本研究会では算数科を中心に、算数学び合いの石田淳一教授(東京家政大学、前横浜国大)のご指導のもと、「協働的な学び合い」の実践研究をしています。さらに、教育実践研究家の菊池省三先生を代表とする「菊池道場山形支部」として、白熱する教室を生み出す学級づくりをして、「主体的・対話的で深い学び」ができる子どもの育成を目指しています。 お問い合わせは、山形県南陽市立赤湯小学校 田井地 清まで vaio0819@yahoo.co.jp
2013年11月29日金曜日
2013年11月22日金曜日
説明する力をつける/学習指導研修会
本日は、学習発表会!無事に終わり、午後は市内の南部小学校にて、学習指導研修会に参加しました。
授業は、5年算数「割合」の活用問題。目標は、「説明する」という内容でした。質疑の時から、説明とは、何をどこまでさせるのかということで話題になっていました。
提示した問題は、カレーやラーメンの材料を、20%OFFのA店と、200円を境にして値引きする金額を変えているB店とで、どちらが安いかという内容でした。日常、よくありがちな興味ある問題設定でした。
最初は、自力解決。でも、先生は「相談していいよ」という声がけをしていました。結局、相談している子供はいませんでした。(たぶん、相談に慣れていないんでしょう。)
次に、班にもどり自分の説明をグループで伝え合い。しかし、友達の意見に対してどのように反応してよいかわからない子どもたち。
全体の学び合いでは、2,3人の子供のワークシートを書画カメラでモニターに映し出し、説明させていました。先生は、説明のよいところに赤を入れて強調していました。しかし、聞いている子どもは、文章が長い説明だったせいか、よさがわからないようでした。
数値を変えて説明させる練習問題では、自分なりの説明のしかたで終わっている。これでは、最初の自力解決でやった説明と変わらないということです。何をさせるためのグループ交流か、何のための全体の学び合いなのかということです。必要感のあるグループ学習にするためには、グループ学習のしかたを仕込む必要があります。ただ「グループで話し合いなさい」と言うだけでは、何をしてよいかわかりません。伝え合うことを、しっかりと教えなければなりません。しかも、日常から授業に取り入れていなければ、グループ学習はうまくいきません。
全体の学び合いでも、共通点や相違点に気づかせる手立てがないと、なかなか自分の表現に活かすことができません。そういうことを、自ら学ばせるには、友達の考えをつなぐことができなければなりません。それも、日頃の授業でやっていないとできないと思います。
説明の仕方も、提示して書かせたり、必ず入れる言葉や文を提示するなど、全員がきちんとわかりやすい説明ができるようにしなければなりません。
活用力と説明する力は、深く関連づいています。説明する活動が、ますます重要視されている現在、教師がどのように説明させるのかをしっかりと捉えておく必要があります。
※板書は、指導主事がうまくまとめたものです。とてもわかりやすいですね。
2013年11月16日土曜日
算数学び合い塾
本日、横浜国大の石田先生を講師に、学び合いの勉強会が行われました。
休日にもかかわらず、全席が埋まるほどたくさんの先生方に集まっていただきました。
石田先生は、石川県の先進校の授業を中心に、学び合いのあり方をお話しくださいました。学び合いの算数指導を実践する先生が増えることを期待します。
2013年11月13日水曜日
石川県の小学校に学ぶ③能美市立辰口中央小学校
10月17日(木)
◎「前に出ます」、「お願いします」、「つなげます」「式を言います」「計算をします」「くわしく言います」「理由を言います」「自分の言葉でいいます」など子ども自らの意見のつなぎがすばらしい。
◎だまって手を挙げない、すぐに相談する、必ず理由を言わせる、言えなくなったら「助けます!」という学びのリズムがしっかり定着している。
◎次々に考えをつなぎ、自らきまりを見つけようとする姿勢が見られた。
低学年でも、意見をつなぐ学び合いが十分にできる!
<2校時 6年のびのびコース(コース別)「面積」(活用)>
<3校時 6年チャレンジコース(コース別)「面積」(活用)>めあて;つながれた羊が草を食べる面積を求めよう!
◎T「相談、20秒!」の声がけで、集中して全員話している。できたグループは、自主的に「できました!」「そろそろ発表できます。」「式と答えを言います。」というすばらしい反応ができる!
