がしっかりと考えをまとめていくが、主問題1である程度考え方はまとめてあるので、時間がかからないよさがある。

学習活動5(練習問題を解く)
説明をさせる問題を1問ぐらいで、あとは普通の計算問題を数問。
※終わったら、自由交流して答えを確認したり、わからない子にヒントを与えたりする、発展問題を解かせるなど、クラスの実態に合わせて活動を考える。

最後に、次時の予告をする。この時、「どんな分数でもできるよ」という子供が出てくるはずである。そのことを、次回の足場にしていく。

 以上、足場風にアレンジしてみました。こんなふうにすれば、効率的に時間を活用できるし、説明もきちんとでき、わかる授業になると思います。足場の授業をするようになってから、教科書に足場が載ってあれば使いやすいのになあと思うことがありました。
 しかし、自分で足場をどういうふうにしていくかを考えるのも、楽しみになってきました。

 読者の方々で、足場を実践してみて、有効だったことなど教えていただければありがたいです。

2010年11月27日土曜日

昨日の講演会の御礼

昨日,T先生による"教育講演会"がありました。
つねに、研究を続け,現状に甘んじない姿勢に尊敬しています。
とても勉強になるお話ばかりで良い時間を過ごす事ができました!


昨日、TTによる道徳を実施しました。
算数のブログですが,こんな投稿お許し下さい。


先月,教頭先生からTT道徳のお話を頂きました。
その時,次のような疑問がありました。

・2人で道徳を実施するねらいは何か。

当たり前ですが,はじめはねらいがわかりませんでした。
しかし、道徳学習指導要領にはその記述がしっかりと載っていました。

今回の道徳において、ねらいとしたことは
「資料の内容に心を共感させる手だてをしっかりと行うこと」です。

発問をしても、心が資料に入り込んでいなければなかなか心を耕せない。
→その不安を解消するため、資料理解のための発問が増加する。
→いつのまにか、心を耕すのではなく、資料(テキスト)を耕し,掘り起こす作業になっている。
→発問しても,テキストをよりどころにして、あたかも”正解”を探し出すかのような様相を呈する。

自分は、経験もないため、よくこのような”道徳的デフレスパイラル”に陥ってしまいます。
このようなスパイラルにならないように、資料をストンと心の中に落とし込んでいく手だてはないか。
その一つの手段として今回のTT役割分担による資料の読み聞かせがありました。

今回の道徳は,「資料を落とし込む→共感しきったところで、教師からの発問2つについて考えを述べる→クラスの友達の考えを聞く」それだけでした。つまり、子ども達の対話によって価値に気づき、近づき・・・というプロセスはありませんでした。

宮内小学校がねらいとする「対話」による道徳的価値の高まり。これは「宮内小学校の道徳」の資料にも明確に位置づけられており、それが「宮内小学校の共通理念」でもあります。
そういった意味で考えると,今回の道徳は「なぜ?」という疑問が拭えないと思います。

「いきなり普段と違う提案?」
「研究内容と違うじゃないか」
「普段の授業ではなかなかできない」
まったく同感です。

では、「やらなければよかった」のでしょうか。

道徳的価値を子ども達に伝えたい。
大局的な立ち位置で考えれば,今回の道徳は「やってみた」ことに価値はないのでしょうか。

やらなければ、提案しなければ議論はおこらないと思います。
こういった提案をするからこそ「おいおい、ちょっと!」といった議論が起こるんだと思います。

try&error(挑戦&課題修正)
やってみたからこそ、バグが発生し,そのバグを導きたい方向へ修正する。
その大切さを痛感した一日でした。

今回は、教頭先生に乗っかっただけで、何もしておりませんが、本当に勉強させて頂きました。こういった真剣な議論の積み重ねが教員を強くしていくのだと思いました。

2010年11月23日火曜日

東北地区算数・数学研究大会に参加して


 11月19日、算数・数学の東北大会に参加してきました。今回は発表者としての参加でしたが、平成9年だったと思いますが、福島大会の時に参加して以来でした。あの時も、発表者としての参加でしたので、懐かしく思いながら鶴岡まで行ってきました。

 午前の公開授業は、今担任している学年と同じ4年生の授業を参観しました。「式と計算」の授業で、式から場面を読み取ったり、場面から立式したりする授業でした。

 問題1;500-(140+160)-150という式はどんなことを表わしているだろう。

 前提として、所持金500円、チーズバーガー140円、ジュース160円、ポテト150円という設定でありました。つまりおつりを出す式なのです。

 さっそく子供たちは、ノートに考え方をさらさらと書き、次に教室わきにある用紙にマジックで大きくさらさらと説明を書いていました。書き終わると、黒板に貼り友達と自由交流開始。自分の考えを表現しようという意欲がすばらしく、書く速さも抜群でした。

 全体での学び合いでも、一人一人が「-150円」の意味を積極的に述べていました。おつりを求める式で、「-」っていうのはどういうことだろうという先生からの投げかけに対して、反応がすごい・・!たとえは悪いが、釣り堀のますのように一斉にえさに集まるような感じ・・。次から次へと、反論や付け足しが出されました。うちの学校では、「言葉のキャッチボール」の表を掲示して、友達の意見に反応しようという指導を行っているが、まだまだ人任せの子供が多く、数人の子供による意見交換があるだけなのに、なんとほぼ全員が全体の学び合いに参加している感じがしました。

