2013年5月27日月曜日

確実に説明する力をつける


先日の公開授業で,全体の話し合いが終わってまとめるところで,一人一人が説明ができるようにするために,全員にノートに書かせました。さらに,その日の算数日記でも,説明についての振り返りをしつこいぐらいに書かせました。

小数の計算では,小数点をどう操作するのかということだけを覚えさせるのが手っ取り早いのですが,小数の計算ができるようにすることではなく,小数の計算を通して数理的な処理のよさを感じさせながら,数学的な考え方ができる子供を育てなければならないと思います。

まずは,説明の型をしっかり覚えさせ,筋道立てた説明ができるようにしていことが大切です。ここをサラッとやってしまうと,小数点の操作の手順を,小数のかけ算の説明だと思ってしまうのです。

2013年5月23日木曜日

子供たちが授業を参観!?

子供たちへの学び合いの指導をしてく時に,いつも感じることがあります。それは,教師は何回も授業を見ることができるのに,子供たちは素晴らしい授業を見たことがないということです。

そこで,取り組んだのが,先進校の授業を見せるということです。本校では,大井小学校の動画を見せました。それぞれのクラスで,子供たちの意欲が高まったということを聞きました。やはり,お手本を見せることは,とても大切なことですね。


そんな時,4年生の担任団から,
「4年生の子供たちに,学び合いの授業を見せてほしい!」
と言われました。

さすが,4年担任団。石田先生の理論のよさを実感し,子供たちにも参考になる授業を見せたいという熱い思いを感じました。熱い思いには,熱い思いでお返ししたいと思い,4年生の授業参観が実現しました。

真剣に授業を参観する4年生。お手本になろうとする5年生。互いに伸びようとする子供たちの姿に,感動してしまいました。

授業後に4年生の数名から感想をいただきました。
「意見をどんどん出してすごい」
「みんな手を挙げていた。」
「説明する人も,聴く人も真剣にやっている」
などなど

4年生は4クラスあるので,あと3クラスにも学び合いを見てもらい,すごいと言わせたいという5年生。互いに学び合う力が伸びることでしょう。

第1回置賜算数指導研究会!「西湘研をモデルに!」

公開授業の21日,夕方から第1回の置賜算数指導研究会が開催されました。この時も,横浜国大の石田先生より,講話をしていただき,ここでも目からウロコの研修会となりました。以前,参加させていただいた小田原の西湘研に近づけたような気がします。

石田先生の資料の中に,『7つの教師の働きかけ』という内容がありました。

・繰り返す ・とめる ・もどす ・方向づける ・つなぐことを促す ・相談させる ・ほめる

どれも自分が実践していることだなと思いました。もちろん,石田先生から以前教えていただいたことだからです。

その後の懇親会でも,石田先生は先生方に,ていねいに指導法を教えていらっしゃいました。参加した先生方は,
「石田先生との距離が近くなり,参加してよかった。」
と言っていました。購入した本にサインしてもらった先生もいました。研修会でのお話もためになることばかりですが,酒席でのお話もとても興味深く聞かせていただきました。

石田先生,ありがとうございました。またのご来県をお待ちしております!これをお読みの先生方も,次回は参加してみてはいかがですか。次回は,6月29日(土)の予定です。

学び合いに喜びを感じる子供たち!算数研修会より


5月21日,西部小学校において,算数研修会が行われました。
今回は,横国大の石田先生を講師にお迎えし,授業を公開しての研修会でした。

1か月半という短い期間での授業公開。どこまで子供たちを育てられるかいう,大きな課題がありました。しかし,先進校である大井小学校の授業を見せることで意欲づけを図り,日々の授業では一つ一つ子供たちの学び合いについて,子供たち自身に振り返りをさせながら学び合うことについて指導してきました。

その結果,子供たち自身で意見をつないだり,全員が気づきを発見できたりと,よい学び合いができるようになりました。子供たちの
「今日来る先生方に,すごいなって言ってもらいたい!」
との言葉に,担任としてもとておうれしく思いながら,授業に入りました。

本時の問題は,1.2×2.3の計算の仕方を仕方を説明させるという内容です。授業の最初から,「気づき」で100%の挙手。さらに,意見をつなぎ合う子供たち。確実に自力解決できた姿・・・・

この短期間に,ここまでこれたことを,とてもうれしく思いました。



事後研でも,他校,本校の先生方から,学び合う姿が素晴らしいというご意見をたくさんいただきました。石田先生からも,たくさんのアドバイスをいただき,やってよかったということを実感しました。授業直後,子供たちから,
「今日の授業,とても楽しかった!」
ということを言われました。学び合うことの楽しさを実感する子供たち。

学び合いで考える足場をつくる授業を通して,クラスの子供たちが,どんどん力をつけていくことを日々感じています。先日の家庭訪問でも,
「5年になってから,算数がわかるようになって,とても楽しいって言っています。」
というお母さん方からの声。さらに鍛えていくことで,10月の公開研の時は,さらに学ぶ力をつけた姿を,参会者の先生方に見せられるだろうと思いました。

なお,この授業を視聴したい方は連絡ください。

2013年5月20日月曜日

他クラスでの授業の有効性

明日(5月21日),授業を公開します。5年算数「小数のわり算」2教時目です。

問題は,1.2×2.3の計算の仕方を説明しよう

という内容です。授業にあたって,別のクラスで自分の授業の事前授業をしていただきました。この授業を見る前までは,

1.2×0.8

という問題でした。どうして数字を変えたかというと,このクラスでこの問題を提示した時,「0.8をかける」ということがどういうことなのか,理解するのに時間がかかりました。その理由は,1より小さい数をかけるということが未習だったからです。

