2020年7月18日土曜日

コロナ対策のグループ学習開始!

約半年ぶりのアップになります。

新年度から新型コロナ感染防止のため、密にならない授業を心掛けてきました。机と机のディスタンスを十分に取り、子どもたちが同じ方向を向いているという昔の大学の講義のようになっていました。さらに、主要4教科に関しては、進度の遅れを取り戻すために、どんどん進めてきました。なので、自分が意図している学び合いがなかなかできずにいました。

しかし、このままでは、「主体的・対話的で深い学び」を追究できる授業ができないままになってしまいます。そこで、少しずつですが、密にならないような学び合いの姿を探ってきました。

今までのように、3、4人が顔を付き合わせて学び合うというのではなく、4人が同じ方向を向いて話し合います。机に座っている人がホワイトボードに書きます。後の2人は、書いている人の後ろに立って話し合います。もちろん、全員マスク着用させます。



このようにすれば、飛散防止にもなると思います。気付いたことは、4人が同じ方向なので、ホワイトボードが見やすいということです。

2020年1月5日日曜日

コミュニケーションゲーム的学び合い



3学期始まりますね。子どもたちの顔を見るのがとても楽しみです。

さて、2学期の実践からです。算数では、「問題づくり」というものがあります。問題を解くことはあっても、問題づくりまでは手が届かないのかもしれませんが、問題をつくることによって、何を答えればよいのかをじっくりを考えることができます。

問題づくりは、今まで何回かありましたが、これを学び合い+コミュニケーションゲームとしてできないだろうかと考えました。そこで、次のような手順とルールを伝えました。

1 グループで算数の問題をつくる。(グループ学習)

2 その後、問題を解き合う。(自力解決)

3 正解を各グループが黒板に書く。

4 各自採点をする。

5 正解者が15人(クラスの約半分)に近い問題をつくったグループが優勝。
(全問正解では簡単過ぎ、全員求められなかったら難し過ぎ)

※今回は、学習したばかりの「場合の数」の単元に限定してみました。


【教科書やドリルを参考にして必死にグループで問題をつくっている】


【それぞれの問題を自力解決した後に、グループごとに黒板に正解を書く】


【板書です】

一番左のグループは、「15種類の色から7色を使って図のような旗を作る時、何種類の旗がが作れるか」という問題。教科書では、もっと単純な問題でしたが、全員正解してはいけないと思い、ほんのちょっとだけ難しくしたつもりでした。しかも、「表で説明しなさい」という無謀(?)な条件がついていました。

解答例を書くときに、本当に表で表せるのだろうかと不安になりながら話し合って。そしたら、とんでもない数になることに気づきました。

この時、普段の授業では算数に関心を示さなかった女子が、必死になって表を書き始めました。あり得ないぐらい一生懸命書いていました。黒板に書ききれない、または、時間が足りないとこがわかっていてもとことん表をかいていました。

コミュニケーションゲーム的な要素を入れてみたら、最初の問題づくりから、一人一人がどんどん深く考えている様子が見られました。普段やっている問題を解くための話し合いではないので、新鮮だったのでしょうか。そして、模範解答を示すときでも、4人が真剣に話し合って答えを書いていました。

問題づくりで失敗してしまったグループもありましたが、自力解決できた数で楽しんでいました。

一人一人が意欲的にゲーム的なルールに沿って話し合いました。改良していけば、単元の最後に位置付けてみてもいいかなと思いました。












2020年1月3日金曜日

文章題理解につながる国語科での取り組み

あけましておめでとうございます。2020年最初の記事になります。今年もよろしくお願いします。

さて、算数では、よく文章題が苦手という話をよく聞きます。算数の文章題理解でも、国語の長文読解でも、読解力が不足しているというのは学力調査などで報道されている通りです。ある程度の文章を読んで理解するという当たり前のことが、文章離れによって困難になっているのかもしれません。

そこで、朝学習の15分間でできる文章理解のための学習を仕組んでみました。まずは、最近新聞離れという傾向があるので、毎日いただいている新聞に目をつけました。比較的容易な投書欄を使いました。小中学生でも投書欄に掲載されていますので、小学生にも簡単に読むことができます。これを読んで、グループごとに題名を考えさせます。いつものドリル的な学習と違って、子どもたちは意欲的に題名を考えていました。

しかし、このやり方には問題がありました。まず、聞き取るという力も必要になってくるということです。しかも、聞き取ってキーワードを拾って題名を考えるというのは、かなりレベルが高いということです。さらに、一人一人が自分の考えを持ってグループの話し合いに参加しないと、自分では考えなくてもよいという空気が生まれます。そして何より、時間が短すぎました。

