2017年3月20日月曜日

アクティブ・ラーニングを実現する視点3<学びの共有・自覚化>

卒業式の感動の余韻が残る今日この頃です。

さて、アクティブ・ラーニングを実現するための視点3です。今回は、

<学びの共有化・自覚化>

学んだことを共有するために、普通まとめをします。この時は教師の出番!と思ってきました。
「先生の言う通りにノートに書きましょう!」
という授業のまとめの時の教師の言葉。でも、これを石田先生は、学びの共有化・自覚化のために、グループで話し合いながらまとめをさせ、振り返りをさせましょうと主張されています。

・子どもが自らまとめを作る;グループで本時のまとめを話し合ってまとめる。
・主体的な学びのための振り返り;ノートに書かせ、よさを共有させる。

何度かまとめの話し合いをさせてみました。まとめるには、本時の学習のポイントをつかんでいなければできません。しかも表現力も必要です。

しかし、個々にまとめられるわけではありません。問題を楽に解ける子どもでも、なかなかまとめをきちんとできるとは限りません。

そこで、グループでの話し合いをさせます。これもホワイトボードを用いてやってみました。最初は、表現できないグループが大半ですが、回を重ねていくと少しずつねらい通りのまとめができるようになります。

まず気付くのが、本時のめあてにそってまとめるということです。めあて意識をもって学習することで、まとめも容易になってきます。そこに気付くだけでも、まとめを上手にすることができ、まとめることも自分たちでやるんだという意識が芽生えてきます。

課題となるのは時間配分です。最初は時間を要しますが、慣れてくると少しずつ短時間でできるようになります。

さらに、振り返り。これを言語化させることで、今日の授業のポイントをつかんでいるかどうかの評価にもなり、きちんとつかんでいる子どもの振り返りを紹介することで、低位の子どもも、授業で何を大切にして考えるのかがわかってきます。「は・か・せ・どん」でまとめるということも有効な手立てです。

振り返りをしっかりさせることで、次の授業で何をするのかという見通しも生まれます。

教師主導でやると時間内にすっきりと終わりますが、子どもたちは受け身になってきます。学習は受け身では身に付きません。一部の得意な子どものための授業であってもダメです。

「一人も見捨てない」ということを目指して、アクティブ・ラーニングを実現することです。こうやって自分なりに文章化することで、来年度への課題も見えてきました。


2017年3月12日日曜日

アクティブ・ラーニングを実現する視点2<対話的学びをさせる>

視点2<対話的学びをさせる>
  ・解決の見通し;見通しについて相談し、クラス全体で解き方を共有
  ・自律的学習力を育む;聴き方、話し方、学び合いの仕方を日常的に指導する。
  ・グループ(ペア、フリー、チーム)学習を取り入れる。(協働力を育む)※ホワイトボードの活用
  ・問題解決後の自発的確かめ合い;解く途中、解いた後に自ら質問したり疑問をクラス全体に提起したりする。


 見通しでも学び合います。どうすればできそうか、何を使えばいいのか、およそいくらになりそうかなど、グループで相談します。今までは、どうしても算数が得意な子どもの考えで授業が進んでいましたが、グループを中心に考えさせると、苦手な子どもでも教えてもらったりすることで理解を深め、自分でもできそうだという自信をもつことにつながります。一人も見捨てない!ということです。
最近の実践では、「チーム学習」という形態をとっています。グループ学習をさらに効率的に行う方法で、グループ学習後にグループ同士で発表し合います。フリートークで質問できるよさがあります。

ここで学びあったことを、それぞれのチームが黒板にわかったこととして書いておきます。説明を聴いて間違ったと思ったら班は、青ペンで直しておきます。そして、発表ではわからなかったことが説明を聴いてわかったことを発表させます。全体の学び合いがすっきりします。これなら石田先生が提唱する「35分+10分」が可能になります。



2017年3月11日土曜日

アクティブ・ラーニングを実現する視点1<問題提示の工夫>

算数指導において、アクティブ・ターニングを実現する視点が石田教授の書籍に載っていましたので、簡単にまとめてみました。(校内の「授業力アップだより」でも紹介しました)

