本研究会では算数科を中心に、算数学び合いの石田淳一教授(東京家政大学、前横浜国大)のご指導のもと、「協働的な学び合い」の実践研究をしています。さらに、教育実践研究家の菊池省三先生を代表とする「菊池道場山形支部」として、白熱する教室を生み出す学級づくりをして、「主体的・対話的で深い学び」ができる子どもの育成を目指しています。 お問い合わせは、山形県南陽市立赤湯小学校 田井地 清まで vaio0819@yahoo.co.jp
2012年5月15日火曜日
教育実習生も「考える足場」で勝負!
昨年度に引き続き、教育実習生の担当となりました。子供たちは、実習生とすぐに仲良くなり、毎日楽しく学習したり、遊んだりしています。
実習生のW先生は、とても元気がよく、誰とでも笑顔で接しています。授業を見る視点も鋭くて、日常の授業でも、逆に勉強させてもらっています。
先日、初めての授業をしてもらいました。4年算数「わり算の筆算」です。子供たちは、3桁÷1桁の筆算はできるが、商の百の位が空位(つまり、商が2桁)になる筆算の仕方を考える時間です。
何回か私の算数の授業スタイルでもある「考える足場」を参観し、W先生も足場のある授業に挑戦してみたいということになりました。
W先生は、算数の授業を見ながら、常に「この授業の足場は何だろう」という視点で考えていたのではないかと思いました。実習生ではありますが、すぐにこの足場をつくるという指導法のよさに気づいていただきました。さすがです!
本時の主問題1(全体解決)は、214÷6の筆算の仕方を考えさせる問題です。筆算の仕方を想起させるために、758÷7という既習の筆算を足場にしていました。
「なるほど、筆算の仕方をていねいに想起させ、それを足場にしたら主問題に活かせるだろう。」と見ていました。
子供たちは、今まで百の位に必ず0以外の数字をたてられていたので、今回の数値を見て、
「あれ、割れない・・。」 「あまりが出る?」
などの疑問を持ちました。
するとある女の子が、
「百の位を割れなくても、十の位まで入れると割れることに気づきました。
という発言。しかし、ほとんどの人が理解できずにいました。
この時、W先生は、
「200円玉を6人で分けられないけど、どうする?」
という補助発問で、200円玉を10円玉20まいにすると分けられそうだという考えに気づかせました。臨機応変に子供の身近なお金にたとえて考えさせるところは、さすがです!(さすが2回目)
難なく主問題2の自力解決までいきました。予想通り、2,3人の子供は、百の位の空位の意味が理解できずにいましたが、ちょっとしたヒントによりできるようになりました。さすがです!(さすが3回目)
授業後に、私と二人で事後研をしました。めあての持たせ方、めあてとまとめの関連付けなどいろいろな視点から振り返りました。主問題2では、3問とも丁寧に扱って解き方を説明していましたが、本時では百の位が空位になる場合の筆算ということなので、その点にしぼって説明していれば、練習問題を解く時間も十分に確保できたのではないだろうかということも提案しました。
また、考える足場については、758÷7という既習を足場にしたが、21÷6という暗算でもできる計算を筆算にしするとどう考えるかということを足場にすれば、214÷6の主問題1の筆算がスムーズにできたのではないかと考えました。
やはり、足場というのは、単に既習であれば何でもよいというのではなく、主問題1を解くのに使えそうなアイディアや技能、考え方にしなければならないということを改めて考えさせられました。
しかしながら、教育実習生ではありますが、なかなか勉強をしてきた様子で、子供たちの扱いにも慣れていました。授業に余裕さえ感じられました。さすがです!(さすが4回目)
実習生の授業を見て、改めて気づくことや足場のあり方などを再確認できました。いろいろと教える立場でありながら、教えられることも多く、実習生に感謝です。
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