本研究会では算数科を中心に、算数学び合いの石田淳一教授(東京家政大学、前横浜国大)のご指導のもと、「協働的な学び合い」の実践研究をしています。さらに、教育実践研究家の菊池省三先生を代表とする「菊池道場山形支部」として、白熱する教室を生み出す学級づくりをして、「主体的・対話的で深い学び」ができる子どもの育成を目指しています。 お問い合わせは、山形県南陽市立赤湯小学校 田井地 清まで vaio0819@yahoo.co.jp
2011年2月18日金曜日
分数の足場を小数で
今日は、4年の同分母分数のたし算の授業でした。
1年前、京都からわざわざ山形まで来て、師範授業をしていただいた先生がいました。その先生も、足場の実践をなさっている方で、我々とはちがってかなり深い考えで実践しているということが、授業を拝見させていただいてわかりました。ちょうどその先生がやったところと同じ授業だったので、足場を使ってやってみることになりました。そして、職場の先生方にも見ていただきました。(コメントください!)
同分母分数のたし算では、今までの経験上、必ず分母も足してしまうという誤答をいかに崩すかという流れだったような気がします。
しかし、足場を使った授業では、分母を足すという考えは出てきません。今回の授業では、既習である「小数」の足し算を足場にしました。0.2+0.3=0.5という小数の足し算を説明させます。
0.2は0.1が2こ分、0.3は0.1が3こ分
0.2+0.3は0.1が(2+3)こ分なので、0.5
という流れでした。当然、簡単に出ました。
そして、1/5+2/5という問題。これをみんなで考えました。小数の考えを足場にして、スムーズに答えが出て、説明も簡単にできました。もちろん、分母を足す考えの子供は、一人もいません。
次に、同分母分数のひき算を自力解決させました。教科書では、次時での扱いです。どうして、本時で扱ったか。それは、小数でも分数でも整数の考え方を用いれば、かんたんに計算できるということが理解できれは、あとは引き算も同じという考えからです。
案の定、引き算を自力でやったのですが、ほとんど全員が説明つきで簡単に計算できました。(足場の力だな・・)
子供たちのつぶやきから、いろいろなことが出されました。
「分子だけたして、分母は足さないんだよ。」
子供たちの声から、こういうことが自然に出るというのは、やはり効率的に考えられたからではないでしょうか。
分母を足した誤答を崩すために、図などを用いて説明していく授業と、小数を足場にして分数も同じようにできるという授業は、いったいどんな違いがあるのでしょうか。
今回の授業では、数の共通性に目を向けた類推的・帰納的思考をさせるのに有効であるということです。類推的・帰納的思考は、数学的な考え方を育てるのに重要な要素になります。
分母を足す誤答を出させることで、思考を促すという考えもあると思いますが、数の共通性を見出し、足し算でも引き算でも同じという数の広がりを学ばせる絶好のチャンスだったわけです。さらには、かけ算や割り算をやってみたいという子供たちからの声!発展的な学習にもつながるということなのですね。
授業をご覧いただいた先生は、3年の担任の先生です。後日、同じところをやるということで、3年生での成果を楽しみにしています。
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1 件のコメント:
二戸部(@宮内小3年)です。
今回は、参観させていただきありがとうございました。
率直な感想として、分母を足すという誤答が全く生まれなかったことに驚きました。
私が小学校時代に受けた授業の中で、唯一覚えているのが、当時、五年生で習った「分数の足し算」です。
「解き方を見つけるまで休み無しだ」と言われ、泣きそうになりながら考えたのを鮮明に覚えています。分母同士を足さない事に違和感を覚え、「なんて意味の分からない勉強だろう」とイライラした記憶があります。
「足場の考えを据える」「解き方について説明をする」という一貫した取り組みが、子ども達に対して見事に「(学びの)安心感」を与えるとともに、それが、苦手な子どもまでもターゲットとして、意欲を高めていたなと感じます。
たいち先生の投稿によれば、類推的な思考が鍛えられるとありますが、「足場」の考え方について、もう少し理論的な背景を学んでみたいと感じているところです。
来週には、今回の範囲を授業で扱います。さっそく「3年生ではどのようになるか」チャレンジしたいと思います。
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