2013年1月27日日曜日

「考えをつなぐ」とは?「気づき」から「見通し」へ

横浜国大の石田先生のご指導で、「考えをつなげよう。」という指示が大事だとおっしゃっていました。学び合いで足場をつくる場合、とても大事な指示(発問)になります。


先週の4年生の授業です。3.2÷5というわり進む場合の小数÷整数を教える授業です。

いつもの通り、「3.2Lのジュース」と「5人で等分」という言葉だけを提示しました。ここで、気づきを促します。決まった人だけでなく、全員の挙手を求めます。それは、与えられた場面を把握するために、習ったこととしっかり関連付けさせるためです。

予想通り、ほぼ全員の挙手。
C1「等分するという言葉があります。」
C2「等分ということは、等しく分けることなので、わり算になります。」・・全「同じです」
C3「式は3.2÷5です」・・全「同じです」
C4「わり算をするということは、1つあたりの数を求めるという意味のわり算だと思います。」
C5「1つあたりというのは、一人分のジュースは何リットルかということです。」
C6「昨日まで習った筆算の方法でできると思います。」
C7「でも、途中で2が余ってしまいます。」
T「余った2をどうすればいいかな?」
C8「見えない0をおろして、20÷5をすればいいと思います。」・・全「なるほど!」
C9「2は0.2だけれど、0.01が20個分ということで整数に考えます。」・・全「そうか」

教師は、問題を提示することもなく、見通しまで進んでしまいました。あわててめあてを確認しましたが、ここまで来るとめあて意識は十分持たせられたと考えられます。

ふつう、TCTCTC・・・という流れで、わかった子供を中心に進んでいくわけですが、学び合いによる足場づくりでは、「考えをつなぐ」ことを重要視しています。「考えをつないでみよう」という指示で鍛えていくと、いつの間にか自分たちでつないでいけるようになります。教師は、他の子供が理解しているかを確認するだけでよいのです。子供たちだけで自然な思考の流れが出てきます。疑問も出されます。みんなで学んだことを思い出し、疑問を一緒に考えながら、よりよい解法のアイディアを共有することができるようになります。

ここまで見通しができれば、あとはグループの話し合いもスムーズです。それぞれのグループの考えの相違点や共通点、よさを発見することも容易になりました。

「考えをつないでみよう!」という指示(発問)を言えば、即つなげるようになるのではなく、どういう意見がつないだことになるかという指導が入ります。少しずつ積み重ねていけば、自分たちでつないでいけるようになります。算数が苦手な子供も、どんどん引き込まれていきます。考えをつないでいけるようになれば、自分たちだけで解けるという自信がつきます。自信がつけば、最終的にはすぐに自力解決したがります。ということは、力がついたということです。


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