2013年8月31日土曜日

興味関心、算数B問題 全国下回る山形県

 
 
  先日、全国学力テストの結果が公表されました。
 
 相変わらず算数B問題に課題が残ります。やはり、活用力が不足しているという傾向が見られます。
 
 ところで、先日、公開授業のレディネステストを行いました。文章題から立式できるかを知りたかったからです。

dLで板を1.2㎡ぬれるペンキがあります。このペンキ1dLでは、板を何㎡ぬれるでしょう。
 
 

公開研で、整数×分数、整数÷分数を行うので、既習の小数では立式できるのかをテストしました。結果は、正答率が30~40%という結果になりました。3÷1.2という誤答も少なくありませんでした。小数だからイメージできないのだろうかと思い、両方整数にしたところ、正答率がさほど変わりませんでした。むしろ低くなったクラスもありました。FNNの記事(下記参照)では、数量の関係や法則などを式で表すことに、引き続き課題があると指摘しています。これは、全国的な傾向とされています。
対策として、数直線(線分図)や関係図など視覚化できるようにしながら、数量の関係をとらえさせていく必要があります。しかし、数直線(線分図)をかくのが困難な高学年がいます。数直線(線分図)は、低学年から日常的に使えるようにすることです。そして、それぞれの数量の関係を理解させます。関係図という手法も取り上げます。「かけ算」や「わり算」、「□を使った式」、「分数」「整数の性質」「比例」「反比例」「割合」など、ほとんどの算数指導で使える「かけわり図」などというものもあります。このように、図や式で説明させる授業を日常的に仕組んでいくことが大切だと思います。
 
 
学び合いで足場をつくる指導を実施しているクラスでは、アンケートの結果、グループ学習が好きと答えた人はほぼ100%に達しています。理由は、友達の考えをわかるまで聞けるからということでした。やはり、算数がわかれば、さらに数字を変えてみたらどうなるのかや、条件を変えたら・・・などと、発展的に考えてみたくなります。つまり、活用力を身に付けるということです。興味関心も高まります。日常の授業改善が重要です。
 
 
以下【FNN
 
文部科学省は、2013年度の全国学力テストの結果を公表した。都道府県別順位では、秋田県が小学校で6回連続、中学校で2回連続、全国1位となった。
「問題。aメートルの重さがbグラムの針金があります。この針金の1メートルの重さは何グラムですか。abを用いた式で表しなさい」。
これは全国の小中学生を対象に行われた学力テストで、中学3年生に出された問題。今回テストを受けた中学3年生が、3年前、小学6年生だった時に、学力テストで挑んでいた問題。
先ほどの問題とほぼ同じで、abという文字が、84という数字に変わっただけだが、正答率は54.1%だった。
この結果、数量の関係や法則などを式で表すことに、引き続き課題があると考えられるという。
学力テストの都道府県別の順位を見ると、公立小学校では、秋田県が6回連続でトップになった。
文部科学省によると、今回初めて、全国平均との差が、マイナス5ポイントを超える都道府県が、全教科でなくなった。
公立中学校でも、秋田県が2回連続でトップになった。
福井県や石川県も、小中学校ともに2位、3位となっている。
教育現場に秘密はあるのだろうか。
広島・三次市の小学校から参加した、高野 加奈子教諭は「(秋田県の)学力がトップということで、わたし自身も、子どもたちにどのように学力をつけておられるのかということに、すごく興味を持って、こちらに来させていただいたんですけれども」と話した。
2013
4月、教職員の人事交流で、広島から秋田にやって来た高野さん。
秋田市内の小学校で、3年生の担任をしているが、最初に感じたのは、バックアップ体制の違いだという。
高野教諭は「授業の準備、(担任が)子どもたちに向き合う時間をすごく大事にできる、そういう体制が、すごく整っているなというふうに感じます」と話した。
秋田県で塾に通っている子どもの割合は、小学6年生で22.8%
全国最下位という意外な結果も出ており、学力向上を図るうえで、参考になるとみられる。
 
 

2013年8月15日木曜日

教員チャリダー東京へ行く! 辛く贅沢な旅

久しぶりのアップになります。算数とは無関係ですが、個人的な旅のブログをアップしたいと思います。去年に引き続き、自転車で旅をしたいと思いました。去年は北上したので、今年は南下しようと思い、おおざっぱな計画のもと、関東方面に出かけました。
 
8月5日(月)曇り後ゲリラ豪雨
 
いよいよ出発。野宿中心の旅なので、寝袋やテントなどを積んで行きました。かなりの重量です。この重さで峠道を上るのは、とても大変なことです。でも、自分の力だけでどこまで行けるかということが、自転車の旅の面白さです。さらに、自転車の旅でしか見えない、感じられないものがあります。それを求めて旅立つわけです。       
 
