2012年11月1日木曜日

ご意見、ありがとうございました!

山形県算数・数学置賜ブロック研究協議会の公開授業が終わりました。今回は、みんなでつくる足場を提唱しておられる、横浜国立大学の石田先生に講義をいただきました。石田先生には、数年前からお世話になっており、今回の授業でも、指導案の段階からご指導をいただきました。

さて、今日の授業は、4年の「変わり方」です。本時の内容は次の通りです。



≪本時の指導≫
 本時の目標:2つの数量の関係について,表の横の見方や縦の見方からきまりを見つけることができる。


<主問題1>1辺が1cmの正方形をならべて,かいだんの形を作ります。だんの数が10だんのとき,まわりの長さは何cmでしょう。

気づきや見通しを出し合い、グループ学習をして全体解決をしました。

<主問題2>1辺が1cmの正方形をならべて,下のような形を作ります。だんの数が8だんのときのとき,正方形の数はいくつになるでしょう。

自力解決です。2乗の考え方ということで、難しい問題でしたが、ちょっとした気づきからきまりを見つけ出した子供が多かったようです。








時間の都合で参会者の先生方からのご意見を伺うことができなかったので、感想用紙を準備させていただきました。多くの方からご意見をいただきましたので、ご紹介いたします。


・児童の皆さん一人一人が自分なりの考えを持ち、プリントに書く姿を見て、普段からみんなで共有しながら、一人一人がしっかり学んでいるのだなと感じました。説明も慣れていて(グループの積み重ねか)みんなの前で堂々と話をしていてすばらしいと思いました。(小学校女性)

・「考える足場」という部分で、ついつい自分の授業ではとても軽い扱いをしてしまっていましたが、今日の話を伺って、一番大切なところだということに気がつきました。あの手本のような授業をするには準備がまだまだ足りませんが、できるところから近づけていきたいと思います。(中学校女性)

・授業について、児童も立派でよかった。先生も落ち着いてきた。ふだんの指導が出ていた。(中学校男性)

・「みんなで解決する、みんなでつくる足場」・・この思いが表れ、子供たちもこの形態に慣れていることがよくわかる授業でした。多くの子供たちが発言したこと、自分できまりを書けたことはすばらしいことで、子供たちの育ちを感じました。常に周りの友達がいて、互いに協力して学習している姿はすばらしい。今こそ授業を改善したい!そんな思いを強くした研修会でした。主問題2で、1,3,5と増加する変化だったが、その足場としての主問題1でよかったのか疑問です。(小学校男性)

→主問題1の変わり方と主問題2の変わり方は、基本的に違うものを扱いました。数値だけを変えてすっきり問題を解く方法もありますが、4年の変わり方は、いろいろなきまりがあるということを感じ取らせるために、石田先生のご指導のもと、あえてこの問題にしました。


・子供たちの授業に臨む態度が、大変すばらしかったです。伴って変わる2つの数量を、〇△に置き換えてきまりの式をすぐに出すところに驚きました。きまりを公式化し、それを利用して答えを導き出すことは、算数の楽しさ、おもしろさだと思います。4年生の段階で2つの数量の変化に気づくことは難しいことですが、視点を持たせることは大変重要だと思います。授業の最後に先生が、「どんなものでやってみたいですか?」と問いて、時間についてと答えた子供がいましたが、数字の変化だけでなく、活用力を育む面においても、大切なことだと思いました。(中学校男性)

・子供たちが生き生きと自分の考えを発表していてすばらしいなと感じました。意見をつないでいく姿、今までの成果が積み上がっているなと思いました。グループ学習では、リーダー?記入者中心にどんどん話し合いが進んでいました。4人の考えをすり合わせて解決できたのですが、2つ目の問題は、4人のうち2人の子供が解けないでいました。問題1は、2へのステップになるので、2もすっきりと解かせたかったと思いました。(レベルがアップしましたが)
 たてと横の関係を見るというのは、よく子供たちがわかっていて真剣に考えていましたが、問題1の〇×△=4から抜け出せなくて悩んでしまったのかなと思って見ていました。まとめが、「いろいろなきまりがある」でしたが、具体的にどんなきまりだったかすっきりとまとめられるとよかったのかなと思いました。(小学校女性)

