N先生は、市内でも学び合いの授業推進派で、石田教授のセミナーや公開研に積極的に参加されている先生です。
1 問題提示(方眼にかいた台形)
提示しただけで、反応があるまで黙っています。それは、自ら気づきを言わせるためです。しかも、ほぼ全員挙手できない場合は相談させます。台形であることは容易に出ました。さらに、面積を求めることや、方法まで出されました。
学び合いの授業では、「気づき」「めあて」「見通し」という学習の流れを基本としつつも、気づきが見通しになる場合もあります。
2見通し
さて、台形の求積の方法は、いろいろあります。
○移動法・・・・等積変形
○倍割法・・・・倍積変形(これが一番公式化しやすい)
○分割法・・・・既習の図形に切り、それぞれの面積を求める。
今回の授業でも、この3つの方法が出されました。ネーミングのよさですね。
それぞれの方法を、黒板の前で説明させます。(ん?これでは答えを言っているようなものじゃないの?と思う人もいるでしょう。そんなことはありません。子どもたちは、説明を聴くことによっていろいろと考えを深めています。
3 プチ自力解決(3、4分程度)
グループ学習に入る前に、考えを持たせることもあります。普通の課題解決型の授業では、この自力解決に時間をかけますが、考えが持てない子どもにとっては辛い時間になります。ですから、本の数分間だけの自力解決をしました。もちろん、わからない人は友達にヒントをもらってもいいということです。
4 グループ学習
見通しで出なかった方法で考えているグループがありました。左側に三角形をつけたして、平行四辺形に直しています。(Eチーム)
4年生のときに学習したL字型図形の求積で、あると見て引く方法を覚えている人がたくさんいましたので、「あると見て法」というネーミングになりました。
5 全体の学び合い
全部のグループの考えを一つ一つ発表させません。グループ学習で十分に考えを話し合っているし、黒板に貼ったあと他のグループと学び合っているからです。全部のグループが終わったら、全体の学び合いですが、子どもたちの疑問や意見を中心に進めます。
本時では公式化まではしないで、2時間扱いにしてみました。いろいろな方法について、それぞれの考えのよさを感じさせることができました。三角形や平行四辺形などの求積方法という既習をもとにして、台形でも同じ方法でできるということがわかりました。
よく、
「グループ学習は、自分の考えをつぶされる。」
とか、
「人の考えを聴くだけでは、考える力が身につかない」
という人がいらっしゃいます。
しかし、板書を見てのとおり、多様な考えが出されています。さらに、グループ内はもちろん、グループ同士の交流も見られるなど、自然と学び合いがなされています。まさに必要感のある学び合いです。必要感のある学び合いは、山形県が推奨している「探求型学習」の学びそのものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