まずは、米沢の道の駅で一息。車やバイクならこんなところで休憩しませんが、自転車は道の駅があると必ず休憩してしまいます。とてもありがたい場所です。 
 
大峠のトンネルは、約4キロもあります。しかも自転車が安全に走れる側道がありません。大型トラックが通るたびに、風圧と爆音でビビりますが、出発したばかりなので、まずは張り切って進みました。
 
 
 
喜多方でラーメンを食べてからひた走りに走って、猪苗代湖が見えるところまで来て休憩。雲行きが怪しいので、すぐに出発。今日は、郡山あたりまで行けるだろうかと考えながら走る。
 
 
夕方、ぽつぽつと雨が降ってきたので、カッパを着て走っていると、雨がどんどん激しくなったので、歩道橋下に避難。ゲリラ豪雨。歩道橋下なので一応は雨はしのげましたが、足元がどんどん川になってきました。テントを張ることもできず、やや小雨になったのを合図に出発。
 
郡山まで行けるだろうか?でも、行けなかったとしてもこの豪雨で野宿できそうなところはない。走っていると、雨はどんどん激しくなり、顔にシャワーをかけているような雨。目が見えない。口も開けられないぐらい激しくなり、道路も冠水してきました。自転車の車輪が半分まで水没した時、そばを走っていた車2台のバンパーが外れてしまいました。スピードを出して冠水した道路に突っ込んだからです。でも、そんなことを気にしている場合ではありませんでした。気力で暗い土砂降りの道を走り、夜の10時ごろ郡山着。かなりのオーバーラン。豪雨だったので、ホテル泊にしました。ホテルの部屋に着くと、カッパを着ていたのに服がびしょ濡れ。寝袋なども濡れていたので、部屋中に広げて乾かして寝ました。
 
8月6日(火)2日目曇りのちゲリラ豪雨
 
 朝は、昨日の豪雨がうそのように穏やかな天気でした。晴れてはいませんが、とても走りやすい天気です。国道4号線を南下していくと、栃木県の文字。こういうのが見えると、疲れが吹き飛びます。
 
「こいでいれば必ず着く」
これが自転車の旅です。足取りも軽くなり、もしかしたら宇都宮まで行けるのではないだろうかと思いました。
 
 
 
しかし、そう甘くはありません。再び豪雨。今回はそれを察して、すぐに歩道橋下へ。ほとんど濡れずに済みました。たまたま宇都宮に出張で来ていた教え子が、宇都宮はすごい豪雨だよという情報をくれました。ということは、今日はここでテントを張ることにしようと思いました。歩道橋下は、昨日と違い、川になることはなく安全です。安全なのはいいのですが、国道4号線ということで、一晩中トラックの轟音が鳴り響きました。耳にティッシュペーパーを突っ込んで寝ました。
 
 
 
8月7日(水)晴れ
騒音により、4時前に起床。すぐに出発。天気予報では今日から晴れ。朝の涼しい時間に距離を稼ごうと思い、飛ばしました。
 
 矢板市やさくら市の道路は、とても走りやすかった。トラックもまばらだし、朝の小鳥のさえずりとともに走りました。朝の空気は、とても気持ちいい。自転車の旅のよいところでもあります。
 
 
 この旅で役に立ったもの。ソーラー充電器です。炎天下では、結構発電してくれました。おかげで、スマホの充電に役立ちました。
 
 
 
炎天下。ペットボトル何本飲んだろう。日影で休憩しました。でも、休憩した理由はもう一つ。右足の膝の痛みがありました。こぐたびに痛みが・・・。
 
実は、ひそかに富士山5合目まで行きたいと思っていました。ゲリラ豪雨や足の痛みで、行けそうにありません。盆までには帰らないといけないし・・・・そんなことを考えながらゆっくりと走り続けました。
 
とりあえず、学生時代にすごしたさいたま市(大宮駅)まで行こうと決めました。すさまじい暑さの中、足の痛みとともにペダルを回しました。
 

 4号線の刻々と変化する自転車道。埼玉県に入ったあたりから、自転車はおろか歩行者まで歩けないような道になりました。国土交通省なのか自治体なのかわかりませんが、この写真を見られましたら、歩けるようにしていただきたいと思います。よろしくお願いします。というより、ここを利用する人は、もしかしたらいないのかもしれません。
 
 
 
