2012年2月1日水曜日

失敗から学ぶ

今日の算数は「小数÷整数(あまるのあるわり算)」の授業でした。
今回の授業では,「整数÷整数(あまるのあるわり算)」 を足場にして取り組んでみました。

「170cmのひもを30cmに切ったら,何本切れて,何本あまるか」という問題を「中学年の復習しようね」などといいながら、さりげなく提示しました。
もちろん、この程度の問題でしたので、全員解くことができました。

「わる数(1本の長さ)よりも短いあまりがでたら、そこで計算が終わるね」と言いながら,問題を終えました。

「じゃあ、いよいよ今の勉強の問題に突入するよ」と、意欲をかき立て,問題に望ませました。「17.5cmのひもを3cmずつ切ったら,何本切れて,何本あまるか」という問題でした.

子ども達は「嗚呼,解けるよ!」という反応がほとんど。「そういう聞かれ方なら,もう(答えが)想像できたよ」といった反応もありました。
しばたくして、机間支援を行っていると,がっくりとしてしまいました。1/3弱の子どもが 「5.8本」と答えているのです。

「本数を聞かれているのに,5.8本とは一体・・・」と感じながらも、逐一,支援をして回りました。そこで自分ははっとしました。

あまりのある整数のわり算ができれば、小数のわり算の文章題にも対応できるだろうと考えていたのが,実はあまかったと気付いたのです(気付くのが遅すぎてなさけないですが・・・)。足場の時点で,「わり進めたらダメなの?」「今は一体何を聞かれているの?問題文のキーワードは?」といったように、「題意に即そうとする足場」をしっかりと構築してあげることが必要だと感じたのです。子どもは,前時まで単純な計算問題を解く課題に繰り返して取り組んでいたため、「題意を汲み取り」「場面を想像し」「最適な解答は何かを考える」足場が弱くなっていたのかもしれません。

もちろん、この他に足場の組み方は多様にあったのだと思います。
むしろ、私が提示した足場は,比較的安易なものであったのかもしれません。
さらに言えば「子どもが足場」を作れればいいのかもしれません(とてもそこまでは達していませんが)。

しかし、最大の問題は,やはり、私自身の意識の中に「これさえ提示しておけば,なんとかなるだろう」という安易な思考があったことです。
小数の計算になった瞬間に表れる困難さ。子どもの単元の中での思考の流れ。そういったことを組まずに,「足場ありき」で授業に挑んでしまったのです。

算数が苦手な子どもでも,思考が繋がるような足場の提示。その達成のためには、教師が足場と課題のつながりを明確にする。
当たり前のようですが、今日の自分には,その決定的な要素が欠けていました。
次回に活かします。

しかし逆説的ですが,足場を意識した授業は楽しいです。気楽です。
堅苦しく考える自分は,このブログを書いている瞬間。また明日には,「気楽に」とは言い過ぎですが、シンプルに足場の良さを授業に活かしていきたいです。

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