 そして、「-150円」は割引きの意味だという子供が出て、それに対する反論も出たところで先生は、絶妙なタイミングで問題2を提示。

問題2;500円を持ってハンバーガーショップで、ホットドッグ(170円)とスープ(130円)を買いました。50円の割引券を持っています。おつりはいくらになるでしょう。式で表しましょう。

という問題でした。当然、割引券について「-」考えと、「+」考え、さらには( )の中に「-」を挿入した考えが出ました。

 割引券の金額は、おつりからひくのか、たすのか!または商品の値段からひくのか。ここでも、いろいろな説明が出されました。

 事後研では、授業の組み方やめあてやまとめの仕方など、いろいろな意見が出され課題もあったのですが、子供たちの表現力は素晴らしかった。(筑波大付属小並みの表現力でした)
しかも、持ち込みの授業ということでした。公立小学校でも、ここまでいけるんだと思いました。ビデオに撮って、自分の職場で見てもらいたかったです。

 さっそく、月曜日の算数で、この授業をしてみました。表現力はちょっと乏しかったものの、この授業と同じように展開しました。割引券についての反応も、同じでした。式の見方を深めるとてもいい授業になりました。この授業でも、足場の授業としての展開がおもいしろいと思います。

 午後は、実践を発表しました。司会の先生は、知り合いのH先生でしたので、リラックスして臨むことができました。

 しかし、発表時間は10分です・・。米沢での発表では、1時間半ぐらい時間があったので、DVDなども見てもらいながら、詳しく説明したのですが、その内容と同じぐらいの資料を10分程度で発表しました。聴いている先生方は、速くてよくわからなかったのではないでしょうか。(ごめんなさい)

 発表の後、興味ある指導法だということで、いろいろな質問を受けました。適切に答えていなかった返答もあったかと思います。

「足場に向いていない授業、向いている授業はどういうのがありますか?」
という質問がありました。予期せぬ質問でしたが、向いているとか向いていないっていうのは、あまり感じたことはありません。算数には、必ず系統性がありますし、いろいろな既習事項が足場になって、目の前の問題を解いていくのですから、どんな問題でも足場を与えられると思います。

「3年ぐらいやっていると、子供たちはどう変わったのですか?」
という質問には、教師としての足場に対する考え方しか述べていなかったかもしれません。やって1カ月ぐらいすると、少しずつ反応がよくなってくるのがわかります。もう少したつと、足場と問題をスパイラルに活用することがわかってきます。半年ぐらいすると、低位の子供が、算数の時間を楽しみにしていることを実感します。そして、説明しようという意欲が高まり、表現力が身についてきます。1,2年すると、足場を自分たちつくれるようになります。足場をつくることができるようになると、類推的・帰納的思考など数学的思考が高まってきます。与える足場から、自分たちでつくる足場への移行が、今の自分の目標です。

この質問をされた先生、もし読んでおられましたら幸いです。

 最後に、助言の先生からのご指導。
・足場は、わかる喜びを与えることができる。
・子供の実態から足場をつくることが大切。
・足場の量と質をきちんとつかんで単元を計画していく。(時には、足場を少なくしたりなど)

 このようなご指導だったと思います。なるほど、ご指導してくださる先生は、深いなあと思いました。

 足場の授業を見ていただけなかったことは残念ですが、ご希望ならばDVDを送ることも考えております。

 今年度は、4回もみなさんの前で、足場の実践を報告させていただきました。みなさんのおかげで、とても充実した年となりました。足場の考え方が、どんどん広がっていけばいいなと思います。ありがとうございました。

※ご意見よろしくお願いします。

2010年11月21日日曜日

最近気づいた事

こんばんは。読者登録していらっしゃる先生が増えていて、驚きました。

・・・説明するというのはやはり、どのような場面においても必要なんですね。
特に,式と順序のような単元は,多様な考えがでることに意義がありますよね。

最近,子ども達の説明を聞いて「あちゃ〜」と思った事がありました。
「はじめに。、次に,最後に」という言葉は使いつつも,「はじめに〜で、次に〜で、そして〜で、だから〜です。」というように「なんとなく3つの言葉を使ってしゃべっている」児童がいることです。
私の指導不足を感じました。この現象はやはり作文でも見られます。

私自身も,人に説明をする時に、ついついこのようなしゃべり方をしている事に気づく事があります。
まずは自分自身のプレゼン力をアップさせたい。そして子ども達にも,「短く切って相手に分かりやすく伝える=プレゼンスキル」を教えていきたいな思いました。

先輩方にとっては当たり前のことと思いますが,「説明する活動をしたからokではない。さらに、その中身や方法についてもしっかりと意識することが大切」。そんなシンプルな気付きがあったので書き込ませて頂きました。

2010年11月18日木曜日

市算数数学部会の提案授業を参観して

今日は、市の算数部会の提案授業を参観させていただきました。

4年生の式と計算のじゅんじょの授業です。単元最後の授業ですが、ここでのねらいは「式をよむ」(式の意味を説明する)というのが大きなねらいです。式を見て、どんな考えなのかを知り、言葉や図で表現できるようにする授業です。

