2015年11月29日日曜日

小数のかけ算は、小数を整数に直せば説明できる

小数のかけ算を説明するのに、小数を整数に直す必要があります。直し方は2通り。まず、単位小数のいくつ分かを考える方法。前時に小数のたし算の仕方を説明した時の方法です。
チームBは、基本通りに説明しました。

チームAは、かける数の4まで、0.1が40個分としていました。しかし、もともと整数だから、そうする必要がないことを、話し合いました。たし算では、どちらの数も0.1が何個分かで考えたという既習によるものですね。

3つのチームでは、10倍して10でわる方法を説明していました。どちらの方法も、整数に直して計算しているという共通点に気がつきました。
次の筆算の説明では、10倍して10でわる方法に落ち着くでしょう。


2015年11月11日水曜日

「学級経営は授業から」 ~複式学級の6年生の姿から学ぶ~



先日、市内の小規模校の授業研に参加させていただきました。
5・6年複式学級の算数。以前から算数指導で有名なK先生の授業をあって、とても楽しみにして行きました。

私は、新採から数年間、複式学級を受け持ちました。新採で複式って、今の時代だとあり得ないですね。そんなことを考えながら、懐かしく思いながら参観させていただきました。




一番印象的だったのは、6年生の学ぶ姿です。すばらしい!の一言!!

学ぶ姿勢や人間関係など、どれをとってもよさがあふれ出ていました。小規模校だからだろうという見方もありますが、少人数であれなかなかこの雰囲気は出ません。こんな学年にどうすればなれるんだろうと思いました。





本日(11月11日)、市の教職員研修会の分科会で、担任のK先生の実践をお聞きすることができました。実践報告をお聞きしたら、なるほど!と思いました。




(青文字・・資料より抜粋)


「学級経営は授業から」


6年生の子どものよさについて(教頭先生より)
(1)書く活動に全く抵抗がない。
(2)他者(教師や友達)の話を聴く態度がよく、話を聴いた後の反応がよい。
(3)自己表現する力が身に付いている。話す態度が堂々としていて、自信がないことでもしっかり主張できる。
(4)良質なコミュニケーションができる。
 ・誰とでもペアになれる。・自己中心的言動をしない。・ありがとう、ごめんが自然と出てくる。
 ・友達が困っていると、みんなでフォローしようとする。


実際の授業でも、教頭先生のおっしゃるとおりでした。意欲、友人関係、基本的な学習習慣など、どれをとっても満点でした。


◎学力は教師と子どもとの人間関係から


わかる授業の準備、弱者をいたわる言葉使い、
悪いことを絶対に許さないという態度
間違いを生かして理解を深める、
間違いは宝、
ノートへのコメント指導・・
休み時間も給食もできるだけいっぱい話して、そうじも一緒にやってくれる先生、
朝の水かけや畑の草取り、
マラソン、
朝の健康観察や授業の始めと終わりのあいさつの時もしっかりと子どもの目を見る、がんばろうね!という気持ちを伝えたい
行事の終わりのほめほめタイム
帰りの会で今日のMVP


◎継続する力をつける(習慣化)
長期的に継続させることを準備する
期間限定で計画的・自主的に取り組めるように
授業の進め方をパターン化し、子供達と共有する
子どもも継続することが出てくる


◎みんながわかる授業(ユニバーサルデザイン)をする
わかる子は自分から進み、わからない子に教えることができる
教師もやってみる、やってみせる


これ以外にもたくさんの実践がありました。こんなことを継続していけば、あの6年生の姿になっていくのでしょうね。5年生も、6年生の姿から学ぶことができます。5年生の1年後が楽しみですね。


よい授業とはどんな授業なんだろうと常々考えながら模索していますが、やはり原点は学級経営なのだろうと思います。友達同士や先生とのよりよい人間関係を築くことで、一所懸命に学ぼうという意欲も出てくるし、認められるとさらにやる気をだして・・・などという正のスパイラルができていれば、子どもたちがどんどんよくなっていくのでしょうね。あの授業の6年生の姿を目指して、学力を支える学級経営を充実させていきたいですね。


「目からウロコ」でした。





2015年11月3日火曜日

学力アップ!「算数日記」


算数の復習ということで、算数日記を書かせています。授業の最後に書ければいいのですが、時間が足りなくて、宿題にしてしまいます。

過去何年間か実践しましたが、算数日記がきちんと書けるようになることと、算数の学力がアップすることが比例(この例えは適当なのか???)することがわかりました。

もちろん、算数が得意な子どもは考えをしっかりまとめた日記を書くことができます(写真)



