先日の職員会議でのこと。
校長先生からのご指導で、1月1日づけの朝日新聞からの記事を紹介していただきました。
「答えは対話の中に、教えずに教える」というタイトルでした。
(一部抜粋)北九州市立貴船小学校。担任の菊池省三先生(51)は、子ども同士の意見のキャッチボールで、どの子にも自信をつけさせる「カリスマ教師」だ。毎週のように参観者が訪れ、講演依頼も絶えない。
十数年前、崩壊した学級を受け持った。「こう言ったらどう思われるか」。子どもたちは周りの反応を怖がり、思いを口にできない。
まずスピーチを採り入れ、考えを持つ大切さと、伝える手法を教えた。次は、ディベート。賛否の立場を決め、意見をぶつけあう訓練だ。
だが、「社会で生き抜くためには何か足りない」と思い始めた。言いっぱなしのスピーチでも、言い合いのディベートでもない。相手の意見に耳を傾け、自分のなかで消化し、新たな意見を投げかける。その繰り返しが、みんなを高め、よい人間関係につながることを伝えたい――。
(中略)一人ひとりの声が重なり、ふくらみ、響き合い、みんなの学びとなって対話が自転していく。先生は腕組みをし、うなずいているだけだ。
教師の「教え込み」から、子ども同士の「対話」へ。その先に広がるのは、新しい価値をともに創りあげる社会という未来図だ。
詳しくは、記事を参照してください
http://www.asahi.com/special/plus/TKY201012310282.html
うちの学校でも、道徳を中心に各教科で対話のある授業を目指しています。この1年間、「言葉のキャッチボール」という発言の表を掲示しながら、対話のある授業をめざしてきました。
積極的に発言や反応ができる子供が数名。たまに、挙手する子供が半分。あとの子供たちは、いわゆる「お客様」状態。指名しても、表現できずに互いにストレスがたまってしまう・・・という状態が続いた。
数日前の分数の授業でのこと。黒板の数直線上のある数値を指し、「分数で表わすと、どんな分数になるだろう。」と発問しました。(↓は2分の3を指している)
ここでの足場は、前時に学習したいくつに分けたうちのいくつ分という表し方(言い方)にしました。本時は、1より大きい分数の表し方を学習するのですが、簡単にできておわりだろうなと思い、足場もそこそこに主問題に入りました。
ところが、クラスのほぼ全員が4分の3という答え。理由を聴くと、
「2mを4つにわけた3つ分だからです。」
ということでした。
なるほど。子供たちの感覚っていうのは、そういうものなんだ。と、わくわくしてきました。なぜ、わくわくしてきたかというと、対話のチャンスだからです。予想通り、足場に戻って考えさせると、ある子供が、
「2分の3じゃないかな・・。」
とつぶやき始めました。
そのつぶやきに誘われるように、他の子供がどんどん意見を言い始め、自分で説明しようと、活発な挙手。
「おお、これが対話なのかな」
と、こちらもやや興奮気味になってきました。
結果は、分数の既習事項からすると2分の3だという考えにまとまりました。この時は、教師はほとんど教えていません。自分も対話の感触が得られたかなと喜んでいましたが、やはり気になったのは、ほとんど反応できずにいる子供が数名いる・・ということです。この子供たちは、今何を解決しようとしているのかすらつかめていないことが多い。わからないことが、わからないとでも言うべきでしょうか。
どのクラスでも、交流や対話に参加できずにいる子供がいると思います。小集団にすることや、途中で教師が話し合いの内容を説明してあげるとかなどの手立てが必要なんだろうと思います。
この子供たちも一言でいいから参加して、自分が意見を言ったことが話し合いで役にたったという自信を持ってもらいたいと思っています。
隣のクラスの担任の先生が、学年の前で、
「全員参加の授業をしてみませんか。」と言っていました。全員参加型の対話の授業です。自分も、そんな授業ができたらと思っています。
そういう意味で、朝日新聞の記事を思いだし、改めて読んでみたところでした。