らしいきまりを見つけ解いたあと、検証することも必要かと思います。予想したきまりを用いての解法が正しかったのかを確認することも重要と考えます。まとめを先生が「教えて」いらっしゃいましたが、子供が分かったこと、実感できたことこそが、その時間のまとめと思います。このクラスの子供たちであれば、十分可能と思いました。(小学校男性)

→時間的に余裕を持たせて、子供たちにきまりを言葉でまとめさせればよかったと思います。

・23名の子供たちが学び合う姿に感動しました。子供たち同士の中で、学び合い、高め合うことができていたと思います。授業を自分たちで創ることができるまで育て、導いてこられた先生の実践に学ばせていただくことが多かったです。学びをつなぎ、答えを導き出していくためには、日々の授業の積み重ねが大切だと思います。私自身も、今後の授業に生かしながら算数が好きな子供を増やしていきたいと思います。(小学校男性)

・授業のはじめの課題の提示のとき、子供たちが「気づき」を自主的に言っていたことに驚きました。私は、グループ活動の前に、まずは自力解決が必要だと思っているので、最初からヒントや見通しを言い過ぎでないか?と疑問に思いましたが、その後の自評での取り組みのねらいや、石田先生の話を聞き、私もやってみようかと思いました。課題の提示の仕方、学ばせていただきました。ヒントカードは、使い方が難しいと思います。グループ内での教え合いは、素晴らしかったです。(中学校男性)

→2乗の数列は、高学年でも難しいと思います。ヒントカードも、九九の表を用いましたが、それを見てもピンとこない子供もいました。課題ですね。

・児童が仲間の発言に反応して「つけたしがあります」「なるほどと思いました」などと声を上げる様子に驚かされました。主体的な学びに近づけるという意味では、私の授業はまだまだだなと痛感させられました。今後の教材研究、授業研究の参考にしたいと思います。(中学校男性)

・ホワイトボードを使って、各班の意見をまとめる形は、考える力、まとめて書く力につながると感じました。ただし、児童の書く文字は小さいので、うしろの児童は見えにくいと思われます。
 先生が各班を回って、教え合い、コミュニケーションをうながしている様子が見られました。自分がわかるというだけでなく、全員で成長するという姿勢につながると感じました。何より児童のほとんどが生き生きとしている点が、好印象でした。(中学校男性)

・題材が、〇、△のところを文字にすることで、中学校でも扱えるような内容で、大変参考になりました。児童もいろんなことに気づき、発表していて大変素晴らしいと思いました。表の見方で、横の見方もしっかり指導されており、中学校での関数の指導につながっていくと感じました。工夫された授業を見せていただき、ありがとうございました。(中学校男性)

・小学校4年生という段階で、中学生にとっても難しいであろう内容を扱って、しかも一生懸命自力解決しようと意欲的に取り組んでいる子供たちに、すばらしさとすがすがしさを感じました。「算数は好きかな?」と尋ねると、「うん、好きです。少しわからない時もあるけど。」と答えてくれました。授業の最初から、「気づいたことがあります」「前の勉強でやったように~」「なるほどと思いました」など、既習事項や仲間としっかり関わりながら学習している子供の姿が見られました。日常の授業のしっかりした積み上げが賜物と感じました。今、求められている思考力・表現力がついている証しだとも感じました。
 本時の主問題1でつくった足場は、「表をつくって、たてと横の見方からきまりを見つければよい」という考え方だろうと思います。だから、主問題2では、足場を使って見通しができた子には、どんどん自力解決に向かわせるべきではないかと思いました。全体で、先生の方から表を出したのはどうだろうかということです。見通しを持てなかった子だけを1ヶ所に集めて表を出した方がよかったのではないかと思ったからです。横に見る見方で、「一方が2倍、3倍になると、もう一方も2倍、3倍になる」という見方も大切にしてほしい見方です。その見方もできる子供たちに育てていってほしいと思います。(中学校男性)

