2014年3月23日日曜日

意欲が高まり、学力が上がり、算数が好きになった子供たち

 5年担任としての1年が終了しました。この1年、算数の学び合いを自分なりに頑張っってきました。その成果として、学力が向上したのは、前のブログでも紹介しましたが、お楽しみ会の時に子供たちからいただいた寄せ書きを、家でじっくり読んでみました。

C1 算数の学び合いで平均点数が上がりました。

C2 苦手だった算数が楽しくなってきました。

C3 おかげで算数が楽しくなりました。

C4 私は、算数が苦手だったけど、おかげで分かりやすくてけっこういい点数がとれるようになりました。

C5 わかりやすく算数を教えてくださいました。とくに、算数に力を入れて教えてくださいました。学び合いも楽しかったです。

 
このように、1年間の思い出を中心とした寄せ書きに、算数の学び合いについて書いていた子供が何人もいました。
 
やはり、子供たち自身、学び合いのよさを実感していました。
 
さらに、2,3人の保護者の方から連絡帳でお礼のメッセージがありましたが、以下のような内容でした。
 
「○○は、去年まで算数が苦手でしたが、今年から算数がわかるようになって、好きになったようです。ありがとうございました。」
 
保護者の方々にも、子供が変わったことを実感していただきました。横国大の石田先生の著書に、「クラスが変わる、子供が変わる」という表現がありましたが、まったくその通りです。他のクラスの担任も、「子供がどんどん変わってきた!」と話していました。
 
単なる「伝え合い」から「学び合い」への転換が、今後の研究の中心になっていくと思いました。
 
 
 
 

2014年3月19日水曜日

学び合いで学力アップ実証


 
卒業式も終わり、学年末事務真っ最中。子供たちは春休みですが、まだまだ仕事が続きます。

仕事の合間に、先日の学力テスト(NRT)の結果を、部分的ですが分析してみました。

全学年の算数の平均より4ポイントほど上がりました。CRTですが、前の学校でも、学び合いをしていないクラスと平均が10ポイント以上上だったということを思い出しました。

うちの学校で、他にも学び合いを中心として指導してきた学級がありましたので、どんなものなのか分析をしていただきました。やはりどちらも4ポイントほど上がっていました。

学力を向上させたのは、学び合いによるものかどうかは、もう少し詳しく分析する必要がありますが、学び合いを中心とした授業改善により、確実に学力を向上させるということを実感しています。どうして向上するのかは、次のブログにてアップしてみたいと思います。

横浜国立大学の石田先生によれば、学び合いは確実に学力をアップさせることができるとおっしゃっています。今年も、そのことを実証できました。


 

2014年3月13日木曜日

反転授業の可能性と課題

期末事務も山場を越えました。そろそろ春の足音が聞こえてくる季節です。春が待ち遠しいですね。


さて、本日(3月12日)のニュース23を見ていたら、佐賀の自治体で全小学校が『反転授業』を導入しているというニュースが出ていました。

今までの算数学習で、当たり前とされてきた、「課題解決の授業」⇒「復習」
というスタイルから、『予習』⇒『学び合いの授業』
という、いわゆる反転授業を自治体ずべての小学校で行っているということです。自治体すべてというのが全国初ということです。

全国から教員が授業や講演に足を運んでいて、話題になっているとのこと。

予習に必要なのは、まずはタブレット。(これは金がかかる)ということで、自治体がかなりの予算を投入しているそうです。


予習をした子供たちは、翌日の授業で、話し合いを中心とした授業になるということです。


予習のデータとなる教材開発は、塾などの企業と現場の教員で作り上げているそうです。個人的にやるには、パソコンの知識や技術が必要だし、タブレットという高額なものを一人一人に準備するだけの予算が必要ですね。


最後に、課題としてまとめていました。

 
 
 ニュースの最後に、反転授業の課題として、いくつか挙げていました。
 
「議論をまとめる教師の技量」について
 これは、現在も全国の小学校算数授業の課題です。でも、今までと違うのは、予習を前提とした授業での話し合いをいかに練り上げるかということですね。議論をまとめることについては、先日、東京で行われた新算研での討論会で一番の話題として取り上げられました。この討論会の記事が東洋館出版の「新しい算数研究」(5月号)に特集として掲載されますので、ご覧下さい。
 
「動画を作る教師の負担」について
 まずは、それを作るソフトであるとか知識や技量が必要になり、予習教材にかかり時間は、かなりかかりそうです。しかも、ほとんどの授業分作ることになることから、かなりの負担増です。しかし、佐賀の自治体のように協同で取り組めば、比較的容易になるということでしょう。
 
「家庭や地域による格差」について
やはりタブレットは高額なので、自治体が賛同しなければ予算化できません。ICTのスクプレなどもそうですが、予算化については時間がかかりそうです。
 
もう一つ課題となるのが、現場の教師全員が賛同してくれるかということです。特にベテランの先生方は、過去の素晴らしい実践をたくさん持っています。今回のような、新しい授業を取り入れる時は、佐賀の例のように、みんなでやるという組織的な動きがあった方が、成果として出しやすいかもしれません。
 
このニュースを見てすぐにに思ったことは、今我々が取り組んでいる「学び合い」の考え方とかなり共通点があるということです。授業では、学び合いが中心となるという点です。
 
数か月前、朝日新聞にこれ(タブレットを使った反転授業)と同じ実践が掲載されていました。今回の注目すべき点は、自治体の小学校全てで行っているということです。
 
しかし、莫大な予算が必要なことですので、自治体の理解を得るのは大変なことです。佐賀の取り組みで、学力テストの数値が飛躍的にアップすれば、確実に広がっていくはずです。
 
とりあえず、学び合いはもちろん、予習のさせ方について検討していきたいと考えています。
 
ちなみに、東洋館出版の「新しい算数の授業」の来年度のテーマは、「学び合い」だそうです。