2010年11月23日火曜日

東北地区算数・数学研究大会に参加して


 11月19日、算数・数学の東北大会に参加してきました。今回は発表者としての参加でしたが、平成9年だったと思いますが、福島大会の時に参加して以来でした。あの時も、発表者としての参加でしたので、懐かしく思いながら鶴岡まで行ってきました。

 午前の公開授業は、今担任している学年と同じ4年生の授業を参観しました。「式と計算」の授業で、式から場面を読み取ったり、場面から立式したりする授業でした。

 問題1;500-(140+160)-150という式はどんなことを表わしているだろう。

 前提として、所持金500円、チーズバーガー140円、ジュース160円、ポテト150円という設定でありました。つまりおつりを出す式なのです。

 さっそく子供たちは、ノートに考え方をさらさらと書き、次に教室わきにある用紙にマジックで大きくさらさらと説明を書いていました。書き終わると、黒板に貼り友達と自由交流開始。自分の考えを表現しようという意欲がすばらしく、書く速さも抜群でした。

 全体での学び合いでも、一人一人が「-150円」の意味を積極的に述べていました。おつりを求める式で、「-」っていうのはどういうことだろうという先生からの投げかけに対して、反応がすごい・・!たとえは悪いが、釣り堀のますのように一斉にえさに集まるような感じ・・。次から次へと、反論や付け足しが出されました。うちの学校では、「言葉のキャッチボール」の表を掲示して、友達の意見に反応しようという指導を行っているが、まだまだ人任せの子供が多く、数人の子供による意見交換があるだけなのに、なんとほぼ全員が全体の学び合いに参加している感じがしました。

 そして、「-150円」は割引きの意味だという子供が出て、それに対する反論も出たところで先生は、絶妙なタイミングで問題2を提示。

問題2;500円を持ってハンバーガーショップで、ホットドッグ(170円)とスープ(130円)を買いました。50円の割引券を持っています。おつりはいくらになるでしょう。式で表しましょう。

という問題でした。当然、割引券について「-」考えと、「+」考え、さらには( )の中に「-」を挿入した考えが出ました。

 割引券の金額は、おつりからひくのか、たすのか!または商品の値段からひくのか。ここでも、いろいろな説明が出されました。

 事後研では、授業の組み方やめあてやまとめの仕方など、いろいろな意見が出され課題もあったのですが、子供たちの表現力は素晴らしかった。(筑波大付属小並みの表現力でした)
しかも、持ち込みの授業ということでした。公立小学校でも、ここまでいけるんだと思いました。ビデオに撮って、自分の職場で見てもらいたかったです。

 さっそく、月曜日の算数で、この授業をしてみました。表現力はちょっと乏しかったものの、この授業と同じように展開しました。割引券についての反応も、同じでした。式の見方を深めるとてもいい授業になりました。この授業でも、足場の授業としての展開がおもいしろいと思います。

 午後は、実践を発表しました。司会の先生は、知り合いのH先生でしたので、リラックスして臨むことができました。

 しかし、発表時間は10分です・・。米沢での発表では、1時間半ぐらい時間があったので、DVDなども見てもらいながら、詳しく説明したのですが、その内容と同じぐらいの資料を10分程度で発表しました。聴いている先生方は、速くてよくわからなかったのではないでしょうか。(ごめんなさい)

 発表の後、興味ある指導法だということで、いろいろな質問を受けました。適切に答えていなかった返答もあったかと思います。

「足場に向いていない授業、向いている授業はどういうのがありますか?」
という質問がありました。予期せぬ質問でしたが、向いているとか向いていないっていうのは、あまり感じたことはありません。算数には、必ず系統性がありますし、いろいろな既習事項が足場になって、目の前の問題を解いていくのですから、どんな問題でも足場を与えられると思います。

「3年ぐらいやっていると、子供たちはどう変わったのですか?」
という質問には、教師としての足場に対する考え方しか述べていなかったかもしれません。やって1カ月ぐらいすると、少しずつ反応がよくなってくるのがわかります。もう少したつと、足場と問題をスパイラルに活用することがわかってきます。半年ぐらいすると、低位の子供が、算数の時間を楽しみにしていることを実感します。そして、説明しようという意欲が高まり、表現力が身についてきます。1,2年すると、足場を自分たちつくれるようになります。足場をつくることができるようになると、類推的・帰納的思考など数学的思考が高まってきます。与える足場から、自分たちでつくる足場への移行が、今の自分の目標です。

この質問をされた先生、もし読んでおられましたら幸いです。

 最後に、助言の先生からのご指導。
・足場は、わかる喜びを与えることができる。
・子供の実態から足場をつくることが大切。
・足場の量と質をきちんとつかんで単元を計画していく。(時には、足場を少なくしたりなど)

 このようなご指導だったと思います。なるほど、ご指導してくださる先生は、深いなあと思いました。

 足場の授業を見ていただけなかったことは残念ですが、ご希望ならばDVDを送ることも考えております。

 今年度は、4回もみなさんの前で、足場の実践を報告させていただきました。みなさんのおかげで、とても充実した年となりました。足場の考え方が、どんどん広がっていけばいいなと思います。ありがとうございました。

※ご意見よろしくお願いします。

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