本研究会では算数科を中心に、算数学び合いの石田淳一教授(東京家政大学、前横浜国大)のご指導のもと、「協働的な学び合い」の実践研究をしています。さらに、教育実践研究家の菊池省三先生を代表とする「菊池道場山形支部」として、白熱する教室を生み出す学級づくりをして、「主体的・対話的で深い学び」ができる子どもの育成を目指しています。 お問い合わせは、山形県南陽市立赤湯小学校 田井地 清まで vaio0819@yahoo.co.jp
2012年7月12日木曜日
なぜ( )は先に計算するのか
先日、教育委員会訪問がありました。その時の授業です。
4年算数「式と計算」(教育出版)第1教時
考える足場を何にしようかと考えました。簡単な数字の2つの式を、1つの式で表すことについて考えさせることを足場にしてみました。
6-2=4 4-3=1
T;「これを1つの式で表すにはどうしますか?」
容易に、
6-2-3=1
という式が出ました。これは既習です。ここで、他に方法はないかと尋ねると、( )を使えば表せそうだという反応。
6-(2+3)
C;( )の中は5なので 6-5=1です。
と答えた子供がいました。 答えは同じになることはわかりましたが、なぜ足し算になるのかを考えてみることにしました。
ここで主問題1(所持金500円、パン230円、ジュース150円を別の店で別々に買った場合)
500-230=270 270-150=120(円)
これを1つの式にしましょうということで、
500-230-150=120という式は容易に出ました。
次の場面(所持金500円、同じ店でパン230円とジュース150円をまとめて買った場合)
ここで、
持っていたお金 - パンとジュースのねだん = おつり
という言葉の式をヒントに考えさせました。
( )を使えばいいという声が上がったので、
T;「( )を使って1つの式にすると、どうなりますか?」
C1;「500-(230-150)です」
C2;「違います。( )の中は230+150です。」
C1の子供は、引き算の問題だから引き算にしたのに・・・という表情。
T;「2つを引く計算なのに、どうして230と150をたすのでしょう?」
2つを引くのに、たし算になることの説明ですが、頭の中では理解できているのになかなか説明がつきません。ペアで話し合ってもなかなかうまい表現が出てこない様子でした。その時、
C3;「パンとジュースをまとめて買ったから足し算です。」
この、「まとめて」という言葉から、足し算であることが理解できたようです。
C4;「考えるステップも( )の中が足し算になってる!」
と気づいた子供もいました。ステップ(足場)で足し算になることの疑問が解けました。数値だけだとわからなかったけれど、「まとめて」という意味を考えれば納得できるということですね。
次の時間では、( )を先に計算するというきまりを学習しましたが、この時間の( )の意味理解をしっかりしておいたおかげで、( )の中を先に計算することを容易に理解できました。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