2018年11月5日月曜日

「台形の面積」;指導者と子どもがちがえば、公式化までの過程がちがってくる

市の公開研で、M小学校のN教諭が5年算数「台形の面積」の授業をしました。共同研究することになっていた私は、指導案検討から関わってきました。2年前も同じ5年生だったので、共同研究をしました。その時は、台形というのは、かなりの種類の求め方があり、前時までに行ってきた、「移動法」、「分割法」、「倍割法」などのネーミングを用いた方法でたくさん解決させみようということになり、2時間扱いにして前時でいろいろな求め方をさせるという授業を展開しました。

しかし、今年度は、啓林館の教科書では、1時間扱いということや、台形の面積から突然罫線がなくなるということで、罫線なしの1時間で公式化という流れにしようと話し合いました。そして、同じ指導案で授業をしてみました。

<N教諭の授業の板書>


N教諭の授業では、公式化を強く意識させた授業でした。さらに、一人一人に2枚の台形を配って自力解決させた結果、グループ学習ではほとんどのグループが2枚の台形を平行四辺形にするという倍積変形(倍割法;2倍にして2で割る「ばいわりほう」というネーミング)がほとんどでした。もうひとつのやり方が出されました。次の写真です。

Aから垂線を下ろし、直角三角形と台形に分割します。それぞれ2倍にして長方形を作ります。縦の長さは4㎝、横は8+2で10cmということで、
(2+8)×4÷2という式ができました。長方形に直す等積変形ですね。(ナイスアイディア)クラスの実態として、公式を知っている人がけっこういたということで、こういうアイディアが出されたのかもしれませんね。

<私の授業の板書>


N教諭の前日に行いました。見通しでは、倍割法と分割法が出されました。すぐにグループ学習に突入。この時間では、自力解決をしませんでした。自力解決を否定するのではなく、単元計画の中で自力解決を取り入れる時間を決めているからです。2つの方法で進んでいましたが、あるグループが移動法でできそうだと思いつき、3番目の方法として出されました。やはり、倍割法が一番公式化するのに適していましたが、移動法でも「高さの半分だから4÷2という式をつけたして、スムーズに公式化できるました。
 その時、分割法の3つの式を見ていた女子が、「×4÷2って同じだから、1つにまとめられるよ」という意見を出しました。計算のきまりを想起させると、みんな理解できました。3つのやり方から公式化に気付いたという授業になりました。

2つの授業では、1時間扱いの台形の公式化という内容で、同じ指導案でおこなったものでしたが、指導者と子どもがちがえば、公式化までの過程がちがってくるものだなと思いました。だから授業はおもしろいし、奥が深い!



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