やっと着いた!大宮駅。人混みの中を自転車を引いて歩きました。ここでは、学生時代、アルバイトをして学費をかせいだ思い出があります。懐かしいと思っていたら、フェイスブックを見ていた学生時代の後輩がいました。連絡がつき、本拠地であった北浦和で懇親。若いころの記憶がよみがえりました。自転車で来たから会えたのかな。
 
 
 
8月8日(木)晴れ
 
大宮からさほど遠くない場所に母校の埼玉大学があります。この辺は土地勘があり、地図なしで来れました。とりあえず、正門に来て写真を撮りました。
 
 新しい建物ができていたこともありましたが、基本的に、昔学んだ校舎がそのままでした。ゆっくりと構内を回りました。
 
 
そうじをしていたおばちゃんに話しかけました。山形から自転車で来たことに驚いていました。今、自分が教員として仕事をしていますが、あの時教員になることを夢にして頑張っていた自分を思い出しました。2学期から、この時を気持ちを思い出しながらがんばろうと思いました。
 
 大宮バイパスを南下すれば、いよいよ東京です。足の痛みなどの理由により、行先を東京にしていました。一番東京らしいところはどこだろう?東京駅?スカイツリー?ま、どこでもいい。とにかく東京に来たと自覚できるところにしました。板橋区に入った地点で、「やっと東京きたぞーーーー」と感動を覚えました。
 
 スカイツリーが見えるところまで来たら、なんと浅草寺の脇を通ることに気づき、ここで一休みすることになりましたが、外国人など観光客でいっぱいの浅草寺境内は、とても私のようなチャリダーがいる場所ではありませんでした。数分後にはスカイツリーを目指しました。
 
 
このアングルが今回の旅で一番気に入っています。東京に来たという雰囲気が出ていますよね。
この川を渡ると目の前です。
 
目的地到着。誰かに写真を撮ってもらおうかと思いましたが、アングル的に無理なので、自分撮りしました。日焼けして、さらにひげも伸びていた顔ですみません。
 
東京都内には野宿する場所が少ないと思い、スカイツリーを後にして、すぐに出発。再び4号線を走りました。都内の道路では、自転車は走りづらいです。なぜなら、ほとんど歩道を走るし、車道はとても危険です。
 
 夕方、春日部に入りました。ここは、自分が大学を卒業して最初に勤務した場所です。大学の次に懐かしい所です。しかし、目指すは道の駅「庄和」。芝生の上にテントを張り、ゆっくり寝ることができました。
 
 
8月9日(金)晴れ
 
なぜか2時30分に目が覚めました。気持ちが高ぶっていて眠れません。
「もう走るか」
そう思い、3時30分には走り出しました。
まだ暗い夜道ですが、涼しくてとても気持ちがいい。 道路も、自転車専用でとても走りやすい。
 
 
道路脇の田んぼの香りも素晴らしい。車だとこういうのを味わうことができないですね。自転車の旅のいいところですね。
 
  
 上京するときに急いでいてできなかったことがありました。
 
 宇都宮の餃子です。駅前でうろうろしていると、婦警さんから「どうしました?」と聞かれたので、餃子を食べにきたことを伝えると、交番にパンフレットが置いてありました。「みんみん」という店が目の前にあったので、食べていきまた。
 
 
 今日泊まるところは温泉がいいなと思い、温泉付きの道の駅を探しました。4号線からは大きく離れていましたが、「きつれがわ」という道の駅を選びました。サウナつきの温泉で、一番よかったのは水風呂でした。火照った身体には最高でした。
 
 
8月10日(土)
この日も4時すぎには出発しました。途中、コンビニで食事をしていたら、目の前に新幹線の高架橋がありました。これに乗れば、1時間半ぐらいで米沢に着くんだなあとしみじみ思いました。私の足だと、あと2日はかかります。「よし、がんばるぞ」
 
 
走っていると、「こんにちは」の声とともに追い越していく若者。一緒に休憩をさせていただきました。東京から北海道に行くのだそうです。「うらやましいー」彼らは、2時に東京を出てきたそうです。若者に負けてはいられません。元気をいただきました。
 
 
 
 
自転車で走っていると、車からは見えないものがたくさんあります。道路脇から湧き水が!思わず水浴びをしました。とても冷たくて気持ちよかった!
 
