本研究会では算数科を中心に、算数学び合いの石田淳一教授(東京家政大学、前横浜国大)のご指導のもと、「協働的な学び合い」の実践研究をしています。さらに、教育実践研究家の菊池省三先生を代表とする「菊池道場山形支部」として、白熱する教室を生み出す学級づくりをして、「主体的・対話的で深い学び」ができる子どもの育成を目指しています。 お問い合わせは、山形県南陽市立赤湯小学校 田井地 清まで vaio0819@yahoo.co.jp
2013年6月2日日曜日
回りくどい授業も必要(長方形の面積より)
5年算数「面積」
たて,横の長さが小数でも,たて×横という公式が使えるのかという授業でした。
たて2.8m,横3.4mという数字での提示。いつものように「気づき」から始めました。そしたら,
「たて×横だから,2.8×3.4になり・・・・」という反応。つまり,小数になっても,たて×横という公式が使えるという前提で考えている子供たち。
問題の図で1cmずつ区切って見せて,
「半端な部分の面積は,どうやって求めるの?」
という発問に対しても,子供たちはいったい先生は何を言っているのだろうという反応。
つまり,子供たちは,4年生の時に学習した面積で,なぜたて×横という公式ができたのかを,しっかりとらえていないということです。1c㎡がたてに何個,横に何個並ぶからたて×横で1c㎡が何個分ならぶかがわかるという学習だったはずなのに,どんな数でも「公式だから」ということで覚えてしまっていました。
「分数でもたて×横?」と聞いたところ,「そうだよ。だってたて×横をすれば面積が出せるから」という反応でした。単位をmmに直し,整数にして計算し単位を換算して求めましたが,どうしてそのままかけ算をしないんだろうと言いたげな子供たちでした。
そういう子供たちに,4年生の面積を想起させ,問題の意味を理解させながら話し合いをさせるという回りくどい授業になってしまいました。しかし,もしこの授業を,「たて×横」を前提に進めるならば,この時間はまったく意味のない,考えることのない授業になってしまいます。公式はとても便利なもの。しかし,どうやってこの公式ができたのかを知らないと,考えることをしないままに進んでしまいます。
小数でもたて×横で面積が求められるのだろうか?
と考えられる5年生にしなければならないと思いました。まわりくどい授業でも,意味のある学習だったと思います。
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