   ・・○○・・
   ・・○○・・
  ○○○○○○
  ○○○○○○
   ・・○○・・
   ・・○○・・

このように並んだビスケット○の数を、式に表したものをどのような考え方なのかを考えるという問題です。

教科書では、①4×5  ②5×4  ③6×6-4×4  ④4×2+6×2
という4つの式を提示していました。指導案でも、その通りの流れでしたが、実際の授業では、多様な式を考えさせ、それぞれを説明させるという流れでした。

「実に多種多様な考え方がでてくるな。」
と感心してしまいました。

ほとんどの子供たちが考えたのが、①の式でした。 ②をやった子供もいましたが、①と同じ式だと思ったのか、板書には出ませんでした。③の考えは出なかったものの、面積の学習で、L字型図形を求めるときに、全体から部分をひく方法があったことを想起させれば、容易に子供たちから出されたのではないかと思いました。

今回の授業では、①の比較的かんたんなやり方で、みんなで説明してみるという活動が必要だったのではないでしょうか。つまり、①の考え方を足場にしてもよかったのではないかと考えます。そうすれば、4つの式の意味を図や言葉で説明することができたと思います。

人の授業を見ても、常に「足場」の考え方でやったら、この授業はこうなるな・・などと考えてしまうクセがついてしまいました(笑)

またまた、足場の考えを深めることにつながりました。授業を見せてくださった先生に感謝です。ありがとうございました。

2010年11月13日土曜日

仮入部です

おはようございます。先週は土日と休めなかったので、久しぶりの休日です。
さて、zrx1100はtaichiさんの紹介でこの度仮入部させていただきます。
算数の授業を現在習熟度別学習の際に持たせていただいておりますが、
「考える足場」いつも頭に入れて授業を仕組むように心がけています。
自分としては、まだまだですが…。算数のこと、それ以外のこと、
いろいろ学ばせてください。(*^_^*)

2010年11月10日水曜日

説明する

二戸部(@山形市)です。
たいち先生、今日のプレゼン、お疲れ様でした。
パワーポイントもわかりやすくまとめられていて、以前よりも、大分「足場」の考え方がわかってきました。

「足場」の流れは、基本的に①全体で既習事項を想起するなどして、来る問題への準備をする②類題の全体解決③類題(発展?)の自力解決。なのでしょうか?

確かに、算数が苦手な児童は、何を根拠に考えたらよいかわからず、ほとんどの時間をボーッと過ごしてしまうことがあると思います。
その点、助け舟があれば、安心して授業に臨める可能性が高まりますね。

私の算数は、今のところグループ学習が主体です。タイプで言えば課題解決型の授業に分類されると思います。グループ学習は、単に「グループで考えを交流する」という内容であれば、かなり中身の無い活動に陥る危険性を持っていると感じます。しかし、解を決定するまでのグループ内の活動内容に徹底的にこだわれば、とにかく「説明する」力を高めることができるのかなと思っています。

そして何より、「ディスカッション」する力の育成も狙えると思います。算数が苦手な児童でも輪にはまって、議論する力が大分ついてきました。その結果、以前に比べ、たくさんの児童が挙手できるようになってきました。指導要領に”議論する力”とはでていませんが、説明する舞台は”議論の場”と考えると、このような学習は必要なのかと思います。

課題解決型の学習、そしてグループ学習も、やり方とトレーニング次第で十分、子ども達を高められると、手応えを感じているところです。

しかし、数学的思考が伸びているかというと、テストを見る限りでは、まだまだ課題があります。もっと、「説明を”書かせ”」たりするなどしていきたいと思います。

そして何より、必要に応じて「足場の授業」を実践して、苦手分野への重点補強を図っていければ、最高だなと考えています。

近いうち、たいち先生の授業を見せて頂きたいです。そして自分のクラスの授業も見て頂き、アドバイスを頂きたいです。そして何より、どこかの機会で、自分も「足場の授業」ができるように、ご指導頂きたいです。

南陽市教職員研究発表会にて

 本日、南陽市で教職員の研究発表会があり、10数名の教職員による発表会が行われました。私も算数で実践発表することになっていました。

 発表内容は、「足場」の実践です。平成19年度、横浜国大の石田先生の講演を聞いてから、3,4年間での足場の授業実践を発表しました。

 夏休み、米沢での実践発表、2学期には本校で研修会の機会をいただいての発表、そして今回の発表ということで、少しずつ発表することには慣れてきましたが、先生方の前ということでやはり緊張していました。

 平成19年からの実践ということで、指導案を中心に説明しました。自分でも、授業研ごとに「足場」の考え方が少しずつ理解できたような気がしています。

 振り返ると、石田先生の話を聴いてから、「教え込みでないのかな?」、「既習事項を想起させるのと何が違うのか?」、「見通しと足場ってどういう違いがあるのか?」、「どういうのを足場っていうのか?」などなど、いろいろな疑問を持ったことを思い出しました。

