2015年1月16日金曜日

「暗記」から「考える」への教育改革~NHKのニュースから~

  先日のNHKニュースから

高校の授業と言えば、先生がひたすら説明し、生徒は黙々とノートに書く。わかる生徒だけが発言し、授業が進んでいく。そんなイメージがあります。息子の高校に参観に行ったときも、まさにそういう授業でした。(数学でしたが・・)

特に歴史学習については、大学受験で教科書に載っていない内容(重箱の隅をつつくような問題)が出題されているという現状があり、受験生の負担が増えている割に、大学(会社)へ入ってからの力になっていないということで、求められている力をもった人材を育成しようということなのでしょう。

そこで、暗記から考えることを重視した授業に変わりつつあるということです。

 
歴史的事象を先生がひたすら説明してノートに書くというのではなく、課題にそって協同的に学習を進めるというのです。グループで一人一人の考えを出し合い、議論する。もちろん、それは歴史的事象に基づく考えが要求されるわけです。もちろん、知識がなければできないことですね。
 
 
グループで議論したあと、ホワイトボードにまとめプレゼンします。つまり、説明する力が必要とされます。もちろん、聴いている生徒は、自分の持っている知識を活用しながら、質問したり反論したりという力も必要になります。
 

最後に、ワークシートに自分の考えを根拠をもって表現するという流れです。



今、高校歴史教育で改革が行われようとしていますが、この指導法は、まさにこの研究会が目指している学び合いの姿であり、協同学習です。

山形県教委からの重点でも、「協同的な学習」「探究学習」という内容が示されています。今後、小学校はもちろん、中学校、高校でもこのような協同的な学習が推進されていくと考えられます。


 

2015年1月14日水曜日

学び合いの積み上げ 重点化を図った5年「三角形の面積」


ちょっと遅れましたが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さて、12月末の実践ですが、5年「三角形の面積」の授業実践です。指導者は、昨年度来、石田理論の勉強を重ね実践しているK先生の授業です。






底辺が6㎝、高さ4㎝の三角形です。この授業では、十分に学び合いをさせるために、重点化を図り2時間扱いにしました。



 
1教時目。グループごとに活発な学び合いをしたあと、黒板の前に座り、グループ分けされたそれぞれの考えを学び合いました。ここで大事なことは、すべてのグループが発表するのではなく、グループごとに発表したり、子供たちの疑問から説明させたりなど、効率的に学び合いを進めなければなりません。

2時間扱いというこtで、前半はそれぞれの考えを理解するところで終了です。


2教時目。

本時の授業のテーマ(視点2)

グループで考えた求め方の共通点や相違点を見つけさせたり、式と図を関連付けたりしたことは、面積を求めるために必要な長さに気付かせるのに有効だったか。

グループごとの考えをまとめての板書です。(詳細は下の写真)



 

事後研では以下のようになりました。


1 自評

・「底辺×高さ÷2」に集約するのに時間がかかった。底辺6、2や4の意味などの扱いに手間取った。

・「÷2」の意味がなかなか落ちなかった。

2 成果○ 課題△ 改善策⇒

<視点1 話したい、解きたいと思う学習課題の工夫にかかわって>

○ 前時に面積の求め方をまとめていたので、公式をつくるというめあて意識をしっかりもたせることができた。

○ 一人一人が、自分たちのグループの考えをしっかり発表することができた。

<視点2 ねらいに応じた言語活動や互いの考えを関連付けて学び合う活動の工夫について>

○ 色をつけることにより、等積変形や倍績変形の考え方がわかりやすくなった。

● 式や数値の意味は深まったが、一つ一つの考え方を丁寧に扱いすぎたことで、それぞれの考え方を統合的にとらえることができなかった。また、もとの三角形の図と式を関連付けながら話し合わせたかった。

● 共通点や相違点に気付くことはできたが、公式化という視点での話し合いにならなかった。

⇒ 公式化に導くためには、次の点が考えられる。

・等積変形の4×3の3の意味は、2÷2=1と4÷2=2の1と2で3になったから、6÷2=3。つまり、底辺を2で割っていることに気付かせる。等積変形の2×6の2の意味も同様。このことを図と関連付けて話し合わせる。

・もとの図(すべての図)に、底辺と高さがわかるように色別にするなどの工夫をする。そうすることで、6㎝は底辺、高さは4㎝であり、それを2で割っているという共通点から、6や4を言葉に置き換えることで、すべての考えが公式化につながる。


<コメント>
多角形の基本である三角形の求積を重点化し、2時間扱いにすることで、前時にグループで十分に時間を取り、全員に説明できるようにしておくことや、全体の学び合いでは共通点や相違点に目を向けさせるなどの工夫をすることで、言語活動による一人一人の学びを成立させようという授業者の意図が伝わりました。また、全員が「わかりません」と言える学級の雰囲気があり、わかるまで聞こうという意欲を感じました。日常のご指導の賜物ですね。
 
 
 


 


 

2014年12月6日土曜日

プチ自力解決で協同学習が活性化する!

