2019年6月9日日曜日

たて、横の長さが分数の時も、「たて×横」の公式が成り立つのか

6年分数のかけ算の授業です。

たて、横の長さが分数でも、たて×横という長方形の面積を求める公式を使ってもよいのかを説明させたいと思いました。たぶん、下の図を見せただけで、たて×横で求められますということになり、答えが出てすぐに終わってしまう授業をしている人もいるのではないかと思います。

5年生の時に、たて、横の長さが小数の時の長方形の求積問題がありました。その時も、小数×小数ということで、何の疑問ももたない人がほとんどでした。その理由は、長方形の面積がなぜ「たて×横」の長さで求められるのかを忘れてしまっているからです。もともとは、1㎠が何個あるかで面積を求めていました。だから、5年生の小数の場合、1㎠よりさらに小さい単位が必要になりました。今回は分数でも成り立つか!という課題です。

まずは、たて×横と予想通りの意見が出たので、分数のかけ算をさせました。この答えが正しいかどうかをどうやって説明させるかがこの授業の最も重要なところですね。
しかし、この問題の説明の見通しをもてる子どもは、予想通りいませんでした。そこで、下の図を考える足場として与えてみました。1㎡をたて、横の分数で区切りの線を入れてみました。そうすることで、赤い部分の小さい長方形の面積がわかればよいということになり、ここからグループ学習に入りました。


下のF班は、1/3×1/5=1/15として求めていました。それが8個分。







下のB班も同じ。

しかし、ここで考えなくてはいけないのが、1/3×1/5と立式している段階で、たて、横の長さが分数の時もたて×横の公式を使ってしまっているわけです。全体の話し合いでは、この式についての説明が必要であることを確認しました。




下のG班。3と5に区切られているから、全体が15等分されていることに気づいていました。





E班も同じで、1㎡を15に分けたうちの1つ分として考えていて、15は3×5というところまできました。では、8個分というのはと問うと、2×4であることを容易に理解できました。




そして、学び合いをつないでいった結果、下のようにまとまりました。それが、最初にやった分数×分数と同じ計算になりました。






かなりまどろっこしい内容かもしれませんが、算数では、整数から小数、分数というように数がどんどん複雑になり、これが数学では文字になったり、実数・虚数などと発展していきます。小学校の段階で、ただ単に計算の名人を育てるだけでなく、「小数や分数でも整数の時の性質が成り立つのだろうか」という疑問をもち、追究していく子どもを育てるべきだと思います。




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