本研究会では算数科を中心に、算数学び合いの石田淳一横浜国立大学名誉教授ご指導のもと、「協働的な学び合い」の実践研究をしています。さらに、教育実践研究家の菊池省三先生を代表とする「菊池道場山形支部」として、白熱する教室を生み出す学級づくりをして、「主体的・対話的で深い学び」ができる子どもの育成を目指しています。 お問い合わせは、山形県米沢市立北部小学校 田井地 清まで vaio0819@yahoo.co.jp
2011年2月13日日曜日
2011年2月8日火曜日
「重さ」の授業で足場に挑戦
二戸部(@宮内小)です。
今回、重さ(3年)の授業で足場の授業を実践してみました。
本時の授業は、重さの足し算でした。具体的には、
1kg400g+300gなどの計算です。
そこで今回は「考える足場」として「道のり」の計算を手がかりにしてみました。
道のりの授業は、2学期始めに実施しており、子ども達は結構得意な分野です。
1km=1000mであることや、その計算方法について簡単に振り返ってみました。
その後に、問題を提示。一部の児童は、予習教材などで重さの計算方法を知っていたようですが、半数近くの児童は「?」といった様子でした。
ここで、1kg=1000gであることを想起。
すると、児童から「あっ、大ヒントだね先生!わかっちゃった。」
といった声が上がりました。
「解けちゃうの? 解き方教えてないけど、いけそう?」
と煽ると、なにやら自信満々の雰囲気。
さっそく解かせてみました。するとほとんどの児童がすらすら。
苦手な児童もときおり黒板をちらちらみながら、自力で解決しようと頑張っているようでした。
その後、「スペシャル問題」と題した適応題に2問ほどチャレンジ。引き算や「繰り上がり(1kg500g+700g)」のある問題にチャレンジしました。
全員すらすら解くことができ、授業が終わった後、算数が苦手な児童が
「先生、今日、全問正解だったよ。」
と報告に来てくれました。
繰り上がりの解き方についても足場を設ければ良かったのかどうか。解き方の説明をする時間を設けるべきだったのかどうか。など、反省はありますが、自分なりに手応えを感じることのできた時間でした。
自分のクラスでは、どの教科においても一貫してグループ学習を取り入れています。しかし、グループ学習が不向きな授業も当然あります。自分の教職における研究の柱に「足場の授業」をしっかりと立てて、これからも実践をしたいと感じました。
以上、「足場」と呼べるかどうかもあやしい授業ですが、取り急ぎ報告まで。
今回、重さ(3年)の授業で足場の授業を実践してみました。
本時の授業は、重さの足し算でした。具体的には、
1kg400g+300gなどの計算です。
そこで今回は「考える足場」として「道のり」の計算を手がかりにしてみました。
道のりの授業は、2学期始めに実施しており、子ども達は結構得意な分野です。
1km=1000mであることや、その計算方法について簡単に振り返ってみました。
その後に、問題を提示。一部の児童は、予習教材などで重さの計算方法を知っていたようですが、半数近くの児童は「?」といった様子でした。
ここで、1kg=1000gであることを想起。
すると、児童から「あっ、大ヒントだね先生!わかっちゃった。」
といった声が上がりました。
「解けちゃうの? 解き方教えてないけど、いけそう?」
と煽ると、なにやら自信満々の雰囲気。
さっそく解かせてみました。するとほとんどの児童がすらすら。
苦手な児童もときおり黒板をちらちらみながら、自力で解決しようと頑張っているようでした。
その後、「スペシャル問題」と題した適応題に2問ほどチャレンジ。引き算や「繰り上がり(1kg500g+700g)」のある問題にチャレンジしました。
全員すらすら解くことができ、授業が終わった後、算数が苦手な児童が
「先生、今日、全問正解だったよ。」
と報告に来てくれました。
繰り上がりの解き方についても足場を設ければ良かったのかどうか。解き方の説明をする時間を設けるべきだったのかどうか。など、反省はありますが、自分なりに手応えを感じることのできた時間でした。
自分のクラスでは、どの教科においても一貫してグループ学習を取り入れています。しかし、グループ学習が不向きな授業も当然あります。自分の教職における研究の柱に「足場の授業」をしっかりと立てて、これからも実践をしたいと感じました。
以上、「足場」と呼べるかどうかもあやしい授業ですが、取り急ぎ報告まで。
2011年2月2日水曜日
これぞ足場の授業!