 今日、発表後に2,3質問していただきましたが、まさにその質問が自分にとっての疑問でもありました。しかし、今までの授業とは考え方が根本から違う新しい授業であると思い、さっそくネットで石田先生の著書を購入して、自分なりに実践してみました。

 ところが、だれも近くで実践者がおらず、足場の授業をやろうとしても、本当にこれでよいのかが分からずにいました。

 同じ年の研修会で、青森県長者小学校の先生による師範授業を参観しました。石田先生ご指導の学校ということで、興味深く拝見させていただきました。まず、指導案から伝わるものを感じました。L字型図形の面積を求めるのに、L字型に並んだシールの数を求める方法を足場としていました。足場とは、こういうものだなと実感しました。アイディアまで足場になるということを学びました。
「いつかこんな授業をしてみたい。」
そう思っていたら、今年度4年生を担任することができ、実現しました。しかも、校内の研修会でみなさんに見ていたこと、とてもうれしく思いました。

 石田先生にも、メールで質問したり、指導案を送ってご指導いただいたりするうちに、なんと自分の学校に来てくださるという話になり、2年前実現しました。その夜、一献交わしながらいろいろな話を聴くことができました。
 たとえば、主問題1でまだまだわからないときは、主問題2も全体解決して、確実に一人一人に自力解決させることとか・・。

 19年に町研算数部会で授業をしました。また、翌年には石田先生に校内研修会でご指導いただきました。21年度は、西置賜現職算数数学部会で授業をしました。学校研究としても、足場を研究することができました。22年度、本校へ赴任して、ここでも授業を公開し、研修会を開かせていただきました。米沢の算数研究会によばれ、発表してきました。発表する中でもいろいろと自分の勉強になりました。(今日の、発表会でも準備の段階から学びがありました)来週は、東北大会での発表を控えています。

 このように、足場の授業で子供たちに力をつけたい、足場のしっかりとした授業を確立したいと強く思って行動に移せば、いろいろな人やチャンスがやってくるのだなと実感しました。

 今回の発表会で、少しでも足場の考えが広まることを期待いたします。もし、実践してみての疑問や感想、成果や課題などありましたら、ここに書き込んでいただければありがたいです。(コメントでも結構ですよ)

 私のメールアドレスにご一報くだされば、書き込みの招待メールを送ります。100人ぐらいの先生方で、情報交換していきたいなと考えています。よろしくお願いいたします。

 vaio0819@ybb.ne.jp(たいち) まで

2010年11月2日火曜日

習熟度別学習初日!

 久しぶりの書き込み。忙しくてなかなかブログアップできないでいた。(と言う今も、来週の研修会の発表資料づくりで忙しいのだか・・・)

 今日から、4年生の習熟度別学習が行われた。全学年、2学期に行うもので、4年生は今日が初日。3C4Tとして、それぞれのコースに分かれて「2けたでわるわり算」を学習した。

 今回は、じっくりと進むコースを担当。今までの足場のやり方を使えば、ここでも生かせると思って授業開始!

 始めてみると、足場のさらに足場が必要な感じがした。わり算の筆算では、途中かけ算が出てくるが、半数が誤答。繰り上がりのミス。

 結局、10進位どり記数法の仕組みが理解できずにいるというところに行きつく。加減乗除すべては、この記数法の上に立つものなので、やはりここが理解できないと、すべてに影響してくる。

 この子供たちを見ていて、自分が小学校低学年の時のことを思い出した。2週間ぐらい耳鼻科に通院しなければならない時期があって、この期間午前の授業が出られなかった。ちょうどその時に、繰り下がりのある引き算をやっていたのだか、この単元をほとんど欠席してしまった。その後に、引き算がでてくると、繰り下がりの意味がよくわからずに、なんとなくで計算していた。ところが、中学年になってみんな暗算でできる引き算が、自分にはできないという壁に当たった。
「どうしてみんなわかるんだろう。」
たぶん、数え引きで今までなんとかしのいできたからだろう。このことが、高学年まで尾を引いた。ちょうど4年から始めた珠算のおかげで、10進法の仕組みがわかってきた。珠算をさせてくれた親に感謝したい。このように、繰り下がりがちょっとわからなかっただけで、けっこう苦労した思い出がよみがえってきた。

 とはいえ、目の前に基本的な計算ができない子供たちがいるから、繰り返し教えていかなければならない。どこまでさかのぼるかわからないけれど、その子供が納得いくまで教えなければならない。

 足場もいいが、かなりの足場が必要である。2週間、がんばっぺ。

 
 

2010年9月29日水曜日

足場の考え

先日は大変参考になる授業を見せていただきありがとうございました。
先日の授業を拝見してから、二回ほど算数の授業を行いましたが、「『問題を解決する手がかり』をしっかりと子どもが持っているのか」ということについて、意識を持つようになりました。

「レディネスをそろえる訳ではない」という言葉の真の意味について、自分自身、まだうまく理解していないのが現状です。しかし「全員」の子ども達が「既習事項」を生かして問題に取り組むことができる状況を保証するというのは、頭から話してはならないことがわかりました。