6年「場合の数」の4教時目は、授業研究会でした。

本時は、今までの順列とは違って、組み合わせの問題です。つまり、重なりをどう考えるかということです。事前研では、5人がハイタッチするのに何通りあるかという問題では、ちょっと数が多いのではないかということになりました。他の教科書もすべて見てみたら、ほとんど4つの総当たり戦の数の問題でした。そこで、4つのチームの総当たり戦の数という設定にしました。



問題はいつもノートやワークシートに書かせています。時間がかかるとのご指摘もありますが、中学に行ったら、ノートを取りながら説明を聴くなどという場面が日常的に行われます。集中力を高めるためにも書かせていますが、いつも「先生と同時に書き終わった人は?」と尋ねて、速く丁寧に書ける力をつけています。

本単元では、グループでの協同学習の前に、個人の考えを持たせるということに取り組んでみました。(前ブログ参照)

しかし、グループ学習を取り入れるためには、自力解決の時間をタップリ取る余裕はありません。そのための工夫として、

・制限時間3分
・見通しで全員ができるようにする。

見通しからすぐにグループ学習にしてきましたが、算数が得意な子どもが苦手な子どもに教えるという構図ができてしまい、苦手な子どもが自分で考え説明するという機会を奪っていたのではないかと思いました。だから、自分の考えを持った上でグループで話し合わせました。



そしたら、グループ学習がいつもよりずっと活発になっていました。苦手な子供も、ワークシートを見せながらみんなdえ考えを出し合って意見交換をしていました。

やはり、自分の考えを持たせるのは大事ですね。

黒板には、子供たちがホワイトボードを考え方別にはっていきました。(上写真)


体育の時間にリーグ戦の経験があり、そのやり方でやってみたチームです。すべて重なりがあるから÷2をするという説明があり、12÷2という式まで書いていました。


樹形図でやってみたチーム。このチームの提示により、重なりを書かないとすると3,2,1と減っていくことに気付きました。


同じ樹形図で考えたチームの例。このチームは、Aを中心として3試合あることから、4チームだと4倍の試合数があり、さらに同じ試合があるから2で割るという考えです。樹形図のやり方でも、いろいろな考え方があることを知ることになりました。自分も予測しなかった考えでした。



樹形図で考えていたK君が、その樹形図に試合をしていないものどうしを線で結んでいました。その考えを見た同じチームのT君が、上のように発展させました。この考えには、「すごーい」という声が上がりました。

授業の振り返りでも、T君の考えがすごいという意見が多数ありました。

 
チームDは、式で表現しています。Aの試合が3試合ということから、常にチーム数から1を引いた数になり、さらにそのチーム数倍あるからという説明です。指導要領では、落ちや重なりなく順序よr九数えることができればよいということでしたが、樹形図で考えたチームにも同じ式があることに気付きました。
 
全体の学び合いでは、ずべての考え方は、共通点とよさがあることが理解できました。
 
問題2は、チーム数を5にすると何通りあるかという問題を与えたところ、全員が自分なりの考えをもち、全員正答に達することができました。
 
 
事後研では、ある先生から、
「今日のような全体の学び合いでは、規則性みたいなものがあるのか?」
という質問をいただきました。
 
子供たちがどんな考えを出してくるか、ある程度予想してはいますが、予想外の考えも出されます。子供たちの反応も様々です。その反応に対して、「もう少し詳しく教えて」「どうしてすごいの」「今の考えはどういうこと」などと返していくことで、話し合いを深めることができます。
 
「よさは、教えるのではなく、感じさせる」ことを念頭に置きたいものです。
 
このようにして、それぞれの考えの共通点や相違点、よさを語らせ気付かせるということを前提に進めていけば、はかせどん(はやい・かんたん・せいかく・どんなときもできる)を感じることができ、少しずつ数学的な考え方が身に付いていくのだと思います。
 
 
今日の実践から、自分の考えを持たせてから協同学習をすれば、話し合いが活性化し理解が深まるだけでなく、意欲も高まっていくものであると感じました。
 
 
 
 

2014年11月29日土曜日

協同学習の前に自分の考えを持たせる工夫(場合の数)

協同学習の研修会でよく話題になるのが、自分の考えを持たずに友達の考えを聞いてしか考えを持てないことになるのではということです。

確かに苦手な子供は、グループで得意な子供の考えを聞くだけということも多いと思います。しかし、友達の考えを聞くことによって自分の考えが持てるようになった事例をいくつも見てきました。

しかし、いつでも人の考えを聞かないと自分の考えを持てないというのは、新たな問題に対応できなくしてしまうことも否めません。

そこで、この単元では、短時間でも自分の考えを確認する時間を設定するという試みをしてみました。この時間を増やした分、学び合いの時間を効率的に行わなければなりません。また、この時間は、自力解決とまではいなかくても、自分の考えを整理するという時間ともとらえ、自分の考えを友達の考えを比べられるようにするということもでもあるのです。


□人で走る順番を決めます。順番の決め方は何通りあるか。
という学習問題です。

めあては、「重なりや落ちがないように調べる方法を説明しよう」

見通しを元に、3分間のthinking time!その後、5分間のチーム学習。いつもより話し合いが活発になっています。みんな自分なりの考えを持って臨んだからでしょう。


