2015年10月27日火曜日

特別支援教室から算数授業(2人)


先ずは、図を見せて気づき発表

「最初はたてが長くて縦長の四角。次が正方形で、次が横が延びて横長の四角になります」
「横が増えると面積が変わる」




ノーヒントでここまで言えるようになりました
ともなって変わる数、「一方」が変わると、「もう一方」が変わるという意識が理解できていると感じました
(一方ともう一方は違う!xとyは違う!)

1人の子は、在宅教材で予習してるので
言葉だけは知ってるけど意味は理解できてなく、「速さ」の学習では大失敗しました
まず、その知識を打ち砕かないといけないことに、気づいたときは遅く、
速さと道のり(そして距離)の意味理解が不十分になってしまいました

今回は、用語の意味理解に重点を置いて指導してきました

「ともなって変わる」「一方ともう一方」「比例」「決まった数」

その言葉が出てくる必然性を大事にして、繰り返し、繰り返し…


今回の学習めあては、「比例になることを説明せよ」
一番の彼らの苦手分野です

何でもかんでも比例と考える誤った常識を揺さぶりながらここまできました
そのために大事にしたい本授業でした

説明を言葉で書かせたのは初めてでしたが
2人とも難しいと言いながら見通しをもとに書くことができました(感涙)
(難しいことに気づくのも成長だ!)

なんと、1人の子はなんと数直線にしました

現象をとらえた結果、頭に浮かんだのでしょう
もちろん取り上げました
今回の裏のめあては
表、グラフ、xyの関係式、言葉の式に表して発表させた後、比例の特徴をもとに
全ての考えを統合することにありましたので・・・


「2倍、3倍になると、もう一方も…」
「1増えると2ずつ増える」
「決まった数=定数の存在」
「(0,0)を通る」(抑えるの忘れました(ToT)

全ての比例の特徴が全ての発表に表現されています
↑これをわからせたかった

一番困ったのが定数がグラフに出てこないこと
なぜわからなかったかというと、
xが1ずつの増加しか(グラフに)表せていなかったからです

そこでヒント

「xが2増えたらyは?」「6」

ようやく気づくことができました

xの増加量×定数=yの増加量

これで2人は、「比例の関係かそうでないか」、
「比例関係にあることの説明」
に自信を深めたと思いました
反比例につながれます



今回だけでなくいつも思うのは、
子どもの発表を生かすのも殺すのも教師次第だということです

どんな発表にも子どもたちが一生懸命考えた結果なので生きないはずはありません
その意味でも置算研の子どもをいかす(活かす+生かす)授業作りに賛同しているのだと思います

まだまだ×∞学び合いにはほど遠い授業紹介でした

ありがとうございます


(お風呂で気軽に投稿したらこんな感じになってしまうことがわかりました、田井地先生)

2015年10月24日土曜日

「1㎡をつくる」という協同学習・・・効率的にできたグループとは

4年面積

1㎡を新聞紙でつくりました。

今回は、セロハンテープを使わずにつくらせました。つまり、のりしろを考えなくてはなりません。グループの協力が必要となります。(これが本当の協同学習かも)



このグループは、すぐに黒板の1㎡を使って作業を始めました。



このグループは、全員がしっかりと役割をもって進めました。群を抜いて早く仕上がりました。



長さを測ったり、切ったり、貼ったり



このグループは、リーダーがどんどん進めていき、他の子どもは見ていました。


黒板を使えばよいと発見したグループを見て、自分たちも真似をするグループ。



6つのグループで活動をさせましたが、そのグループによってさまざまなやり方や考え方がありました。一番速く正確にできたグループは、メンバー一人一人が短時間の相談で共通理解し、全員が自分の役割を果たしたグループです。

その次に早くできたのは、黒板の利用など、効率的にできる工夫をしていたグループです。または、そのアイディアを真似していたグループです。

一番遅かったのは、リーダー核の子ども一人が作業し、まわりが見ていたグループです。まわりの子どもが手出しできない雰囲気を感じました。


日常のグループ学習では、1人のアイディアでどんどん進めていっても、ホワイトボードに書くことはできます。しかし、メンバーの協力が必要とされる活動では、一人一人が参加意識をもち、アイディアを出し合いながら進めていかなければなりません。子供たちは、このような活動を通して、協同ということの大切さを学んだと思います。

2015年10月20日火曜日

複合図形の面積は考える足場で

梨郷小学校公開研の指導案通りの授業をしてみました。まずは、考える足場を提示。きちんと3通りの考え方がだされました。しかし、ここで全員挙手などを求めるあまり、相談タイムを何回かやってしまい、時間がかかってしまいました。
足場のおかげで、見通しもすんなり出ました。
見通しの通りの考えですね。縦に切る方向です。
見通しになかった方法が出ました。しかし、式がないことを指摘されました。
あると見て引く方法もいくつかのチームから出されました。

考える足場と学び合いを取り入れると、かなり理解度が上がります。ただし、足場に時間をかけ過ぎて、時間が足りなくなりました。考える足場と学び合いを、効率的に行うことがポイントです。

2015年10月17日土曜日

「説明したい!」と思うのは本来の子どもの姿








算数の力を付けるためには「めんどくさがりにならないといけない」と常日頃思っています。

「めんどくさいから工夫する。」
「めんどくさいから法則を見つける。」
「めんどくさいことは数学的に美しくない。」

今回は、「めんどくさいから整理する」
「整理することで真理が見える。」

ということと、

「有名な画家も、植物も算数をしていた。」
「算数=美しい、理にかなっている⇒自然界や芸術界、日常生活で使われている」

ことを感じてもらいたい授業をしてみました。



一段抜かしまで「あり」です。
1段のときは1通り 2段のときは2通り 3段のときは3通り
では、4段のときは?素直に4通り。と答えそうなところでゆさぶります。
正解は5通り。「あれ?おかしいな。」と子どもは思うはずです。