そこで、授業でやってみることにしました。そして、投書欄は印刷して一人一人に配布しました。(2枚目の写真)↓もちろん、一人一人が題名を考えてからグループ学習に入りました。グループ学習後にホワイトボードを黒板に貼ります。ピタリ賞は5点、キーワードは一つにつき1点などと点数化しました。




何回かやっているうちに、題名をつけるコツを掴んできました。それは、文章を読んで、何が書かれているのか、大事なことは何か、筆者は何を伝えたいのかということに着眼するようになったからです。しかも短時間に読み取れるようになってきました。



国語の授業としてやってみましたが、工夫して朝学習でも十分できると思いました。これを続けていけば、文章理解が容易になり、算数の文章題や他教科での理解も早くなっていくのではないかを考えています。





2019年12月1日日曜日

3人グループのチーム学習

いよいよ師走ですね。期末事務も忙しくなると思いますが、風邪などひかないようにご自愛ください。


前回に3人グループについて紹介させていただきました。今のクラスの人数が27名なので、3人グループにすると9グループできます。なので、黒板にホワイトボードを貼ると写真のようになります。以前、石田教授は、「低位の子どものためには、黒板の情報量を少なくする必要がある。だから、代表のホワイトボードだけを貼り、他を外すということも有効です。」とおっしゃっていたことを思い出します。

グループで一生懸命に考えたものは、全体に見せたいですよね。でも、一つ一つの考えを検証していくには時間がかかり過ぎます。

そこで、「チーム学習」を取り入れます。下の写真は、その時の授業になります。一見、普通のグループ学習のようですが、縦の3枚が一つのチームになって話し合いました。そして、一番「はかせどん」な考えを一番上に貼ります。そうすると、どこのチームもはかせどんの考え方が一目でわかります。それぞれのチームでわかるまで話し合っているので、全体の学び合いでは、確認程度で済みます。ですから、グループ学習、チーム学習、そして全体の学び合いという指導過程だと、時間が足りなくなるのではと思うでしょうが、そうではなく、逆に時間的な余裕が出る時もあります。グループやチームで考え方の交流が完結している場合です。そのためには、グループ学習をしている時に、どのグループをチームにするか短時間に見取らなければなりません。うまくチームを組めれば、ある程度の話し合いは完了することができます。でも、それはグループ学習がしっかりとできると言うのが前提になります。


2019年10月22日火曜日

小集団グループのメリット・デメリットからの『3人グループ』


得意な子どもと教師とのやりとりで進んでいく授業や、教師の講義型の授業では、苦手な子どもは置いていかれます。そこで、小集団交流をして、一人一人に参加させようという試みは、20年以上前から行われています。それぞれのメリット・デメリットをまとめてみました。

【4人グループ】
それぞれのグループで話し合ったことを、ホワイトボードを使って説明させます。ところが、過去数年間4人グループでやってきた結果、話し合いに入っていない子どもが見られることもありました。なんとなく参加している、いわゆる「お客様」状態の子どもがいます。発表する時は、基本的に4人全員に発表させますが、4人の分担ではちょっと人数が多いように感じています。

【ペア】
その点を解消したのが「ペア学習」です。ペアであれば、必ず「聞く」「話す」ということが保証され、一人一人が参加できます。低学年などで取り入れていることが多いですね。しかし、このペア学習では、教師がずべてのペアを見取ることができません。しかも、ペアによっては、苦手な子ども同士であれば2人とも黙ってしまったり、得意な子どもと苦手な子どもでは、一方的に伝えているだけになってしまったりということもあります。簡単な伝え合いや、正誤を確認するだけであれば問題はありませんが、全てのペアに話し合って結論を出すことを求めるのは無理があります。

【自由交流(フリートーク)】
20年ほど前に実践していた自由交流です。自力解決が終わった子どもからどんどん交流できる効率性があります。いろいろな考えに触れさせるにはとてもよい方法です。現在は、算数や道徳などでふり返りを伝え合う場面で用いています。しかし、算数の自力解決後に行う場合、いつも仲良しの友達にばかり行っておしゃべりをしてしまったり、交流が苦手で話しかけられない子どもがいたりすると、自分の考えと比較検討するという目的が果たせない人も見られます。交流の目的ややり方をしっかりと身につけておかないと、なかなか効果は出せません。さらに、考えが違った場合、互いに説明し合ってもうまく間違いを指摘できないこともあります。また、教師が発表させたい数人を選び、交流時にその子どもたちにホワイトボードや黒板にやり方を書かせておかなければなりません。その子どもたちは、交流できないでいることが多くなります。


