2014年6月7日土曜日

整数に直してイメージ化を図る

梅雨入りとなりましたね。肌寒い日もありますので、風邪などひかぬようお気を付けください。

さて、分数のかけ算・わり算の単元

「AはBの何倍でしょう」という問題です。「~倍」という文字から、かけ算かな?と思う人もいます。
わり算だと思うけど、どっち割るどっちかがわからない、という疑問が多いように思います。



数直線図では、整数と違い、分数表記が難しくなります。
写真上のように、くらべる量ともとにする量がどっちかがわかれば、割合の公式にあてはめることができます。

板書のように、「い」がくらべる量で、「あ」がもとにする量という見通しが、Mさんから出されました。ところが、T「どうして「い」がくらべる量?」と問うと、説明できる人がいませんでした。このままグループ学習をしても、ほとんどのチームができないと思いました。

そしたら、そのMさんが、5年生の時の学習を説明しました。

AはBの何パーセントでしょうという割合の問題では、3年の時に学習したことを使えば簡単にわかるという説明です。

「6は2の3倍を考えればいいのです。3は6÷2だから、それにあてはめて考えます。」という説明。
5年生の時、この辺が結構誤答が多く、
「6は2の6÷2倍を覚えていれば簡単だよ。」と言ったことを思い出しました。このMさんは、常に既習を振り返ることができ、新しい考え方に対しても既習との関連づけが得意です。やはり、算数は習ったことを想起できれば、必ず解くことができるということですね。

さて、見通しは、割合の考え方と、数直線で説明すること、このMさんの考え方(整数と関連付けて)という3つの方法が出されました。

 
そうは言っても、やはり数直線図での表記は結構難しかったようです。(チームFとH)
チームC、Gは、比べる量ともとにする量で考えていましたが、「あ」をもとにしているという説明がなかなかできなかったようです。見通しで出されたとおりに計算すれば、この授業は10分ぐらいで終わってしまいます。どうして、「あ」がもとにしている量なのかという説明が、図などで説明しなければなりません。しかし、分数は整数のようになかなかイメージできない量なので、図で示しても説明できないわけです。たとえば、チームHは、どちらが1なのかがわかりませんでした。これを関係図で考えるにしても、どっちを1にすればよいかわからないことと同じですね。
 
チームI、E、B、Dは、例の「6は2の6÷2倍」という整数の考えにあてはめていました。やはりこれが一番とらえやすいようです。
 
算数では、学年が進むにつれてどんどん抽象化してきます。図で表すことも困難になります。
 
たとえば、「Amの棒があります。重さはB㎏ありました。1mあたりの重さは何㎏でしょう。」(または、1㎏あたり何mでしょう)←( )の問題は少ないかもしれません・・・
A÷Bか、B÷Aかという見極めは、抽象化された数字や文字では見当がつかなくなります。
 
でも、これを「2mの棒があります。重さは6㎏ありました。1mあたり何㎏でしょう。」にすれば、たちまち図を描いて6÷2=3mと全員が求められます。
 
これと同じであるという数学的な見通しを立てられるように教えていかなくてはならないと感じた授業でした。
 

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