足場の実践をしていると、子供たちから
「今日のステップ(足場)は何ですか?」
という言葉が出てきます。
今日の問題を解くために必要なことって何かを、早く知りたいからだろうと思います。
12月、4年算数「小数のかけ算」の第1教時目である。問題は、
0.2×4=?
今までの自分は、まず見通しを持たせました。図や文、式を使って解くなどという見通しです。または、数値的な見積もりをさせたりします。そこで自力解決させ、多様な考え方で説明させる・・・というやり方でした。
ところが、「考える足場」のスタイルになってからは、何を足場にすべきかということを、常に考えています。今回の場合は、
0.2は0.1が2こ 2×4=8
という、この既習を用いて整数の考え方に帰着させ、問題を考えさせたいと思いました。この時、ふと石田先生が2回目の講演でおっしゃっていた、「与える足場から、つくる足場へ」というお話を思い出しました。石田先生によると次の通りです。
第1段階 教師から与える足場
第2段階 児童が仲間とつくる足場
第3段階 児童が自分でつくる足場
今までの授業では、常に何を足場にしようかと考えていて、つまり第1段階として足場を与えていたので、そろそろ第2段階に移行しようと思いました。でも、どういう授業なのか見たことがないので、
「ま、やるだけやってみっか。」
ということで、イメージがないままに授業となりました。
問題提示のあと、
「この計算の答えを求めるのに、使える考え方や似た問題はありませんか?」
という発問をしてみました。
算数が苦手な子供は、予想通り意味がわからない様子でしたが、数名の児童が挙手をして、
「0.2は0.1が2個分あります。」
「2×4を使えばできそうです。」
という反応・・・。それにつられて、クラス全体が
「なるほど!」
という雰囲気になり、そこからは全体ですらすらと解決できました。
0.2は0.1が2こ分
0.2×4は、0.1が(2×4)こ分
だから、0.8
(※もちろん、教師は線分図を補助的に提示して理解を深めた)
その後、数値をかえた問題でも、上のような説明を書かきながら、すらすらと全員が自力解決完了!
過去の自分のやり方だと、図で考えた子供に説明をさせたり、式や言葉で解いた子供の考えを発表させたりと、多様なやり方を説明させていて、時間がかかり満足に練習問題を解かせることができなかったことを記憶しています。そのことからしても、効率的に、しかも小数の計算も、整数と同じ考え方で解くことができるという類推思考(数学的な考え方)を子供たち自ら気づき、意欲的に解く姿を見て、
「つくる足場とはこのような授業なのか!」
と実感しました。
足場に慣れてくると、やはりどんなアイディアで解けばよいのかということが、次第に身についてきて、自分たちでもつくれるようになってくるものだなあと感じました。しばらくは、第2段階をちょくちょくやってみようかと思っています。
3学期は、同分母分数のたし算があります。その学習で、
「整数に帰着させる足場を、子供たちでつくれたらすごいな。」
と、今からわくわくしています。
明日から3学期が始まります。子供たちと一緒に、すごい授業をしてみたいです!
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