本日は、夏休み恒例の「教育過程研修会」に参加してきました。
この研修会、十数年ぶりの参加になりました。
算数の司会者ということもあり、やや緊張しての参加になりました。新採の時に一緒だった先生や、うちの近所の先生など、顔見知りの先生がいらっしゃって、緊張もほぐれました。
最初、指導主事の先生から、算数に関する「指導と評価」「言語活動」を中心に説明がありました。
次に、各先生方から、日頃の算数指導での成果や課題などを、お話していただきました。どの学校も、学校研究などで算数を一生懸命実践されているんだなあと思いました。交流のようすをビデオに撮り、みんなに見せることで、交流の仕方を指導している学校やら、算数だけでなく、常に理由を説明させるという学校など、具体的に取り組んでいらっしゃる姿が見られました。
以前、小集団交流に関して、交流のための交流になっている授業があるのでは?と思ったことがありました。10年ほど前から、交流とかかかわりとかいう言葉が重要視され、どの学校でも小集団交流(ペア、グループ、自由)が研究の目玉になってきました。
交流には、いろいろな課題もあると思います。今日の参会者の中に、自力解決に時間がかかり、交流の時間がとれないことがあるという報告をされた先生がいました。もう何年も前から、交流の時間をとったために、最後の練習問題まで行けなかったとか、時間的余裕がなくなるという大きな課題があります。もちろん、自力解決でも、既習を想起できないでいる子供が多く、時間がかかります。
その原因の一つは、課題解決型学習の欠点にもあると思います。ちょっとした見通しだけで、自分なりの考え方で解くことができる子供は、クラスに何人いるでしょうか。できない子供には、ヒントカードやら支援をしながら考えさせるわけですが、効率が悪いと思います。TTにおいては、多少この点が解決できるものの、限界があるように思われます。だから、これから何年たっても、一人一人に考える時間を保証すると、あとあと時間が足りなくなるということを繰り返していくのではないでしょうか。
従来の「教えないで考えさせる指導法」から、「教えて考えさせる指導法」への転換期なのではないかと考えています。思考力は、自分で考えるからこそ身につくという今までの考え方から、考え方の道筋を示してあげることにより、問題を解く意欲が高まり、効率的に知識や技能が身につくという手法に移行しつつあると思います。
「教える」というと、「教え込み」と同じだというイメージを持たれる先生方もいます。しかし、「教えこみ」というのは、ただ単に公式を暗記させたり、一方的な講義で終わる授業であり、「教える」というのは、既習との関連づけをすることで容易に問題が解けるようになるということなのだと思います。時間的な効率性だけでなく、数学的な考え方も身につくということにもつながります。(過去のブログをご覧ください)
横国大の石田先生や、東大の市川先生などが提唱なさっている理論について、全国でいろいろな実践事例が出されています。(市川先生の著書「教えて考えさせる授業を創る」という本を購入し、ただいま研究中です。)
まだまだ課題解決型の授業が主流であり、自力解決で考えを持たせる工夫も、小集団交流もすばらしい実践になると思いますが、今後、授業改善、いや改革と言えるぐらいの転換期であると思っているのは私だけでしょうか。
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