2012年4月23日月曜日

簡単すぎる足場

今日は、4年「大きな数」のたし算、引き算、かけ算の学習でした。
35億+24億という主問題です。

前学年で、単位分数や単位小数がいくつ分という学習をしてきたので、 今回は容易に解くことができると予想していました。

足場では、1万をもとにして35万+24万を説明させました。「まず」「次に」「だから」といういつもの説明の仕方で簡単に説明できました。もちろん、主問題1でも、同じように簡単に全体解決することができました。

この時、子供たちの、
「35と24っていう数じゃない方がいい。」
という反応。簡単すぎるということでした。

もちろん、算数が得意な子供たちから出されたものですが、今振り返ると確かに簡単すぎると思いました。
「数字をそろえた方が計算をする手間が省け、考え方に集中できるのではないか。」
と考え、同じ数字にしてみました。

しかし、子供たちは、もっといろいろな数字で試してみたいという気持ちがあったようです。たし算だけでなく、引き算、もっと別の数というようにどんどん興味は広がります。そういう子供たちの意欲を、満たしてあげるようにしなくてはいけないと思いました。

苦手は子供にとっては、簡単でいいなと思っていたかもしれませんが、ある程度ハードルを上げてやらないと、考える力を身につける機会を奪ってしまいかねないと思った今日の授業でした。明日からの指導に生かしたいと思います。

2012年4月18日水曜日

「教えて学ばせること」と「教え込み」の違い

4年「大きな数」で、今日は、

「123450000を10倍、100倍、1/10にしたら、どんな数になるでしょう。」

という主問題でした。考える足場の指導をして、2年目にということで、今日も「つくる足場」をしてみようと思いました。つまり、この問題を解くのに、3年で習ったことを自ら想起させることは、容易なことだろうと思ったからです。

「この問題を解くのに、習ったことでどんなことが使えそうですか?」という発問です。既習内容は、
25×10=250(10倍すると位が1つ上がる)
25×100=2500(100倍するとくらいがつ上がる)ということです。これぐらいのことは、ほとんどの子供が想起できるだろうと思っていました。

しかし、挙手はたった1人。「10倍すると~、100倍すると~」という既習事項が、なぜ今日の主問題につながらなかったのか。位を1つ上げるということは、大人からすれば0を1こ増やすことだなどど、単純に考えられるのに・・・。

挙手は一人でも、さっそくそれを足場にしたら、ほとんどの子供が思い出したので、それを用いて主問題を全体解決しようと思いました。ここでも、いまひとつ足場の「位が1つ上がる」ということを使えない様子でしたが、どんどん意見をつないでいき、全員が理解できました。

ところが、子供たちのノートを見ると、全員が次のように書いていました。

1234500000  (10倍)
12345000000 (100倍)
12345000    (1/10)

つまり、0をうしろにつけたしているだけで、桁をそろえないでの表記でした。
25×10ぐらいだったら、桁も少ないしあまり影響はないかもしれませんが、大きな数になるとただ漠然と0をくっつければいいという考えになってしまうのではないだろうかと思いました。

そこで、

 1234500000(10倍)
12345000000(100倍)
   12345000(1/10)

というように、全員に書かせました。どちらも間違いではないということで、この2つの表記を比べさせました。そしたら、位を揃えたほうが読みやすいわかりやすいという意見が多く出されました。

後で書いた方が、位が上がる(下がる)ということを理解しやすいということになりました。最初から、そういう書き方をさせればよかったのかもしれませんが、逆に自由に書かせたことが、比較検討により、ただ単に0をくっつければよいという見方から、位が上がるということに、自ら気がつくことができました。

「考える足場」を与えることは、教えて学ませること。「教え込み」は、教科書通りにやらせること。

「教えて学ばせる」ということと、「教え込み」の違いが、また一つわかったような気がしました。

2012年4月11日水曜日

すぐ読めますか?1,234,567,890

やっと雪国も、春の予感漂い始めました。冬の間は、南の方は暖かくてうらやましいって思ってますが、なぜか雪国を捨てて、南国へ移住する人はあまりいません。その理由は、春になった時の喜びや感動を知っているからではないでしょうか。東北人にとって、春の訪れは特別な思いがあります。今までの苦労やがまんがあったからそこです。だから、雪国東北って素晴らしいのかもしれません。

 さて、4年生の算数の授業が始まりました。今日は「大きな数」です。持ち上がりのクラスなので、子供たちもリラックスして学習に取り組みました。このクラスは、1年間、「考える足場」をつくる授業をしてきました。そこで、

「4年になったから、ステップ(足場)はどうする?必要ですか?」

と、子供たちに問いました。そうしたら、全員が必要だと言っていました。算数の得意な子供は、いらないと言うのかなと予想していましたが、そうではありませんでした。

「なるほど、得意な子でも足場の授業って楽しいんだな。」

と思いました。足場の指導で2年目の学級です。今後の展開が楽しみです。

さて。大きな数の足場を、3年生で習った千万までの数にしました。どの子も容易に読めました。「一、十、百、千」というひとつのグループごとの並びになっているんだということを、しっかりと覚えていました。億のグループになっても、「一、十、百、千」という4桁ごとの仕組みは同じなので、億になっても全員読むことができました。やはり、4桁ごとの見方は大事だし、有効であると思いました。だから、大きな数を読むときは、一の位から順に4つずつのグループに分けて見れば、どんな数でも読めるということを教えています。


しかし、ここで疑問が持ち上がりました。

例えば、 1,234,567,890 という数。(すぐ読めますか?)