きちんと書いてきた子どもの日記に赤を入れて掲示したところ、
「もっと上手に書きたい」
という意欲が高まってきました。お手本を見てしっかりと考えをまとめるようになります。

しかし、家に帰ってから、
「今日の算数何やったっけ?」
と、ノートを開いても、しっかりまとめていないと、なかなか書けません。だから、授業の時にすでにしっかりとノートに書いていることが大事です。それがわかった子どもは、授業にも集中します。ですから、算数日記を書くことは力になります。

でも、めんどくさいと言って、なかなか書けない子どももいますので、地道に取り組んでいます。

2015年11月1日日曜日

見通しはどこまでもたせるか!考える足場の指導法との比較より

先週金曜日、校内研が行われました。4年目の若い先生の授業です。
2年算数;12×5の計算のしかたを説明させるという内容。

教室脇の掲示もバッチリ。
たしたし法
とびとび法
いれかえ法
わけわけ法

とてもわかりやすい


まずは問題提示から見通しまで。

まずは、見通しで入れ替え法を使い、わけわけ法をさせる、またはとびとび法が出たらさせる、というもので、全員ができる!というまでの見通しを与えたいという授業者の願いがありました。

これには、賛否両論があると思います。

さらっと見通しをもたせ、あとわからない子どもに対しては個別指導でヒントを与えていくという考え。今回のように、全員ができるというまで具体的な見通しをもたせ、解決への意欲をもたせるという考え。

十年ほど前までは、私は前者の立場でした。その理由は、見通しをもたせ過ぎると、考える力が身に付かないのではないか、わからない子どもは、後でヒントを与えれば力がつくのではないかと思っていました。しかし、わからない子どもは、いつの授業でもじっと固まっているだけで、算数の時間は先生のヒントなしでは解けない!と感じさせているのではないかとさえ思っていたものでした。

そんな時に取り入れた、「考える足場」の指導法。既習のアイディアと関連付けながら、本時の問題をみんなで解いていくという数年前の石田先生の理論。今まで自分がやってきたことが、根底から崩れていきました。しかし、実績があるというのでやってみようと思い、日々の授業に取り入れてみました。幸いなことに、石田先生に授業をご指導していただいたりもしました。京都や青森の先進校の先生の示範授業も拝見しました。

そんな授業を実践していたある日、クラスで一番算数が苦手で、常に固まっていた女の子が、
「先生、今日の算数って何時間目?」
「どうして?」
「だって、最近算数が楽しくて!」

これだ!と思いました。苦手な子どもが、算数に対する苦手意識を克服し、楽しいとまで言わせる指導法ってすごい!得意な子どもは、説明の仕方を覚えると、どんどん説明したがる傾向にあり、クラスみんなが足場の授業が大好きになりました。

今では、石田理論もどんどん発展して、学び合いが足場になっていると言っていいでしょう。見通しをどこまで?という議論がいつも算数では話題になりますが、みんなで問題を解いてみるという実践をしていくと、見通しもみんなで共有できるようにする学び合いが大切になると思います。

というわけで、数年前の自分の授業を思い出してみました。



九九の表の拡張版を用い、どこを求めればよいのかを視覚的にとらえさせました。これも見通し!




子供たちが集中して学ぶ姿がすばらしく、一人一人が自分の考えをペアで話していました。

しかし、説明を伝え合うということについては、なかなか自他の相違点に気づかず、自分が話をするので精いっぱいの児童がいました。(もちろん、ペアでの説明が成り立っていたところもありました)

低学年では、説明を聴くだけでは相手の説明の内容まで理解するのは、なかなか難しいようですね。式や答えの違いならわかりますが、説明を聴き合うというのは、ちょっとレベルが高いかもしれません。しかし、このような活動を地道に続けていけば、できるようになるはずです。

さらに、全体の学び合いからまとめの段階では、やはり説明の型の提示が必要じゃないかなと思いました。まず、その型で一人一人に説明を言わせたり、書かせたりして自分のものにする。そして、主問題2で確かめるという流れであれば、評価問題でも説明させることができたのではないでしょうか。一般的な、「まず」「次に」「だから」という筋道立てた説明の仕方とともに、本時に関わった具体的な説明を、発表をもとに示していくことが大事ですね。

それにしても、学習訓練とか掲示、発問、どれをとっても素晴らしいの一言!今の若い先生は、勢いだけでなくしっかり勉強しているなあと感じます。

負けてはいられません!!!