・小中学校における算数数学の関数学習においては、「伴って変化する2つの数量の関係について、式、表、グラフを用いて表す」ということを土台として、「2つの数量の間にある関係を見出す」ということが1つの目標となります。したがって、それぞれの関数の特徴づけと分類が必要となります。本日の問題1の関数は、比例の関係で小学校6年生で学びぶ関係ですので、比例という名前は出さず、変化の様子を調べるところまでが、今回の授業の目標となっていたと思います。この問題の表を横に見て調べる際に、独立変数が1増えるごとに、従属変数が4増えるという見方が出されました。比例においては、独立変数が2倍、3倍・・となるという比例特有の関係があります。数量関係の「調べ方」ということを考えると、2つの課題を区別するためにも、触れられると算数・数学的な思考が深まるのではないかと感じました。(中学校男性)

→中学校のお二人の先生より、2倍、3倍という見方もさせたいというご意見でした。高学年の比例につながる見方です。時間的な余裕がなくて、増えるという変化しか扱いませんでしたが、いろいろな変わり方という点からも、大事にしていかなければならない見方だと思いました。
    さっそく、翌日の算数で「横の見方で、ほかのきまりはありませんか?」という発問で、2倍、3倍に気づきました。横の見方にもいろいろな見方があることがわかりました。ただ、評価テストには、2倍、3倍のきまりを問う問題はありませんでした。6年の比例で、そのきまりを深められればいいと思いました。中学校の先生の見方は、やはり数学的な見方が鋭いなと感じました。勉強になりました。

・児童同士での教え合いの様子を見ると、ていねいに説明しており、普段の先生の教え方も非常にていねいなのだろうと思いました。発言も思ったこと、気づいたこと、あるいは他の児童の意見に対する修正、つけたしなど、積極的に発言しており、十分に学習することへの準備ができていると感じました。学習することへの準備ができていると感じました。(中学校男性)

・私もこのクラスのように、子供たちが発言して授業が展開していくよう授業を目指しています。(小学校男性)

・算数指導について勉強なさっている先生と、鍛えられた子供たちの授業を参観させていただき、子供たちの自信をもって生き生きと学習している姿を見ることができました。改めて教師の授業観、指導力の大切さを感じました。これまでの指導法の改善すべき点について、これからも研修の機会を持っていきたいと考えています。(小学校女性)

・先生の熱心な研究姿勢が伝わる授業だったと思います。表の見方、気づくことを言うこと、グループの活動の仕方・・・中学校とつながる内容でした。文字の大きさが気になりました。4×10は、正確には4+4×9だろうと思いました。
 今日の話を毎日の実践にどう生かそうかと考えています。少しずつ実践につなげてみます。(中学校男性)

→ホワイトボードの文字なども、とても小さくて見えにくいものもありました。また、横の見方だと、4の段の九九という見方をすれば、4の段の10番目で4×10という捉え方の方が単純でわかりやすいと考えました。でも、式の意味を考えさせることも大事ですね。

・グループ内の教え合いや話し合いについて、どのようなルールになっているか。ホワイトボードの発表場面での、ICTの活用は行っていにのか。以上の点を質問させてください。(中学校男性)

→話し合いのリーダーを決め、わかった人はわからない人にヒントをあげたり、教えたりすること、わからない人はわかるまで聞くこと、必ず話すこと、話し合いが終わったら全員が説明できるようにしておくこと、グループでわからない時は、他のグループに行って聞いてくること、気づきは全員挙手をすること、などを約束としています。さらに有効な手立てがあれば、教えていただきたいと思います。
 ICTについては、そういう設備がなされていないので、使用していません。スクールプレゼンターなどが使える環境にあればいいですね。


 以上、お一人お一人のご意見から、いろいろなことを学ぶことができました。今後、このブログへのコメントなどでご指導いただけたらありがたいです。先生方の貴重なご意見をもとに、さらに改善していきたいと思います。

ありがとうございました。         















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