11月29日新採研にて,I先生による3年算数「分数」の授業がありました。本時は,単位分数をもとにして,同分母の真分数どうしの加法計算の仕方を考えさせるという内容でした。
考える足場として,3/8と5/8の大小比較です。この時の説明として必要なことは,1/8が3こ分と1/8が5つ分という見方です。このことを使えば,本時の問題である,「1/5+2/5」の説明ができるということです。
① 今回の授業では,足場を与えるが,主問題1を自力解決させるというものです。自力解決では,単位分数のいくつ分かという説明と,液量図での説明が出されました。
【板書より】
<説明1(単位分数のいくつ分)> <説明2(図)>
まず 1/5は,1/5が1こ分 1/5の液量図
次に 2/5は,1/5が2こ分 2/5の液量図
だから 1/5+2/5は,1/5が(2+1)は3 3/5の駅量図
↓
「1/5+2/5は,1/5が(2+1)こ分で3/5」と板書したい!
それぞれの発表(説明)をさせたあと,I先生は「どちらも同じだね。」ということを確認しました。算数の学び合いでは,共通点や相違点を考えさせることが大切になります。図で説明をする時に単位分数のいくつ分かという説明が使えることに気づかせたいですね。板書では,上の図のようにして説明と図をリンクさせながら共通点を見いだすことで,それぞれの説明のよさを感じながら,より深い理解につながると思います。
② 「1/5+2/5は,1/5が(2+1)こ分で3/5」という説明を,主問題2に入る前にペアや全体で声を出して説明し合うなど,しっかり書けるように,また言えるように定着させることが大切です。
単位量のいくつ分という見方は,他学年の計算でもたくさん出てきます。
【低学年】 20+30 ・・・だから,20+30は,10の(2+3)こ分で50
200+300 ・・・だから,200+300は,100の(2+3)こ分で500
【中学年】 1.4+3.25 ・・・だから,1.4+3.25は,0.01の(140+325)こ分で4.65
【高学年】 小数,分数のかけ算,わり算へというように,10進法が拡張していく思考が身につきます。 ⇒帰納的思考・演繹的思考・類推的思考へとつながっていく
本時の考える足場が子どもたちの説明に生かされていたということで,足場が有効であったと考えられます。
③ 他校で同内容の研究授業を課題解決型で行った実践があり,話題になったそうです。その課題解決型の授業では,いろいろな説明があったが,「○の(□+△)こ分」という内容はなかったということ,多様な考えを比較検討する時間が長く評価問題(練習問題)までいかなかったことなどを考えると,今回の授業では,意図する説明ができ評価問題もできたということから,考える足場の焦点化した思考や効率性が有効であったということが言えるでしょう。
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