本研究会では算数科を中心に、算数学び合いの石田淳一教授(東京家政大学、前横浜国大)のご指導のもと、「協働的な学び合い」の実践研究をしています。さらに、教育実践研究家の菊池省三先生を代表とする「菊池道場山形支部」として、白熱する教室を生み出す学級づくりをして、「主体的・対話的で深い学び」ができる子どもの育成を目指しています。 お問い合わせは、山形県南陽市立赤湯小学校 田井地 清まで vaio0819@yahoo.co.jp
2012年6月19日火曜日
80÷20の足場は8÷2
今日から新しい単元「わり算2」です。1桁で割るわり算の考え方を既習として、2桁で割るわり算を学習します。
本時のねらいは、(何十)÷(何十)の計算の仕方を理解させるという内容です。主問題は、
80÷20=?
です。今回の足場は何かを考えてみました。
当然、80÷20=40という誤答が出ることは予想されますね。10倍だから答えも10倍という考え方です。このやり方の誤りに気づかせるためには、8÷2=4の考え方を捉えさせるということだと思ったので、この計算を説明させることを足場にしました。足場をしっかりおさえれば、主問題もきちんと解けるだろうと思いました。
図を元に、8の中に2が4回入っているということを、80÷20でも同じであることをとらえさせました。案の定、白いカード磁石(10のかたまり)を置いたら、ステップ(足場)と同じであることに気づきました。80は10が8こ分、20は10が2こ分ということも容易に気がつきました。
図を見ると、まったく同じ関係なので、すんなりと答えが4になると思っていました。ところが、図や言葉で説明しているにもかかわらず、
「答えは40です。」
という答え・・・・
説明では、「10をもとにすると」という気づきがあったのですが、80÷20=40と、感覚的にとらえているようでした。
そこで、80の中に20が何回入っているかという、考えるステップと同じことを問いながら、10のかたまりを2こずつ黄色いチョークで丸で囲んで、何個分かを声を揃えて言わせました。
「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・」
「あっ、答えは4だ。」
と気づいた人がいました。しかし、まだ8÷2と同じ答えになると気づいていない人もいました。なんだか騙されているように思っていたのでしょうか。たしかめ算もして、答えは4になると確認しました。
「10をもとにすると、8÷2と80÷20は同じ答えなんだ!」
ということを理解しました。
次に自力解決では、140÷40の計算です。あまりが出そうだということも確認して自力解決させたところ、答えは、30という商を出した人がいました。
足場の指導では、主問題2で定着が良くない時は、全体解決してもよいということなので、ヒントとして、10のかたまりの白いカードを14枚並べました。
「これを使って答えを出してみて」
という支援に対して、何をしてよいのかわからない人もいました。だから、また黄色い丸でくくってみたら、
「ああ、答えは3だ。」
と言って答えを直していました。
ここで、足場と主問題1を思い出し、14÷4と同じ答えでいいんだということで、3あまり2としました。あまりは10が2こ分ということに気がついた人は、あまり20としていました。確かめ算をして、2じゃないと気づいた人もいましたが、商は同じであまりは10倍になるというのは初めての経験なので、うまく理解できないようでした。
やはりここはかなりの支援が必要でした。しかし、これを課題解決型でやっていたら、ほぼ全員に個別指導しないといけないと思いました。TTでやっていたので、なんとか切り抜けましたが、足場を設けて、主問題1を全体解決することで、支援しなければならない子供が少なくなります。これも、足場の指導のよさです。
結局、練習問題を2問解いて終わってしまいました。(練習問題8問残ったまま・・・・)
課題として、もう少し足場(ステップ)を効率的に行うことが必要です。さらに、あまりのあるわり算という初めての問題を自力解決させたことも検討すべきことです。
考える足場の指導では、効率的・効果的に自力解決させるというメリットがあります。このことをもっと発揮させなければならないと感じた授業でした。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