2月2日、校内で授業研がありました。授業研とはいえ、ワンペーパー授業という企画で、A4程度の指導略案で、自由に授業を見せ合うというものです。
2年2組の算数ということで、2月2日2年2組とゾロ目の授業になりました。(そんなことはどうでもいいですね・・・)
このクラスの担任のT先生は、算数部長ということもあり、以前から「足場」の授業に興味を持ち、少しずつ実践を重ねていらっしゃった先生でもあり、とても楽しみにして参観させていただきました。
2年算数「九九のきまり」という単元です。本時の目標は、「乗法九九のきまりを活用しながら、被乗数が10以上の乗法計算の仕方を考えることができる。」です。
最初に、九九の表を提示し、前時までの学習で見つけた性質やきまりを確認しました。
1、とび法 2、段合わせ法 3、反対法 という3つの既習のきまりを提示しました。(それぞれの内容については、写真の板書を参照)
これらの既習を足場として、10×4の答えの求め方を考えさせ、どのような性質やきまりを使えばよいかを説明させるというものです。そして、全体解決で10の段をつくり説明させました。子供たちは、3つの方法できちんと説明できるように教えました。
次に自力解決。11の段をつくらせるというもの。子供たちは、考えのもと(足場)と全体解決を足場にして、全員容易に説明を書いていました。
「やはり、足場ってすごいな。」と実感しました。T先生の前時までの指導のすばらしさもうかがえました。これなら、12の段でも13の段でも簡単に説明できそうです。
教えて学ばせるということを基本にすえて、子供の思考力、表現力を育成できるということを、改めて実感したこところです。
再来週の水曜日あたりに、新採の先生に、4年「同分母分数のたしざん・ひきざん」の授業を参観していただく予定です。(参考になるかどうかはわかりませんが・・・)
参観したい方は、どうぞごらんください!
2011年1月23日日曜日
ドラマ「スクール」
足場のことは、ちょっと置いといて・・・。
日曜夜のドラマ「スクール」をご覧になりましたか?なかなかおもしろい脚本なんで、息子と一緒に見ています。
http://www.fujitv.co.jp/school1/index.html
学校現場をかなりデフォルメしているような感じです。教師も、保護者も、子供たちも。ドラマなんで当たり前なんですけどね。
成瀬校長は、教職とは無関係の民間人校長から抜擢されたという設定。今の閉塞感のある教育界に、くさびを打つ小気味よさをねらったドラマだと思います。
うちの学校にも、民間から校長がきたらどうだろうかと思ってしまいます。「学校というものは」とか「教育とは」とか、「教職の経験上・・」などなど、ドラマのようにいろいろなことを民間人校長にものを言うかもしれませんね。教頭上がりの校長であれば、教職経験を積んだということもあり、学校を熟知しているから納得することも多いのでしょう。
でも、ドラマの成瀬校長を見ていると、教育では素人だからこそ何かやってくれるのではないかとわくわくしてしまいます。何かをやろうとする時は、障害が大きいですよね。でも、そのエネルギーは、自分の利益を度外視して、子供のためを思えばこそ湧いてくるものなのだろうと思います。自分(たち)のためだけを考える時代にあって、そういうことを投げかけているのではないでしょうか。
「本気で怒れ、泣け、笑え」
こういうドラマを見てつい魅かれてしまうのは、やはり体当たりの人間関係なんだろうなあって思います。
学校では、学力や生活力を身につけ人間として立派に生きていけるようにするために、さまざまな教育活動をしているわけですが、ドラマのように偏差値や点数を気にする考え方や生き方、マニュアル化した人間関係、閉塞感からは、将来、一人一人の子供たちが本当に幸せ感を持てるのだろうかと思ってしまいます。目に見えるものしか意味がないと思う価値観からは、単なる物質至上主義的な満足感を得るための人生になってしまうのかな・・なんて考えたりもします。
今後の成瀬校長の活躍が楽しみです!