新聞でも何でも大きな数は、4つずつの桁ではなく、3つずつの桁に「カンマ」で区切られています。会計報告や、人口、国家予算など、すべてこの表記になってます。

英語では、
thousand 千 
million 百万(thousand×千=million)
billion 十億(million×千=billion)
trillion 一兆(billion×千=trillion)

また、キロ、メガ、ギガ、テラ・・・という単位の意味は1000倍、その1000倍、またその1000倍・・ということもあります。

つまり、欧米では1000をひとつのくくりとしてきたと考えられます。

だから、3つずつカンマで区切るのが世界共通の大きな数の区切り方なんでしょうね。「1,000円」ぐらいは簡単に読めますが、タイトルの数字のように大きくなると、ちょっと読みづらくなるのは、私だけでしょうか。子供たちは、絶対読みづらいと思います。

世界共通の十進数位取り記数法ですが、大きな数の読み方に関しては、日本語独自の読み方が困難になるわけです。いずれ、日本も世界に合わせる日がくるのでしょうか?文科省の方にでも、聞いてみたいところです。

2012年4月7日土曜日

思考力+コミュニケーション力=言語力

新年度になり、新たなスタートを切りましたが、冬に逆戻りしてしまいました。早く花見したいです!

昨日は始業式で、子供たちとの出会いがありました。私は持ち上がりということで、お互いに「今年度もよろしく!」といういつもの様子で始まりました。

さて、学校でもいろいろなことが動き出しました。学校研究は、国語科を中心とした言語力を追究します。それに合わせて、学力向上部でも「言語力」をキーワードに動き出しました。学力向上部では、学校研究の日常化という役割があるので、国語以外の各教科で、言語力を身につけるための指導を実践していくことになります。もちろん、算数でも言語の力を身に付けないと、問題を把握できない、説明できない、まとめられないということになってしまいます。実技教科でも、道徳でも、学級活動でも、総合学習でも、言語力を抜きにしては語れません。

思考力+コミュニケーション力=言語力

算数科では、もちろん「考える足場」の授業を提案しました。2回ほど先生方に授業を見ていただき、そして実践事例を報告してきたことを、今年度は積極的に推進していきたいと思います。

考える足場と言語力育成がどのように関わるのかということですが、足場を与えることで子供たちは自ら問題解決が容易になります。そして、筋道立てて説明する力がついてきます。もちろん、それに伴って思考力が高まります。その過程でコミュニケーションにより、考え方を伝え合う力を身に付けます。そういう意味では、考える足場は、言語力育成に有効な指導法であると言えます。そういうことを、先生方に理解してもらうようにしていきたいと思います。

また、本校以外の学校でも、理解者を増やしていきたいと思っています。近隣の学校に限らず、ネット上でも実践の交流を図りたいと考えています。まずは、フェイスブックで気軽にコメントいただければありがたいです。よろしくお願いします。

2012年4月1日日曜日

新年度を迎えて

今日は4月1日で、いよいよ新年度になりました。

今年度で、今の職場3年目です。3年というのは、自分にとって勝負の年かなと思っています。この2年間でまいた種が成長し、収穫できるようにしなければならないと思っています。秋には、ここの地区の研究会での授業公開という機会を与えていただきました。ここでの評価によって、次の段階への挑戦をしたいと思っています。

さて、今年度は言語力をつけるという方向性の学校研究になりますが、言語力と言うことで国語科が研究教科ということです。ここで言語力ということを考えると、あくまでも国語を中心としてという考えで良いと思いますが、あらゆる場面で言語力をつけることを考えたいと思います。

私のは学力向上部に所属していますが、一般的に学習指導部と呼ばれている指導部です。なぜ、うちの学校は学力向上部なのか、それは単なる組織としてでなく、学力を向上させるという使命があるということだと解釈しています。

つまり、学力向上させるための手立てを具現化しなければなりません。組織としての動きはもちろん、授業にも踏み込んで提案していくことも要求されます。学校研究は、国語の授業研究をしていくので、それ以外のところで言語力をつけることを念頭に置いた学力向上対策を実行していきたいと思います。

その一環として、算数指導の「考える足場」の考え方で、説明する力、筋道立てて考える力を育てていきます。