続いて、「では、5段では?」
とたんにめんどくさくなります。
「8段」
賢い子が答えを言うのですが、先生は
「本当?」「絶対?」と聞きます。
子どもは、「だって・・・」
と言って説明をし始めました。
心の中で小躍りする瞬間です。
「答えを説明したくてたまらない!」と思わせたのですから!
その子は、階段の図を使って実際の上り方を線で表しながら表現しました。

しかし、線がごちゃごちゃになってしまい、重複や落ちがありそうで
はっきり8通りとは伝えることできず、わかった子は2,3人。

次の子は歩数ごとに整理しました。
「5歩のときは1通り 4歩のときは4通り 3歩のときは3通り」(上図の下)
これでほとんどの子が納得。



最後にこんな表を紹介しました。
これは出なかったのでこちらから提示しました。

しかし、気になるのが規則性。
そこで表にしてみました。



一人の子が気づきます。
「1+2=3 3+5=8」
つまり、隣り合う数を足すと次の数になるということです。
では、なぜそうなるのか?

時間の関係で先生が言ってしまったのが残念でした。(下図)

前段と前々段から来てるということで証明されます。


最後に、
この数列をフィボナッチ数列ということ。
フィボナッチ数列は美しいとされる絵画・彫刻・建造物に偶然か必然か存在すること。
自然界にも存在し、自然物にも数の美しさ(黄金比、フィボナッチ数列)を活用していること。
プリントの縦横の比にも使われ、それをみんなは自然なものだと「自然に」感じていること。
を話して終わりになりました。



今回の授業は学び合いまではいきませんでした。
でも、算数のことば(算数トーク)をする楽しさを味わわせることはできたと思います。
子ども自ら

「説明したい!」「考えたい!」と思わせるような授業をこれからも考えて実践していきたいと思います。

説明する力を求めることが、数学的な考え方を養う


4年面積の2教時目。前時では、1平方センチメートルの単位を知りました。

たて5cm、横7cmの長方形の面積の求め方を考えさせます。いつものように、図を提示しました。「気づいたことはありませんか?」という発問は、できるだけしないでいます。子ども自ら気づきが言えるようにするためです。しかし、2,3人だけの挙手。全員挙手できるまで、相談させます。この長方形を見て、習ったことをもとに気づきを言わせるわけです。

普通は、「面積は?」と問い、「面積の求め方を説明しよう」などという従来の展開になりますが、前時から、「たて×横」という言葉が先行していたので、「5×7でもとめられることを説明しよう」という問題(課題)にしました。たて×横ということを知っていた子どもたちも、
「どうやって説明するんだろう??」
と言っていました。






図と文で説明したチームと、文と式で説明したチームがありました。

いろいろな表現がありました。

チームBの例;たての5マスが横にそって7回続いているから・・

全員「意味がわからない」

チームCの例;たてに5cm2 、横に7cm2だから5×7・・・

他の班「かけ算になることを説明してない」という指摘


チームCの例



図で示されていて、しかも列という言葉を使っていると、わかりやすいということになりました。また、cmの右上に小さい2を書き忘れているということに、自ら気づくことができました。

全員、5個分が7列あるという説明に納得しました。




チームHは、Gと違い、なぜかけるのかを説明していませんが、この班のよさは、何個分とたて、横の長さが一致しているという見方をしているということです。たてに積まれている1cm2の数と横に並んでいる1cm2の数であるということが、結局たて×横になっているという数学的な考え方をもって説明しているのだと思います。

子どもたちから学ばせてもらいました。






2015年10月14日水曜日

個別指導「あまりを考える問題からわり算の意味を捉える」

沖郷内山です

個別指導記録です。

普段は特別支援で6年生に教えていますが、
週に何度かは、個別にくる子たちに算数を教えています。
今回は3年生のわり算です。
授業終了後の板書です。
黄色い字はつぶやきを拾いました。



問題文からわり算の式になることを理解できるようになりました。大成長!

「なんで、その式になるのかな?」と、聞いたところ、
「これじゃないと割れないから。」と答えました。
つまり、3÷18では割れないことが言いたいようです。
まだ、わり算の意味が十分でないようです。

それならば・・・と、急遽、問題3をしてみたいと思い立ちました。
個別学習ならではの、急な予定変更です。
答えは九九から出せることが直感的(経験的?)に分かったようですが、
立式したあとブロックで出したいという意思を尊重しました。
もちろん次の問題3につなげることが目的です。



まずは、問題2。

これも前回に習った、「あまりを考える問題」です。
「黒板にブロックを張って考えたい。」とのことでしたが、
問題1と比較したかったので同じく、机の上でブロック操作をしてもらいました。




そして、問題3。

最初数を隠し、何算になりそうか聞いてみました。
「わり算」と答えたので、理由を聞くと、
「前の問題と似ているから。」と答えてくれました。
わり算の意味指導が徐々に落ちていることを感じてうれしくなります。

しかし、立式は18÷3。
そこで、いすの大きさを考えさせると、「とっても長そう。」とのこと。
理解している!

しかし、「18で割る」ことの理解はまだまだ不十分だと感じました。
これからの課題です。

今後もたくさんの問題場面を通して
わり算の意味理解を深めていきたいと考えています。
(本当はかけ算の意味理解をしたいところですが、本学級との進度を考慮して・・・)

蛇足 実は、問題1を見て、最初につぶやいたのは「3の段?」なんです。
   そこをつっこめば、もっと違った展開が見られたかもしれません。。。
   児童の思考に合わせるのって難しいです。