2012年2月23日木曜日

「言語力」を鍛える算数授業

昨日の朝、通勤途中に「ー9°C」の気温表示を見てびっくり。ところが、今日の帰宅時の気温は6°Cで風雨!めまぐるしく天候が変わりながら、確実に春の足音が聞こえてきています。
 
さて、購読している明治図書の「楽しい算数の授業」2月号に、目を引く記事が載っていました。今、うちの学校でも話題になっている「言語力」について志水先生が見解を述べていらっしゃいましたので、引用したいと思います。
 
(ここから)
 
成功する算数授業⑤ 
 
「言語力」を鍛える算数授業 言語力の育成が課題となっています。これは,国語科だけでなくて他教科でも育成すべきことだと提言されています。そもそも原点は,文部科学省の言語力育成協力者会議が発端だと考えます。そこでは,「言語力の育成方策について(報告書案)【修正案・反映版】」において,言語力について定義されています。



「1.基本的な考え方及び課題(1)言語力について
 この報告書では,言語力は,知識と経験,論理的思考,感性・情緒等を基盤として,自らの考えを深め,他者とコミュニケーションを行うために言語を運用するのに必要な能力を意味するものとする。」
 この報告書案では,「7.教科等を横断した指導の充実の考え方(2)教科・領域ごとの特質を踏まえた指導の充実」の項目において,算数・数学科について次の記述があります。


 〈算数・数学〉
○算数・数学科では,算数・数学を活用して考えたり判断したりする活動に重点をおき,その活動がよりよく行われるよう,言葉や数,式,図,表,グラフなどを用いて,筋道を立てて説明したり論理的に考えたりして,自ら納得したり他者を説得したりする指導を行うことが大切である。また,予測や推測を生み出しそれらを確かめたり,よりよい予測や推測をしたりするための指導を行うことも大切である。

○その際,帰納的な考え方や類比の考え方,予測や推測を検証するための演繹的な考え方をはぐくむ必要があり,それらの考え方をよりよく用いるために必要な言語力を身に付けさせることが期待される。例えば,事実の説明あるいは理由や手順の説明の仕方を身に付けさせることなどである。


 なお,指導にあたっては,根拠を基にして,ある事柄が「正しい」「正しくない」ということを明確に説明できるようにすることが期待される。


 これらの文面から解釈しますと,算数・数学の内容(数,量,図形)の概念形成にかかわって,問題解決するために算数・数学的な事実,方法,理由について,自分の考えを言葉で表現する力とみなされます。


 言語力育成がもとめられているのは,算数・数学の授業が,ともすると,式と答えの発表に終わりがちであったことに対する注意喚起だといえます。


 本号では,算数科における言語とは何か,子どもが使う算数言語とは何かについて,またそれらの言語力を伸ばすためにはどのような指導をすればよいかについて具体的な実践事例をご紹介します。


志水 廣 

なるほど、今の自分の考えと同じ方向性です。算数科なりの言語力が要求されていることがよくわかりました。

考える足場の指導法でも、「まず」「次に」「だから」などの説明の仕方を足場にして、本時の問題を解き、説明していくという流れがあります。筋道立てて説明する力は、一部の子供だけでなく、すべての子供に身に付けさせる必要があります。一人一人この力をつけるためは、考える足場を与えたり作ったりしながらという指導法が有効です。

本日、わが校の校長より、「考える足場を実践し始めている先生が見受けられる」という話がありました。先日の研修会で足場の研修会を授業を通して説明させていただいたことが、少しずつ先生方に伝わったようです。

このブログをお読みになっている先生方、ぜひ「考える足場」の算数指導にトライしてみませんか。

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