○子どもたちをゆさぶる問題提示に対して、子どもたち自ら気づきの挙手ができる。
○算数的用語を使って、正しく言葉で言わせている。
○式の意味を相談させて、一人一人にしっかり意味理解させる。
◎発表「~していますね。」⇒全員「ハイ!」
◎グループでホワイトボードに書いた後、自ら4人全員で説明の仕方を検討している。
○木の絵と問題文を提示しただけで、わかったことや習ったことと関連した気づきをどんどん言える。
◎グループ学習が終わったグループは、「そろそろ発表しませんか」と他のグループに自主的に問いかけていた。
○「あー」「なるほど」「うんうん」などの反応が自然にできる。
○「図を使います」に対して、「どんな図ですか?」という質問。「線分図を使います」というやり取りが、子ども同士で行われていた。
◎ノートに、友 という文字!これは、友達の考えを書いているという目印。
○友達が間違ったら、「ドンマイ」
<5校時 4年4組「がい数」>
○子供自ら「相談する時間をください!」という相談することの必要感が見られた。
○「前に出ます」⇒ 全員「おねがいします!」
○自力解決での石田先生の声がけ「答えが違ったら、話し合うこと!」
<6校時 5年1組「分数とわり算」
○「自分の言葉で言います」「相談しませんか?」と自ら反応している。
<この日の勉強会での話題>石田先生ご指導を含む
・形式的な反論をくずす。
・授業初めから、コの字やグループにしてみんなでわかろうとする「チーム」にする。
・ホワイトボードは、消せるよさと消えてしまうデメリットがある。
・自ら問いを持ち、みんなで解決しようという意欲がすばらしい。
・まちがいを指摘し合える自力解決が理想。
・授業前に、昨日やったことをグループで言わせる。
2013年11月10日日曜日
石川県の小学校に学ぶ②小松市立苗代小学校公開授業
10月16日(水)
<5校時 小松市立苗代小学校6年2組「比例」(グラフを読み取って説明しよう)※小松市教育会算数部の公開研>
○グラフ提示からの気づきをどんどん言う。
○みんなに説明する時は、「~ですよね?」「はい」
◎グラフが平らな意味や交わっている意味を、どんどんつないで説明している。
◎「聞いてください」「理由を言います」・・・の日常化
○全体⇒グループ⇒全体 とうまく使い分けている。
○全体の学び合いでは、後方の子供たちが黒板前にでる。(話し合いに全員参加意識、全員が見える)
◎自分の考えを伝えよう、友達の意見を聞こうという姿勢がすばらしい!
○4人で協力して発表している。まず~、次に~など分担している。
○どんなことができるようになったの振り返り。
時間を忘れてしまうほど集中した雰囲気や意見をつなごうという意欲は協同学習の模範であった。
≪事後研究会;参会者からの意見≫
○わかっている情報と既習をもとにして、意見をつないだり反応したりする力がすばらしい。
●傾きという言葉をしっかり取り上げていれば、さらに理解が深まったのではないか。
○自力解決でも、わからない時は相談してよいということなど、指導観を変えていこうという提案である。
○グループ学習では、説明の仕方を話し合っている。(いろいろな言葉で)
○「気づき」が見通しにつながっている。
●個人とグループの切り替え、ノートにまとめるなどのフィードバックはどうなのか?グループでも、説明を聞いているだけの子どもがいた。
○グループみんなの理解が、全体の理解につながっている。(表現力、算数的用語、習ったことを使って・・・)
●振り返りは、数学的な視点が必要。
●個に戻す場面も必要ではないか。
●ホワイトボードに小さい文字でたくさん書いていたが、キーワードだけでもよいのでは。何を書かせるがをしぼる。
既習との関連からの気づき、意見のつなぎ方はすばらしい!課題は、ホワイトボードの使い方(書かせ方や提示の仕方)や個の学びの時間や場の設定。
2013年11月6日水曜日
石川県の小学校に学ぶ①小松市立第一小学校
先日、石川県の3つの小学校の授業を見る機会をいただきました。どの学校も、お馴染みの石田淳一先生がご指導している学校です。3日間で、15の授業を参観させていただき、写真やビデオを撮らせていただきました。どの授業も、石田先生の“学び合い”の考えを取り入れたものばかりでした。15の授業のうち、公開授業が1つと、私(田井地)が授業させていただいたものが1つ含まれています。
まず、初日午前中に見せていただいた第一小学校の授業実践です。
10月16日(水)小松市立第一小学校(◎すばらしい!○なるほど ●課題)
<1校時 3年3組「三角形」>
2つの円を交わらせ、交点と2つの中心を結ぶ直線を引き、半径を利用して二等辺三角形をかき、気づいたことを話し合う授業でした。
○提示に対する反応が、積極的であった。
●すべてのグループが発表していたが、同じ考えのグループは発表してなくてもよいのではと思った。
【全体の学び合いの効率性】
<2校時 2年1組「3のだんをつくろう」>
◎3人ずつ乗っているコーヒーカップの絵を見せただけで、「3人乗っています」「4台あります」「3人の4つ分です」「式を言えます」という活発な意見が飛び交う。(気づき)
◎相談タイムの後、子どもたちから「そろそろ発表しませんか?」という発言。これには驚きました!
<3校時 1年4組「たしざんのしかたをかんがえよう」>
◎青色8台、赤3台の車の絵を見せただけで、反応がどんどん出る。絵を見せただけでの気づきがすばらしい。
◎立式までを自分たちで行い、確かめも自分たちでできている。1年生でここまできるんだ!(驚)
○数字を替えて何度も言わせる。「10のまとまりをつくるために3を2と1にえわける。8に2をたして10。10と1で11」(確実な定着)
○自力解決時も1つ1つ確認しながら進めている。
<4校時 3年1組「三角形」(1校時と同じ授業内容)>
○意見につまった時、「助けます!」という反応。
◎「くわしく言います」「説明できます」「もう一度言います」という、つなぐ言葉もたくさん出すことができる。
○前に出て説明する時、「前に出ます」「お願いします(全員)」リズミカルな授業展開。
○「~ですよね!」「はい(全員)」互いのやり取りもテンポよく進み、全員理解につながっている。
低学年の伸びがすばらしい!と石田先生もおっしゃっていました。【学び合いは、低学年から始まっている】
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