 
なぜか関東にはこのような落書きがたくさんありました。昔の落書きは、デタラメなものがほとんどでしたが、なんか芸術的ですね。どんな人が書いているんでしょうか。
 
郡山到着。せっかくなので駅前に繰り出し、居酒屋へ。カウンターで飲んでいた人とご一緒させていただきました。
 
その方から郡山にはギネス級のものがあるとお聞きしました。それは、世界一高いところにあるプラネタリウムがあるということだそうです。郡山のことなど、いろいろな話をしました。その方もフェイスブックをやっているということで、いまやフェイスブックは名刺代わりですね。
 
 
 
8月11日(日)
郡山発。昨日の話に出ていたプラネタリウムのある高いビル。駅前にそびえ立っていました。朝6時に出発し、国道4号線に出て北上です。朝の空気は、とても気持ちいい。さて、今日は家まで帰れるか!
 
炎天下でしたが、猛暑にも身体が慣れてきたせいか、距離をかせぐことができました。しかし、やはり早起きをしたせいでぐったりしてきたので、コンビニの裏の日蔭で寝っ転がって寝てしまいました。
 
9時ごろなのに、もう暑い。福島市の手前で休憩。サッカー場より広いぐらいの駐車場。すごいスーパーがあるんですね。ここでは何でも売っているそうです。
 
福島にドライブに行くと立ち寄る店があります。ここの味噌おにぎりがとてもおいしいので、栗子峠を越える前にエネルギー補給。お店のおじさんに、味噌汁をいただきました。おじさんは、旅人に話しかける優しい東北人です。(東京では、話しかけてくる人はいませんでした)

いよいよ峠越え。国道に売店があり、桃をいただきました。この店には、ちょうど1年前、東北一周の旅の1日目に立ち寄り、桃をいただいたお店です。味噌おにぎりと桃のパワーで何とかいけそうな気がしてきました。
 
 

 道路脇のひまわり畑。道路の下にあるので、車からは見えない場所にありました。自転車でなければ見れないものがたくさんあります。心癒されました。
 
 自転車からしか見えないものに、道路脇のごみがあります。こういう光景を何度も見ました。拾っていきたいところですが、自転車では無理です。自分の車をきれいにしておきたいから、こういうことをするのだろうと思いました。同じ日本人として、とても残念に思いました。でも、自分のことしか考えない人は、いずれ自分にふりかかってくると思います。かわいそうな人たちです。
 
もっとも緊張する場面。栗子峠には、西と東、2つの長いトンネルがあります。もちろん、自転車専用路側帯はありません。
 
 いつになるかわかりませんが、高規格道路ができます。これができると、福島米沢間が、20分ぐらい短縮になるとか。そうなると下の道はどうなるのでしょうか。自転車も入れるように作っていただきたいです。
 
 
 米沢市に入りました。「帰ってきたぞー」と思うのはまだ早い。栗子スキー場の登り坂をクリアしないと帰れません。最後の力を振り絞り、やっと最後のトンネルとを抜け、あとはずっと下り坂。ややスピード違反のような気もしましたが、途中でメーターが壊れてしまい、何キロ出ているかわかりません。風を切りながら走っていると、今までの苦労が吹き飛びます。
 
家に帰る前に、麺や貴伝でラーメンを食べました。閉店ギリギリセーフ。ここのラーメンを食べたくてがんばって帰りました。 五臓六腑にしみわたる味。生き返りました。
 
家に到着。約800キロも頑張ってくれた自転車。パンクひとつせずに旅を終えました。「ありがとう」
 
去年の東北の旅より、200キロぐらい短いので、今回は普通に歩けました(笑)
 
今回の旅は、東北とは違い、歩道を乗る技術が必要でした。逆走してくるママチャリダーにはびっくり。歩道と車道の段差でお尻が痛くなったりもしました。ゲリラ豪雨や炎天下も辛いことの一つです。でも、辛いからこそやる意味があります。辛いことから、たくさん学ぶことがあります。お金では買えません。
 
2日目あたりからの右足の痛みがあった時、「ありがとうは魔法の言葉」を思い出しました。クラスの子供たちに、
「困ったこと、辛いことがあった時こそ『ありがとう』を言いましょう。」
と言ってきました。それを実行するのは今だと思い、声に出して、
「膝の痛みにありがとう。一緒に旅しよう!」
と、何度も言いながらペダルをこぎました。そしたら、帰り道には痛みが消えていました。やっぱりありがとうは魔法の言葉です。病気や怪我と戦うのではなく、友達になることです。友達になれば、とても楽になれるし、治りも早いということです。とてもよいことを学びました。
 
朝の小鳥のさえずり。稲の香り。湧き水。人とのふれあい。達成感。冷たい水のおいしさ。昔懐かしいものの発見。感謝の心。感動・・・数えきれません。こんな贅沢な旅があるでしょうか。
 
辛いけれど贅沢な旅。そんな旅をさせていただいた家族や職場の方々に感謝します。最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。