本研究会では算数科を中心に、算数学び合いの石田淳一教授(東京家政大学、前横浜国大)のご指導のもと、「協働的な学び合い」の実践研究をしています。さらに、教育実践研究家の菊池省三先生を代表とする「菊池道場山形支部」として、白熱する教室を生み出す学級づくりをして、「主体的・対話的で深い学び」ができる子どもの育成を目指しています。 お問い合わせは、山形県南陽市立赤湯小学校 田井地 清まで vaio0819@yahoo.co.jp
2012年7月19日木曜日
ちょっとした足場の工夫が、考える力をつける
4年「式と計算」という単元です。
今日は、工夫してけいさんしようという目標です。例年、ここの学習内容を教えていて気づくのは、計算方法を工夫するより、筆算でやったり前から順々に計算したりする方がずっと簡単だという子供が必ずいます。
前時までに、交換のきまり、分配のきまり、結合のきまりというおなじみの法則を学習してきました。□とか△とか○でわかりやすく公式化しています(黒板左)が、苦手な子供はこれが数値に見えません。わけのわからぬ壁画の文字みたいな感覚なんでしょうね。
そこで、足場を何にするかをずっと考えていました。
今日の主問題は、
① 78+56+44
② 99×8
③ 25×24
どれを見ても裏側に100という数字が見えるかどうかがカギとなります。この100があるととても簡単に答えが出せるということを足場にしてみようと考えました。
<考えるステップ(足場)>
T;「3桁+2桁をパッと答えを出してもらいます。筆算したい人はどうぞ!」と言った後、問題を画用紙で隠しておき、すぐに答えを言わせました。
『100+52』 計算が苦手な子供も、おやっと言うような目をしましたが、次の瞬間にやりとして
C;「152!」と大きな声。
T;「どうしてすぐに求められたのですか?」
C;「10は、十の位と一の位が0だからそのまま52を足すだけだからです。」
さらにしつこく類似問題。
次は、かけ算で、100×28=?と同様に提示。これもなぜ簡単に求められたかを確認しました。
つまり、足場でたし算やかけ算の中に100を見いだすことができれば、答えは簡単に求められるという認識を深めました。
そこで、 本時は
① 78+56+44
② 99×8
③ 25×24 ということなので、
T;「この中に100が見えませんか?」と発問。
①は容易に全員発見!②は、「99が100だといいんだけどなあ」と誘導していくと、100-1に気づきました。③はちょっと難しかったみたいですが、以前から「25×4=100って覚えておこう」と3年生の時から言っていたのを気づいた子がいました。ところが、「4なんてないよ!」という他の子供の反応。でも、みんなこの時に気づいたのでした。24って、4×6だったということを。そこで、全員納得!
今日の成果は、100があると簡単だということを足場にして、「100が見えるかな?」という発問により、簡単に式を変形していけばよいことに気づいたことです。
今までの自分の授業では、何が何だかわからないうちに、先生が黒板に書いたとおり式を変形してわからないままに授業が終わるという子供もいましたが、この足場を使えば、苦手な子供でも工夫する意味がわかり、きまりを使えばはやく簡単になることをつかむことができました。
ちょっとした足場の工夫が考える力をつけることにつながります。
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