私が現在、算数の授業においてとりくんでいるグループ学習も「考え方を説明する」「多様な考えに触れる/触発される」ということを最大のねらいとしています。これに「足場」のエッセンスを少しでも生かして、更なる「数学的思考」「表現」のレベルアップを目指していきたいと思いました。

ありがとうございました。

2010年9月28日火曜日

「考える足場」の研修会 (汗)

 27日、学力向上部としての研修会をさせていただきました。「考える足場」のある授業を紹介しながら、授業改善につなげたいというねらいで行いました。最初は、考える足場を提唱している、横国大の石田先生をお呼びして、講演ということを考えていましたが、先生のご都合と合わないということなどで、石田先生にはまたの機会においでいただくことにして、自分のクラスの授業と、考える足場の授業実践を報告するという内容の研修会を開きました。

 5時間目の4年算数の授業は、「面積」の最後の、L字型図形の面積を求める問題です。2,3年前に、青森県長者小学校の先生の師範授業を見て、4年担任になったらやってみたいと思っていました。

 指導要領では、長方形に分けたり全体から長方形を引いたりして求積できるようにすることと、きちんと説明できるようにすることが求められています。

 しかし、今回の足場の授業では、考える足場を与えることで、授業を効率的に進めることができ、発展的な内容まで学習できるよさを見てもらいたいと思い、等積変形や倍積変形も取り扱ってみました。

 実際の授業では、いろいろなやり方があるということは理解できたと思いますが、実際に分割した長方形の縦と横の長さをしっかりつかめない子どももいて、
「やはり、基礎基本をしっかり理解させるための足場だったのかな・・・・」
などと、反省したりもしました。L字図形の面積を正しく求めさせ、きちんと説明できるようにする授業でもよかったかなと思いました。

 日常の授業では、「説明させる」など理由をしっかりと表現させることに力を入れています。「まず」「次に」「だから」というパターンも有効です。説明できなければ、わかったことにはならないと子どもたちに言っています。

 さらに、数学的な考え方育てる授業というのは、どういうことなのかを常々考えています。類推的な思考、帰納的思考など、いろいろな側面がありますが、普段の授業では、まずしっかりと説明できるようにすることだと思っています。しかも、教師自身が、今日の問題での既習の考えや技能は何かをしっかりつかんでおくことが大切だと思います。その既習を使ってしっかり説明できるようにすることが、数学的な考え方につながっていくのだと思います。授業でも、「どうしてそうなるの?」「どうしてそういうことが言えるの?」というつっこみをしながら進めています。理由を言うには、必ず既習の知識や考えが必要になります。それをうまく使えば、問題は解決できます。当たり前のことですが、なかなかこの辺があいまいになっているような気がします。

 全国学力テストのB問題では、活用力を求められています。このとき、既習を使って説明する力が深くかかわっていると思います。たとえば、階段の壁の問題は、平行四辺形の定義や性質をしっかり定着しているかということが、重要になります。それを忘れていると、説明できません。説明できるようにするには、基礎基本がしっかり身についているということがカギになると思います。


 今回の足場の研修会に参加してくださった先生方は、ちょっとでも興味を持たれましたら、ぜひ足場のある授業を実践してみてください。2,3ヶ月後には、少しずつですが成果が感じられるようになると思います。

 そして、その成果や課題を、このブログにも書き込んでみてください。よろしくお願いします。

 

 

2010年9月26日日曜日

明日が楽しみ

常に修行という気持ちを「真」に持ち続ける事って難しいですよね。

でも自分たちみたいな若手は、そんな上司、先輩に触発されて、大きくなっていくんだと思います。言ってみれば、若手も「子ども」と同じで、先輩の先生方をよく「みて」学んでいるつもりです。私はスポーツを通して、理想(目標)はただ「持っている」だけではなく、それを「発信」し、実践することにより、フィードバック(結果)を得て、より確かなものにしていくことが大切であることを学びました。

まさに、そんなたいち先生の姿勢に触れることができる事に感謝して、月曜日はしっかり勉強させて頂きます。

*金曜日に二人の先生方にアドバイスを頂いていたとき「本当のプロ」になることに対して改めて憧れをいだきました。ありがとうございました。自分も現行の「踏襲」だけではなく「踏襲+1(自分の思い、考えを発信できる)」ような授業研究会にできるように頑張ります。

2010年9月22日水曜日

学校での研修会

9月27日、算数研修会を校内で行うことになりました。先週、運動会直前のあわただしい中、4年3組のA先生に、自分が研修会行う授業をやっていただきました。参観させていただき、かなり参考になりました。子供の思考の流れ、問題の提示、足場の与え方などなど、です。

授業研ということではなく、提案授業ということなので、へんな授業はできないなと、自分に発破をかけながらがんばって準備をしています。どういう授業になるかはわかりませんが、授業を先生方に見ていただくというのは、この歳になってもとても緊張しますが、その緊張感がたまらないです。

1年間に6回、授業を公開した年もありました。公開させていただいたことを今も感謝しています。やっぱり、授業はやっていて楽しいです。へたな授業をするたびに、「まだまだだなあ。」と思って、さらに次の授業に向けて再挑戦!