日曜夜のドラマ「スクール」をご覧になりましたか?なかなかおもしろい脚本なんで、息子と一緒に見ています。
http://www.fujitv.co.jp/school1/index.html
学校現場をかなりデフォルメしているような感じです。教師も、保護者も、子供たちも。ドラマなんで当たり前なんですけどね。
成瀬校長は、教職とは無関係の民間人校長から抜擢されたという設定。今の閉塞感のある教育界に、くさびを打つ小気味よさをねらったドラマだと思います。
うちの学校にも、民間から校長がきたらどうだろうかと思ってしまいます。「学校というものは」とか「教育とは」とか、「教職の経験上・・」などなど、ドラマのようにいろいろなことを民間人校長にものを言うかもしれませんね。教頭上がりの校長であれば、教職経験を積んだということもあり、学校を熟知しているから納得することも多いのでしょう。
でも、ドラマの成瀬校長を見ていると、教育では素人だからこそ何かやってくれるのではないかとわくわくしてしまいます。何かをやろうとする時は、障害が大きいですよね。でも、そのエネルギーは、自分の利益を度外視して、子供のためを思えばこそ湧いてくるものなのだろうと思います。自分(たち)のためだけを考える時代にあって、そういうことを投げかけているのではないでしょうか。
「本気で怒れ、泣け、笑え」
こういうドラマを見てつい魅かれてしまうのは、やはり体当たりの人間関係なんだろうなあって思います。
学校では、学力や生活力を身につけ人間として立派に生きていけるようにするために、さまざまな教育活動をしているわけですが、ドラマのように偏差値や点数を気にする考え方や生き方、マニュアル化した人間関係、閉塞感からは、将来、一人一人の子供たちが本当に幸せ感を持てるのだろうかと思ってしまいます。目に見えるものしか意味がないと思う価値観からは、単なる物質至上主義的な満足感を得るための人生になってしまうのかな・・なんて考えたりもします。
今後の成瀬校長の活躍が楽しみです!
2011年1月15日土曜日
足場と見通しの違い
研修会で発表していて、質問されることで一番多いのが、「足場は見通しとはちがうのですか?」という疑問です。
課題解決学習では、課題を解決するための見通しという段階があります。見通しは、方法や手段の見通しととらえることもあります。たとえば、「線分図を使えばいい」とか「かけ算でできそう」などというものです。または、数量の見積もりです。だいたいいくつぐらいになりそうかということを見通すこともあります。
しかし、「考える足場」というのは、問題の解決を進めるために役立つ基礎・基本となる知識・技能や考え方(アイディア)のことです。たとえば、分数のたし算の学習で、小数のたし算の考え方を用いるということだと思います。
どちらも、問題を解くために大切なことであり、解法に導くためのものであると思いますが、足場は考え方ややり方までふみこんで、過去に学習したことを想起させながら、目の前の問題を解くための重要なカギとなる内容です。
だから、足場と見通しは違うと思っています。
課題解決学習では、課題を解決するための見通しという段階があります。見通しは、方法や手段の見通しととらえることもあります。たとえば、「線分図を使えばいい」とか「かけ算でできそう」などというものです。または、数量の見積もりです。だいたいいくつぐらいになりそうかということを見通すこともあります。
しかし、「考える足場」というのは、問題の解決を進めるために役立つ基礎・基本となる知識・技能や考え方(アイディア)のことです。たとえば、分数のたし算の学習で、小数のたし算の考え方を用いるということだと思います。
どちらも、問題を解くために大切なことであり、解法に導くためのものであると思いますが、足場は考え方ややり方までふみこんで、過去に学習したことを想起させながら、目の前の問題を解くための重要なカギとなる内容です。
だから、足場と見通しは違うと思っています。
2011年1月6日木曜日
与える足場からつくる足場へ
足場の実践をしていると、子供たちから
「今日のステップ(足場)は何ですか?」
という言葉が出てきます。
今日の問題を解くために必要なことって何かを、早く知りたいからだろうと思います。
12月、4年算数「小数のかけ算」の第1教時目である。問題は、
0.2×4=?
