2011年4月14日木曜日

わかる算数のために「考える足場」をつくる(2) 授業の展開について

 年度初めの事務に忙殺されて、ブログアップ遅くなっております。できるだけ、まめにアップしたいと思っています。今年度は、3年生の担任になり、3年生での実践はもちろん、ほかの学年や他校の実践なども、アップしていきたいと思います。

さて、前回に引き続き、研修会で発表してきた内容の続きですが、今回は足場の授業の展開について、簡単に説明しておきたいと思います。

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「考える足場」をつくる算数授業の展開について(課題解決学習との違い)



(1)足場をつくる・・既習事項の共有化。単なる既習事項の確認だけでなく、本時の問題のアイディアや考え方、技能を支えるものとして設定する。

※従来の課題解決型では、既習の振り返りなどが、これにあたると思いますが、前時までの学習の確認ではなく、あくまでも本時の問題を解くためのステップとなる考え方です。

(2)主問題1の全体解決・・新しい解法を学ぶ。苦手意識を持つ児童も、友達や教師の説明    

を聞きながら学習できる。主問題2(自力解決)の足場にもなる。

※ここが一番の違いでしょうか。従来は、問題提示から見通しを持たせ、自力解決をさせてきた。見通しを持てない、自力解決できない子供のために、ヒントカードなどを準備したりして個別に支援してきた。最初の足場のアイディアをもとに、全体解決をさせる。考える足場であることや、全体解決であることで、比較的容易に解決できます。
 ここで全体解決することについて、いろいろな考えがあると思います。自分も、最初ここでの全体解決には、疑問を持ちました。「考える力がつくのだろうか?」と。しかし、教え込みではなくて、考える道筋を示すということだとわかりました。
(3)主問題2の自力解決と話し合い・・新しい解法を使う。主問題1の学習内容を定着させるために、新しい解法で自力解決させる。

※ここでの自力解決は、最初の足場と主問題1の両方を考える足場にするということです。主問題1が主問題2の足場になっているということを忘れてはいけません。当然ながら、従来の指導での自力解決で行っていた個別支援が、効率的に行われ、自力解決できる子供がぐんと増えたという実感があります。子供たちが自分で解決できたという喜ぶ姿が見られます。そして、算数への自信につながってきます。同時に、考える力も身についてきます。
 自力解決後に、ペア学習やグループ学習などの小集団交流で、やり方を互いに説明し合います。説明することにより、筋道立てた考え方のよさを感じさせることができ、少しずつ数学的な考え方が身についてきます。

(4)まとめ・・主問題1と2の解法の共通点を考える。

※今までは、1つの問題から一般化し、公式化するということで、多少無理があったが、2つの共通点を見出すことにより、一般化できるというメリットがあります。だから、まとめも子供たちから自然と出てくることが多いようです。

(5)適用・発展問題・・定着と応用

※自力解決での時間短縮などの効率化により、発展的な問題を解く時間が生まれます。しかし、実際は足場や全体解決に時間がかかりすぎ、従来の課題解決学習と同様に最後の練習問題にいかなかったこともたまにありました。足場での指導をさらに効率的に行うということが大切だと思います。
 しかし、足場のやり方に慣れてくると、子供たちが自ら足場を見出したりする力がついてくると、前半の思考がスムーズに進み、練習問題も充実してきます。


と、このように課題解決型との違いがあります。さらには、主問題を提示しただけで、子供たちが足場を意識して学習を主体的に進めることや、対話力を身につけ、筋道立てて説明できるようにすることなど、授業がどんどん発展し子供たちに考える力が身に着けさせることができるでしょう。

 

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