【3人グループ】
そこでやってみたことが3人グループです。3人という人数は、4人よりも1人少ないというだけなのですが、一人一人が話し合いに参加できます。しかも、苦手な人がいても、3人いれば何とか考えをまとめることができます。昔から、「3人寄れば文殊の知恵」という意味がわかります。各グループから提示されるホワイトボードの数は、4人グループよりも増えますが、黒板に貼れないことはなく、考え方別にまとめていくとスッキリします。

下の写真は、比例の式を考えさせるという授業です。今回は、全てのグループの共通点から式のつくり方を考えさせました。参加意欲が高まっているので、全体の学び合いでもすぐに理解できていました。


「小集団交流」は、何年も前からいろいろな実践がありました。考えもなくグループ学習を取り入れている授業もたくさん見てきました。大事なことは、どの方法が一番よいかということではなく、どの教科のどの場面でどんな交流をさせれば、授業のねらいに迫れるのかをよく考えて実践し、効果を検証していくことです。

2019年10月19日土曜日

かけわり図のよさを実感する


夏休み辺りからの原稿執筆のため、久々の投稿になります。
6年「速さ」の学習です。速さと道のりから時間を求める方法を考える授業です。

今回は、数直線図を使って考えるという見通しにより、一人一人が数直線図に挑戦しました。1時間で80㎞だから⬜︎時間では200㎞という関係をつかめば、容易に図を書くことができます。自力の後、グループで話し合いをさせました。

ホワイトボードを見ると、200は80の何倍かを考えています。そのためには、
200÷80=2.5倍、1の2.5倍だから2.5時間という流れです。つまり、横の関係性に着目させます。

 

Bグループの図を見ると、他のグループにはない補助線がありました。
説明を聞くと、80を80でわると1になるという関係から、200を80でわればよいという考えです。つまり、縦の関係性に着目しています。(下図)



5年生の時に教えた「かけわり図」です。考え方からすれば横の関係で考えるのが筋ですが、⬜︎の中の数値を求める場合は、縦の関係が簡単に計算できるとすれば、縦の計算でよいわけです。計算は、より速くて簡単な方法が求められます。どちらが効率的に求められるかは、その時の数値にもよりますが、縦横自由に考えることができるようにすることも、数学的な考え方を養う上で大切になると思います。



2019年7月6日土曜日

水泳でも学び合いの力!


算数の学び合いについての実践してきましたが、この学び合いを他教科でやってみたという事例です。国語や社会などの教科ではもちろん効果が見られましたが、今回は実技教科である体育です。

体育では、チームで教え合うことはよくありますが、水泳でやってみたらどうなるのでしょうか。今までの水泳学習では、その子のレベルに合わせてコース別にステップアップさせるという流れが多かったと思います。その方が技術を身に付けるのに有効だったからです。

算数でも、10年以上前に習熟度別学習がもてはやされた時代がありました。それはそれで効果がありましたが、そのスタイルは、教師の側の「教えやすさ」もあったような気がします。確かに、同レベルの集団では、ある程度の基準を設けて教えることが容易になり、効率的に教えることができます。水泳でも、そういう考えで行なってきたのでしょう。

最初は、従来通りコース別に泳ぎました。その後、それぞれのコースで7つに分けてグループをつくりました。そのグループの中でどういうペアを組むのかを話し合ってから、教え合い開始です。

いつものコース別よりも、意欲的に取り組んでいました。25メートル泳げない人に、真剣に教える姿が見られました。グループによっては、1人に対して2人が教えていたグループもありました。

しばらくすると、あるグループで歓声が上がりました。25メートルを初めて達成した人がいたからです。それに触発されたのか、他のグループでも、次々と歓声が上がってきました。泳げた本人が大喜びしたのは当たり前ですが、それよりも周りで教えてくれた人の方が喜んでいたように見えました。

結果、この時間だけで4人も25メートルを達成することができました。そのほか、今までで一番長く泳げたとか、バタフライのやり方を教えてもらってできるようになったなどという声がありました。

我々教師の方が的確に教えることができるとは思いますが、こうも簡単に泳げるようになったのは、子ども同士の学び合いの力によるものだと思います。学び合いからは、教えてもらった、または教えたという互いの立場での達成感や喜びが生まれます。さらに、信頼感や絆も生まれます。グループ学習のよさが浮き彫りになった授業となりました。