この内容については,5教時目に学習します。今回のねらいは,小数のかけ算は,整数にすれば計算できることを説明するということです。ですから,1より小さい数をかける意味を考えるということは,別の思考が入ってしまうのではないかと判断しました。

 
予想はしていたが,やはり出るなと思いました。見通しでは,10倍の10倍は100倍という意見が出ていたのにもかかわらず,グループの話し合いでは整数の答えを1/10にするというグループがありました。間違いを生かして全体で学び合うことも大事ですが,グループの学び合いで間違いを指摘できないだろうかと考えました。
 
支援もいいですが,見通しで話し合ってもいいかなと感じました。教えすぎるというご意見もあると思います。しかし,学び合いで足場をつくる授業では,一人一人に確実に解かせるということを重視します。明日の公開授業では,こうした間違いがなくなるような見通しとグループ学習にしていきたいと思います。
 
こうしたことがわかっただけでも,他のクラスで授業をするというのは,とても有効なことですね。
 


2013年5月15日水曜日

研修会開催&置賜算数指導研究会のお知らせ

提案授業による研修会


日時;平成25年5月21日(火) 13:45~16:50
会場:米沢市立西部小学校  


研修会(提案授業,事後研,講話)

13:45~14:30  算数授業(5の1) 

15:10~16:50  事後研(場所;第1理科室)

(事後研内容)
15:10       開会(進行)

15:10~15:15 講師紹介(校長)

15:15~15:20 自評・質疑

15:20~15:40 ワークショップ

15:40~16:00 発表・成果と課題

16:00~16:45 ご指導・講話(横浜国立大学 石田淳一先生)

16:45~16:50 お礼(校長)

16:50       閉会
 
置賜算数指導研究会の勉強会&懇親会
 
日時;平成25年5月21日(火)  午後6時より
 
会場;鳥勝牛肉店(米沢市)
 
会費;4000円

<内容>
18:00          開会(進行)
18:00~18:10   自己紹介
18:10~18:40   講話(横浜国立大学  石田 淳一先生
18:40~18:50   質疑
18:50~19:00   諸連絡・お願い
19:00~        懇親
 
 
以上,参加ご希望の方は連絡ください。
 
 




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2013年5月8日水曜日

間違いから考えが深まる学び合いのよさ


5年算数「合同」。三角形の合同を利用し,平行四辺形の合同な図形をかいた前時の学習を生かして,本時は五角形の合同な図形をかくという内容です。

既習からの気づきを確認し,見通しでは角度や辺の長さを計るという方法でかくということが出され,グループ学習に入りました。予想通り,コンパスだけ,コンパスと分度器,分度器のみというグループに分かれました。

コンパスを使う方法は,三角形の合同の時に使ったことを想起しての考えです。どのグループも図を用いてしっかりと説明しているように見えました。

ところが,3班の説明の通り黒板で図示していくと,頂点Bを求める時に三角形を意識しないで,コンパスの印をつけて頂点Bとしてしまったのです。その間違いに気づいた子供は,コンパスで計るところが違うことを指摘しました。そのことで,三角形をきちんと考えながらコンパスで頂点を決めるということに気づきました。

3班の間違いのおかげで,三角形に目をつけることの大切さに気づくことができ,話し合いが深まりました。「間違いからいろいろな発見ができる」という意識が生まれました。



その日の算数日記。三角形を意識した振り返りをしていました。しかも,頂点Bの位置を決めるのに2通りのコンパスの使い方があるという振り返りをしていました。


別の算数日記でも,三角形をしっかり意識した説明です。しかも,3班の間違いのわけを書いていました。

算数日記(振り返り)をきちんと書くことが,授業中にしっかりと説明できることにつながります。
 

 

2013年5月1日水曜日

学び合う視点を持たせる必要性

4月30日は参観日でした。保護者の方にも「学び合いによる足場をつくる算数」を見ていただくことにしました。5年「合同な図形」の単元で,合同な三角形をかく説明をさせようと思いました。


辺の長さや角の大きさが等しい時に合同であるということを確認してから,底辺を引き,もう1点がどこにあるかを決めれば合同な三角形がかけるという見通しを持ちました。さらに,どこが分かればもう1点が決まるのかを考えさせ,グループ学習に移りました。

今回の授業では,予習をさせて臨ませました。予習の仕方は,何がわかって何がわからないかを調べてくることという予習です。算数というのは,予習をすると答えを見てくることになるから,考える力がつかないという定説がありました。しかし,どこがわからないかをはっきりさせてくることで,授業ではポイントをつかんで学習したり,説明や話し合いなどの学び合うことができたりするというメリットがあります。

グループ学習では,写真のように3つの方法が出されました。今回初めてホワイトボードを仲間わけさせてみました。3辺,2辺夾角,2角夾辺の3つに分けることは,容易なことだと思いました。しかし,図や説明を見ても同じように見えて分けられませんでした。

全員を黒板の前に座らせ,一つ一つどこの辺かどこの角を計ったのかを話し合いました。そういう見方をさせると,どれが同じ考え方なのかを捉えることができました。いつの間にか,3つのグループに分かれていることに気づき,それをどういうグループなのかを定義づけました。

今回の授業の反省として,説明をしてかく作業もしようと考えていたのですが,学び合う時間をかけすぎてしまい,かくことまで行けなかったということです。グループ学習や全体の学び合いをいかに効率的にするかが課題です。

効率的にする視点として,グループ学習での説明の仕方です。自分の考えを筋道立ててきちんと説明できるようにすることです。「まず」「次に」「だから」などの言葉を用いてしっかりと説明する力が必要です。

それから,全体の学び合いでは,「はかせどん」(はやい,かんたん,せいかく,どんなときもできる)という視点で,相違点や共通点に気づく力を身に付けることです。少し時間がかかると思いますが,日々の授業でこのような力をつけることが大切です。