本研究会では算数科を中心に、算数学び合いの石田淳一教授(東京家政大学、前横浜国大)のご指導のもと、「協働的な学び合い」の実践研究をしています。さらに、教育実践研究家の菊池省三先生を代表とする「菊池道場山形支部」として、白熱する教室を生み出す学級づくりをして、「主体的・対話的で深い学び」ができる子どもの育成を目指しています。 お問い合わせは、山形県南陽市立赤湯小学校 田井地 清まで vaio0819@yahoo.co.jp
2012年7月5日木曜日
活用力をつけるために、みんなでつくる足場へ
ちょっと目が悪くなったかなと思ったら、写真がブレていました。(見にくくてごめんなさい!)
今日の問題は、活用力を身につけるための問題ということで、いつもと違って班ごとの話し合いを中心にして考えさせ、一人一人にきちんと説明させたい思いました。もちろん、問題把握はていねいにしながらも、足場を自分たちでつくらせたいと考えました。
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(問)本棚を作るのに、長方形の板3枚、正方形の板4枚、くぎが24本必要で、今持っている材料は、
長方形の板52枚
正方形の板58枚
くぎ315本
この材料で、最大いくつの本棚を作れるかというのが、本時の問題です。
考える足場の指導では、3つの段階があります。
1.先生が与える足場
2.先生といっしょにつくる足場
3.自分たちでつくる足場
単元の最後ということもあり、既習事項も容易に想起できそうだと予想したので、3番目の自分たちでつくる足場をやってみようと思いました。
問題提示の後、考え方をみんなで話し合いました。わりと簡単に3つの式が出ました。
52÷3=17・・・1(長方形の板)
58÷4=14・・・2(正方形の板)
315÷24=13・・・3(くぎ)
この後、グループで答えはいくつなのかを話し合わせました。グループであれば既習を使って解決できるだろうと考えました。班の中で13だろうという声が聞こえてきました。ある班は、
17+14+13=44こ という考えをしていました。
T「どうして全部たしたの?」
と聞くと、
C「・・・・・・・」
ここで、ハッと思いました。子供たちは、
52÷3=17・・・1(長方形の板)
58÷4=14・・・2(正方形の板)
315÷24=13・・・3(くぎ) という式や商の意味を理解していないということです。ある男子は、
「長方形は17まいで・・・・」
と言っていました。
もう一度全体で商の意味を確認。長方形だけに着目した場合、本棚を作れるのが17個分だと理解するまでに、けっこう時間がかかりました。
ということがわかれば、答えが13だということを容易に気がつきました。
ところが、説明できずに苦しんでいます。答えは13でいいんだけど、どう言えばよいかがわからないということでしょうね。
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全体の学び合いで、長方形は17個分できますが、正方形とくぎが足りなくなり、正方形は14個分できますが、くぎが足りなくなります。くぎは13個分できますが、長方形も正方形も足りるので答えは13です。
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説明がきちんと出来た人は、数名でした。ここでは、説明の仕方をきちんと指導しました。
なかなか説明できなかった原因は、
1 数値や式が多すぎて、意味把握が困難だった。
2 このような説明の仕方に慣れていない。
3 商の意味を理解できなかった。 などでしょうか。
今回の「みんなでつくる足場」をやってみて、考えたことがいくつかありました。
(1)説明も足場が必要
(2)商の意味を、早いうちに教えておく
(3)図などを用いて考えさせる
(4)類似問題を足場にすることも考えられる(与える足場)
みんなでつくる足場の授業は、単元の終わり頃にふさわしいと思いますが、活用力をつけるために独特なアイディアが必要なものについては、やはり足場があったほうがよいのかもしれませんね。
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