「考える力を育む教科指導改善研究会」山形大学大学院教授 大澤 弘典 氏の講話より
現在、ほとんどの算数指導では、課題解決型の授業が行われていますが、形骸化しているのではないかということです。
図2の固定化された授業過程の問題点
・すべての子供が必死になり、脳に汗をかくがとく活動しているとは言い難い。
・答えが簡単に出てしまった子供は静かに黙って座っているだけである。
・解決できない子どもは、ずっと座っていても進捗しないままでいる。時には、ただ時間が過ぎるのを待っている場合さえある。
授業を固定化し形式的な展開をすることで、教師自身の軽減が図れるといった利点を強調する見方もあろう。しかし、これは教えやすくなった反面、教師自身が考えることをしなくなった(授業改善を怠っている)とも解釈できる。何より、一つの形式に凝り固まった形骸化した授業の中で子供の自ら学ぶ力を本当に育てられるのか、疑問を感じざるを得ない。つまり、教師が問題解決型指導を文字通り「型」として固定的に捉えすぎているところに問題の所在がある。
自ら学ぶ力を育てるには、図1のように、学習者の必要に応じた自在な展開が教師によって保証されていなければならないという内容でした。
さらに、1つの問題をじっくりと時間をかけて解くというのではなく、問題を1つ解いたら2つ目の問題を自力解決してみるという手法がよいということもおっしゃっていました。
これは、学び合いで足場をつくる手法と基本的に同じ考え方です。
従来の問題解決型学習を見直す時にきています!