先週、附属小学校の公開授業を拝見致させていただきました。
3・4年複式と6年の算数です。今回は、コメンテーターとして参加しました。4,5人のコメンテーターの先生方のご意見を聞いて、「なるほど」と思うことがたくさんありました。まだまだ私も勉強しなければいけません。
今回の授業のことは事後研で語られましたが、自分なりに一番考えさせられたことは、複式の間接指導のことです。
今回は、3年生のコメンテーターということで、3年生の間接指導を中心に拝見しました。学習のリーダー(ミニティーチャー)が進行して学び合っていました。とても素晴らしい進行の仕方で、4月からの学習訓練の賜物です。
複式の間接指導時には、教師は別の学年に直接指導をしています。つまり、先生はいません。自分たちで学ぶわけです。
この複式指導は、私が新規採用の時に3年間、その後次の学校でも数年間複式学級を担当しました。ほとんど毎日のように学習プリントを準備して授業に臨みました。しかも、2学年分の学習プリントを作るわけですから、教科書と指導書など2学年分を家に持ち帰り、ひたすらプリントづくりに明け暮れた記憶があります。
そんな時、ふと気づいたことがありました。
「自分が作っている学習プリントは、『自習プリント』ではないのか。」
つまり、先生がいなくても、自分でどんどん問題を解き進むことができるプリントをつくっていることに気が付きました。
複式の間接指導では、教師がいないから自分たちだけで学習しなければなりません。しかし、これはデメリットではなく、自分たちで自ら学習を進めるためのチャンスであると思いました。
つまり、学習訓練を積めば、自分たちで学び合うことができるはずです。そう思ってからは、少しずつ自分たちで学び合うことができるように訓練していきました。そしたら、教師がいなくても、どんどん学習を進められるようになってきました。
さすがに数学的な価値に迫る場面では教師の力が必要ですが、その前までの学習ができるようになりました。
複式指導から離れてから、ずっと大規模校勤務が続きました。人数が多くても、すべて直接指導ができる単式学級のよさを噛みしめながら指導してきましたが、今回、久しぶりに複式指導を拝見し、「今の『学び合い』の原点がここにある。」
ということを気付きました。
つまり、条件や問題を提示しただけで、全員に既習との関連から気付きを言わせるとか、友達の考えをつなぐことなどは、複式の間接指導と同じ方向性ではないでしょうか。
というわけで、今回の付属小さんの授業を拝見して、ずっと前の自分が目指していたことが、今も続いていることを実感させていただきました。過去の経験を生かしながら、「学び合い」をさらに充実させていきたいと思いました。
附属小の先生方、そしてコメンテーターの先生方、本当にありがとうございました。
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