「退職するまでに、満足できる授業ができるのかな?」などと思ったりします。若いころは、いろいろなことを提案して授業をしてみました。失敗したことも何度もありますが、この年になっては、失敗でしたというのも許されないのかもしれません。

しかし、失敗を恐れた守りの授業研からは、何も生まれません。自分なりの考えを検証すべく、いろいろなことに挑戦していくのだと思います。

ベテランの先生の授業研で、当たり障りのない意見や感想で終わることがあります。そうなったら終わりだと思っています。ベテランでも新採でも条件は同じです。人間、死ぬまで修行だと思います。

今回の研修会は、あえて提案授業をして研修会を持ちたいと希望しました。もちろん、子供たちに力をつけるため、そして先生方のため、最後に自分のために企画しました。

微力ながら、今後の算数教育のためにがんばります。よろしくお願いします。

2010年9月19日日曜日

三角形、四角形に挑む

10月21日に初任研究授業(@宮内小)が行われます。
それに向けて、徐々に準備を進めています。
範囲は移行措置にて四年生から降りてきた(?)二等辺三角形やなんやらの図形分野です。

グループ学習を取り入れつつ、いかに授業を展開するか悩み中です。
近々、素案が固まり次第、ご報告させてください。
アドバイスなど頂ければ幸いです!


・・・雑感・・・
グループ学習についての先日の書き込みに対して、ご教授頂きありがとうございました。
私は昨年度まで、スポーツ情報マスメディア研究所というところの嘱託職員として働いておりました。
そこでは主に、地域が行うスポーツタレント発掘事業の調査研究およびスポーツ教育プログラムの開発/実施がメインの業務でした。

そこで働いていた時に、強く感じた事は「プレゼンテーションスキル(表現)」「コンセプチュアルスキル(課題発見)」「ロジカルシンキング(論理的思考)」「タスク&セルフマネジメント(業務/自己管理)」そして「事象/情報を俯瞰的に捉える力」「スピード感」「英語」が重要である事です。

−プロジェクトに関わるミーティングはホワイトボード一枚を使って、ブレストしていく。コンセプチュアルスキルや俯瞰力が大切。
そしてそのブレストした内容について関連する情報をつなぎ合わせ、一つのカタチにしていく。ロジカルシンキングやプレゼンテーションスキルが重要。
その後は、その内容に関する関係者へのシェアリングや実務作業があります。まさに「スピード」が命です。

当然ミーティングに参加するスタッフは、たとえ肩書きが「教授」だろうと「専任研究員」だろうと「嘱託」だろうと分け隔てなく、意見が尊重される。つまり会議の中では立場が平等−。

しかし、その会議の中には上記した「チカラ」がないととても着いて行けない事がたくさんあります。実際、私もこのようなチカラが足りず、何度悔しい思いをしたかわかりません。その度に先輩に助けてもらっていました。

これらの事を考えると、今、学校の授業において上記した内容についてしっかりと教えなければ、日本の「人材」はまさに世界の中で競争力を失うと思います。

前職から学校に就職したことから、改めて、学校と一般社会が乖離してはいけないと感じました。
こんな雑感はこのブログには不要でしょうか?
書き込みしながら、ヒートアップしてきた自分に気づきました。
生意気な意見、御許し下さい。

2010年9月7日火曜日

初書き込みです

二戸部(@宮内小-3年)です。この度、本研究会に参加させて頂きたく、初書き込みさせて頂きました。
初任でありますが、初任研究の課題領域を算数として実践に取り組んでいます。
特に算数科におけるグループ学習の効果の検討を研究目的にしています。

算数は自力解決なのに、なぜグループで学習するのかと言われましたが、「何かがある」と感じて課題設定した次第です。

「何か」
=筋道を立てて考えた内容を交流する(限られた時間の中で、自分の考えをアウトプットする時間を持つことができるようにする)。

=他者の考えにたくさん触れることで「へーっ」「なんで?」「ぼくもそうだった」という気づきの機会を持つことができるようにする。

=問題を解くうちに、悩んだり得意げに解いたりする児童たちが無意識のうちに相互作用をおこして、教えたり、教えられたり「教師の意図の枠外」で学びが発生することが期待できる。


初任故に、そのデメリットや「何か」の考えのあまさがあると思います。さらに言えば「じゃあ一体、それを達成するための手だてはどうするのよ・・・?」なんて・・・。

そこは初任故の懐の甘さと捉え、ご指導ご教授頂ければ幸いです。
ただ、右も左もわからぬ故に、「一斉指導」や「習熟度別指導」への疑問など、もっとたくさんディスカッションして学びたいことがあります。

以上、今後ともよろしくお願いいたします。

2010年8月30日月曜日

テストも兼ねまして

テストも兼ねまして投稿させて頂きます。

9月の校内研究会のその後の予定はいかがですか?

2010年8月3日火曜日

石田先生が来れない!!