       ☞ 「学び合いの算数授業 アクティブ・ラーニング」石田淳一(明治図書) 参照


視点1<問題提示の工夫>(既習をもとにして「気づき」を出し合う。)
・限定的な問題提示;問いを隠す、数値を与えない(情報を見せない) 
・情報不足(過多)、条件文から問いを作る。
・スモールステップ; 一文ずつ見せる。 
・フラッシュ;一瞬だけ見せる 
・読解;絵、図、式だけの提示 
・間違いを提示する
・生活場面を想定    

※挙手が少ない場合は、20秒間の相談タイムを設ける。

問題提示の場面において、全員に問題を読ませてから、わかっていることは何?求めるのは何?と問うのが一般的ですが、アクティブな学びでは子供たちが自ら発見することを重視します。そのためには、問題提示でも工夫をしなければなりません。私がよくやるのは、情報不足の問題提示です。これでは問題が解けないということに気付かせます。つまり、必要な条件を考えさせるわけです。情報不足であれば、必要な情報は何かを話し合います。ここからすでに学び合いが始まっています。

学び合いの授業というのは、グループ学習でも取り入れてみるかという形式的なことではなく、授業の始まりから最後まで子ども同士に学び合わせるのだという教師自身の意識改革が必要です。
四角形: 角を丸くする: 少しずつ取り組んでみましょう!







               

2017年3月4日土曜日

子どももクラスも変わる学び合い

期末事務に入りましたが、ちょっと一服!いろいろな研修会などで報告してきた資料の最後の文面です。

(ここから)
問題解決型の学習「自力解決,全体解決」という従来の学習スタイルから,「グループ解決,全体解決,自力解決」という学び合い(協働的的な学び)を取り入れることで,協力して問題を解こうという姿が見られるようになった。問題解決型の学習では,見通しを持たせた後,すぐに自力解決させるが,見通しを持てない,または問題の意味を把握できないでいる子供が必ずいる。教師のヒントをひたすら待つ子供からは,算数への意欲や学力の向上は望めない。苦手意識を助長してしまうこともあるだろう。 
しかし,「協働的な学び」を取り入れた学び合いの授業を実践していくと,疑問を自由に質問したり,一人一人が考えを伝えたりしながら,互いに考えを交流し合い,主体的に理解しようという意識が高まる。友達の考えをつないでいこうという習慣が身に付くことで,算数の学び方がわかり,苦手な子供は算数が好きになり,得意な子供はさらにわかりやすい説明をしたがるようになるなどの意欲が高まってきた。
さらに,学び合いでは,教えてもらう場面も多く,「○○さんに聞いてわかった。」という意識が高まり,互いに学び合うことのよさを実感するようになる。そうすると,互いに助け合うという気持ちが芽生え,関わり合うことのよさや友達のよさを感じることができるようになる。クラスの子供同士の人間関係がとてもよくなり,クラスの結びつきが強くなっていく。子供一人一人が意欲的に学び合うことで,みんなで伸びようというよい雰囲気が生まれ,子供たちがどんどん変わっていくことが実感できるようになった。今回の実践では,短時間ではあるが自力解決の場を設けることにより,一人一人が自分なりの考えをもって話し合うことで,さらにグループや全体での学び合いが活発になってきた。

このような学び合いの授業を実践していくと,疑問を自由に質問したり,考えを伝えたりしながら,互いに考えを交流し合い主体的に理解しようという意識が高まってくる。友達の考えをつないでいこうという習慣が身に付くことで,算数の学び方がわかり,意欲がさらに向上していき,子供もクラスも変わっていく姿が実感できる。今後も,思考力・表現力を身に付け,学力を向上させる学び合いを展開していきたい。
(ここまで)
基本的に、子どもたちは学び合いの授業が大好きです。説明したり、聴いたりすることも好きです算数が苦手な子どもはいますが、嫌いな子どもはいません
学び合いは単なる学力の向上ということだけでなく、時代が求める教育の在り方だと考えています。