今までの自分は、まず見通しを持たせました。図や文、式を使って解くなどという見通しです。または、数値的な見積もりをさせたりします。そこで自力解決させ、多様な考え方で説明させる・・・というやり方でした。
ところが、「考える足場」のスタイルになってからは、何を足場にすべきかということを、常に考えています。今回の場合は、
0.2は0.1が2こ 2×4=8
という、この既習を用いて整数の考え方に帰着させ、問題を考えさせたいと思いました。この時、ふと石田先生が2回目の講演でおっしゃっていた、「与える足場から、つくる足場へ」というお話を思い出しました。石田先生によると次の通りです。
第1段階 教師から与える足場
第2段階 児童が仲間とつくる足場
第3段階 児童が自分でつくる足場
今までの授業では、常に何を足場にしようかと考えていて、つまり第1段階として足場を与えていたので、そろそろ第2段階に移行しようと思いました。でも、どういう授業なのか見たことがないので、
「ま、やるだけやってみっか。」
ということで、イメージがないままに授業となりました。
問題提示のあと、
「この計算の答えを求めるのに、使える考え方や似た問題はありませんか?」
という発問をしてみました。
算数が苦手な子供は、予想通り意味がわからない様子でしたが、数名の児童が挙手をして、
「0.2は0.1が2個分あります。」
「2×4を使えばできそうです。」
という反応・・・。それにつられて、クラス全体が
「なるほど!」
という雰囲気になり、そこからは全体ですらすらと解決できました。
0.2は0.1が2こ分
0.2×4は、0.1が(2×4)こ分
だから、0.8
(※もちろん、教師は線分図を補助的に提示して理解を深めた)
その後、数値をかえた問題でも、上のような説明を書かきながら、すらすらと全員が自力解決完了!
過去の自分のやり方だと、図で考えた子供に説明をさせたり、式や言葉で解いた子供の考えを発表させたりと、多様なやり方を説明させていて、時間がかかり満足に練習問題を解かせることができなかったことを記憶しています。そのことからしても、効率的に、しかも小数の計算も、整数と同じ考え方で解くことができるという類推思考(数学的な考え方)を子供たち自ら気づき、意欲的に解く姿を見て、
「つくる足場とはこのような授業なのか!」
と実感しました。
足場に慣れてくると、やはりどんなアイディアで解けばよいのかということが、次第に身についてきて、自分たちでもつくれるようになってくるものだなあと感じました。しばらくは、第2段階をちょくちょくやってみようかと思っています。
3学期は、同分母分数のたし算があります。その学習で、
「整数に帰着させる足場を、子供たちでつくれたらすごいな。」
と、今からわくわくしています。
明日から3学期が始まります。子供たちと一緒に、すごい授業をしてみたいです!
「今日のステップ(足場)は何ですか?」
という言葉が出てきます。
今日の問題を解くために必要なことって何かを、早く知りたいからだろうと思います。
12月、4年算数「小数のかけ算」の第1教時目である。問題は、
0.2×4=?
今までの自分は、まず見通しを持たせました。図や文、式を使って解くなどという見通しです。または、数値的な見積もりをさせたりします。そこで自力解決させ、多様な考え方で説明させる・・・というやり方でした。
ところが、「考える足場」のスタイルになってからは、何を足場にすべきかということを、常に考えています。今回の場合は、
0.2は0.1が2こ 2×4=8
という、この既習を用いて整数の考え方に帰着させ、問題を考えさせたいと思いました。この時、ふと石田先生が2回目の講演でおっしゃっていた、「与える足場から、つくる足場へ」というお話を思い出しました。石田先生によると次の通りです。
第1段階 教師から与える足場
第2段階 児童が仲間とつくる足場
第3段階 児童が自分でつくる足場
今までの授業では、常に何を足場にしようかと考えていて、つまり第1段階として足場を与えていたので、そろそろ第2段階に移行しようと思いました。でも、どういう授業なのか見たことがないので、
「ま、やるだけやってみっか。」
ということで、イメージがないままに授業となりました。
問題提示のあと、
「この計算の答えを求めるのに、使える考え方や似た問題はありませんか?」
という発問をしてみました。
算数が苦手な子供は、予想通り意味がわからない様子でしたが、数名の児童が挙手をして、
「0.2は0.1が2個分あります。」
「2×4を使えばできそうです。」
という反応・・・。それにつられて、クラス全体が
「なるほど!」
という雰囲気になり、そこからは全体ですらすらと解決できました。
0.2は0.1が2こ分
0.2×4は、0.1が(2×4)こ分
だから、0.8
(※もちろん、教師は線分図を補助的に提示して理解を深めた)
その後、数値をかえた問題でも、上のような説明を書かきながら、すらすらと全員が自力解決完了!