 9月に学校で研修会を開くという流れになってきました。

 その研修会には、石田先生もお呼びしてと思い、メールを何度かやりとりしたのですが、うちの学校と石田先生のスケジュールがかみあわず、実現できそうにありません・・

 そのかわり、自分が先生方に説明するということになりそうです。学力向上部長としては、
「足場の授業、どうですか?」じゃなくて、
「足場の授業を、必ずやってください」っていうことになりそうです。

 そうなったら、必ず成果を出したいと思っています。学校全体で取り組めば、前の学校のように成果を出せると信じています。(今、前の学校では、足場の授業やってるんだろうか・・)

2010年8月2日月曜日

米沢で研修会2

 研修会終了しました。米沢の先生方、話を聞いていただきまして、ありがとうございました。

 緊張して、早口になり、聞き取れない部分がたくさんあったのではないでしょうか。時間の関係で、DVDが早送りばっかりで、じっくりと診て頂けなかったのが残念です。申し訳ありませんでした。

「考える足場」に2学期から取り組んでみようと思われた方は、ぜひ実践なさってください。夏休みに、石田先生の本を購入していただくのがよろしいかと思います。

 今までどおりの課題解決型の学習を否定する話ではありません。課題解決にはそれなりのよさもあり、今まで長年取入れらてきましたし、今後も主流は課題解決だと思われます。

 足場の授業が広がっていくのかどうかは、自分でもよくわかりません。今日も、「周りの先生方にどのようにして、よさをつたえればよいのか。」というご質問がありました。八戸市立長者小学校や京都の土田先生、または横浜国立大学の石田先生のお話を聞いたり、授業を参観したりということが、簡単にできればいいのですが、なかなか・・・

 学校研究で取り組むにしても、今の算数の研究は、課題解決型の授業を基本とした研究なので、授業そのものを足場の授業にするのは、ちょっと無理があるのではないでしょうか。

 まずは、個人的に実践・研究していただき、よい感触がつかめたらさらに次の段階へと進めばよいのかなと思います。今まで通りの課題解決型を基本として、数学的な考え方を身につけさせる手だてを講じるのも、すばらしいと思います。

 足場の実践で、成功例や失敗例など、コメントやメールで教えていただきたいと思います。



 山形県の子供たちは、全国学力テストの分析からわかるとおり、数学的な考え方が苦手のようです。数学的な考え方をどう身に着けていくか、それを我々教師がきちんととらえていかないといけないと思います。

 山形の子は、言われたことはきちんとできるが、別の場面に応用できないということなのでしょうかね。それは、算数に限ったことではないように思います。 

 というわけで、今日の研修発表をすることで、自分自身も改めて考えるよい機会となりました。

 呼んでいただきまして、ありがとうございました。

2010年8月1日日曜日

米沢で研修会

明日は、米沢の算数研修会におじゃまして、講師をやってきます。

「足場」についての実践を発表してほしいというもの。

米沢の先生方、よろしくお願いします。できれば、このブログにも書き込んでください。他に見てる人もいないようなので、安心して書き込んでくださいね(笑)

2010年7月31日土曜日

全国学力テスト 算数B・・・・

 7月31日の山形新聞見ましたか?

 山形県の算数Bが低いということでした。確かに低い!!福井や秋田は、どんなことやってるんだろう?たぶん、全国から視察が行くのでしょう。

 授業改善の手引書を配布するって言ってますが、具体的な改善の方策があるのでしょうか。現場のがんばりに期待します!っていうことでしょうね。校内研究会の活性化がカギとなるでしょう。

 足場の授業やれば 少しは改善になるかもしれませんね。

 みなさん、山形県の算数指導、がんばりましょう!

2010年7月30日金曜日

考える足場(またまた授業公開!)

 平成21年度。地区の算数数学部会で、またまた自分が授業を公開することになりました。

 これもラッキーなことでした。

「足場の授業を、多くの先生方に見てもらえる!」

 3年「かけ算の筆算」でした。2桁×1桁の筆算で、繰り上がりが2回ある場合の筆算です。

 足場はなんだろう?

 一の位の繰り上がりの筆算と十の位の繰り上がりの筆算を足場にしました。主問題1では、筆算とならんで、お金の図を用意しました。

 実は、夏に自主的な研修会があり、その時に石田先生とお会いして、授業のヒントをいただいたのでした。

 地区の大勢の先生から、足場によって理解できた子供がたくさんいたという評価を得ました。

「やっぱり、足場の授業はすごいな」という感想を持ちました。

考える足場(石田先生来校)

 授業のことで、横浜国立大学の石田先生にメールで質問をしたら、丁寧にコメントをしていただきました。

 そんな時、またまたラッキーなことが!!

 なんと、石田先生がうちの学校に来校するという話が急浮上!

 「思えば実現する」「求めよ、さらば与えられん」ですね。

 平成20年9月、来校していただき、自分の授業を見てもらいました。

 このときの授業は、6年「比例」の授業で、比例のきまりをしっかりと足場でおさえてから、表の数字を求めさせる授業でした。足場をていねいにしすぎて、最後まで終わらなかった授業になってしまいました。石田先生に見ていただいたので、かなり緊張しました。


 さらには、講演会を開催し、またまたお話を聞くことができました。

 さらに、夕方、懇親を深めることもでき、なんとも勉強になった一日でした。お酒を飲んだ時の方が、深い話が聴けたと思いました・・(笑)



 

考える足場(ある女の子)

 足場づくりを初めて、1年近くたったころ、休み時間にある女の子が、
「先生、最近の算数っておもしろいよ。だってかんたんだもん」

 何気ない一言でしたが、自分にとってはかなりの驚き!