樹形図で考える方法のチーム。
Aを書くのが少なくて済むことや、重なりや落ちがないというよさも語られました。


全部書く方法。大変だけど、見やすいというよさが出ました。樹形図よりも、こちらのやり方が多かったようです。


どちらの考えも、Aを先頭にした場合を考えると、BもCもDも先頭に来た時は同じ数になるから、4倍すればよいということを学びました。

しかし、 6通り×4人(人数)という式の捉え方をしたチームがありました、ここは子供たちから質問や意見が出なかったので、こちらから
「6×4の4って人数ですか?」という問いを出してみたところ、子供たちはパターンが4つあるから4倍しているんだということに気付きました。


下のチームは、誤答の例です。
どちらも落ちがあったので、少なくなってしまったわけです。このチームも、他のチームが6通りあるということで、落ちがあったことに気付きました。さらに、4倍する意味も理解できました。


 
今回は、プチ自力解決(thinking time)を設定してみましたが、友達の考えと比べたり、それぞれのよさを感じたりと、自分の考えを持つことのよさが見られました。この単元を通して実践してみたいと思います。
 
来週水曜日(4教時目)は、授業研として公開いたします。他校の先生方も、ぜひご覧ください。
 
 
 
 
 

2014年11月26日水曜日

協同的な学習のよさ

 

比の学習の1教時目。

ミルク2カップ(200ml)、コーヒー3カップ(300ml)のミルクコーヒーと同じ味のミルクコーヒーを作るのに、ミルクを4カップにすると、コーヒーは何カップ必要か?という問題。

見通しで、算数が得意な子供が1カップずつ増やすという考え(誤答)を説明すると、クラス全員がその考えになりました。
このままグループ学習に入ると、全部のグループが誤答になってしまうことが予想されたので、さらに全員に考えさせました。
 
T:ミルク2カップとコーヒー3カップと同じ味のものを2つ用意して混ぜるとどんな味になるだろう。
 
と問うと、
 
C:同じ味どうしだから同じ味になるに決まってるよ。
 
と全員。そこで、1カップずつ入れるとよいという考えは、違うのではないかという空気になりました。
 
そのままグループ学習へ突入。(下の写真)
 
 



 
各チーム、すべて考えが変わり、いろいろな表現の違いはあれ、すべて正答になりました。敢えて誤答を出して学び合いをさせることもよいのですが、見通しで相談させながら修正し、考えをつないでいくという協同学習のよさが出た授業でした。
 
 
 
 

2014年9月26日金曜日

学び合い勉強会の日程

朝晩、だいぶ肌寒くなってきましたね。

さて、本校に石田先生がおいでになり、授業のご指導と勉強会をしていただくことになりました。
日程は、以下の通りです。

10:50~11:35  1年「くらべかた」
11:40~12:25  3年「□を使った式」
13:45~14:30  3年「□を使った式」

16:30~      授業者へのご指導

18:00~19:00学び合い勉強会(第1理科室) 



 授業参観、勉強会には、どなたでも参加できます。参加ご希望の方は、ブログ表題のアドレスまでご連絡ください。


2014年9月1日月曜日

学び合いがスムーズに進む危険性


 
速さの問題。
「ひかりとやまびこ、どちらが速いか」
という速さを求める問題です。
 
前時に、1単位時間あたりの距離と1単位長さあたりの時間という2通りの考え方で、速さを比べることを学習しました。
 
本時では、比べるだけでなくどちらが速さとしてわかりやすいかという意味を考えることがポイント。
どのチームも、
 
道のり÷時間=1時間あたりに進む道のり
 
として、時間を単位時間にそろえるという見通しを持ちました。数直線で説明するというチームもあり、自由にグループ学習をしたところ、どのチームも同じ式になりました。
 
「時間をそろえるから 552÷3 と348÷2で比べる」
 
という考え方。1時間あたりの道のりを求めているわけですね。
 
しかし、ここに落とし穴。この式が本当に道のりを時間でわると単位時間あたりの道のりが求められるということを実感している児童が何人いるのだろう。数直線図で説明しているチームもあったが、苦手な児童は何をしているのか理解できないのではないだろうか。スムーズに質問もなく進んだ授業でしたが、単に大きい数を小さい数で計算するという3年生からずっと学習してきた習慣と計算のしやすさからこの式をとらえている児童がいるだとろうと思いました。
 
全体の学び合いでは、ダメ押しで本当にこれでよいのかを確認しましたが、この数値がどっちも小数や分数、または数学では文字になっても、
 
道のり÷時間=1時間あたりに進む道のり
 
という立式ができるのだろうかと疑問に思いました。たとえば、
「24時間で3㎞走る」
という問題を見ると、すぐに24÷3=8 1時間あたり8km進むという式と答えを出してしまう児童がたくさんいるのでは???
 
チーム学習では、
「この式でよい理由は?」
「この式でよいわけを説明できる?」
「どうしてこの式でいいの?」
「ほかの数でもそう言えるの?」
 
このようなことにこだわって学び合いができる子供を育てなけれなならない。
 
そのためには、教師から日常的にこのような問いかけをしていくことでしょうね。