2015年1月14日水曜日

学び合いの積み上げ 重点化を図った5年「三角形の面積」


ちょっと遅れましたが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さて、12月末の実践ですが、5年「三角形の面積」の授業実践です。指導者は、昨年度来、石田理論の勉強を重ね実践しているK先生の授業です。






底辺が6㎝、高さ4㎝の三角形です。この授業では、十分に学び合いをさせるために、重点化を図り2時間扱いにしました。



 
1教時目。グループごとに活発な学び合いをしたあと、黒板の前に座り、グループ分けされたそれぞれの考えを学び合いました。ここで大事なことは、すべてのグループが発表するのではなく、グループごとに発表したり、子供たちの疑問から説明させたりなど、効率的に学び合いを進めなければなりません。

2時間扱いというこtで、前半はそれぞれの考えを理解するところで終了です。


2教時目。

本時の授業のテーマ(視点2)

グループで考えた求め方の共通点や相違点を見つけさせたり、式と図を関連付けたりしたことは、面積を求めるために必要な長さに気付かせるのに有効だったか。

グループごとの考えをまとめての板書です。(詳細は下の写真)



 

事後研では以下のようになりました。


1 自評

・「底辺×高さ÷2」に集約するのに時間がかかった。底辺6、2や4の意味などの扱いに手間取った。

・「÷2」の意味がなかなか落ちなかった。

2 成果○ 課題△ 改善策⇒

<視点1 話したい、解きたいと思う学習課題の工夫にかかわって>

○ 前時に面積の求め方をまとめていたので、公式をつくるというめあて意識をしっかりもたせることができた。

○ 一人一人が、自分たちのグループの考えをしっかり発表することができた。

<視点2 ねらいに応じた言語活動や互いの考えを関連付けて学び合う活動の工夫について>

○ 色をつけることにより、等積変形や倍績変形の考え方がわかりやすくなった。

● 式や数値の意味は深まったが、一つ一つの考え方を丁寧に扱いすぎたことで、それぞれの考え方を統合的にとらえることができなかった。また、もとの三角形の図と式を関連付けながら話し合わせたかった。

● 共通点や相違点に気付くことはできたが、公式化という視点での話し合いにならなかった。

⇒ 公式化に導くためには、次の点が考えられる。

・等積変形の4×3の3の意味は、2÷2=1と4÷2=2の1と2で3になったから、6÷2=3。つまり、底辺を2で割っていることに気付かせる。等積変形の2×6の2の意味も同様。このことを図と関連付けて話し合わせる。

・もとの図(すべての図)に、底辺と高さがわかるように色別にするなどの工夫をする。そうすることで、6㎝は底辺、高さは4㎝であり、それを2で割っているという共通点から、6や4を言葉に置き換えることで、すべての考えが公式化につながる。


<コメント>
多角形の基本である三角形の求積を重点化し、2時間扱いにすることで、前時にグループで十分に時間を取り、全員に説明できるようにしておくことや、全体の学び合いでは共通点や相違点に目を向けさせるなどの工夫をすることで、言語活動による一人一人の学びを成立させようという授業者の意図が伝わりました。また、全員が「わかりません」と言える学級の雰囲気があり、わかるまで聞こうという意欲を感じました。日常のご指導の賜物ですね。
 
 
 


 


 

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