2018年6月16日土曜日

5年小数のわり算(筆算)の事例



  5年「小数のわり算」の単元です。小数のかけ算では、10(100)倍して積を10(100)で割るという流れで学習してきましたので、同じような方法で解決できるのではないかという考えが出されることは予想されました。

筆算の前々時、2.4mで96円のひも、1mは何円かという問題でした。数直線図や関係図、かけわり図を丁寧に扱うことで、立式はスムーズにできました。そして、96÷2.4の計算の仕方を考えます。見通しはグループごとに行いました。


C班;「10倍して10でわる」のかと思っていたら、10倍して10倍していました。これは予想外でしたが、文章題から見積もりをして、0.4にはなるはずがないから10倍にしたということです。



B班;C班と同じです。なぜ答えを10倍にしたのかを説明できるようにしておこうということを言っておきました。


E班は2.4mを24mにして考えました。当然96円の10倍になり960円で計算できます。つまり、わる数とわられる数を10倍したということになりますね。この班の説明によって、前の2つのグループの人たちの理解につながりました。
G班も同じように両方の数を10倍して考えました。この班のよさは、図で示してわかりやすいということです。しかも、見積もりでだいたい50円ぐらいになるという予想をしていたので、それに近い数ということになります。

わり算は、わる数とわられる数に同じ数をかけても同じ数でわっても商は変わらないというきまりを使えばよいことに気づきました。

そして、次の時間。小数÷小数です。


今回も、数直線図や関係図、かけわり図で丁寧に立式を扱いました。そして、前時でわり算のきまりについて時間をとって話し合った結果、どの班も両方を10倍して整数に直して正しく説明していました。これなら筆算もうまくできるのだろうと思いました。


いよいよ筆算の時間。


式を与え、すぐに見通し。すんなりとそれぞれを100倍にするという見通し。わる数だけを整数にすればよいから10倍でよいという見通しがでなかったのですが、グループ学習に時間を取るためにそのままグループ学習にしました。
全体の学び合い

この3つの班は、小数のまま筆算していました。グループ学習時にもうすこし支援が必要でした。4.65を100倍して答えを100でわるという考えです。つまりかけ算と同じようにやりました。

前時にきちんとわり算の考えができていたのに、どうしてこの班はかけ算と同じにしたのでしょうか。前時をしっかり振り返らせてから見通しを持たせるべきでした。

この2つの班は、どちらも整数にしていますが、わられる数は100倍、わる数は10倍というように、同じ数ではないということです。これも前の班と同じで、見通しの段階で後藤を防ぐことができたということでしょう。



この2つの班は正答になりましたが、やり方がすこし違います。それぞれを10倍するか100倍するかという違いです。なので、商の位置が違っています。この辺までで時間が迫ってきてしまいましたので、どちらが「はかせどん」かという話し合いを次の時間にやりました。

小数の筆算までの振り返り
○成果として、立式の仕方(数直線図、関係図、かけわり図)を丁寧に扱うことで、立式の意味を理解させることができた。
○見通しをグループごとに持たせることで、主体的に学習を進めることができた。反面、見通しをしっかり持たせないと、習ったことをきちんと用いて問題解決するということができなくなり、話し合う時間がかかり過ぎて、習熟問題を十分に解く時間がなくなる。見通しの持たせ方を事前にはっきりとさせて授業に臨むことが大切である。
○それぞれのグループの考えのよさを取り上げて話し合いをさせたが、いくつかのグループに絞って学び合わせることが重要である。グループ学習時にそれぞれのグループの考えを見取り、話し合う視点を考えておく。(学び合いの効率化)
○確かめ問題や評価問題をしっかりさせ、振り返りで考えのよさを感じさせていく必要がある。


まとめると、まずグループ学習や学び合いを効率的に行うということです。一つの手だてとして、問題把握からの見通しをしっかり持たせることです。今回は、グループでの見通しを重視しましたが、グループで見通しを持たせるには、単元の最後の方の時間に発展的に行うことが望ましいと思います。さらに、全体の学び合いでは、端的な考えに絞って話し合いをさせることも考えなくてはなりません。全部のグループに考えを発表させたりするのは時間的に無理です。いわゆる、教師のコーディネート力にかかっているわけです。そして、評価問題や振り返りをしっかり時間内にさせることが大事です。いかに効率的に学び合わせるかが今後の課題になります。

石田教授の『35+10』の指導法をもう一度勉強したいと思います。






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