2013年1月9日水曜日

学び合いで力をつける

  あけまておめでとうございます。今年も、算数指導研究会「考える足場」をよろしくお願いします。

 3学期も始まり、2学期の提案授業で見ていただいた学び合いのスタイルを、各学級で実践していただくことになり、グループの学び合いで使用するホワイトボードを購入し配付しました。学び合いの授業を取り入れることにより、子供たちが変わっていくことを実感してほしいと思っています。
  
◎「学び合う」力を鍛える!
聞いて,考えて,伝え合う授業は,「思考力・表現力,学習意欲の育成を含む」
・説明することは,考える力を高める。
・考えながら聴く力を鍛える。(なぜ?だから,・・ どういうこと?)
・協同的な学びの質を高めるというのは,みんなが話しみんなが聴く,みんなが考えを出し合う(広げる),みんなが考えを深めるということ。
<協同学習のモデル>(算数の例)
1 足場づくり・・・問題の気づきを話し合い,見通しをクラス全体で持つ
(気づきでは,全員に挙手できるまで訓練する。)
2 主問題1を考え,解き方を話し合う(発見を整理する) ~グループ学習から全体へ~
3 主問題2で学びを確かめる・・(自力解決,グループでの確認)
4 振り返る(適用,発展問題)
 
<学び合う授業づくり 12のコツ>
コツ① 問題提示を工夫する。(絵や図だけを見せる,問を見せない,情報不足の問題,文章題を見せないで読む・・)
コツ② 問題からの気づきを生かすように指導する。(既習との違い,わかっていること,求めること,課題をつくる,式や図などに表す)
コツ③ 解法の見通しを話し合い,共有する。
コツ④ 説明の仕方を指導する。
コツ⑤ 学習形態を工夫する。(グループ学習)
 グループ学習の約束
 ・メンバー全員が発言し,友達の話をしっかり聴く。
 ・メンバー全員で考えを作り上げて,助け合って発表できるようにする。
 ・わからないことをメンバーに聞いて納得できるようにする。
コツ⑥ 考えをつないでいくように指導する。
コツ⑦ 自分たちで授業をつくることを指導する。
コツ⑧ 比較することを指導する。(複数の解法を眺めて考察させる,共通点や相違点を見つける)
コツ⑨ 数学的な考え方を指導する。
 ・「はかせどん」  はやい,かんたん,せいかく,どんなどきもできる という視点
コツ⑩ まとめのタイミングを考える。
コツ⑪ まとめの仕方を工夫する。
コツ⑫ 振り返りの仕方を指導する。             
<H24.10.31 横浜国大 石田先生の講話より>
 
 
◎グループ学習の進め方(ホワイトボード活用)
1 はじめに(学習リーダー,スモールティーチャ-,ガイド,○○博士などネーミングをしてみては?)
 司会者は,何について考えるのかを確認します。問題についての疑問がある場合は,疑問を解決してから進める。
司会「これから~についての話し合いを始めます。○○さんから考えを説明してください。」
2 発表
 ・「わたしは~と考えました。そのわけ(理由)は~だからです。」
 ・「わたしは,~のように考えました。答えは~となりました。」
 ・「わたしの考えに,質問やつけたしはありませんか。」
一人の発表後に,賛成意見・つけたし・反対意見の順に発表させる。
 ・「わたしは~の意見と同じで,~と考えました。そのわけ(理由)は~だからです。」
 ・「わたしは~の意見と違って,~と考えました。そのわけ(理由)は~だからです。」
 ・「わたしは~さんの意見につけたして,~と考えました。」
自他の共通点と相違点をはっきりさせてから,グループで決まったことやわかったことをまとめさせる。対立した場合は,そのまま全体の学び合いで対立点を発表する。
                                   <参考;本校若手のホープN先生の資料から>
 
◎学習リーダーを育てる!荻小学校から学ぶ
 間接学習時の学習が成立するためには,学習リーダーをしっかり育てることが大切である。また,学習リーダーの存在は,複式指導にのみ有効なのではなく,すべての学校・学級における学習に生きる手立てである
※学習リーダーを育てるには
①発達段階に応じた支援のあり方~低中高での段階的・具体的な支援のあり方を検討
②教科に応じた進め方~国語科だけで学習リーダーは育たない。各教科において,計画的に指導・支援していく必要がある。(具体的な実践例の記録を行っていく。)      <荻小発表会資料より>
 
 
<子供同士の学び合いは、学力を向上させる!~複式指導の経験から~>
 
私は、新採の時から4年間、複式学級の担任をしていました。(新採が複式って今では
考えられません)複式というと、授業の半分が間接学習であり、最初はこれで学力が身
につくのかという疑問がありましたが、教師不在の中で学習をさせるには、学習プリン
トを与えなければならないということで、毎日学習プリント作りに励みました。
 
その子供たちが中学へ行ったあと、中学校の方からの情報で、5人が思った以上に上位
にいることを知りました。5人のうち2人が3位以内に入っていたこともあり、
「複式というのはハンデではなく、もしかしたら長所なのでは??」
と、ポジティブに考えるようになりました。
 
次の学校も、小規模校だったので、複式学級を担任しましたが、小中併設校ということ
で、先生の数が多く、すべて国語や算数を単式でできるという恵まれた環境に驚きまし
た。複式よりはずっと楽になり、一人一人に丁寧に指導できる喜びをかみしめました。
 
しかし、きめ細かな指導ができるようになった割には、なかなか学力が上がらないこと
に気がつきました。理由は、先生に頼ってしまい、自ら考えようとする意欲が高まらな
いということです。そこで、翌年、算数を複式でしてもらうように志願しました。
「わざわざ複式にしなくても・・。」
という声が聞こえてきそうでしたが、あえて子供たちに力をつけるためにやってみよう
と思いました。
 
最初は、子供たちも間接指導の時は戸惑いがありましたが、学習リーダーを決め、学び
合いの訓練を続けた結果、自分たちで学習を進められるようになってきました。そんな
時、地区の複式指導研修会があり、複式の授業を公開しました。子供たちは、間接時に
も、リーダーを中心に生き生きと学び合う姿を見せました。
 
この時の事後研究会でも、助言者の先生から、複式は、主体的に学びことで学力が身に
つくという助言をいただきました。この時、学び方を学ぶ子供をつくることが大切であ
ることを自覚しました。
 
現在、学び合う足場を実践していて、この時に抱いた思いが今の指導の考え方と一致し
ていることに気づきました。
 
 
 
 
 
 
 

 
 

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