さて、6年「場合をあげて調べて」の単元の2教時目の授業です。
長さ1mの板が11枚。図のようにL字に並べて面積が最大になる時の縦、横の長さを求める問題。
いつもなら見通しの後にグループ学習という流れですが、この単元では、全体での学び合いによりやり方を理解させてから、問題2でグループで類似問題に取り組ませるという流れにしました。
いわゆる、「教えて学ばせる」という指導法です。この指導法については、東京大学の市川先生も提唱しています。
11枚というのは、たて+横が11だから、たてを1mとすると11-1=10になるというところから表を作ります。これを提示したあと、みんなで表を完成させました。
次に、枚数が15枚で、面積が54㎠になるのはたて、横それぞれ何枚の時かという問題を与え、ここでグループ学習です。
すでに表のつくり方という足場があるので、どのグループも素早く表をつくりました。そして、表記の違いはあるものの全部成果を得ました。
F班は、たてが6で表が終わっていました。ここまでで、6×9=54だから9×6=54ということが想起できたので、表を完成させなくてもよいという考えでした。
ほとんどの班は、表を完成させることが目的であると思っていましたが、縦、横の長さを求めればよいことが目的なのだから、この表は効率的であることを学びました。
「表なんて使わなくてもできるよ」
という発言。
「かけて54、たして15になる2つの数を考えればいいよ」
と説明し、aとb、そして具体的な数字を用いて説明しました。
全体で考え方(方法)を確認して個人学習というのは、教えて学ばせる手法ですが、個人ではなくグループ学習にしたというところが、今回の授業の特徴です。
教えて学ばせるという考え方に違和感をもつ教師がたくさんいます。教えたら考える力が身に付かないのではないか。さらにその後グループ学習では、なおさら考えなくてもよい授業にならないかということを指摘されすと思います。
それについては、グループ後の練習問題で個人学習をさせればよいと思いますが、「教えて考えさせる」指導法だと、説明重視の授業などでは有効だと考えています。なぜなら、
「まず」「つぎに」「だから」という説明の仕方を教えても、どう説明してよいかわかないからです。きちんと教えるべきところは教え、そして自分でもできるようにしなければなりません。一人一人が理解でき、説明できるようにするには、「教えて学ばせる」ことと「学び合い」が必要になります。
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