コロナ禍ではありますが、徐々に本来の学び合いの姿に戻っています。
さて、4年算数「倍の見方」の単元で、何倍になるかという問題を通して、簡単な割合に関する考え方を身に付けるのがねらいです。
<問題>
どちらの包帯がよく伸びるでしょう。
A の包帯;30cmが60cm
B の包帯;15cmが45cm
これはおもしろい問題です。なぜなら、伸びた長さが同じなので、同じだという見方があるからです。当然、下のようなグループがありました。
「よく伸びる」ということが、伸びた長さが同じ場合は、伸び方が同じととらえています。これは、低学年から学習した、「ひき算」の感覚ですね。
次の3班は、何倍になっているかという割合の考え方です。
8グループのうち、2つのグループがひき算の考え方、つまり伸びた長さで比べていました。3つのグループが、3班と同じように何倍になったかという割合の考え方でした。そして、2つのグループは、
というように、2つの考え方があり、どちらが正しいのかというグループ学習をしたのですが、結論が出なかったというのです。なので、グループ学習の時に、2つの考え方を書いていいよと言っていました。
今までの学年でグループ学習をした時は、算数が得意な子どもの意見に左右されるという傾向がありましたが、このように2つの考え方をしっかりと示すということも、大切にしたいと思いました。
伸びる長さで比べるか、何倍になったかで比べるのか、どちらが正しいのかを話し合っていると、あるグループが次のような考え方をしていました。
もし同じ長さだったらということで、もとの長さを同じにするという考えです。ホワイトボードが未完成だったので、このグループの考えを赤で補いながら説明させました。
片方の数値を揃えて比べるという新しい方法です。この考えに、差で考えていた子どもたちから、「なるほど」という声が上がりました。高学年の割合の学習で、片方を比べて考えるという方法から、もとの数を1とするとどれだけになるか、つまりわり算をすれば良いという割合の考え方になるわけです。
こういう考え方が出されれば理解できるのですが、出されない場合はどうするか。3つ考えられます。1つは、教師自らこの考えを提示するということ、2つ目は、グループ学習の時に、「もとの数を揃えたらどうなるかな?」という問いをヒントにするということです。3つ目は、見通しでこの問いを投げかけて、考え方の一つにするということです。このように、どんな学び合いにしたいかという教師の意図が必要となります。