 その子は、クラスでも最も算数が苦手で、放課後個別指導の常連・・

 いつも、ヒントカードや支援がないと解けなかった女の子・・

 「なるほど。じわじわと成果が出てきたぞ」と思いました。

 

考える足場(学校研究)

 とてもよい評価を得られて、自信がつきました。

 そんな時、自分の学校の研究を振り返ったら、仮説1に「自分の考えを持つ」という表現があり、足場の授業がぴったりであることに気が付きました。

 またまた運よく、研究主任をしていた私は、学校研究に足場を取り入れることを提案しました。先生方は快くOK!  

「よし、これでみんなで深めることができる!」

 平成20年度から、自分の学校で「足場」を取り入れる研究が始まりました。

 最初の授業は、当然自分がやりました。足場の授業を認識してもらうためです。その年、赴任された先生もいたので、自分なりに足場の授業を見てもらいました。

 6年の「倍数と約数」という単元です。

 たて18㎝、横12㎝の方眼紙を、できるだけ大きな同じ大きさの正方形に分けるという授業。

 おわかりの通り、最大公約数を利用する問題ですね。

 さて、足場をみなさんなら何にしますか???

 自分が考えたのは、18㎝(12㎝)のテープを同じ長さに分けるには、どうすればよいかということを足場にしてみました。

 ちょっと考えれば、もう答えを言っているようなもの!

 でも、子どもたちは考えています。問題と足場を行ったり来たりしてるうちに、公約数という言葉にたどりつきました。時間もさほどかかりません。

 となると、最大公約数という考えが出るのは、時間の問題。

「課題解決型の授業だと、かなりの支援を要するな・・・」

 事後研でも、足場の有効性が評価されました。

 しかし、まだまだ先生方の中には、今までの既習事項をくわしく振り返るのと何がちがうのか??という疑問をお持ちの方もいらっしゃいました。

 既習事項を振り返るのと、足場をつくるのとは、根本的に違います。実践を積めば、わかると思います。

考える足場(町研の授業)

 町の研究会で、たまたま春に授業公開することになっていたので、とてもラッキーでした。

 「町の先生方に見てもらって、いろいろと意見をいただこう」

 5年生を持っていた私は、三角形の面積の授業を行いました。考える足場は、平行四辺形の面積を求めることです。その考え方を足場にして、三角形の求積をさせるものです。

 やはり、今までの授業とは、感触が違いました。子どもたちの食いつき?が違いました。

 「やっぱり、足場を与えると、わかるようになって生き生きしてくるんだな」

 見ていた先生方も、だいたい同じようなことを言っていました。

考える足場(長者小学校)

 平成19年の10月、地区の算数研修会において、青森県八戸市立長者小学校から先生をお招きして、師範授業を行いました。
 
 4年生の「面積の求め方」でした。L字の図形の面積を求める授業です。自分なら、長方形の面積の公式をちょこっと復習したりして、すぐに求積に入るところですね。

 ところが、足場の授業では、本時と同じL字の図形を使います。図形といっても、シールがならんでいて、それが本時の図形と同じ形になっているというもの。子どもたちは、容易に「切る」「付け足す」「移して長方形にする」という考えを出しました。

 そしていよいよ本時の主問題1!ここで自力解決かと思いきや、なんとまたまた全体解決。足場をこれぐらいやれば、子どもたちは主問題2で、数字が変わっても難なく解いていました。

 しかも、これって師範授業ということで、子どもたちは、先生とその時初対面。。。

 この授業を見て、「なるほど」と思いました。今までの自分の授業スタイルは、教えないで考えさせる授業だったなって・・・

 さっそく、自分のクラスでも実践を開始しました。

 しかし、何を足場にするのか??どれだけ時間をかけるのか??本当に考える力がつくのか??・・・いろいろなことが頭をよぎりました。

 自分一人でもんもんしていてもだめだと思い、先生方に見てもらうことにしました。

つづく

2010年7月3日土曜日

考える足場づくり

 考える足場づくりの授業って、聞いたことがありますか。

 今までの算数の授業では、課題解決型の授業を実践し、どのように支援したらよいか、多様な考えをどのようにしてまとめていくか、かかわり合いはどうあるべきか・・・・などなど、いろいろと考えながら四苦八苦してきました。


 そんな時、数年前に「考える足場づくり」の授業を知りました。

 横浜国立大学の石田淳一先生が提唱している授業でした。石田先生の講演を聴く機会がありました。

 今まで、課題解決型の授業しか知らなかったので、「教え込みじゃないのかな。」とか「今までの既習事項の確認と何が違うのかな。」、「多様な意見が出ないから、数学的な考え方が身につくのだろうか。」・・いろいろなことが頭に浮かびました。


 しかし、2,3年前に東北算数数学大会で、青森県八戸市立長者小学校が「考える足場」をもとにした授業実践をして、成果を発表したということを聞きました。

 さらに、長者小学校の先生をお招きし、師範授業をしていただきました。授業を見て「なるほど!」と思い自分でも実践してみようと思いました。

つづく