2019年6月9日日曜日

「授業展開モデルA」で解き方を説明させる


4年生の算数の授業を見せていただこうと担任に声をかけたら、自習になるとのことだったので、代わりに自分が授業を進めることになりました。

学び合いの授業をしていると、「まず自分の考えをもたせてから学び合わせるべきだ」と言う人がいます。確かに、自分の考えをもって話し合わせることが理想です。考えももたずに話し合いに参加すると、人の意見に頼ってしまい自分で考えようとしなくなるということもあると思います。しかし、過去の課題解決型の授業では、見通しをもてなくて教師の支援待ちの子どもが必ず数名いました。そのために時間を費やしてしまうという弊害から、子ども同士の学び合いに力を入れてきました。「考えをもたせる」ことと「学び合い」は、相反する立場のように言われてきましたが、そうではなくて石田教授が提案する、「授業モデルA、B、C」を実践することで、考えをもたせる学び合いが成立します。今回は、授業モデルAの実践例です。


35×27=945の答えを使って、3500×2700と35万×27万の答えを求めさせる問題です。そこで、石田淳一教授の「学び合いの算数授業「35+10」分モデル」(明治図書)で提案されている「授業モデルA」でやってみようと思いました。

問題1(全体)→  問題2(グループ) → まとめ → 習熟・振り返り

という指導過程です。

まず問題1を全体で話し合います。35を3500にすると答えは94500になることは容易につかめましたが、なぜそうなるのかを考えさせました。当然、100倍下から答えも100倍ということですが、この100倍の意味も問いました。「100倍するということは位が2つ上がる」ということを押させました。27と2700についても同じことが言えます。そうすると説明が簡単になります。つまり、位が2つ上がり、さらに2つ上がるから答えは位が4つ上がるということで、10000倍になることを説明させました。これを板書に明記しました。それは、問題2で「万×万」の問題を説明させるためです。子どもたちは、問題1の説明の仕方を見ながら、問題2でも同じように説明していました。もちろん、一人でできない子供もいるので個別に支援します。そしてグループごとにホワイトボードに書かせてから発表させました。どのグループも問題1の説明の仕方を取り入れていました。

このように、問題1を全体解決することが、問題2を解くための考える足場になるということです。つまり、問題1の解き方を共有することで、問題2を解くための見通しや考えをもつことにつながるのです。

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