過去の自分のやり方だと、図で考えた子供に説明をさせたり、式や言葉で解いた子供の考えを発表させたりと、多様なやり方を説明させていて、時間がかかり満足に練習問題を解かせることができなかったことを記憶しています。そのことからしても、効率的に、しかも小数の計算も、整数と同じ考え方で解くことができるという類推思考(数学的な考え方)を子供たち自ら気づき、意欲的に解く姿を見て、
「つくる足場とはこのような授業なのか!」
と実感しました。
足場に慣れてくると、やはりどんなアイディアで解けばよいのかということが、次第に身についてきて、自分たちでもつくれるようになってくるものだなあと感じました。しばらくは、第2段階をちょくちょくやってみようかと思っています。
3学期は、同分母分数のたし算があります。その学習で、
「整数に帰着させる足場を、子供たちでつくれたらすごいな。」
と、今からわくわくしています。
明日から3学期が始まります。子供たちと一緒に、すごい授業をしてみたいです!
2011年1月1日土曜日
「教えて考えさせる授業」のスタイル

みなさん、あけましておめでとうございます。期末事務に入ってから、書き込みをさぼってしまいました。
さて、12月6日の話になるのですが、山形新聞の担任力向上フォーラムという記事の中に、寒河江南部小学校の実践が載っていました。(読んだ方もいらっしゃると思いますが)
~内容抜粋~(新聞記事をクリックすると拡大します!)
「教えて考えさせる授業」をテーマに掲げている。新しい内容に入るときは、まず授業の最初に教師が児童のやり取りをを通して丁寧に教え、次に、理解度の度合いを確かめるためにペアを組んで児童同士で教え合う。
(中略)
研究主任の話「・・・・授業の最初に教わったことを使えばできるため、これまでは授業中に一言も発しなかった子どもが、意欲的に授業に取り組むようになった。・・・・・・・・」
詳しくは、この日の記事をご覧ください。
寒河江南部小さんの研究の方向性は、足場の考え方と共通していると思ったので、載せてみました。「教えて考えさせる」とは、東大の市川伸一先生が提唱している理論だそうです。(実は、この学校に知り合いのT先生がいて、教えてもらいました)
この考え方は、足場を提唱なさっている横国大の石田先生がいつもおっしゃってる言葉でもあります。数年前、考える足場の理論で、算数数学東北大会で発表した、青森県八戸市立長者小学校でも、市川先生にご指導をいただいてこの理論のもと研究発表しているようです。
大学の先生のご指導のもと研究できるというのは、実にうらやましい限りです。
この研究でも、一人一人の子供が意欲的に学習するようになったという報告がありました。私の足場の実践でも、同じようなことが言えます。南部小さんは、その後により質の高い学び合いというスタイルをとっていることがすごいと思いました。
「考える力をつける」というのが、我々の使命であることは言うまでもありませんが、考える力というのは問題を与えただけでは、ほとんどの子供が身に付かないと思う。やはり、考える筋道をしっかりと教えるべきであり、そうすると考える力がつくだけでなく、効率的に指導できるよさもあります。
この記事を見て、これからは教えて考えさせる、つまり「考える足場」の指導法が重要になってくると思いました。
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